聖書 新共同訳 旧約聖書

日本聖書協会

そう せい 

てんそうぞう

1

1はじめに、かみてんそうぞうされた。2こんとんであって、やみしんえんおもてにあり、かみれいみずおもてうごいていた。3かみわれた。

ひかりあれ。」

こうして、ひかりがあった。4かみひかりて、しとされた。かみひかりやみけ、5ひかりひるび、やみよるばれた。ゆうべがあり、あさがあった。だい一のである。

6かみわれた。

みずなかおおぞらあれ。みずみずけよ。」

7かみおおぞらつくり、おおぞらしたおおぞらうえみずけさせられた。そのようになった。8かみおおぞらてんばれた。ゆうべがあり、あさがあった。だい二のである。

9かみわれた。

てんしたみずは一つところあつまれ。かわいたところあらわれよ。」

そのようになった。10かみかわいたところび、みずあつまったところうみばれた。かみはこれをて、しとされた。11かみわれた。

くさえさせよ。たねくさと、それぞれのたねをつけるじゅを、えさせよ。」

そのようになった。12くさえさせ、それぞれのたねくさと、それぞれのたねをつけるえさせた。かみはこれをて、しとされた。13ゆうべがあり、あさがあった。だい三のである。

14かみわれた。

てんおおぞらひかものがあって、ひるよるけ、せつのしるし、としのしるしとなれ。15てんおおぞらひかものがあって、らせ。」

そのようになった。16かみは二つのおおきなひかものほしつくり、おおきなほうひるおさめさせ、ちいさなほうよるおさめさせられた。17かみはそれらをてんおおぞらいて、らさせ、18ひるよるおさめさせ、ひかりやみけさせられた。かみはこれをて、しとされた。19ゆうべがあり、あさがあった。だい四のである。

20かみわれた。

ものみずなかむらがれ。とりうえてんおおぞらおもてべ。」

21かみみずむらがるもの、すなわちおおきなかいぶつ、うごめくものをそれぞれに、また、つばさあるとりをそれぞれにそうぞうされた。かみはこれをて、しとされた。22かみはそれらのものをしゅくふくしてわれた。

めよ、えよ、うみみずちよ。とりうええよ。」

23ゆうべがあり、あさがあった。だい五のである。

24かみわれた。

は、それぞれのものせ。ちくうもの、けものをそれぞれにせ。」

そのようになった。25かみはそれぞれのけもの、それぞれのちく、それぞれのつちうものをつくられた。かみはこれをて、しとされた。26かみわれた。

われわれにかたどり、われわれせて、ひとつくろう。そしてうみうおそらとりちくけものうものすべてをはいさせよう。」

27かみぶんにかたどってひとそうぞうされた。

かみにかたどってそうぞうされた。

おとこおんなそうぞうされた。

28かみかれらをしゅくふくしてわれた。

めよ、えよ、ちてしたがわせよ。うみうおそらとりうえものをすべてはいせよ。」

29かみわれた。

よ、ぜんえる、たねくさたねをつけるを、すべてあなたたちにあたえよう。それがあなたたちのものとなる。30けものそらとりうものなど、すべていのちあるものにはあらゆるあおくさべさせよう。」

そのようになった。31かみはおつくりになったすべてのものをらんになった。よ、それはきわめてかった。ゆうべがあり、あさがあった。だい六のである。

2

1てんばんぶつかんせいされた。2だい七のに、かみぶんごとかんせいされ、だい七のに、かみぶんごとはなれ、あんそくなさった。3このかみはすべてのそうぞうごとはなれ、あんそくなさったので、だい七のかみしゅくふくし、せいべつされた。

4これがてんそうぞうらいである。

しゅなるかみてんつくられたとき、5じょうにはまだも、くさえていなかった。しゅなるかみじょうあめをおおくりにならなかったからである。またつちたがやひともいなかった。

6しかし、みずからて、つちおもてをすべてうるおした。7しゅなるかみは、つち(アダマ)のちりひと(アダム)をかたちづくり、そのはないのちいきれられた。ひとはこうしてきるものとなった。8しゅなるかみは、ひがしほうのエデンにそのもうけ、みずかかたちづくったひとをそこにかれた。9しゅなるかみは、るからにこのましく、べるにいものをもたらすあらゆるえいでさせ、またそのちゅうおうには、いのちぜんあくしきえいでさせられた。

10エデンから一つのかわながていた。そのうるおし、そこでかれて、四つのかわとなっていた。11だい一のかわはピションで、きんさんしゅつするハビラほうぜんいきめぐっていた。12そのきんりょうしつであり、そこではまた、はくたぐいやラピス・ラズリもさんしゅつした。13だい二のかわはギホンで、クシュほうぜんいきめぐっていた。14だい三のかわはチグリスで、アシュルのひがしほうながれており、だい四のかわはユーフラテスであった。

15しゅなるかみひとれてて、エデンのそのまわせ、ひとがそこをたがやし、まもるようにされた。16しゅなるかみひとめいじてわれた。

そののすべてのからってべなさい。17ただし、ぜんあくしきからは、けっしてべてはならない。べるとかならんでしまう。」

18しゅなるかみわれた。

ひとひとりでいるのはくない。かれたすけるものつくろう。」

19しゅなるかみは、のあらゆるけものそらのあらゆるとりつちかたちづくり、ひとのところへってて、ひとがそれぞれをどうぶかておられた。ひとぶと、それはすべて、ものとなった。20ひとはあらゆるちくそらとりのあらゆるけものけたが、ぶんたすけるものつけることができなかった。

21しゅなるかみはそこで、ひとふかねむりにとされた。ひとねむむと、あばらぼねいちり、そのあとにくでふさがれた。22そして、ひとからったあばらぼねおんなつくげられた。しゅなるかみかのじょひとのところへれてられると、23ひとった。

「ついに、これこそ

わたしのほねほね

わたしのにくにく

これをこそ、おんな(イシャー)とぼう

まさに、おとこ(イシュ)からられたものだから。」

24こういうわけで、おとこはなれておんなむすばれ、ふたいったいとなる。

25ひとつまふたともはだかであったが、ずかしがりはしなかった。

へびゆうわく

3

1しゅなるかみつくられたもののうちで、もっとかしこいのはへびであった。へびおんなった。

そののどのからもべてはいけない、などとかみわれたのか。」

2おんなへびこたえた。

「わたしたちはそのじつべてもよいのです。3でも、そのちゅうおうえているじつだけは、べてはいけない、れてもいけない、んではいけないから、とかみさまはおっしゃいました。」

4へびおんなった。

けっしてぬことはない。5それをべると、ひらけ、かみのようにぜんあくるものとなることをかみはごぞんじなのだ。」

6おんなると、そのはいかにもおいしそうで、け、かしこくなるようにそそのかしていた。おんなってべ、いっしょにいたおとこにもわたしたので、かれべた。7ふたひらけ、ぶんたちがはだかであることをり、ふたはいちじくのをつづりわせ、こしおおうものとした。

8そのかぜくころ、しゅなるかみそのなかあるおとこえてきた。アダムとおんなが、しゅなるかみかおけて、そのかくれると、9しゅなるかみはアダムをばれた。

「どこにいるのか。」

10かれこたえた。

「あなたのあしおとそのなかこえたので、おそろしくなり、かくれております。わたしははだかですから。」

11かみわれた。

「おまえはだかであることをだれげたのか。ってべるなとめいじたからべたのか。」

12アダムはこたえた。

「あなたがわたしとともにいるようにしてくださったおんなが、からってあたえたので、べました。」

13しゅなるかみおんなかってわれた。

なんということをしたのか。」

おんなこたえた。

へびがだましたので、べてしまいました。」

14しゅなるかみは、へびかってわれた。

「このようなことをしたおまえ

あらゆるちく、あらゆるけものなか

のろわれるものとなった。

まえは、しょうがいいまわり、ちりらう。

15まえおんな、おまえそんおんなそんあいだ

わたしはてきく。

かれはおまえあたまくだ

まえかれのかかとをくだく。」

16かみおんなかってわれた。

「おまえのはらみのくるしみをおおきなものにする。

まえは、くるしんでむ。

まえおとこもと

かれはおまえはいする。」

17かみはアダムにかってわれた。

「おまえおんなこえしたが

ってべるなとめいじたからべた。

まえのゆえに、つちのろわれるものとなった。

まえは、しょうがいものようとくるしむ。

18まえたいして

つちいばらとあざみをえいでさせる

くさべようとするおまえに。

19まえかおあせながしてパンを

つちかえるときまで。

まえがそこからられたつちに。

ちりにすぎないおまえちりかえる。」

20アダムはおんなをエバ(いのち)とけた。かのじょがすべていのちあるもののははとなったからである。21しゅなるかみは、アダムとおんなかわころもつくってせられた。

22しゅなるかみわれた。

ひとわれわれひとのように、ぜんあくものとなった。いまは、ばしていのちからもってべ、えいえんきるものとなるおそれがある。」

23しゅなるかみは、かれをエデンのそのからし、かれに、ぶんがそこからられたつちたがやさせることにされた。24こうしてアダムをついほうし、いのちいたみちまもるために、エデンのそのひがしにケルビムと、きらめくつるぎほのおかれた。

カインとアベル

4

1さて、アダムはつまエバをった。かのじょごもってカインをみ、「わたしはしゅによってだんた」とった。2かのじょはまたそのおとうとアベルをんだ。アベルはひつじものとなり、カインはつちたがやものとなった。3ときて、カインはつちみのりをしゅのもとにささものとしてってた。4アベルはひつじれのなかからえたういってた。しゅはアベルとそのささものめられたが、5カインとそのささものにはめられなかった。カインははげしくおこってかおせた。6しゅはカインにわれた。

「どうしておこるのか。どうしてかおせるのか。7もしおまえただしいのなら、かおげられるはずではないか。ただしくないなら、つみぐちせており、おまえもとめる。おまえはそれをはいせねばならない。」

8カインがおとうとアベルにことをかけ、ふたはらいたとき、カインはおとうとアベルをおそってころした。

9しゅはカインにわれた。

「おまえおとうとアベルは、どこにいるのか。」

カインはこたえた。

りません。わたしはおとうとばんにんでしょうか。」

10しゅわれた。

なんということをしたのか。おまえおとうとつちなかからわたしにかってさけんでいる。11いま、おまえのろわれるものとなった。おまえながしたおとうとを、くちけてんだつちよりもなお、のろわれる。12つちたがやしても、つちはもはやおまえのためにさくもつすことはない。おまえじょうをさまよい、さすらうものとなる。」

13カインはしゅった。

「わたしのつみおもすぎていきれません。14きょ、あなたがわたしをこのからついほうなさり、わたしがかおからかくされて、じょうをさまよい、さすらうものとなってしまえば、わたしにものはだれであれ、わたしをころすでしょう。」

