聖書 新共同訳 新約聖書

エフェソの信しん徒とへの手て紙がみ

挨あい拶さつ

1

1神かみの御み心こころによってキリスト・イエスの使し徒ととされたパウロから、エフェソにいる聖せいなる者ものたち、キリスト・イエスを信しんずる人ひとたちへ。2わたしたちの父ちちである神かみと主しゅイエス・キリストからの恵めぐみと平へい和わが、あなたがたにあるように。

神かみの恵めぐみはキリストにおいて満みちあふれる

3わたしたちの主しゅイエス・キリストの父ちちである神かみは、ほめたたえられますように。神かみは、わたしたちをキリストにおいて、天てんのあらゆる霊れい的てきな祝しゅく福ふくで満みたしてくださいました。4天てん地ち創そう造ぞうの前まえに、神かみはわたしたちを愛あいして、御ご自じ分ぶんの前まえで聖せいなる者もの、汚けがれのない者ものにしようと、キリストにおいてお選えらびになりました。5イエス・キリストによって神かみの子こにしようと、御み心こころのままに前まえもってお定さだめになったのです。6神かみがその愛あいする御み子こによって与あたえてくださった輝かがやかしい恵めぐみを、わたしたちがたたえるためです。7わたしたちはこの御み子こにおいて、その血ちによって贖あがなわれ、罪つみを赦ゆるされました。これは、神かみの豊ゆたかな恵めぐみによるものです。8神かみはこの恵めぐみをわたしたちの上うえにあふれさせ、すべての知ち恵えと理り解かいとを与あたえて、9秘ひめられた計けい画かくをわたしたちに知しらせてくださいました。これは、前まえもってキリストにおいてお決きめになった神かみの御み心こころによるものです。10こうして、時ときが満みちるに及およんで、救すくいの業わざが完かん成せいされ、あらゆるものが、頭かしらであるキリストのもとに一つにまとめられます。天てんにあるものも地ちにあるものもキリストのもとに一つにまとめられるのです。11キリストにおいてわたしたちは、御み心こころのままにすべてのことを行おこなわれる方かたの御ご計けい画かくによって前まえもって定さだめられ、約やく束そくされたものの相そう続ぞく者しゃとされました。12それは、以い前ぜんからキリストに希き望ぼうを置おいていたわたしたちが、神かみの栄えい光こうをたたえるためです。13あなたがたもまた、キリストにおいて、真しん理りの言こと葉ば、救すくいをもたらす福ふく音いんを聞きき、そして信しんじて、約やく束そくされた聖せい霊れいで証しょう印いんを押おされたのです。14この聖せい霊れいは、わたしたちが御み国くにを受うけ継つぐための保ほ証しょうであり、こうして、わたしたちは贖あがなわれて神かみのものとなり、神かみの栄えい光こうをたたえることになるのです。

パウロの祈いのり

15こういうわけで、わたしも、あなたがたが主しゅイエスを信しんじ、すべての聖せいなる者ものたちを愛あいしていることを聞きき、16祈いのりの度たびに、あなたがたのことを思おもい起おこし、絶たえず感かん謝しゃしています。17どうか、わたしたちの主しゅイエス・キリストの神かみ、栄えい光こうの源みなもとである御おん父ちちが、あなたがたに知ち恵えと啓けい示じとの霊れいを与あたえ、神かみを深ふかく知しることができるようにし、18心こころの目めを開ひらいてくださるように。そして、神かみの招まねきによってどのような希き望ぼうが与あたえられているか、聖せいなる者ものたちの受うけ継つぐものがどれほど豊ゆたかな栄えい光こうに輝かがやいているか悟さとらせてくださるように。19また、わたしたち信しん仰こう者しゃに対たいして絶ぜつ大だいな働はたらきをなさる神かみの力ちからが、どれほど大おおきなものであるか、悟さとらせてくださるように。20神かみは、この力ちからをキリストに働はたらかせて、キリストを死し者しゃの中なかから復ふっ活かつさせ、天てんにおいて御ご自じ分ぶんの右みぎの座ざに着つかせ、21すべての支し配はい、権けん威い、勢せい力りょく、主しゅ権けんの上うえに置おき、今いまの世よばかりでなく、来きたるべき世よにも唱となえられるあらゆる名なの上うえに置おかれました。22神かみはまた、すべてのものをキリストの足あしもとに従したがわせ、キリストをすべてのものの上うえにある頭かしらとして教きょう会かいにお与あたえになりました。23教きょう会かいはキリストの体からだであり、すべてにおいてすべてを満みたしている方かたの満みちておられる場ばです。

