聖書 新共同訳 旧約聖書続編

日本聖書協会

エレミヤのがみ

バビロニアじんおうによってらえられ、バビロンにれてかれようとしているひとびとに、かみからめいじられたことをつたえるため、エレミヤがおくったがみうつし。

1あなたたちがバビロニアじんおうネブカドネツァルによってらえられ、バビロンにれてかれようとしているのは、かみたいしてつみおかしたからです。2バビロンにったら、なんねんものあいだ、七だいにもおよちょうかんそこにとどまることになるでしょう。しかしそののちかみはあなたたちをへいのうちにもどしてくださいます。3バビロンでは、きんぎんでできたかみがみぞうかたかつがれて、ほうたみおそれをいだかせているのをるでしょう。45をつけなさい。ぐんしゅうかみがみぞうまえからうしろからおがむのをて、あなたたちまでがこくからたみものとなり、それらをおそれるようなことがあってはなりません。むしろこころなかで、「しゅよ、おがむべきかたはあなたです」といなさい。6かみ使つかいがあなたたちとともにいて、あなたたちのせいかつまもっているからです。

7かみがみぞうきんぎんおおわれ、そのしたしょくにんみがげたものであり、まやかしにすぎず、くちくこともできません。8おしゃれなむすめにでもしてやるように、ひとびときんかんむりつくり、9かみがみぞうあたませています。ときにはさいたちが、かみがみぞうからきんぎんをくすねてぶんのものとし、10そのいちしん殿でんしょうあたえることもあります。かみがみぞうは、にんげんにするように、ころもかざられますが、もともとぎんきんでできていて、11さびとむしいからまもれないのです。むらさきころもをまとってはいますが、12ぶんうえしん殿でんほこりもるために、かおをふいてもらうありさまです。13また、ほうそうとくのようにしゃくってはいますが、ぶんたいしてつみおかものころすことができません。14みぎたんけんおのってはいますが、せんそうとうぞくからまもることもできません。このように、それらのぞうかみでないことははっきりしているのですから、おそれてはなりません。

15にんげんつくったうつわは、こわれてしまえばなんやくにもちませんが、16かれらのかみがみぞうおなじようなもので、しん殿でんえられているだけのものです。そのは、りするひとびとがたてるほこりにまみれています。17また、おうがいくわえたものけいにするときじょうもんざすように、さいたちはしん殿でんとびらかぎとかんぬきでかためて、とうぞくりゃくだつされないようにします。18さいたちはひつようじょうにともしをともしますが、かみがみぞうはそのともし一つることができないのです。19かみがみぞうは、あたかもしん殿でんはりのようなもので、よくわれるように、そのないむしわれています。からわいたむしからだころもをかじっても、なにかんじません。20そのかおしん殿でんただよけむりくろずんでいます。21そのからだあたまうえを、こうもりやつばめ、とりい、ねこまでやってます。22このようなことで、それらのぞうかみでないことはかるはずですから、おそれてはなりません。

23かみがみぞううつくしくよそおわせるためにはりけたきんも、だれかがそのくもりをふきらなければかがやきません。がたながまれたときも、なにかんじていませんでした。24ばくだいだんもとめられますが、それらはいきをしていません。25あるけないのでにんげんかたかつがれ、ぶんめいをさらけし、それにつかえるものでさえずかしいおもいをしています。26というのは、かみがみぞうめんたおされると、もうぶんではがれず、まっすぐにたされてもぶんではうごけず、かたむけられてもこせないからです。そのまえには、ささものそなえられていますが、にんまえいたもどうぜんです。27さいたちは、かみがみぞうそなえられたいけにえをってもうけ、そのつまたちもそのいくぶんかをしおけにしてしまいみ、まずしいものよわものけようとはしません。28つきのもののあるおんなや、んだばかりのおんなも、いけにえにへいれています。これらのことから、それらのぞうかみでないことはかるのですから、それらをおそれてはなりません。

29いったいどうして、それらのぞうかみぶことができるのでしょうか。おんなたちが、ぎんきんでできたかみがみぞうささものそなえています。30しん殿でんでは、さいたちがけたさいふくをまとい、かみもひげもそりとし、あたまにかぶりものもせずに、31しゃとむらいのえんでするように、それらのぞうまえでわめいたり、さけんだりしています。32さいたちはまた、かみがみぞうころもをはぎってぶんつまどもせています。33かみがみぞうは、だれかにいことをされてもわるいことをされても、それにむくいることはできず、おうてたりはいしたりすることもできません。34また、とみきんせんあたえることもできないし、ちかいをててたさないものがいても、それをきょうせいできません。35にんげんからすくうことも、よわものつよものからすくすこともできず、36もうじんえるようにすることも、くるしむものすくすこともできません。37やもめをあわれむことも、めぐむこともできません。38きんぎんおおったりのぞうは、やまからされたいしおなじであり、それにつかえるものはじをかくことになるでしょう。39それなのに、いったいどうして、それらのぞうかみであるとかんがえたり、せんげんしたりすることができるのでしょうか。