15しゅはカインにわれた。

「いや、それゆえカインをころものは、だれであれ七ばいふくしゅうけるであろう。」

しゅはカインにものがだれもかれつことのないように、カインにしるしをけられた。16カインはしゅまえり、エデンのひがし、ノド(さすらい)のんだ。

17カインはつまった。かのじょごもってエノクをんだ。カインはまちてていたが、そのまちむすまえにちなんでエノクとけた。18エノクにはイラドがまれた。イラドはメフヤエルのちちとなり、メフヤエルはメトシャエルのちちとなり、メトシャエルはレメクのちちとなった。

19レメクはふたつまをめとった。ひとはアダ、もうひとはツィラといった。20アダはヤバルをんだ。ヤバルは、ちくてんまくものせんとなった。21そのおとうとはユバルといい、たてごとふえかなでるものすべてのせんとなった。22ツィラもまた、トバル・カインをんだ。かれせいどうてつでさまざまのどうつくものとなった。トバル・カインのいもうとはナアマといった。

23さて、レメクはつまった。

「アダとツィラよ、わがこえけ。

レメクのつまたちよ、わがことみみかたむけよ。

わたしはきずむくいにおとこころ

きずむくいにわかものころす。

24カインのためのふくしゅうが七ばいなら

レメクのためには七十七ばい。」

25ふたたび、アダムはつまった。かのじょおとこみ、セトとけた。カインがアベルをころしたので、かみかれわるさずけ(シャト)られたからである。

26セトにもおとこまれた。かれはそのをエノシュとけた。しゅはじめたのは、このだいのことである。

アダムのけい

5

1これはアダムのけいしょである。

かみひとそうぞうされたかみせてこれをつくられ、2おとこおんなそうぞうされた。そうぞうに、かれらをしゅくふくされて、ひとけられた。

3アダムは百三十さいになったとき、ぶんた、ぶんにかたどったおとこをもうけた。アダムはそのをセトとけた。4アダムは、セトがまれたのち八百ねんきて、むすむすめをもうけた。5アダムは九百三十ねんき、そしてんだ。

6セトは百五さいになったとき、エノシュをもうけた。7セトは、エノシュがまれたのち八百七ねんきて、むすむすめをもうけた。8セトは九百十二ねんき、そしてんだ。

9エノシュは九十さいになったとき、ケナンをもうけた。10エノシュは、ケナンがまれたのち八百十五ねんきて、むすむすめをもうけた。11エノシュは九百五ねんき、そしてんだ。

12ケナンは七十さいになったとき、マハラルエルをもうけた。13ケナンは、マハラルエルがまれたのち八百四十ねんきて、むすむすめをもうけた。14ケナンは九百十ねんき、そしてんだ。

15マハラルエルは六十五さいになったとき、イエレドをもうけた。16マハラルエルは、イエレドがまれたのち八百三十ねんきて、むすむすめをもうけた。17マハラルエルは八百九十五ねんき、そしてんだ。

18イエレドは百六十二さいになったとき、エノクをもうけた。19イエレドは、エノクがまれたのち八百ねんきて、むすむすめをもうけた。20イエレドは九百六十二ねんき、そしてんだ。

21エノクは六十五さいになったとき、メトシェラをもうけた。22エノクは、メトシェラがまれたのち、三百ねんかみともあゆみ、むすむすめをもうけた。23エノクは三百六十五ねんきた。24エノクはかみともあゆみ、かみられたのでいなくなった。

25メトシェラは百八十七さいになったとき、レメクをもうけた。26メトシェラは、レメクがまれたのち七百八十二ねんきて、むすむすめをもうけた。27メトシェラは九百六十九ねんき、そしてんだ。

28レメクは百八十二さいになったとき、おとこをもうけた。29かれは、「しゅのろいをけただいはたらわれわれろうを、このなぐさめてくれるであろう」とって、そのをノア(なぐさめ)とけた。30レメクは、ノアがまれたのち五百九十五ねんきて、むすむすめをもうけた。31レメクは七百七十七ねんき、そしてんだ。

32ノアは五百さいになったとき、セム、ハム、ヤフェトをもうけた。

こうずい

6

1さて、じょうひとはじめ、むすめたちがまれた。2かみらは、ひとむすめたちがうつくしいのをて、おのおのえらんだものつまにした。3しゅわれた。

「わたしのれいひとなかえいきゅうにとどまるべきではない。ひとにくにすぎないのだから。」こうして、ひといっしょうは百二十ねんとなった。

4とうもそののちも、じょうにはネフィリムがいた。これは、かみらがひとむすめたちのところにはいってませたものであり、おおむかしだかえいゆうたちであった。

5しゅは、じょうひとあくし、つねわるいことばかりをこころおもはかっているのをらんになって、6じょうひとつくったことをこうかいし、こころいためられた。7しゅわれた。

「わたしはひとそうぞうしたが、これをじょうからぬぐいろう。ひとだけでなく、ちくうものもそらとりも。わたしはこれらをつくったことをこうかいする。」8しかし、ノアはしゅこうた。

9これはノアのものがたりである。そのだいなかで、ノアはかみしたがひとであった。ノアはかみともあゆんだ。10ノアには三にんむす、セム、ハム、ヤフェトがまれた。

11このかみまえらくし、ほうちていた。12かみらんになった。よ、それはらくし、すべてにくなるものはこのらくみちあゆんでいた。13かみはノアにわれた。

「すべてにくなるものをわらせるときがわたしのまえている。かれらのゆえにほうちている。よ、わたしはもろともかれらをほろぼす。

14あなたはゴフェルのはこぶねつくりなさい。はこぶねにはいくつもつくり、うちがわにもそとがわにもタールをりなさい。

15つぎのようにしてそれをつくりなさい。はこぶねながさを三百アンマ、はばを五十アンマ、たかさを三十アンマにし、16はこぶねかりりをつくり、うえから一アンマにして、それをげなさい。はこぶねそくめんにはぐちつくりなさい。また、一かいと二かいと三がいつくりなさい。

17よ、わたしはじょうこうずいをもたらし、いのちれいをもつ、すべてにくなるものをてんしたからほろぼす。じょうのすべてのものはいきえる。

18わたしはあなたとけいやくてる。あなたはさいよめたちとともはこぶねはいりなさい。19また、すべていのちあるもの、すべてにくなるものから、二つずつはこぶねれてはいり、あなたとともびるようにしなさい。それらは、おすめすでなければならない。20それぞれのとり、それぞれのちく、それぞれのうものが、二つずつあなたのところへて、びるようにしなさい。21さらに、べられるものはすべてあなたのところにあつめ、あなたとかれらのしょくりょうとしなさい。」

22ノアは、すべてかみめいじられたとおりにたした。

7

1しゅはノアにわれた。

「さあ、あなたとあなたのぞくみなはこぶねはいりなさい。このだいなかであなただけはわたしにしたがひとだと、わたしはみとめている。2あなたはきよどうぶつをすべて七つがいずつり、また、きよくないどうぶつをすべてひとつがいずつりなさい。3そらとりも七つがいりなさい。ぜんおもてそんつづけるように。4なののち、わたしは四十にち四十じょうあめらせ、わたしがつくったすべてのものおもてからぬぐいることにした。」5ノアは、すべてしゅめいじられたとおりにした。

6ノアが六百さいのとき、こうずいじょうこり、みずうえにみなぎった。7ノアはさいよめたちとともこうずいまぬかれようとはこぶねはいった。8きよどうぶつきよくないどうぶつも、とりうものもすべて、9二つずつはこぶねのノアのもとにた。それはかみがノアにめいじられたとおりに、おすめすであった。

10なのぎて、こうずいじょうこった。11ノアのしょうがいだい六百ねんだい二のつきの十七にち、このおおいなるしんえんみなもとがことごとくけ、てんまどひらかれた。12あめが四十にち四十じょうつづいたが、13まさにこの、ノアも、むすのセム、ハム、ヤフェト、ノアのつま、この三にんむすよめたちも、はこぶねはいった。14かれらとともにそれぞれのけもの、それぞれのちく、それぞれのうもの、それぞれのとりとりつばさのあるものすべて、15いのちれいをもつにくなるものは、二つずつノアのもとにはこぶねはいった。16かみめいじられたとおりに、すべてにくなるもののおすめすとがた。しゅは、ノアのうしろでざされた。

17こうずいは四十にちかんじょうおおった。みずだいしてはこぶねげ、はこぶねだいはなれてかんだ。18みずせいりょくし、うえおおいにみなぎり、はこぶねみずおもてただよった。19みずはますますいきおいをくわえてじょうにみなぎり、およそてんしたにあるたかやまはすべておおわれた。20みずいきおいをしてさらにそのうえ十五アンマにたっし、やまやまおおった。

21じょううごいていたにくなるものはすべて、とりちくけものむらがりうものもひとも、ことごとくいきえた。22かわいたのすべてのもののうち、そのはないのちいきれいのあるものはことごとくんだ。23おもてにいたものはすべて、ひとをはじめ、ちくうもの、そらとりいたるまでぬぐいられた。かれらはだいからぬぐいられ、ノアと、かれともはこぶねにいたものだけがのこった。24みずは百五十にちあいだじょういきおいをうしなわなかった。

8

1かみは、ノアとかれともはこぶねにいたすべてのけものとすべてのちくこころめ、うえかぜかせられたので、みずはじめた。2また、しんえんみなもとてんまどじられたので、てんからのあめりやみ、3みずじょうからひいてった。百五十にちのちにはみずって、4だい七のつきの十七にちはこぶねはアララトさんうえまった。5みずはますますってだい十のつきになり、だい十のつきついたちにはやまやまいただきあらわれた。

6四十にちたって、ノアはぶんつくったはこぶねまどひらき、7からすはなした。からすったが、じょうみずかわくのをって、たりはいったりした。8ノアははとかれのもとからはなして、おもてからみずがひいたかどうかをたしかめようとした。9しかし、はとまるところつからなかったので、はこぶねのノアのもとにかえってた。みずがまだぜんおもておおっていたからである。ノアはべてはとらえ、はこぶねぶんのもとにもどした。

10さらなのって、かれふたたはとはこぶねからはなした。11はとゆうがたになってノアのもとにかえってた。よ、はとはくちばしにオリーブのをくわえていた。ノアはみずじょうからひいたことをった。12かれさらなのって、はとはなした。はとはもはやノアのもとにかえってなかった。

13ノアが六百一さいのとき、さいしょつきついたちに、じょうみずかわいた。ノアははこぶねおおいをはずしてながめた。よ、おもてかわいていた。14だい二のつきの二十七にちになると、はすっかりかわいた。

15かみはノアにおおせになった。

16「さあ、あなたもあなたのつまも、むすよめも、みないっしょはこぶねからなさい。17すべてにくなるもののうちからあなたのもとにたすべてのどうぶつとりちくうものもいっしょし、むらがり、じょうみ、えるようにしなさい。」

