ダニエル書しょ補ほ遺い

アザルヤの祈いのりと三人にんの若わか者ものの賛さん歌か

1三人にんの若わか者ものは神かみをたたえ、主しゅを賛さん美びしつつ、炎ほのおの中なかを歩あゆんでいた。2アザルヤは立たち止どまり、火ひの中なかで、口くちを開ひらいて次つぎのように祈いのった。

3「我われらの先せん祖ぞの神かみ、主しゅよ、あなたは賛さん美びされ、

たたえられますように。

御み名なが、とこしえにあがめられますように。

4あなたは、お造つくりになったすべてのものに対たいし

正ただしくあられ、

その御み業わざはすべて真まこと、

あなたの道みちは直なおく、

その裁さばきはすべて正ただしいのです。

5あなたが、我われらと先せん祖ぞの聖せいなる町まち

エルサレムとに対たいしてなされたことは、

すべて正ただしい裁さばきでありました。

我われらの罪つみのゆえに、正ただしい裁さばきをもって

あなたはこれらすべてをなされたのです。

6我われらは罪つみを犯おかし、不ふ法ほうを行おこない

あなたから離はなれて、

すべてのことにおいて重おもい罪つみを犯おかしました。

7あなたの戒いましめに従したがわず、

我われらの幸しあわせのためにお命めいじになったことを

守まもらず、実じっ行こうしませんでした。

8それで、あなたは我われらになさったすべてのこと、

行おこなわれたすべてのことを

真しん実じつの裁さばきをもって実じっ行こうされました。

9敵てき意いに満みちて反はん抗こうする無む法ほうな敵てきの手てに、

地ち上じょうで最もっとも邪じゃ悪あくな、不ふ義ぎの王おうに

あなたは我われらを渡わたされました。

10今いまや、我われらは口くちを開ひらくことも許ゆるされず、

恥はじと屈くつ辱じょくがあなたの僕しもべらと

あなたを礼れい拝はいする者ものにふりかかりました。

11あなたの御み名なのゆえに

我われらを決けっして見み捨すてることなく、

あなたの契けい約やくを取とり消けさないでください。

12あなたの愛あいされたアブラハムと

あなたの僕しもべイサクと

あなたの聖せいなるイスラエルとに免めんじて、

あなたの憐あわれみを

我われらから取とり去さらないでください。

13あなたはこの先せん祖ぞたちに、

子し孫そんを天てんの星ほしのように、

海うみ辺べの砂すなのように増ふやす、と言いわれました。

14ところが、主しゅよ、

我われらはどの民たみよりも少すくなくなり、

我われらの罪つみのゆえに、今こん日にち、全ぜん地ちで

卑いやしめられています。

15今いまや、高こう官かんも預よ言げん者しゃも指し導どう者しゃもなく、

焼やき尽つくす献ささげ物ものもいけにえも

供そなえ物ものも香こうもなく、

憐あわれみを得えるために

献ささげ物ものを御み前まえに供そなえる所ところもありません。

16ただ、砕くだかれた魂たましいとへりくだる心こころをもつ我われらを

受うけ入いれてください。

17焼やき尽つくす献ささげ物ものの羊ひつじと牛うしのように、

幾いく万まんの肥こえた小こ羊ひつじのように、

今きょ日うの我われらのいけにえが、

御み前まえに受うけ入いれられますように。

あなたに従したがう我われらの歩あゆみを全まっとうさせてください。

あなたに信しん頼らいする者ものは辱はずかしめられないからです。

18今いまや、我われ々われは心こころからあなたに従したがい、

あなたを畏おそれ、御み顔かおを求もとめます。

19我われらを辱はずかしめず、

むしろ、寛かん容ようと豊ゆたかな憐あわれみをもって

我われらに臨のぞんでください。

20驚おどろくべき御み業わざをもって、我われらを救すくい、

主しゅよ、御み名なの栄えい光こうを輝かがやかせてください。

21あなたの僕しもべらに害がいを加くわえるすべての者ものが

辱はずかしめられ

権けん力りょくの座ざを追おわれて面めん目ぼくを失うしない、

その力ちからが砕くだかれますように。

22あなたが主しゅ、唯ゆい一いつの神かみであり、

全ぜん世せ界かいで栄えい光こうに輝かがやく方かたであることを

彼かれらに悟さとらせてください。」

23彼かれらを火ひに投なげ込こんだ王おうの侍じ従じゅうたちは、ナフサとピッチと麻あさ屑くずと木もく片へんとをくべて炉ろの火ひを燃もやし続つづけた。24それで、炎ほのおは炉ろの外そとに、四十九ペキスも噴ふき出だし、25広ひろがった火ひは炉ろの近ちかくにいたカルデア人じんに燃もえ移うつった。26そのとき、主しゅの使つかいが炉ろの中なかのアザルヤとその仲なか間またちのもとに降くだり、炉ろから炎ほのおを吹ふき払はらったので、27炉ろの中なかは露つゆを含ふくむ涼りょう風ふうが吹ふいているかのようになった。火ひは全まったく彼かれらに触ふれず、彼かれらを苦くるしめることも悩なやますこともなかった。

28そのとき、三人にんは、炉ろの中なかで声こえを合あわせて賛さん歌かをうたい、神かみに栄えい光こうを帰きし、賛さん美びして言いった。

29「我われらの先せん祖ぞの神かみ、主しゅよ、

あなたは賛さん美びされ、

代よ々よにほめたたえられ、あがめられますように。

栄えい光こうの聖せいなる御み名なは賛さん美びされ、

代よ々よに、たたえにたたえられ、

あがめられますように。

30あなたは聖せいなる栄えい光こうの神しん殿でんの中なかで賛さん美びされ、

代よ々よにほめたたえられ、

栄えい光こうをお受うけになりますように。

31ケルビムの上うえに座ざし、地ち下かの大たい海かいを

見み通とおされる神かみよ、あなたは賛さん美びされ、

代よ々よにたたえられ、あがめられますように。

32御み国くにの玉ぎょく座ざにおられるあなたは賛さん美びされ、

代よ々よにほめたたえられ、あがめられますように。