死しから命いのちへ

2

1さて、あなたがたは、以い前ぜんは自じ分ぶんの過あやまちと罪つみのために死しんでいたのです。2この世よを支し配はいする者もの、かの空くう中ちゅうに勢せい力りょくを持もつ者もの、すなわち、不ふ従じゅう順じゅんな者ものたちの内うちに今いまも働はたらく霊れいに従したがい、過あやまちと罪つみを犯おかして歩あゆんでいました。3わたしたちも皆みな、こういう者ものたちの中なかにいて、以い前ぜんは肉にくの欲よく望ぼうの赴おもむくままに生せい活かつし、肉にくや心こころの欲ほっするままに行こう動どうしていたのであり、ほかの人ひと々びとと同おなじように、生うまれながら神かみの怒いかりを受うけるべき者ものでした。4しかし、憐あわれみ豊ゆたかな神かみは、わたしたちをこの上うえなく愛あいしてくださり、その愛あいによって、5罪つみのために死しんでいたわたしたちをキリストと共ともに生いかし、──あなたがたの救すくわれたのは恵めぐみによるのです──6キリスト・イエスによって共ともに復ふっ活かつさせ、共ともに天てんの王おう座ざに着つかせてくださいました。7こうして、神かみは、キリスト・イエスにおいてわたしたちにお示しめしになった慈いつくしみにより、その限かぎりなく豊ゆたかな恵めぐみを、来きたるべき世よに現あらわそうとされたのです。8事じ実じつ、あなたがたは、恵めぐみにより、信しん仰こうによって救すくわれました。このことは、自みずからの力ちからによるのではなく、神かみの賜たま物ものです。9行おこないによるのではありません。それは、だれも誇ほこることがないためなのです。10なぜなら、わたしたちは神かみに造つくられたものであり、しかも、神かみが前まえもって準じゅん備びしてくださった善よい業わざのために、キリスト・イエスにおいて造つくられたからです。わたしたちは、その善よい業わざを行おこなって歩あゆむのです。

キリストにおいて一つとなる

11だから、心こころに留とめておきなさい。あなたがたは以い前ぜんには肉にくによれば異い邦ほう人じんであり、いわゆる手てによる割かつ礼れいを身みに受うけている人ひと々びとからは、割かつ礼れいのない者ものと呼よばれていました。12また、そのころは、キリストとかかわりなく、イスラエルの民たみに属ぞくさず、約やく束そくを含ふくむ契けい約やくと関かん係けいなく、この世よの中なかで希き望ぼうを持もたず、神かみを知しらずに生いきていました。13しかしあなたがたは、以い前ぜんは遠とおく離はなれていたが、今いまや、キリスト・イエスにおいて、キリストの血ちによって近ちかい者ものとなったのです。