18そこで、ノアはむすつまよめともそとた。19けものうもの、とりむらがるもの、それぞれすべてはこぶねからた。

20ノアはしゅのためにさいだんきずいた。そしてすべてのきよちくきよとりのうちからり、くすささものとしてさいだんうえにささげた。21しゅなだめのかおりをかいで、こころわれた。

ひとたいしてだいのろうことは二とすまい。ひとこころおもうことは、おさないときからわるいのだ。わたしは、このたびしたようにものをことごとくつことは、二とすまい。

22つづくかぎり、たねきもれも

さむさもあつさも、なつふゆ

ひるよるも、やむことはない。」

しゅくふくけいやく

9

1かみはノアとかれむすたちをしゅくふくしてわれた。

めよ、えよ、ちよ。2のすべてのけものそらのすべてのとりは、うすべてのものとうみのすべてのうおともに、あなたたちのまえおそれおののき、あなたたちのにゆだねられる。3うごいているいのちあるものは、すべてあなたたちのしょくりょうとするがよい。わたしはこれらすべてのものを、あおくさおなじようにあなたたちにあたえる。4ただし、にくいのちであるふくんだままべてはならない。

5また、あなたたちのいのちであるながされたあい、わたしはばいしょうようきゅうする。いかなるけものからもようきゅうする。にんげんどうしのについては、にんげんからにんげんいのちばいしょうとしてようきゅうする。

6ひとながもの

ひとによってぶんながされる。

ひとかみにかたどってつくられたからだ。

7あなたたちはめよ、えよ

むらがり、えよ。」

8かみはノアとかれむすたちにわれた。

9「わたしは、あなたたちと、そしてあとつづそんと、けいやくてる。10あなたたちとともにいるすべてのもの、またあなたたちとともにいるとりちくのすべてのけものなど、はこぶねからたすべてのもののみならず、のすべてのけものけいやくてる。11わたしがあなたたちとけいやくてたならば、二こうずいによってにくなるものがことごとくほろぼされることはなく、こうずいこってほろぼすこともけっしてない。」

12さらかみわれた。

「あなたたちならびにあなたたちとともにいるすべてのものと、とこしえにわたしがてるけいやくのしるしはこれである。13すなわち、わたしはくもなかにわたしのにじく。これはわたしとだいあいだてたけいやくのしるしとなる。14わたしがうえくもこらせ、くもなかにじあらわれると、15わたしは、わたしとあなたたちならびにすべてのもの、すべてにくなるものとのあいだてたけいやくこころめる。みずこうずいとなって、にくなるものをすべてほろぼすことはけっしてない。16くもなかにじあらわれると、わたしはそれをて、かみじょうのすべてのもの、すべてにくなるものとのあいだてたえいえんけいやくこころめる。」

17かみはノアにわれた。

「これが、わたしとじょうのすべてにくなるものとのあいだてたけいやくのしるしである。」

ノアとむすたち

18はこぶねからたノアのむすは、セム、ハム、ヤフェトであった。ハムはカナンのちちである。19この三にんがノアのむすで、ぜんかいひとびとかれらからひろがったのである。

20さて、ノアはのうとなり、ぶどうばたけつくった。21あるとき、ノアはぶどうしゅんでい、てんまくなかはだかになっていた。22カナンのちちハムは、ぶんちちはだかて、そとにいたふたきょうだいげた。23セムとヤフェトはものってぶんたちのかたけ、うしきにあるいてき、ちちはだかおおった。ふたかおそむけたままで、ちちはだかなかった。24ノアはいからさめると、すえむすがしたことをり、25こうった。

「カナンはのろわれよ

れいれいとなり、あにたちにつかえよ。」

26またった。

「セムのかみしゅをたたえよ。

カナンはセムのれいとなれ。

27かみがヤフェトのひろげ(ヤフェト)

セムのてんまくまわせ

カナンはそのれいとなれ。」

28ノアは、こうずいのち三百五十ねんきた。29ノアは九百五十さいになって、んだ。

ノアのそん

10

1ノアのむす、セム、ハム、ヤフェトのけいつぎのとおりである。こうずいのちかれらにむすまれた。

2ヤフェトのそんはゴメル、マゴグ、メディア、ヤワン、トバル、メシェク、ティラスであった。3ゴメルのそんは、アシュケナズ、リファト、トガルマであった。4ヤワンのそんは、エリシャ、タルシシュ、キティム、ロダニムであった。5うみ沿いのくにぐには、かれらからて、それぞれのに、そのげんぞくみんぞくしたがってむようになった。

6ハムのそんは、クシュ、エジプト、プト、カナンであった。7クシュのそんはセバ、ハビラ、サブタ、ラマ、サブテカであり、ラマのそんはシェバとデダンであった。8クシュにはまた、ニムロドがまれた。ニムロドはじょうさいしょゆうとなった。9かれは、しゅまえゆうかんかりゅうどであり、「しゅまえゆうかんかりゅうどニムロドのようだ」というかたがある。10かれおうこくおもまちは、バベル、ウルク、アッカドであり、それらはすべてシンアルのにあった。11かれはそのほうからアッシリアにすすみ、ニネベ、レホボト・イル、カラ、12レセンをてた。レセンはニネベとカラとのあいだにある、じょうおおきなまちであった。

13エジプトにはリディアじん、アナミムじん、レハビムじん、ナフトヒムじん14かみエジプトじん、カスルヒムじん、カフトルじんまれた。このカフトルじんからペリシテじんた。

15カナンにはちょうなんシドンとヘト、16また、エブスじん、アモリじん、ギルガシじん17ヒビじん、アルキじん、シニじん18アルワドじん、ツェマリじん、ハマトじんまれた。そののち、カナンじんしょぞくひろがった。19カナンじんりょうは、シドンからなんしてゲラルをてガザまでをふくみ、さらに、ソドム、ゴモラ、アドマ、ツェボイムをてラシャまでをふくんだ。20これらが、ぞくげんいきみんぞくごとにまとめたハムのそんである。

21セムにもまたどもまれた。かれはエベルのすべてのそんせんであり、ヤフェトのあにであった。22セムのそんはエラム、アシュル、アルパクシャド、ルド、アラムであった。23アラムのそんは、ウツ、フル、ゲテル、マシュであった。24アルパクシャドにはシェラがまれ、シェラにはエベルがまれた。25エベルにはふたむすまれた。ひとりのは、そのだいけられた(パラグ)ので、ペレグといい、そのきょうだいはヨクタンといった。26ヨクタンには、アルモダド、シェレフ、ハツァルマベト、イエラ、27ハドラム、ウザル、ディクラ、28オバル、アビマエル、シェバ、29オフィル、ハビラ、ヨバブがまれた。これらはみな、ヨクタンのむすであった。30かれらはメシャからセファルにいたひがしこうげんたいんでいた。31これらが、ぞくげんいきみんぞくごとにまとめたセムのそんである。

32ノアのそんであるしょぞくを、みんぞくごとのけいにまとめるとじょうのようになる。じょうしょみんぞくこうずいのちかれらからかれた。

バベルのとう

11

1かいじゅうおなこと使つかって、おなじようにはなしていた。2ひがしほうからどうしてきたひとびとは、シンアルのへいつけ、そこにいた。

3かれらは、「れんがをつくり、それをよくこう」とはなった。いしわりにれんがを、しっくいのわりにアスファルトをもちいた。4かれらは、「さあ、てんまでとどとうのあるまちて、ゆうめいになろう。そして、ぜんらされることのないようにしよう」とった。

5しゅくだってて、ひとらがてた、とうのあるこのまちて、6われた。

かれらは一つのたみで、みな一つのことはなしているから、このようなことをしはじめたのだ。これでは、かれらがなにくわだてても、さまたげることはできない。7われわれくだってって、ただちにかれらのことこんらんさせ、たがいのことけられぬようにしてしまおう。」

8しゅかれらをそこからぜんらされたので、かれらはこのまちけんせつをやめた。9こういうわけで、このまちはバベルとばれた。しゅがそこでぜんことこんらん(バラル)させ、また、しゅがそこからかれらをぜんらされたからである。

セムのけい

10セムのけいつぎのとおりである。セムが百さいになったとき、アルパクシャドがまれた。それはこうずいの二ねんのことであった。11セムは、アルパクシャドがまれたのち五百ねんきて、むすむすめをもうけた。

12アルパクシャドが三十五さいになったとき、シェラがまれた。13アルパクシャドは、シェラがまれたのち四百三ねんきて、むすむすめをもうけた。

14シェラが三十さいになったとき、エベルがまれた。15シェラは、エベルがまれたのち四百三ねんきて、むすむすめをもうけた。

16エベルが三十四さいになったとき、ペレグがまれた。17エベルは、ペレグがまれたのち四百三十ねんきて、むすむすめをもうけた。

18ペレグが三十さいになったとき、レウがまれた。19ペレグは、レウがまれたのち二百九ねんきて、むすむすめをもうけた。

20レウが三十二さいになったとき、セルグがまれた。21レウは、セルグがまれたのち二百七ねんきて、むすむすめをもうけた。

22セルグが三十さいになったとき、ナホルがまれた。23セルグは、ナホルがまれたのち二百ねんきて、むすむすめをもうけた。

24ナホルが二十九さいになったとき、テラがまれた。25ナホルは、テラがまれたのち百十九ねんきて、むすむすめをもうけた。

26テラが七十さいになったとき、アブラム、ナホル、ハランがまれた。

テラのけい

27テラのけいつぎのとおりである。テラにはアブラム、ナホル、ハランがまれた。ハランにはロトがまれた。28ハランはちちのテラよりさきに、きょうカルデアのウルでんだ。29アブラムとナホルはそれぞれつまをめとった。アブラムのつまはサライ、ナホルのつまはミルカといった。ミルカはハランのむすめである。ハランはミルカとイスカのちちであった。30サライはにんおんなで、どもができなかった。

31テラは、むすアブラムと、ハランのむすぶんまごであるロト、およびむすアブラムのつまぶんよめであるサライをれて、カルデアのウルをしゅっぱつし、カナンほうかった。かれらはハランまでると、そこにとどまった。32テラは二百五ねんしょうがいえて、ハランでんだ。

アブラムのしょうめいじゅう

12

1しゅはアブラムにわれた。

「あなたはまれきょう

ちちいえはなれて

わたしがしめきなさい。

2わたしはあなたをおおいなるこくみんにし

あなたをしゅくふくし、あなたのたかめる

しゅくふくみなもととなるように。

3あなたをしゅくふくするひとをわたしはしゅくふく

あなたをのろものをわたしはのろう。

じょうぞくはすべて

あなたによってしゅくふくはいる。」

4アブラムは、しゅことしたがってたびった。ロトもともった。

アブラムは、ハランをしゅっぱつしたとき七十五さいであった。5アブラムはつまのサライ、おいのロトをれ、たくわえたざいさんをすべてたずさえ、ハランでくわわったひとびとともにカナンほうかってしゅっぱつし、カナンほうはいった。6アブラムはそのとおり、シケムのせいじょモレのかしまでた。とう、そのほうにはカナンじんんでいた。