40じつは、カルデアじんしんかみがみぞうめんぼくきずつけるようなことをしているのです。くちけないものつけると、ベルしんまえれてき、ベルしんならとどけてくれるとしんじ、かれくちけるようになることをねがっています。41かれらはそのりょくさをっていながら、それらのぞうてきれずにいます。かれらはまったかっていないのです。42おんなたちはひもをあたまいてみちばたすわり、ぬかをいぶしています。43そのうちのだれかが、とおりすがりのおとこれてかれていっしょることになると、そのおんなとなりおんなをあざけって、「あなたはわたしみたいにりょくがないから、まだひもがかれないのよ」といます。44かみがみぞうにかかわることはすべてまやかしです。それなのに、いったいどうして、それらのぞうかみであるとかんがえたり、せんげんしたりすることができるのでしょうか。

45かみがみぞうものかざしょくによってつくられたもので、しょくにんつくろうとおもがいのものにはなりません。46かみがみぞうつくものでさえ、ひとよりながきするわけではありません。47だから、どうしてかれらのになったものかみになれるでしょうか。かれらはこうせいひとびといつわりとあざけりをのこしたにすぎないのです。48せんそうさいなんかみがみぞうにふりかかると、さいたちはそれらをかかえて、どこにかくれようかとろんいます。49せんそうさいなんからぶんすくえないぞうなどかみではないと、どうしてさとらないのでしょうか。50それらは、きんぎんおおったもくちょうにすぎないから、まやかしだということが、やがてかるでしょう。それらのぞうかみではなく、にんげんつくられたものであり、それらにかみはたらきをするちからすこしもないことが、あらゆるみんぞくおうたちにあきらかになるでしょう。51それらのぞうかみでないことをからないひとがいるでしょうか。

52かみがみぞうは一こくおうてることも、にんげんあめめぐむこともけっしてできません。53かみがみぞうりょくなので、ぶんかんすることがらけっていすることも、しいたげられたひとすくうこともけっしてできません。54かみがみぞうてんあいだまわるだけのからすのようなものです。きんぎんおおったりのかみがみぞうかれたしん殿でんになると、さいたちはげてびますが、なかはりいっしょかみがみぞうきてしまいます。55かみがみぞうは、おうにもてきにもちできません。56いったいどうして、それらのぞうかみみとめたり、かんがえたりすることができるのでしょうか。

きんぎんおおったりのかみがみぞうは、とうぞくりゃくだつしゃからまもることはけっしてできません。57このごうとうどもはきんぎんをはがしり、まとっているころもさえうばってきますが、かみがみぞうけっしてぶんすくえないのです。58ですから、まやかしのかみがみよりもぶんゆうするおうほうが、いやそれどころか、いえぬしちょうほうがられるうつわほうがましです。まやかしのかみがみよりはいえにあるものまもってくれるとびらほうが、また、まやかしのかみがみよりはおうきゅうはしらほうがましです。59たいようつきほしひかかがやいてぶんつとめにちゅうじつです。60いなずまもきらめくとはっきりえます。おなじように、かぜはどこのくににもわたります。61くもかみめいじられると、かいのどこへでもながれてき、そのいつけをたします。62てんからおくられると、やまもりはらい、そのめいれいたします。しかし、かみがみぞうは、姿すがたちからも、これらのものとはくらべものになりません。63かみがみぞうさばきをおこなうことも、にんげんめぐみをほどこすこともできないのですから、それらをかみかんがえたり、せんげんしたりしてはなりません。64そういうことから、それらのぞうかみでないことがかるのですから、おそれてはなりません。

65かみがみぞうは、おうのろうこともしゅくふくすることもけっしてできず、66しょこくたみてんのしるしをしめすことも、たいようのようにかがやくことも、つきのようにらすこともけっしてできません。67それらのぞうよりはじゅうほうがましです。じゅうかくのがれてあんぜんはかれるからです。68けっきょく、それらのぞうかみであることをしめしょうなにひとつないのですから、おそれてはなりません。

69きんぎんおおったりのかみがみぞうは、きゅうりばたけのかかしとおなじで、なにまもることができません。70また、きんぎんおおったりのかみがみぞうは、どんなとりでもてとまるにわいばらのやぶ、さらやみてられるしかばねにさえています。71かみがみぞうがまとっているむらさきぬのぬのくさっているところからも、それらがかみでないことがかるでしょう。かみがみぞうは、ついにはむしわれて、くにじゅうであざけりのまととなるでしょう。72ですから、ぐうぞうたないただしいひとほうがまさっています。はずかしめをけることがないからです。

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