14実じつに、キリストはわたしたちの平へい和わであります。二つのものを一つにし、御ご自じ分ぶんの肉にくにおいて敵てき意いという隔へだての壁かべを取とり壊こわし、15規き則そくと戒かい律りつずくめの律りっ法ぽうを廃はい棄きされました。こうしてキリストは、双そう方ほうを御ご自じ分ぶんにおいて一ひと人りの新あたらしい人ひとに造つくり上あげて平へい和わを実じつ現げんし、16十じゅう字じ架かを通とおして、両りょう者しゃを一つの体からだとして神かみと和わ解かいさせ、十じゅう字じ架かによって敵てき意いを滅ほろぼされました。17キリストはおいでになり、遠とおく離はなれているあなたがたにも、また、近ちかくにいる人ひと々びとにも、平へい和わの福ふく音いんを告つげ知しらせられました。18それで、このキリストによってわたしたち両りょう方ほうの者ものが一つの霊れいに結むすばれて、御おん父ちちに近ちかづくことができるのです。19従したがって、あなたがたはもはや、外がい国こく人じんでも寄き留りゅう者しゃでもなく、聖せいなる民たみに属ぞくする者もの、神かみの家か族ぞくであり、20使し徒とや預よ言げん者しゃという土ど台だいの上うえに建たてられています。そのかなめ石いしはキリスト・イエス御ご自じ身しんであり、21キリストにおいて、この建たて物もの全ぜん体たいは組くみ合あわされて成せい長ちょうし、主しゅにおける聖せいなる神しん殿でんとなります。22キリストにおいて、あなたがたも共ともに建たてられ、霊れいの働はたらきによって神かみの住すまいとなるのです。

異い邦ほう人じんのためのパウロの働はたらき

3

1こういうわけで、あなたがた異い邦ほう人じんのためにキリスト・イエスの囚しゅう人じんとなっているわたしパウロは……。2あなたがたのために神かみがわたしに恵めぐみをお与あたえになった次し第だいについて、あなたがたは聞きいたにちがいありません。3初はじめに手て短みじかに書かいたように、秘ひめられた計けい画かくが啓けい示じによってわたしに知しらされました。4あなたがたは、それを読よめば、キリストによって実じつ現げんされるこの計けい画かくを、わたしがどのように理り解かいしているかが分わかると思おもいます。5この計けい画かくは、キリスト以い前ぜんの時じ代だいには人ひとの子こらに知しらされていませんでしたが、今いまや〝霊れい〟によって、キリストの聖せいなる使し徒とたちや預よ言げん者しゃたちに啓けい示じされました。6すなわち、異い邦ほう人じんが福ふく音いんによってキリスト・イエスにおいて、約やく束そくされたものをわたしたちと一いっ緒しょに受うけ継つぐ者もの、同おなじ体からだに属ぞくする者もの、同おなじ約やく束そくにあずかる者ものとなるということです。7神かみは、その力ちからを働はたらかせてわたしに恵めぐみを賜たまわり、この福ふく音いんに仕つかえる者ものとしてくださいました。8この恵めぐみは、聖せいなる者ものたちすべての中なかで最もっともつまらない者ものであるわたしに与あたえられました。わたしは、この恵めぐみにより、キリストの計はかり知しれない富とみについて、異い邦ほう人じんに福ふく音いんを告つげ知しらせており、9すべてのものをお造つくりになった神かみの内うちに世よの初はじめから隠かくされていた秘ひめられた計けい画かくが、どのように実じつ現げんされるのかを、すべての人ひと々びとに説とき明あかしています。10こうして、いろいろの働はたらきをする神かみの知ち恵えは、今いまや教きょう会かいによって、天てん上じょうの支し配はいや権けん威いに知しらされるようになったのですが、11これは、神かみがわたしたちの主しゅキリスト・イエスによって実じつ現げんされた永えい遠えんの計けい画かくに沿そうものです。12わたしたちは主しゅキリストに結むすばれており、キリストに対たいする信しん仰こうにより、確かく信しんをもって、大だい胆たんに神かみに近ちかづくことができます。13だから、あなたがたのためにわたしが受うけている苦く難なんを見みて、落らく胆たんしないでください。この苦く難なんはあなたがたの栄えい光こうなのです。