7しゅはアブラムにあらわれて、われた。

「あなたのそんにこのあたえる。」

アブラムは、かれあらわれたしゅのために、そこにさいだんきずいた。

8アブラムは、そこからベテルのひがしやまうつり、西にしにベテル、ひがしにアイをのぞところてんまくって、そこにもしゅのためにさいだんきずき、しゅんだ。9アブラムはさらたびつづけ、ネゲブほううつった。

エジプトたいざい

10そのほうきんがあった。アブラムは、そのほうきんがひどかったので、エジプトにくだり、そこにたいざいすることにした。11エジプトにはいろうとしたとき、つまサライにった。

「あなたがうつくしいのを、わたしはよくっている。12エジプトじんがあなたをたら、『このおんなはあのおとこつまだ』とって、わたしをころし、あなたをかしておくにちがいない。13どうか、わたしのいもうとだ、とってください。そうすれば、わたしはあなたのゆえにさいわいになり、あなたのおかげいのちたすかるだろう。」

14アブラムがエジプトにはいると、エジプトじんはサライをて、たいへんうつくしいとおもった。15ファラオのしんたちもかのじょて、ファラオにかのじょのことをめたので、サライはファラオのきゅうていれられた。16アブラムもかのじょのゆえにさいわいをけ、ひつじれ、うしれ、ろば、だんじょれいろば、らくだなどをあたえられた。17ところがしゅは、アブラムのつまサライのことで、ファラオときゅうていひとびとおそろしいびょうにかからせた。18ファラオはアブラムをせてった。

「あなたはわたしになんということをしたのか。なぜ、あのじんぶんつまだと、わなかったのか。19なぜ、『わたしのいもうとです』などとったのか。だからこそ、わたしのつまとしてれたのだ。さあ、あなたのつまれて、ってもらいたい。」

20ファラオはらいたちにめいじて、アブラムを、そのつまとすべてのものともおくさせた。

ロトとのわか

13

1アブラムは、つまともに、すべてのものたずさえ、エジプトをふたたびネゲブほうのぼった。ロトもいっしょであった。2アブラムはじょうおおくのちくきんぎんっていた。3ネゲブほうからさらに、ベテルにかってたびつづけ、ベテルとアイとのあいだの、ぜんてんまくったところまでた。4そこは、かれさいしょさいだんきずいて、しゅんだしょであった。

5アブラムとともたびをしていたロトもまた、ひつじうしれをい、たくさんのてんまくっていた。6そのは、かれらがいっしょむにはじゅうぶんではなかった。かれらのざいさんおおすぎたから、いっしょむことができなかったのである。7アブラムのちくものたちと、ロトのちくものたちとのあいだあらそいがきた。そのころ、そのほうにはカナンじんもペリジじんんでいた。

8アブラムはロトにった。

「わたしたちはしんるいどうしだ。わたしとあなたのあいだではもちろん、おたがいのひつじいのあいだでもあらそうのはやめよう。9あなたのまえにはいくらでもがあるのだから、ここでわかれようではないか。あなたがひだりくなら、わたしはみぎこう。あなたがみぎくなら、わたしはひだりこう。」

10ロトがげてながめると、ヨルダンがわりゅういきていいったいは、しゅがソドムとゴモラをほろぼすまえであったので、ツォアルにいたるまで、しゅそののように、エジプトのくにのように、わたすかぎりよくうるおっていた。11ロトはヨルダンがわりゅういきていいったいえらんで、ひがしうつってった。こうしてかれらは、ゆうわかれた。12アブラムはカナンほうみ、ロトはていまちまちんだが、かれはソドムまでてんまくうつした。13ソドムのじゅうみんじゃあくで、しゅたいしておおくのつみおかしていた。

14しゅは、ロトがわかれてったのち、アブラムにわれた。

「さあ、げて、あなたがいるしょからとう西ざいなんぼくわたしなさい。15えるかぎりのをすべて、わたしはえいきゅうにあなたとあなたのそんあたえる。16あなたのそんだいすなつぶのようにする。だいすなつぶかぞえきれないように、あなたのそんかぞえきれないであろう。17さあ、このじゅうおうあるまわるがよい。わたしはそれをあなたにあたえるから。」

18アブラムはてんまくうつし、ヘブロンにあるマムレのかしのところにみ、そこにしゅのためにさいだんきずいた。

おうたちのたたか

14

1シンアルのおうアムラフェル、エラサルのおうアルヨク、エラムのおうケドルラオメル、ゴイムのおうティドアルが、2ソドムのおうベラ、ゴモラのおうビルシャ、アドマのおうシンアブ、ツェボイムのおうシェムエベル、ベラ、すなわちツォアルのおうたたかったとき、3これら五にんおうみな、シディムのたに、すなわちしおうみどうめいむすんだ。4かれらは十二ねんかんケドルラオメルにはいされていたが、十三ねんそむいたのである。

5十四ねんに、ケドルラオメルとそのかたおうたちがて、アシュテロト・カルナイムでレファイムじんを、ハムでズジムじんを、シャベ・キルヤタイムでエミムじんを、6セイルのさんでフリじんち、ちかいエル・パランまですすんだ。7かれらはてんしんして、エン・ミシュパト、すなわちカデシュにかい、アマレクじんぜんりょうとハツェツォン・タマルにむアモリじんった。8そこで、ソドムのおう、ゴモラのおうアドマのおう、ツェボイムのおう、ベラすなわちツォアルのおうへいし、シディムのたにかれらとたたかおうとじんいた。9エラムのおうケドルラオメル、ゴイムのおうティドアル、シンアルのおうアムラフェル、エラサルのおうアルヨクの四にんおうたいして、これら五にんおうたたかいをいどんだのである。

10シディムのたににはいたるところにてんねんアスファルトのあながあった。ソドムとゴモラのおうげるとき、そのあなちた。のこりのおうやまのがれた。11ソドムとゴモラのざいさんしょくりょうはすべてうばられ、12ソドムにんでいたアブラムのおいロトも、ざいさんもろともられた。

ロトのきゅうしゅつ

13びたひとおとこがヘブライじんアブラムのもとにて、そのことをらせた。アブラムはとう、アモリじんマムレのかしかたわらにんでいた。マムレはエシュコルとアネルのきょうだいで、かれらはアブラムとどうめいむすんでいた。14アブラムは、しんぞくものりょになったといて、かれいえまれたれいで、くんれんけたもの三百十八にんしょうしゅうし、ダンまでついせきした。15よるかれしもべたちはかれててきおそい、ダマスコのきたのホバまでついせきした。16アブラムはすべてのざいさんかえし、しんぞくのロトとそのざいさんおんなたちやそのほかのひとびともどした。

メルキゼデクのしゅくふく

17アブラムがケドルラオメルとそのかたおうたちをやぶってかえってたとき、ソドムのおうはシャベのたに、すなわちおうたにまでかれむかえた。18いとたかかみさいであったサレムのおうメルキゼデクも、パンとぶどうしゅってた。19かれはアブラムをしゅくふくしてった。

てんつくぬし、いとたかかみ

アブラムはしゅくふくされますように。

20てきをあなたのわたされた

いとたかかみがたたえられますように。」

アブラムはすべてのものの十ぶんの一をかれおくった。

21ソドムのおうはアブラムに、「ひとはわたしにおかえしください。しかし、ざいさんはおりください」とったが、22アブラムはソドムのおうった。

「わたしは、てんつくぬし、いとたかかみしゅげてちかいます。23あなたのものは、たとえいとひとすじくつひも一ぽんでも、けっしていただきません。『アブラムをゆうふくにしたのは、このわたしだ』と、あなたにわれたくありません。24わたしはなにりません。ただ、わかものたちがべたものと、わたしとともたたかったひとびと、すなわち、アネルとエシュコルとマムレのぶんべつです。かれらにはまえらせてください。」

かみやくそく

15

1これらのことのあとで、しゅことまぼろしなかでアブラムにのぞんだ。

おそれるな、アブラムよ。

わたしはあなたのたてである。

あなたのけるむくいはじょうおおきいであろう。」

2アブラムはたずねた。「わがかみしゅよ。わたしになにをくださるというのですか。わたしにはどもがありません。いえぐのはダマスコのエリエゼルです。」3アブラムはことをついだ。「らんのとおり、あなたはわたしにそんあたえてくださいませんでしたから、いえしもべあとぐことになっています。」

4よ、しゅことがあった。

「そのものがあなたのあとぐのではなく、あなたからまれるものあとぐ。」

5しゅかれそとしてわれた。「てんあおいで、ほしかぞえることができるなら、かぞえてみるがよい。」そしてわれた。「あなたのそんはこのようになる。」

6アブラムはしゅしんじた。しゅはそれをかれみとめられた。

7しゅわれた。

「わたしはあなたをカルデアのウルからみちびしたしゅである。わたしはあなたにこあたえ、それをがせる。」

8アブラムはたずねた。

「わがかみしゅよ。このをわたしがぐことを、なにによってることができましょうか。」

9しゅわれた。

「三さいうしと、三さいと、三さいひつじと、やまばとと、はとひなとをわたしのもとにってなさい。」

10アブラムはそれらのものをみなってて、ぷたつにき、それぞれをたがいにかいわせていた。ただ、とりかなかった。11はげたかがこれらのたいをねらってりてると、アブラムははらった。

12しずみかけたころ、アブラムはふかねむりにおそわれた。すると、おそろしいおおいなるあんこくかれのぞんだ。13しゅはアブラムにわれた。

「よくおぼえておくがよい。あなたのそんほうくにりゅうしゃとなり、四百ねんあいだれいとしてつかえ、くるしめられるであろう。14しかしわたしは、かれらがれいとしてつかえるそのこくみんさばく。そのあとかれらはおおくのざいさんたずさえてだっしゅつするであろう。15あなたしんは、ちょう寿じゅまっとうしてほうむられ、やすらかにせんのもとにく。16ここにもどってるのは、四だいものたちである。それまでは、アモリじんつみきわみにたっしないからである。」

17しずみ、くらやみおおわれたころ、とつぜんけむりえるたいまつが二つにかれたどうぶつあいだとおぎた。18そのしゅはアブラムとけいやくむすんでわれた。

「あなたのそんにこのあたえる。エジプトのかわからたいユーフラテスにいたるまで、19カインじん、ケナズじん、カドモニじん20ヘトじん、ペリジじん、レファイムじん21アモリじん、カナンじん、ギルガシじん、エブスじんあたえる。」