33天てんの高たかみにおられるあなたは賛さん美びされ、

代よ々よにたたえられ、

栄えい光こうをお受うけになりますように。

34主しゅの造つくられたすべてのものよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

35もろもろの天てんよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

36主しゅの使つかいよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

37天てんの上うえのすべての水みずよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

38天てんにあるすべての力ちからは、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

39太たい陽ようと月つきよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

40天てんの星ほしよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

41すべての雨あめと露つゆよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

42もろもろの風かぜよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

43火ひと熱ねつよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

44寒さむさと暑あつさよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

45露つゆと霜しもよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

48夜よると昼ひるよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

49光ひかりと闇やみよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

46氷こおりと寒さむさよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

47霰あられと雪ゆきよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

50稲いな妻ずまと雲くもよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

51大だい地ちは、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

52山やまと丘おかよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

53地ちに生はえる草くさ木きよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

55海うみと川かわよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

54泉いずみよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

56海うみの巨きょ大だいな動どう物ぶつと水みずに動うごくすべてのものよ、

主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

57空そらのすべての鳥とりよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

58すべての獣けものと家か畜ちくよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

59人ひとの子こらよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

60イスラエルよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

61祭さい司したちよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

62僕しもべたちよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

63正ただしい人ひと々びとの霊れいと魂たましいよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

64清きよく心こころの謙けん虚きょな人ひと々びとよ、主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

65ハナンヤとアザルヤとミシャエルよ、

主しゅを賛さん美びし、

代よ々よにたたえ、あがめよ。

主しゅは、陰よ府みより我われらを救すくい出だし、

死しの力ちからより救すくい、

燃もえる炎ほのおの炉ろの中なかから、

火ひの真まっただ中なかから我われらを解かい放ほうされた。

66主しゅに感かん謝しゃせよ、主しゅは良よき方かた、

その慈いつくしみは代よ々よに変かわることはない。

67神かみ々がみの神かみである主しゅを礼れい拝はいするすべての人ひとよ、

主しゅを賛さん美びし、感かん謝しゃせよ。

その慈いつくしみは代よ々よに変かわることはない。」