キリストの愛あいを知しる

14こういうわけで、わたしは御おん父ちちの前まえにひざまずいて祈いのります。15御おん父ちちから、天てんと地ちにあるすべての家か族ぞくがその名なを与あたえられています。16どうか、御おん父ちちが、その豊ゆたかな栄えい光こうに従したがい、その霊れいにより、力ちからをもってあなたがたの内うちなる人ひとを強つよめて、17信しん仰こうによってあなたがたの心こころの内うちにキリストを住すまわせ、あなたがたを愛あいに根ねざし、愛あいにしっかりと立たつ者ものとしてくださるように。18また、あなたがたがすべての聖せいなる者ものたちと共ともに、キリストの愛あいの広ひろさ、長ながさ、高たかさ、深ふかさがどれほどであるかを理り解かいし、19人ひとの知ち識しきをはるかに超こえるこの愛あいを知しるようになり、そしてついには、神かみの満みちあふれる豊ゆたかさのすべてにあずかり、それによって満みたされるように。

20わたしたちの内うちに働はたらく御み力ちからによって、わたしたちが求もとめたり、思おもったりすることすべてを、はるかに超こえてかなえることのおできになる方かたに、21教きょう会かいにより、また、キリスト・イエスによって、栄えい光こうが世よ々よ限かぎりなくありますように、アーメン。

キリストの体からだは一つ

4

1そこで、主しゅに結むすばれて囚しゅう人じんとなっているわたしはあなたがたに勧すすめます。神かみから招まねかれたのですから、その招まねきにふさわしく歩あゆみ、2一いっ切さい高たかぶることなく、柔にゅう和わで、寛かん容ようの心こころを持もちなさい。愛あいをもって互たがいに忍にん耐たいし、3平へい和わのきずなで結むすばれて、霊れいによる一いっ致ちを保たもつように努つとめなさい。4体からだは一つ、霊れいは一つです。それは、あなたがたが、一つの希き望ぼうにあずかるようにと招まねかれているのと同おなじです。5主しゅは一ひと人り、信しん仰こうは一つ、洗礼〔バプテスマ〕は一つ、6すべてのものの父ちちである神かみは唯ゆい一いつであって、すべてのものの上うえにあり、すべてのものを通とおして働はたらき、すべてのものの内うちにおられます。

7しかし、わたしたち一ひと人り一ひと人りに、キリストの賜たま物もののはかりに従したがって、恵めぐみが与あたえられています。8そこで、

「高たかい所ところに昇のぼるとき、捕とらわれ人びとを連つれて行いき、

人ひと々びとに賜たま物ものを分わけ与あたえられた」

と言いわれています。

9「昇のぼった」というのですから、低ひくい所ところ、地ち上じょうに降おりておられたのではないでしょうか。10この降おりて来こられた方かたが、すべてのものを満みたすために、もろもろの天てんよりも更さらに高たかく昇のぼられたのです。11そして、ある人ひとを使し徒と、ある人ひとを預よ言げん者しゃ、ある人ひとを福ふく音いん宣せん教きょう者しゃ、ある人ひとを牧ぼく者しゃ、教きょう師しとされたのです。12こうして、聖せいなる者ものたちは奉ほう仕しの業わざに適てきした者ものとされ、キリストの体からだを造つくり上あげてゆき、13ついには、わたしたちは皆みな、神かみの子こに対たいする信しん仰こうと知ち識しきにおいて一つのものとなり、成せい熟じゅくした人にん間げんになり、キリストの満みちあふれる豊ゆたかさになるまで成せい長ちょうするのです。14こうして、わたしたちは、もはや未み熟じゅくな者ものではなくなり、人ひと々びとを誤あやまりに導みちびこうとする悪わる賢がしこい人にん間げんの、風かぜのように変かわりやすい教おしえに、もてあそばれたり、引ひき回まわされたりすることなく、15むしろ、愛あいに根ねざして真しん理りを語かたり、あらゆる面めんで、頭かしらであるキリストに向むかって成せい長ちょうしていきます。16キリストにより、体からだ全ぜん体たいは、あらゆる節ふし々ぶしが補おぎない合あうことによってしっかり組くみ合あわされ、結むすび合あわされて、おのおのの部ぶ分ぶんは分ぶんに応おうじて働はたらいて体からだを成せい長ちょうさせ、自みずから愛あいによって造つくり上あげられてゆくのです。