ハガルのとうぼうしゅっさん

16

1アブラムのつまサライには、どもまれなかった。かのじょには、ハガルというエジプトじんおんなれいがいた。2サライはアブラムにった。

しゅはわたしにどもさずけてくださいません。どうぞ、わたしのおんなれいのところにはいってください。わたしはかのじょによって、どもあたえられるかもしれません。」

アブラムは、サライのねがいをれた。3アブラムのつまサライは、エジプトじんおんなれいハガルをれてて、おっとアブラムのそばとした。アブラムがカナンほうんでから、十ねんのことであった。4アブラムはハガルのところにはいり、かのじょごもった。ところが、ぶんごもったのをると、かのじょおんなしゅじんかろんじた。5サライはアブラムにった。

「わたしがとうったのは、あなたのせいです。おんなれいをあなたのふところあたえたのはわたしなのに、かのじょぶんごもったのをると、わたしをかろんじるようになりました。しゅがわたしとあなたとのあいださばかれますように。」

6アブラムはサライにこたえた。

「あなたのおんなれいはあなたのものだ。きなようにするがいい。」

サライはかのじょにつらくたったので、かのじょはサライのもとからげた。7しゅ使つかいがいずみのほとり、シュルかいどう沿いずみのほとりでかのじょって、8った。

「サライのおんなれいハガルよ。あなたはどこからて、どこへこうとしているのか。」

おんなしゅじんサライのもとからげているところです」とこたえると、9しゅ使つかいはった。

おんなしゅじんのもとにかえり、じゅうじゅんつかえなさい。」

10しゅ使つかいはさらった。

「わたしは、あなたのそんかぞえきれないほどおおやす。」

11しゅ使つかいはまたった。

いま、あなたはごもっている。

やがてあなたはおとこむ。

そのをイシュマエルとけなさい

しゅがあなたのなやみをおきになられたから。

12かれせいのろばのようなひとになる。

かれがあらゆるひとにこぶしをりかざすので

ひとびとみなかれにこぶしをるう。

かれきょうだいすべてにてきたいしてらす。」

13ハガルはぶんかたりかけたしゅんで、「あなたこそエル・ロイ(わたしをかえりみられるかみ)です」とった。それは、かのじょが、「かみがわたしをかえりみられたのちもなお、わたしはここでつづけていたではないか」とったからである。14そこで、そのは、ベエル・ラハイ・ロイとばれるようになった。それはカデシュとベレドのあいだにある。

15ハガルはアブラムとのあいだおとこんだ。アブラムは、ハガルがんだおとこをイシュマエルとけた。16ハガルがイシュマエルをんだとき、アブラムは八十六さいであった。

けいやくかつれい

17

1アブラムが九十九さいになったとき、しゅはアブラムにあらわれてわれた。

「わたしはぜんのうかみである。あなたはわたしにしたがってあゆみ、まったものとなりなさい。2わたしは、あなたとのあいだにわたしのけいやくて、あなたをますますやすであろう。」3アブラムはひれした。かみさらに、かたりかけてわれた。

4「これがあなたとむすぶわたしのけいやくである。あなたはおおくのこくみんちちとなる。5あなたは、もはやアブラムではなく、アブラハムとりなさい。あなたをおおくのこくみんちちとするからである。6わたしは、あなたをますますはんえいさせ、しょこくみんちちとする。おうとなるものたちがあなたからるであろう。

7わたしは、あなたとのあいだに、またあとつづそんとのあいだけいやくて、それをえいえんけいやくとする。そして、あなたとあなたのそんかみとなる。8わたしは、あなたがたいざいしているこのカナンのすべてのを、あなたとそのそんに、えいきゅうしょゆうとしてあたえる。わたしはかれらのかみとなる。」

9かみはまた、アブラハムにわれた。

「だからあなたも、わたしのけいやくまもりなさい、あなたもあとつづそんも。10あなたたち、およびあなたのあとつづそんと、わたしとのあいだまもるべきけいやくはこれである。すなわち、あなたたちのだんはすべて、かつれいける。11ほうぶんりなさい。これが、わたしとあなたたちとのあいだけいやくのしるしとなる。12いつのだいでも、あなたたちのだんはすべて、ちょっけいそんはもちろんのこと、いえまれたれいも、がいこくじんからったれいであなたのそんでないものみなまれてからようかつれいけなければならない。13あなたのいえまれたれいも、ったれいも、かならかつれいけなければならない。それによって、わたしのけいやくはあなたのからだしるされてえいえんけいやくとなる。14ほうぶんらないかつれいおとこがいたなら、そのひとたみあいだからたれる。わたしのけいやくやぶったからである。」

15かみはアブラハムにわれた。

「あなたのつまサライは、まえをサライではなく、サラとびなさい。16わたしはかのじょしゅくふくし、かのじょによってあなたにおとこあたえよう。わたしはかのじょしゅくふくし、しょこくみんははとする。しょみんぞくおうとなるものたちがかのじょからる。」

17アブラハムはひれした。しかしわらって、ひそかにった。「百さいおとこどもまれるだろうか。九十さいのサラにどもめるだろうか。」18アブラハムはかみった。

「どうか、イシュマエルがまえながらえますように。」

19かみわれた。

「いや、あなたのつまサラがあなたとのあいだおとこむ。そのをイサク(かれわらう)とけなさい。わたしはかれけいやくて、かれそんのためにえいえんけいやくとする。

20イシュマエルについてのねがいもれよう。かならず、わたしはかれしゅくふくし、おおいにどもやしはんえいさせる。かれは十二にんしゅちょうちちとなろう。わたしはかれおおいなるこくみんとする。21しかし、わたしのけいやくは、らいねんいまごろ、サラがあなたとのあいだむイサクとてる。」

22かみはこうかたえると、アブラハムをはなれてのぼってかれた。

23アブラハムは、むすのイシュマエルをはじめ、いえまれたれいったれいなど、ぶんいえにいるひとびとのうち、だんみなあつめて、すぐそのに、かみめいじられたとおりほうかつれいほどこした。24アブラハムがほうかつれいけたのは、九十九さい25むすイシュマエルがほうかつれいけたのは、十三さいであった。26アブラハムとむすのイシュマエルは、すぐそのかつれいけた。27アブラハムのいえだんは、いえまれたれいがいこくじんからったれいみなともかつれいけた。

イサクのたんじょうこく

18

1しゅはマムレのかしところでアブラハムにあらわれた。あつひるに、アブラハムはてんまくぐちすわっていた。2げてると、三にんひとかれかってっていた。アブラハムはすぐにてんまくぐちからはしむかえ、にひれして、3った。

「おきゃくさま、よろしければ、どうか、しもべのもとをとおぎないでください。4みずしょうしょうってさせますから、あしあらって、かげでどうぞひとやすみなさってください。5なにがるものを調ととのえますので、つかれをいやしてから、おかけください。せっかく、しもべところちかくをおとおりになったのですから。」

そのひとたちはった。

「では、おことどおりにしましょう。」

6アブラハムはいそいでてんまくもどり、サラのところにった。

はやく、じょうとうむぎを三セアほどこねて、パンをこしらえなさい。」

7アブラハムはうしれのところへはしってき、やわらかくておいしそうなうしえらび、使つかいにわたし、いそいでりょうさせた。8アブラハムは、ぎょうにゅうちちてのうしりょうなどをはこび、かれらのまえならべた。そして、かれらがかげしょくをしているあいだ、そばにってきゅうをした。

9かれらはアブラハムにたずねた。

「あなたのつまのサラはどこにいますか。」

「はい、てんまくなかにおります」とアブラハムがこたえると、10かれらのひとった。

「わたしはらいねんいまごろ、かならずここにまたますが、そのころには、あなたのつまのサラにおとこまれているでしょう。」サラは、すぐうしろのてんまくぐちいていた。11アブラハムもサラもおおくのかさねてろうじんになっており、しかもサラはつきのものがとうになくなっていた。12サラはひそかにわらった。ぶんとしをとり、もはやたのしみがあるはずもなし、しゅじんとしいているのに、とおもったのである。

13しゅはアブラハムにわれた。

「なぜサラはわらったのか。なぜとしをとったぶんどもまれるはずがないとおもったのだ。14しゅのうなことがあろうか。らいねんいまごろ、わたしはここにもどってくる。そのころ、サラにはかならおとこまれている。」15サラはおそろしくなり、った。「わたしはわらいませんでした。」しゅわれた。「いや、あなたはたしかにわらった。」

ソドムのための

16そのひとたちはそこをって、ソドムをろすところまでた。アブラハムも、かれらをおくるためにいっしょった。17しゅわれた。

「わたしがおこなおうとしていることをアブラハムにかくひつようがあろうか。18アブラハムはおおきなつよこくみんになり、かいのすべてのこくみんかれによってしゅくふくはいる。19わたしがアブラハムをえらんだのは、かれむすたちとそのそんに、しゅみちまもり、しゅしたがってせいおこなうようめいじて、しゅがアブラハムにやくそくしたことをじょうじゅするためである。」

20しゅわれた。

「ソドムとゴモラのつみじょうおもい、とうったえるさけびがじつおおきい。21わたしはくだってき、かれらのぎょうせきが、たして、わたしにとどいたさけびのとおりかどうかたしかめよう。」

22そのひとたちは、さらにソドムのほうかったが、アブラハムはなお、しゅまえにいた。23アブラハムはすすった。

「まことにあなたは、ただしいものわるものいっしょほろぼされるのですか。24あのまちただしいものが五十にんいるとしても、それでもほろぼし、その五十にんただしいもののために、まちをおゆるしにはならないのですか。25ただしいものわるものいっしょころし、ただしいものわるものおなわせるようなことを、あなたがなさるはずはございません。まったくありえないことです。ぜんかいさばくおかたは、せいおこなわれるべきではありませんか。」

26しゅわれた。

「もしソドムのまちただしいものが五十にんいるならば、そのものたちのために、まちぜんゆるそう。」

27アブラハムはこたえた。

ちりあくたにすぎないわたしですが、あえて、わがしゅもうげます。28もしかすると、五十にんただしいものに五にんりないかもしれません。それでもあなたは、五にんりないために、まちのすべてをほろぼされますか。」

しゅわれた。

「もし、四十五にんいればほろぼさない。」

29アブラハムはかさねてった。

「もしかすると、四十にんしかいないかもしれません。」

しゅわれた。

「その四十にんのためにわたしはそれをしない。」

30アブラハムはった。

しゅよ、どうかおいかりにならずに、もうすこわせてください。もしかすると、そこには三十にんしかいないかもしれません。」

しゅわれた。

「もし三十にんいるならわたしはそれをしない。」

31アブラハムはった。

「あえて、わがしゅもうげます。もしかすると、二十にんしかいないかもしれません。」

しゅわれた。

「その二十にんのためにわたしはほろぼさない。」

32アブラハムはった。

しゅよ、どうかおいかりにならずに、もう一だけわせてください。もしかすると、十にんしかいないかもしれません。」

しゅわれた。

「その十にんのためにわたしはほろぼさない。」

33しゅはアブラハムとかたえると、ってかれた。アブラハムもぶんまいにかえった。

ソドムのめつぼう

19

1ふた使つかいがゆうがたソドムにいたとき、ロトはソドムのもんところすわっていた。ロトはかれらをると、がってむかえ、にひれして、2った。

みなさまがた、どうぞしもべいえり、あしあらっておまりください。そして、あさはやきてしゅったつなさってください。」かれらはった。「いや、けっこうです。わたしたちはこのひろごします。」3しかし、ロトがぜひにとすすめたので、かれらはロトのところることにし、かれいえたずねた。ロトは、こうれないパンをいてしょくきょうし、かれらをもてなした。

4かれらがまだとこかないうちに、ソドムのまちおとこたちが、わかものとしりもこぞってしかけ、いえかこんで、5わめきたてた。

こん、おまえのところへれんちゅうはどこにいる。ここへれてい。なぶりものにしてやるから。」

6ロトは、ぐちまえにたむろしているおとこたちのところへき、うしろのめて、7った。

「どうか、みなさん、らんぼうなことはしないでください。8じつは、わたしにはまだとつがせていないむすめふたおります。みなさんにそのむすめたちをしますから、きなようにしてください。ただ、あのかたがたにはなにもしないでください。このいえしたせていただいたのですから。」

9おとこたちはくちぐちった。

「そこをどけ。」

「こいつは、よそもののくせに、さしなどして。」

「さあ、かれらよりさきに、おまえいたわせてやる。」

そして、ロトにってからだしつけ、やぶろうとした。

10ふたきゃくはそのとき、ばして、ロトをいえなかれてめ、11ぐちまえにいるおとこたちに、ろうにゃくわず、つぶしをわせ、ぐちからなくした。12ふたきゃくはロトにった。

「ほかに、あなたのうちひとがこのまちにいますか。あなたの婿むこむすむすめなどをみなれてここからげなさい。13じつは、わたしたちはこのまちほろぼしにたのです。おおきなさけびがしゅのもとにとどいたので、しゅは、このまちほろぼすためにわたしたちをつかわされたのです。」

14ロトはとついだむすめたちの婿むこのところへき、「さあはやく、ここからげるのだ。しゅがこのまちほろぼされるからだ」とうながしたが、婿むこたちはじょうだんだとおもった。

15けるころ、使つかいたちはロトをせきたててった。

「さあはやく、あなたのつまとここにいるふたむすめれてきなさい。さもないと、このまちくだばつえになってほろぼされてしまう。」

16ロトはためらっていた。しゅあわれんで、ふたきゃくにロト、つまふたむすめをとらせてまちそとなんするようにされた。17かれらがロトたちをまちはずれへしたとき、しゅわれた。

いのちがけでのがれよ。うしろをかえってはいけない。ていのどこにもとどまるな。やまげなさい。さもないと、ほろびることになる。」

18ロトはった。

しゅよ、できません。19あなたはしもべめ、いつくしみをゆたかにしめし、いのちすくおうとしてくださいます。しかし、わたしはやままでびることはできません。おそらく、さいがいまれて、んでしまうでしょう。20らんください、あのまちを。あそこならちかいので、げてけるとおもいます。あれはちいさなまちです。あそこへげさせてください。あれはほんのちいさなまちです。どうか、そこでわたしのいのちすくってください。」

21しゅわれた。

「よろしい。そのこともあなたのねがいをとどけ、あなたのうそのまちほろぼさないことにしよう。22いそいでげなさい。あなたがあのまちくまでは、わたしはなにおこなわないから。」

そこで、そのまちはツォアル(ちいさい)とけられた。

23たいようじょうのぼったとき、ロトはツォアルにいた。24しゅはソドムとゴモラのうえてんから、しゅのもとからおうらせ、25これらのまちていいったいを、まちぜんじゅうみんくさもろともほろぼした。26ロトのつまうしろをいたので、しおはしらになった。

27アブラハムは、そのあさはやきて、さきにしゅたいめんしたしょき、28ソドムとゴモラ、およびていいったいろすと、けむりのようにめんからけむりのぼっていた。

29こうして、ロトのんでいたていまちまちほろぼされたが、かみはアブラハムをこころめ、ロトをめつのただなかからすくされた。

ロトのむすめたち

30ロトはツォアルをて、ふたむすめやまなかんだ。ツォアルにむのをおそれたからである。かれほらあなふたむすめんだ。31あねいもうとった。

ちちとしいてきました。このあたりには、のしきたりにしたがって、わたしたちのところへてくれるおとこひとはいません。32さあ、ちちにぶどうしゅませ、とこともにし、ちちからだねけましょう。」

33むすめたちはそのちちおやにぶどうしゅませ、あねがまず、ちちおやのところへはいってた。ちちおやは、むすめたのもったのもがつかなかった。

34あくるあねいもうとった。

「わたしはゆうちちました。こんばんちちにぶどうしゅませて、あなたがってちちとこともにし、ちちからだねをいただきましょう。」

35むすめたちはそのもまた、ちちおやにぶどうしゅませ、いもうとちちおやのところへってた。ちちおやは、むすめたのもったのもがつかなかった。

36このようにして、ロトのふたむすめちちごもり、37やがて、あねおとこみ、モアブ(ちちおやより)とけた。かれこんにちのモアブじんせんである。38いもうともまたおとこみ、ベン・アミ(わたしのにくしん)とけた。かれこんにちのアンモンのひとびとせんである。

ゲラルたいざい

20

1アブラハムは、そこからネゲブほううつり、カデシュとシュルのあいだんだ。

ゲラルにたいざいしていたとき、2アブラハムはつまサラのことを、「これはわたしのいもうとです」とったので、ゲラルのおうアビメレクは使つかいをやってサラをれた。3そのゆめなかでアビメレクにかみあらわれてわれた。

「あなたは、れたおんなのゆえにぬ。そのおんなおっとのあるだ。」

4アビメレクは、まだかのじょちかづいていなかったので、「しゅよ、あなたはただしいものでもころされるのですか。5かのじょいもうとだとったのはかれではありませんか。またかのじょしんも、『あのひとはわたしのあにです』といました。わたしは、まったくやましいかんがえもせいしゅだんでもなくこのことをしたのです」とった。6かみゆめなかでアビメレクにわれた。

「わたしも、あなたがまったくやましいかんがえでなしにこのことをしたことはっている。だからわたしも、あなたがわたしにたいしてつみおかすことのないように、かのじょれさせなかったのだ。7ただちに、あのひとつまかえしなさい。かれげんしゃだから、あなたのためにいのり、いのちすくってくれるだろう。しかし、もしかえさなければ、あなたもあなたのらいみなかならぬことをかくせねばならない。」

8つぎあさはやく、アビメレクはらいたちをのこらずあつめ、いっさいごとかたかせたので、いちどうじょうおそれた。9アビメレクはそれから、アブラハムをんでった。

「あなたはわれわれなんということをしたのか。わたしがあなたにどんなつみおかしたというので、あなたはわたしとわたしのおうこくだいそれたつみおかさせようとしたのか。あなたは、してはならぬことをわたしにしたのだ。」

10アビメレクはさらに、アブラハムにった。

「どういうつもりで、こんなことをしたのか。」

11アブラハムはこたえた。

「このには、かみおそれることがまったくないので、わたしはつまのゆえにころされるとおもったのです。12じつかのじょは、わたしのいもうとでもあるのです。わたしのちちむすめですが、ははむすめではないのです。それで、わたしのつまとなったのです。13かつて、かみがわたしをちちいえからはなして、さすらいのたびされたとき、わたしはつまに、『わたしにくすとおもって、どこへっても、わたしのことを、このひとあにですとってくれないか』とたのんだのです。」

14アビメレクはひつじうしだんじょれいなどをってアブラハムにあたえ、また、つまサラをかえして、15った。

「このあたりはすべてわたしのりょうです。きなところにおまいください。」

16また、サラにった。

「わたしは、ぎん一千シェケルをあなたのあにうえおくりました。それは、あなたとのあいだのすべてのごとわくらすしょうです。これであなたのめいもどされるでしょう。」

17アブラハムがかみいのると、かみはアビメレクとそのつま、およびじょたちをいやされたので、ふたたどもむことができるようになった。18しゅがアブラハムのつまサラのゆえに、アビメレクのきゅうていのすべてのおんなたちのたいかたざしておられたからである。

イサクのたんじょう

21

1しゅは、やくそくされたとおりサラをかえりみ、さきにかたられたとおりサラのためにおこなわれたので、2かのじょごもり、としいたアブラハムとのあいだおとこんだ。それは、かみやくそくされていたであった。3アブラハムは、サラがんだぶんをイサクとけ、4かみめいじられたとおり、ように、むすイサクにかつれいほどこした。5むすイサクがまれたとき、アブラハムは百さいであった。6サラはった。

かみはわたしにわらいをおあたえになった。

ものみな、わたしとわらい(イサク)を

ともにしてくれるでしょう。」

7サラはまたった。

だれがアブラハムにいえたでしょう

サラはちちふくませるだろうと。

しかしわたしはみました

としいたおっとのために。」

8やがて、どもそだってばなれした。アブラハムはイサクのばなれのせいだいしゅくえんひらいた。

ハガルとイシュマエル

9サラは、エジプトのおんなハガルがアブラハムとのあいだんだが、イサクをからかっているのをて、10アブラハムにうったえた。

「あのおんなとあのしてください。あのおんなむすは、わたしのイサクとおなあとぎとなるべきではありません。」

11このことはアブラハムをじょうくるしめた。そのぶんであったからである。12かみはアブラハムにわれた。

「あのどもとあのおんなのことでくるしまなくてもよい。すべてサラがうことにしたがいなさい。あなたのそんはイサクによってつたえられる。13しかし、あのおんなむすも一つのこくみんちちとする。かれもあなたのであるからだ。」

14アブラハムは、つぎあさはやき、パンとみずかわぶくろってハガルにあたえ、なかわせてどもらせた。ハガルはり、ベエル・シェバのをさまよった。15かわぶくろみずくなると、かのじょどもを一ぽんかんぼくしたかせ、16「わたしはどもぬのをるのはしのびない」とって、とどくほどはなれ、どもほういてすわんだ。かのじょどもほういてすわると、こえをあげていた。17かみどもごえかれ、てんからかみ使つかいがハガルにびかけてった。

「ハガルよ、どうしたのか。おそれることはない。かみはあそこにいるどもごえかれた。18ってって、あのげ、おまえうででしっかりめてやりなさい。わたしは、かならずあのおおきなこくみんとする。」

19かみがハガルのひらかれたので、かのじょみずのあるつけた。かのじょってかわぶくろみずたし、どもませた。20かみがそのともにおられたので、そのせいちょうし、んでゆみものとなった。21かれがパランのんでいたとき、ははかれのためにつまをエジプトのくにからむかえた。