古ふるい生いき方かたを捨すてる

17そこで、わたしは主しゅによって強つよく勧すすめます。もはや、異い邦ほう人じんと同おなじように歩あゆんではなりません。彼かれらは愚おろかな考かんがえに従したがって歩あゆみ、18知ち性せいは暗くらくなり、彼かれらの中なかにある無む知ちとその心こころのかたくなさのために、神かみの命いのちから遠とおく離はなれています。19そして、無む感かん覚かくになって放ほう縦じゅうな生せい活かつをし、あらゆるふしだらな行おこないにふけってとどまるところを知しりません。20しかし、あなたがたは、キリストをこのように学まなんだのではありません。21キリストについて聞きき、キリストに結むすばれて教おしえられ、真しん理りがイエスの内うちにあるとおりに学まなんだはずです。22だから、以い前ぜんのような生いき方かたをして情じょう欲よくに迷まよわされ、滅ほろびに向むかっている古ふるい人ひとを脱ぬぎ捨すて、23心こころの底そこから新あらたにされて、24神かみにかたどって造つくられた新あたらしい人ひとを身みに着つけ、真しん理りに基もとづいた正ただしく清きよい生せい活かつを送おくるようにしなければなりません。

新あたらしい生いき方かた

25だから、偽いつわりを捨すて、それぞれ隣りん人じんに対たいして真しん実じつを語かたりなさい。わたしたちは、互たがいに体からだの一いち部ぶなのです。26怒いかることがあっても、罪つみを犯おかしてはなりません。日ひが暮くれるまで怒いかったままでいてはいけません。27悪あく魔まにすきを与あたえてはなりません。28盗ぬすみを働はたらいていた者ものは、今いまからは盗ぬすんではいけません。むしろ、労ろう苦くして自じ分ぶんの手てで正せい当とうな収しゅう入にゅうを得え、困こまっている人ひと々びとに分わけ与あたえるようにしなさい。29悪わるい言こと葉ばを一いっ切さい口くちにしてはなりません。ただ、聞きく人ひとに恵めぐみが与あたえられるように、その人ひとを造つくり上あげるのに役やく立だつ言こと葉ばを、必ひつ要ように応おうじて語かたりなさい。30神かみの聖せい霊れいを悲かなしませてはいけません。あなたがたは、聖せい霊れいにより、贖あがないの日ひに対たいして保ほ証しょうされているのです。31無む慈じ悲ひ、憤いきどおり、怒いかり、わめき、そしりなどすべてを、一いっ切さいの悪あく意いと一いっ緒しょに捨すてなさい。32互たがいに親しん切せつにし、憐あわれみの心こころで接せっし、神かみがキリストによってあなたがたを赦ゆるしてくださったように、赦ゆるし合あいなさい。

51あなたがたは神かみに愛あいされている子こ供どもですから、神かみに倣ならう者ものとなりなさい。2キリストがわたしたちを愛あいして、御ご自じ分ぶんを香かおりのよい供そなえ物もの、つまり、いけにえとしてわたしたちのために神かみに献ささげてくださったように、あなたがたも愛あいによって歩あゆみなさい。3あなたがたの間あいだでは、聖せいなる者ものにふさわしく、みだらなことやいろいろの汚けがれたこと、あるいは貪どん欲よくなことを口くちにしてはなりません。4卑ひわいな言こと葉ばや愚おろかな話はなし、下げ品ひんな冗じょう談だんもふさわしいものではありません。それよりも、感かん謝しゃを表あらわしなさい。5すべてみだらな者もの、汚けがれた者もの、また貪どん欲よくな者もの、つまり、偶ぐう像ぞう礼れい拝はい者しゃは、キリストと神かみとの国くにを受うけ継つぐことはできません。このことをよくわきまえなさい。