アビメレクとのけいやく

22そのころ、アビメレクとそのぐんたいちょうピコルはアブラハムにった。

かみは、あなたがなにをなさっても、あなたとともにおられます。23どうか、いまここでわたしとわたしの、わたしのまごあざむかないと、かみにかけてちかって(シャバ)ください。わたしがあなたにゆうこうてきたいをとってきたように、あなたも、りゅうしているこのくにとわたしにゆうこうてきたいをとってください。」

24アブラハムはこたえた。「よろしい、ちかいましょう。」

25アブラハムはアビメレクのたちがうばったことについて、アビメレクをめた。26アビメレクはった。

「そんなことをしたものがいたとはりませんでした。あなたもげなかったし、わたしもきょまでいていなかったのです。」

27アブラハムは、ひつじうしれをれてて、アビメレクにおくり、ふたけいやくむすんだ。28アブラハムはさらに、ひつじれのなかから七ひき(シェバ)のめすひつじべつにしたので、29アビメレクがアブラハムにたずねた。

「この七ひきめすひつじべつにしたのは、なんのためですか。」

30アブラハムはこたえた。

「わたしのからこの七ひきめすひつじって、わたしがこの(ベエル)ったことのしょうとしてください。」

31それで、このしょをベエル・シェバとぶようになった。ふたがそこでちかいをわしたからである。32ふたはベエル・シェバでけいやくむすび、アビメレクと、そのぐんたいちょうピコルはペリシテのくにかえってった。33アブラハムは、ベエル・シェバに一ぽんのぎょりゅうのえ、えいえんかみしゅんだ。34アブラハムは、ながあいだ、ペリシテのくにりゅうした。

アブラハム、イサクをささげる

22

1これらのことのあとで、かみはアブラハムをためされた。

かみが、「アブラハムよ」とびかけ、かれが、「はい」とこたえると、2かみめいじられた。

「あなたのむす、あなたのあいするひとイサクをれて、モリヤのきなさい。わたしがめいじるやまの一つにのぼり、かれくすささものとしてささげなさい。」

3つぎあさはやく、アブラハムはろばにくらき、ささものもちいるたきぎり、ふたわかものむすイサクをれ、かみめいじられたところかってった。

4みっになって、アブラハムがらすと、とおくにそのしょえたので、5アブラハムはわかものった。

「おまえたちは、ろばといっしょにここでっていなさい。わたしとむすはあそこへて、れいはいをして、またもどってくる。」

6アブラハムは、くすささものもちいるたきぎって、むすイサクにわせ、ぶんものった。ふたいっしょあるいてった。

7イサクはちちアブラハムに、「わたしのおとうさん」とびかけた。かれが、「ここにいる。わたしのよ」とこたえると、イサクはった。

たきぎはここにありますが、くすささものにするひつじはどこにいるのですか。」

8アブラハムはこたえた。

「わたしのよ、くすささものひつじはきっとかみそなえてくださる。」ふたいっしょあるいてった。

9かみめいじられたしょくと、アブラハムはそこにさいだんきずき、たきぎならべ、むすイサクをしばってさいだんたきぎうえせた。10そしてアブラハムは、ばしてものり、むすほふろうとした。

11そのとき、てんからしゅ使つかいが、「アブラハム、アブラハム」とびかけた。かれが、「はい」とこたえると、12使つかいはった。

「そのくだすな。なにもしてはならない。あなたがかみおそれるものであることが、いまかったからだ。あなたは、ぶんひとであるむすすら、わたしにささげることをしまなかった。」

13アブラハムはらしてまわした。すると、うしろのしげみに一ぴきひつじつのをとられていた。アブラハムはってそのひつじつかまえ、むすわりにくすささものとしてささげた。

14アブラハムはそのしょをヤーウェ・イルエ(しゅそなえてくださる)とけた。そこで、ひとびとこんにちでも「しゅやまに、そなえあり(イエラエ)」とっている。

15しゅ使つかいは、ふたたてんからアブラハムにびかけた。16使つかいはった。

「わたしはみずからにかけてちかう、としゅわれる。あなたがこのことおこない、ぶんひとであるむすすらしまなかったので、17あなたをゆたかにしゅくふくし、あなたのそんてんほしのように、うみすなのようにやそう。あなたのそんてきじょうもんる。18じょうしょこくみんはすべて、あなたのそんによってしゅくふくる。あなたがわたしのこえしたがったからである。」

19アブラハムはわかもののいるところへもどり、ともにベエル・シェバへかった。アブラハムはベエル・シェバにんだ。

ナホルのそん

20これらのことのあとで、アブラハムにらせがとどいた。「ミルカもまた、あなたのきょうだいナホルとのあいだどもみました。21ちょうなんはウツ、そのおとうとはブズ、つぎはアラムのちちケムエル、22それからケセド、ハゾ、ピルダシュ、イドラフ、ベトエルです。」23ベトエルはリベカのちちとなった。ミルカは、アブラハムのきょうだいナホルとのあいだにこれら八にんどもんだ。24ナホルのそばで、レウマというじょせいもまた、テバ、ガハム、タハシュ、マアカをんだ。

サラのまいそう

23

1サラのしょうがいは百二十七ねんであった。これがサラのきたねんすうである。2サラは、カナンほうのキルヤト・アルバ、すなわちヘブロンでんだ。アブラハムは、サラのためにむねち、なげかなしんだ。3アブラハムはたいかたわらからがり、ヘトのひとびとたのんだ。

4「わたしは、あなたがたのところにいちたいざいするりゅうしゃですが、あなたがたがしょゆうするゆずってくださいませんか。くなったつまほうむってやりたいのです。」

5ヘトのひとびとはアブラハムにこたえた。

「どうか、6しゅじん、おきください。あなたは、わたしどものなかかみえらばれたかたです。どうぞ、わたしどものもっとえらんで、くなられたかたほうむってください。わたしどものなかにはていきょうこばんで、くなられたかたほうむらせないものなど、ひともいません。」

7アブラハムはあらためてくにたみであるヘトのひとびとあいさつをし、8たのんだ。

「もし、くなったつまほうむることをおゆるしいただけるなら、ぜひ、わたしのねがいをいてください。ツォハルの、エフロンにおねがいして、9あのかたはたけはしにあるマクペラのほらあなゆずっていただきたいのです。じゅうぶんぎんをおはらいしますから、みなさまがたあいだしょゆうさせてください。」

10エフロンはそのとき、ヘトのひとびとあいだすわっていた。ヘトのひとエフロンは、まちもんひろあつまってたすべてのヘトのひとびといているところで、アブラハムにこたえた。

11「どうか、しゅじん、おきください。あのはたけげます。あそこにあるほらあなげます。わたしのいちぞくっているところで、あなたにげますから、さっそくくなられたかたほうむってください。」

12アブラハムはくにたみまえあいさつをし、13くにたみいているところで、エフロンにたのんだ。

「わたしのねがいをれてくださるなら、どうか、はたけだいきんはらわせてください。どうぞ、ってください。そうすれば、くなったつまをあそこにほうむってやれます。」

14エフロンはアブラハムにこたえた。

「どうか、15しゅじん、おきください。あのぎん四百シェケルのものです。それがあなたとわたしのあいだで、どれほどのことでしょう。さっそくくなられたかたほうむてください。」

16アブラハムはこのエフロンのことれ、エフロンがヘトのひとびといているところでっただんぎん四百シェケルをしょうにんつうようぎんおもさではかり、エフロンにわたした。17こうして、マムレのまえのマクペラにあるエフロンのはたけは、とそこのほらあなと、そのしゅうきょうかいないえているふくめ、18まちもんひろていたすべてのヘトのひとびといのもとに、アブラハムのしょゆうとなった。19そののちアブラハムは、カナンほうのヘブロンにあるマムレのまえのマクペラのはたけほらあなつまのサラをほうむった。20そのはたけとそこのほらあなは、こうして、ヘトのひとびとからアブラハムがり、としてしょゆうすることになった。

イサクとリベカのけっこん

24

1アブラハムはおおくのかさろうじんになり、しゅなにごとにおいてもアブラハムにしゅくふくをおあたえになっていた。

2アブラハムはいえぜんざいさんまかせているとしりのしもべった。

をわたしのももあいだれ、3てんかみかみであるしゅにかけてちかいなさい。あなたはわたしのむすよめをわたしがいまんでいるカナンのむすめからるのではなく、4わたしのいちぞくのいるきょうって、よめむすイサクのためにれてるように。」

5しもべたずねた。

「もしかすると、そのむすめがわたしにしたがってこのたくないとうかもしれません。そのあいには、そくをあなたのきょうにおれしてよいでしょうか。」

6アブラハムはこたえた。

けっして、むすをあちらへかせてはならない。7てんかみであるしゅは、わたしをちちいえまれきょうからし、『あなたのそんにこのあたえる』とって、わたしにちかい、やくそくしてくださった。そのかたがおまえ使つかいをつかわして、そこからむすよめれてることができるようにしてくださる。8もしおんながおまえしたがってこちらへたくないとうならば、おまえは、わたしにたいするこのちかいをかれる。ただわたしのむすをあちらへかせることだけはしてはならない。」

9そこで、しもべしゅじんアブラハムのももあいだれ、このことをかれちかった。10しもべしゅじんのらくだのなかから十とうえらび、しゅじんからあずかったこうおくものおおたずさえ、アラム・ナハライムのナホルのまちかってしゅっぱつした。

11おんなたちがみずくみにゆうがたかれは、らくだをまちはずれのかたわらにやすませて、12いのった。

しゅじんアブラハムのかみしゅよ。どうか、きょ、わたしをかえりみて、しゅじんアブラハムにいつくしみをしめしてください。13わたしはいまらんのように、いずみかたわらにっています。このまちひとむすめたちがみずをくみにたとき、14そのひとに、『どうか、みずがめをかたむけて、ませてください』とたのんでみます。そのむすめが、『どうぞ、おみください。らくだにもませてあげましょう』とこたえれば、かのじょこそ、あなたがあなたのしもべイサクのよめとしておめになったものとさせてください。そのことによってわたしは、あなたがしゅじんいつくしみをしめされたのをるでしょう。」

15しもべがまだいのわらないうちに、よ、リベカがみずがめをかたせてやってた。かのじょは、アブラハムのきょうだいナホルとそのつまミルカのむすベトエルのむすめで、16きわってうつくしく、おとこらないしょじょであった。かのじょいずみりてき、みずがめにみずたしてがってると、17しもべり、かのじょかいってかたりかけた。

みずがめのみずすこませてください。」

18するとかのじょは、「どうぞ、おみください」とこたえ、すぐにみずがめをろしてかかえ、かれませた。19かれわると、かのじょは、「らくだにもみずをくんでて、たっぷりませてあげましょう」といながら、20すぐにかめのみずすいそうけ、またみずをくみにはしってった。こうして、かのじょはすべてのらくだにみずをくんでやった。21そのあいだしもべしゅがこのたびもくてきをかなえてくださるかどうかをろうとして、だまってかのじょつめていた。