光ひかりの子ことして生いきる

6むなしい言こと葉ばに惑まどわされてはなりません。これらの行おこないのゆえに、神かみの怒いかりは不ふ従じゅう順じゅんな者ものたちに下くだるのです。7だから、彼かれらの仲なか間まに引ひき入いれられないようにしなさい。8あなたがたは、以い前ぜんには暗くら闇やみでしたが、今いまは主しゅに結むすばれて、光ひかりとなっています。光ひかりの子ことして歩あゆみなさい。9──光ひかりから、あらゆる善ぜん意いと正せい義ぎと真しん実じつとが生しょうじるのです。──10何なにが主しゅに喜よろこばれるかを吟ぎん味みしなさい。11実みを結むすばない暗くら闇やみの業わざに加くわわらないで、むしろ、それを明あかるみに出だしなさい。12彼かれらがひそかに行おこなっているのは、口くちにするのも恥はずかしいことなのです。13しかし、すべてのものは光ひかりにさらされて、明あきらかにされます。14明あきらかにされるものはみな、光ひかりとなるのです。それで、こう言いわれています。

「眠ねむりについている者もの、起おきよ。

死し者しゃの中なかから立たち上あがれ。

そうすれば、キリストはあなたを照てらされる。」

15愚おろかな者ものとしてではなく、賢かしこい者ものとして、細こまかく気きを配くばって歩あゆみなさい。16時ときをよく用もちいなさい。今いまは悪わるい時じ代だいなのです。17だから、無む分ふん別べつな者ものとならず、主しゅの御み心こころが何なんであるかを悟さとりなさい。18酒さけに酔よいしれてはなりません。それは身みを持もち崩くずすもとです。むしろ、霊れいに満みたされ、19詩し編へんと賛さん歌かと霊れい的てきな歌うたによって語かたり合あい、主しゅに向むかって心こころからほめ歌うたいなさい。20そして、いつも、あらゆることについて、わたしたちの主しゅイエス・キリストの名なにより、父ちちである神かみに感かん謝しゃしなさい。

妻つまと夫おっと

21キリストに対たいする畏おそれをもって、互たがいに仕つかえ合あいなさい。22妻つまたちよ、主しゅに仕つかえるように、自じ分ぶんの夫おっとに仕つかえなさい。23キリストが教きょう会かいの頭かしらであり、自みずからその体からだの救すくい主ぬしであるように、夫おっとは妻つまの頭かしらだからです。24また、教きょう会かいがキリストに仕つかえるように、妻つまもすべての面めんで夫おっとに仕つかえるべきです。25夫おっとたちよ、キリストが教きょう会かいを愛あいし、教きょう会かいのために御ご自じ分ぶんをお与あたえになったように、妻つまを愛あいしなさい。26キリストがそうなさったのは、言こと葉ばを伴ともなう水みずの洗あらいによって、教きょう会かいを清きよめて聖せいなるものとし、27しみやしわやそのたぐいのものは何なに一ひとつない、聖せいなる、汚けがれのない、栄えい光こうに輝かがやく教きょう会かいを御ご自じ分ぶんの前まえに立たたせるためでした。28そのように夫おっとも、自じ分ぶんの体からだのように妻つまを愛あいさなくてはなりません。妻つまを愛あいする人ひとは、自じ分ぶん自じ身しんを愛あいしているのです。29わが身みを憎にくんだ者ものは一ひと人りもおらず、かえって、キリストが教きょう会かいになさったように、わが身みを養やしない、いたわるものです。30わたしたちは、キリストの体からだの一いち部ぶなのです。31「それゆえ、人ひとは父ちちと母ははを離はなれてその妻つまと結むすばれ、二ふた人りは一いっ体たいとなる。」32この神しん秘ぴは偉い大だいです。わたしは、キリストと教きょう会かいについて述のべているのです。33いずれにせよ、あなたがたも、それぞれ、妻つまを自じ分ぶんのように愛あいしなさい。妻つまは夫おっとを敬うやまいなさい。

子こと親おや

6

1子こ供どもたち、主しゅに結むすばれている者ものとして両りょう親しんに従したがいなさい。それは正ただしいことです。2「父ちちと母ははを敬うやまいなさい。」これは約やく束そくを伴ともなう最さい初しょの掟おきてです。3「そうすれば、あなたは幸こう福ふくになり、地ち上じょうで長ながく生いきることができる」という約やく束そくです。4父ちち親おやたち、子こ供どもを怒おこらせてはなりません。主しゅがしつけ諭さとされるように、育そだてなさい。

奴ど隷れいと主しゅ人じん

5奴ど隷れいたち、キリストに従したがうように、恐おそれおののき、真ま心ごころを込こめて、肉にくによる主しゅ人じんに従したがいなさい。6人ひとにへつらおうとして、うわべだけで仕つかえるのではなく、キリストの奴ど隷れいとして、心こころから神かみの御み心こころを行おこない、7人ひとにではなく主しゅに仕つかえるように、喜よろこんで仕つかえなさい。8あなたがたも知しっているとおり、奴ど隷れいであっても自じ由ゆうな身み分ぶんの者ものであっても、善よいことを行おこなえば、だれでも主しゅから報むくいを受うけるのです。9主しゅ人じんたち、同おなじように奴ど隷れいを扱あつかいなさい。彼かれらを脅おどすのはやめなさい。あなたがたも知しっているとおり、彼かれらにもあなたがたにも同おなじ主しゅ人じんが天てんにおられ、人ひとを分わけ隔へだてなさらないのです。

悪あくと戦たたかえ

10最さい後ごに言いう。主しゅに依より頼たのみ、その偉い大だいな力ちからによって強つよくなりなさい。11悪あく魔まの策さく略りゃくに対たい抗こうして立たつことができるように、神かみの武ぶ具ぐを身みに着つけなさい。12わたしたちの戦たたかいは、血けつ肉にくを相あい手てにするものではなく、支し配はいと権けん威い、暗くら闇やみの世せ界かいの支し配はい者しゃ、天てんにいる悪あくの諸しょ霊れいを相あい手てにするものなのです。13だから、邪じゃ悪あくな日ひによく抵てい抗こうし、すべてを成なし遂とげて、しっかりと立たつことができるように、神かみの武ぶ具ぐを身みに着つけなさい。14立たって、真しん理りを帯おびとして腰こしに締しめ、正せい義ぎを胸むね当あてとして着つけ、15平へい和わの福ふく音いんを告つげる準じゅん備びを履はき物ものとしなさい。16なおその上うえに、信しん仰こうを盾たてとして取とりなさい。それによって、悪わるい者ものの放はなつ火ひの矢やをことごとく消けすことができるのです。17また、救すくいを兜かぶととしてかぶり、霊れいの剣つるぎ、すなわち神かみの言こと葉ばを取とりなさい。18どのような時ときにも、〝霊れい〟に助たすけられて祈いのり、願ねがい求もとめ、すべての聖せいなる者ものたちのために、絶たえず目めを覚さまして根こん気きよく祈いのり続つづけなさい。19また、わたしが適てき切せつな言こと葉ばを用もちいて話はなし、福ふく音いんの神しん秘ぴを大だい胆たんに示しめすことができるように、わたしのためにも祈いのってください。20わたしはこの福ふく音いんの使し者しゃとして鎖くさりにつながれていますが、それでも、語かたるべきことは大だい胆たんに話はなせるように、祈いのってください。

結むすびの言こと葉ば

21わたしがどういう様よう子すでいるか、また、何なにをしているか、あなたがたにも知しってもらうために、ティキコがすべて話はなすことでしょう。彼かれは主しゅに結むすばれた、愛あいする兄きょう弟だいであり、忠ちゅう実じつに仕つかえる者ものです。22彼かれをそちらに送おくるのは、あなたがたがわたしたちの様よう子すを知しり、彼かれから心こころに励はげましを得えるためなのです。

23平へい和わと、信しん仰こうを伴ともなう愛あいが、父ちちである神かみと主しゅイエス・キリストから、兄きょう弟だいたちにあるように。24恵めぐみが、変かわらぬ愛あいをもってわたしたちの主しゅイエス・キリストを愛あいする、すべての人ひとと共ともにあるように。