22らくだがみずわると、かれおもさ一ベカのきんはな一つと十シェケルのきんうで二つをしながら、23「あなたは、どなたのむすめさんですか。おしえてください。おとうさまのいえにはわたしどもがめていただけるしょがあるでしょうか」とたずねた。24するとかのじょは、「わたしは、ナホルとそのつまミルカのベトエルのむすめです」とこたえ、25さらつづけて、「わたしどものところにはわらもえさもたくさんあります。おまりになるしょもございます」とった。

26かれはひざまずいてしゅおがみ、27しゅじんアブラハムのかみしゅはたたえられますように。しゅいつくしみとまことはわたしのしゅじんはなれず、しゅはわたしのたびみちびき、しゅじんいちぞくいえにたどりつかせてくださいました」といのった。

28むすめはしってき、ははいえものごとげた。29リベカにはラバンというあにがいたが、ラバンはすぐにまちはずれのいずみかたわらにいるそのひとのところへはしった。30いもうとけているはなうでいもうとリベカが、「そのひとがこういました」とはなしているのをいたためである。かれってみると、たしかにいずみのほとりのらくだのそばにそのひとっていた。31そこで、ラバンはった。

「おいでください。しゅしゅくふくされたおかた。なぜ、まちそとっておられるのですか。わたしが、おまりになるもらくだのやすしょととのえました。」32そのひといえて、らくだのくらをはずした。らくだにはわらとえさあたえられ、そのひとじゅうしゃたちにはあしあらみずはこばれた。

33やがてしょくまえならべられたが、そのひとった。「ようけんをおはなしするまでは、しょくをいただくわけにはまいりません。」「おはなしください」とラバンがこたえると、34そのひとかたはじめた。

「わたしはアブラハムのしもべでございます。35しゅがわたしのしゅじんたいそうしゅくふくされ、ひつじうしれ、きんぎんだんじょれい、らくだやろばなどをおあたえになったので、しゅじんゆうふくになりました。36おくさまのサラは、としをとっていましたのに、わたしのしゅじんとのあいだおとこみました。そのにわたしのしゅじんぜんざいさんをおゆずりになったのです。

37しゅじんはわたしにちかいをてさせ、『あなたはわたしのむすよめを、わたしがいまんでいるカナンのむすめからえらるな。38わたしのちちいえ、わたしのしんぞくのところへって、むすよめれてるように』とめいじました。39わたしがしゅじんに、『もしかすると、あいおんながわたしにしたがってたくないとうかもしれません』ともうしますと、40しゅじんは、『わたしはいままでしゅみちびきにしたがってあゆんできた。しゅ使つかいをつかわしておまえともなわせ、たびもくてきをかなえてくださる。おまえは、わたしのしんぞくちちいえからむすのためによめれてることができよう。41そのときはじめて、おまえはわたしにたいするちかいをかれる。またもし、わたしのしんぞくのところにっても、むすめをもらえないあいには、おまえはこのちかいをかれる』といました。

42こういうわけで、わたしは、きょいずみかたわらにやってて、いのっておりました。

しゅじんアブラハムのかみしゅよ。わたしがたどってきたこのたびもくてきを、もしあなたがほんとうにかなえてくださるおつもりなら、43わたしはいまらんのように、いずみかたわらにっていますから、どうか、おとめがみずをくみにやってるようになさってください。かのじょに、あなたのみずがめのみずすこませてください、とたのんでみます。44どうぞおみください、らくだにもみずをくんであげましょう、とかのじょこたえましたなら、そのむすめこそ、しゅしゅじんむすのためにおめになったかたであるといたします。』

45わたしがまだこころわらないうちに、リベカさまがみずがめをかたせてられたではありませんか。そして、いずみりてき、みずをおくみになりました。わたしが、『どうか、みずませてください』とたのみますと、46リベカさまはすぐにみずがめをかたからろして、『どうぞおみください。らくだにもませてあげましょう』とこたえてくださいました。わたしもみ、らくだもませていただいたのです。47『あなたは、どなたのむすめさんですか』とおたずねしたところ、『ナホルとミルカのベトエルのむすめです』とこたえられましたので、わたしははなはなに、うでうでけてげたのです。48わたしはひざまずいてしゅおがみ、しゅじんアブラハムのかみしゅをほめたたえました。しゅは、しゅじんそくのために、ほかならぬしゅじんいちぞくのおじょうさまをむかえることができるように、わたしのたびをまことをもってみちびいてくださいました。49あなたがたが、いま、わたしのしゅじんいつくしみとまことをしめしてくださるおつもりならば、そうおっしゃってください。そうでなければ、そうとおっしゃってください。それによって、わたしはしん退たいめたいとぞんじます。」

50ラバンとベトエルはこたえた。

「このことはしゅですから、わたしどもがしをもうすことはできません。51リベカはここにおります。どうぞおれください。しゅがおめになったとおり、しゅじんそくつまになさってください。」

52アブラハムのしもべはこのことくと、してしゅはいした。53そして、きんぎんそうしんしょうしてリベカにおくり、そのあにははにもこうしなものおくった。54しもべじゅうしゃたちはしゅしょくのもてなしをけ、そこにまった。

つぎあさみなきたとき、しもべが、「しゅじんのところへかえらせてください」とうと、55リベカのあにははは、「むすめをもうしばらく、とおほど、わたしたちのもとにいて、それからかせるようにしたいのです」とたのんだ。56しかししもべった。

「わたしを、おめにならないでください。このたびもくてきをかなえさせてくださったのはしゅなのですから。わたしをかえらせてください。しゅじんのところへまいります。」

57むすめんで、そのくちからいてみましょう」とかれらはい、58リベカをんで、「おまえはこのひといっしょきますか」とたずねた。「はい、まいります」とかのじょこたえた。

59かれらはいもうとであるリベカとその、アブラハムのしもべとそのじゅうしゃたちをいっしょしゅったつさせることにし、60リベカをしゅくふくしてった。

「わたしたちのいもうと

あなたがいくせんまんたみとなるように。

あなたのそんてきもんるように。」

61リベカは、じょたちとともがり、らくだにり、そのひとうしろにしたがった。しもべはリベカをれてった。

62イサクはネゲブほうんでいた。そのころ、ベエル・ラハイ・ロイからかえったところであった。63ゆうがたくらくなるころ、はらさんさくしていた。げてながめると、らくだがやってるのがえた。64リベカもげてながめ、イサクをた。リベカはらくだからり、65はらあるいて、わたしたちをむかえにるあのひとだれですか」としもべたずねた。「あのかたがわたしのしゅじんです」としもべこたえると、リベカはベールをしてかぶった。66しもべは、ぶんげたことをすべてイサクにほうこくした。67イサクは、ははサラのてんまくかのじょあんないした。かれはリベカをむかえてつまとした。イサクは、リベカをあいして、くなったははわるなぐさめをた。

ケトラによるアブラハムのそん

25

1アブラハムは、ふたたつまをめとった。そのはケトラといった。2かのじょは、アブラハムとのあいだにジムラン、ヨクシャン、メダン、ミディアン、イシュバク、シュアをんだ。3ヨクシャンにはシェバとデダンがまれた。デダンのそんは、アシュルじん、レトシムじん、レウミムじんであった。4ミディアンのそんは、エファ、エフェル、ハノク、アビダ、エルダアであった。これらはみな、ケトラのそんであった。

5アブラハムは、ゼんざいさんをイサクにゆずった。6そばどもたちにはおくものあたえ、ぶんきているあいだに、ひがしほう、ケデムほうじゅうさせ、むすイサクからとおざけた。

アブラハムのまいそう

7アブラハムのしょうがいは百七十五ねんであった。8アブラハムはちょう寿じゅまっとうしていきり、りてに、せんれつくわえられた。9むすイサクとイシュマエルは、マクペラのほらあなかれほうむった。そのほらあなはマムレのまえの、ヘトじんツォハルのエフロンのはたけなかにあったが、10そのはたけは、アブラハムがヘトのひとびとからったものである。そこに、アブラハムはつまサラとともほうむられた。

11アブラハムがんだのちかみむすのイサクをしゅくふくされた。イサクは、ベエル・ラハイ・ロイのちかくにんだ。

イシュマエルのそん

12サラのおんなれいであったエジプトじんハガルが、アブラハムとのあいだんだむすイシュマエルのけいつぎのとおりである。13イシュマエルのむすたちのまえは、まれたじゅんげれば、ちょうなんがネバヨト、つぎはケダル、アドベエル、ミブサム、14ミシュマ、ドマ、マサ、15ハダド、テマ、エトル、ナフィシュ、ケデマである。16じょうがイシュマエルのむすたちで、そんらく宿しゅくえいしたがってけられたまえである。かれらはそれぞれのぞくの十二にんしゅちょうであった。

17イシュマエルのしょうがいは百三十七ねんであった。かれいきり、んでせんれつくわえられた。18イシュマエルのそんは、エジプトにちかいシュルにせっしたハビラからアシュルほうめんかうみちすじ沿って宿しゅくえいし、たがいにてきたいしつつせいかつしていた。

エサウとヤコブのたんじょう

19アブラハムのむすイサクのけいつぎのとおりである。アブラハムにはイサクがまれた。20イサクは、リベカとけっこんしたとき四十さいであった。リベカは、パダン・アラムのアラムじんベトエルのむすめで、アラムじんラバンのいもうとであった。21イサクは、つまどもができなかったので、つまのためにしゅいのった。そのいのりはしゅれられ、つまリベカはごもった。22ところが、たいないどもたちがうので、リベカは、「これでは、わたしはどうなるのでしょう」とって、しゅこころたずねるためにかけた。23しゅかのじょわれた。

「二つのこくみんがあなたのたいない宿やどっており

二つのたみがあなたのはらうちかれあらそっている。

一つのたみたみよりつよくなり

あにおとうとつかえるようになる。」

24つきちてしゅっさんときると、たいないにはまさしくふたがいた。25さきてきたあかくて、ぜんしんがわころものようであったので、エサウとけた。26そのあとおとうとてきたが、そのがエサウのかかと(アケブ)をつかんでいたので、ヤコブとけた。リベカがふたんだとき、イサクは六十さいであった。

ちょうとっけん

27ふたどもせいちょうして、エサウはたくみなかりゅうどひととなったが、ヤコブはおだやかなひとてんまくまわりではたらくのをつねとした。28イサクはエサウをあいした。りのものこうぶつだったからである。しかし、リベカはヤコブをあいした。29あるのこと、ヤコブがものをしていると、エサウがつかれきってはらからかえってた。30エサウはヤコブにった。

「おねがいだ、そのあかいもの(アドム)、そこのあかいものをべさせてほしい。わたしはつかれきっているんだ。」かれをエドムともばれたのはこのためである。31ヤコブはった。

「まず、おにいさんのちょうけんゆずってください。」

32「ああ、もうにそうだ。ちょうけんなどどうでもよい」とエサウがこたえると、33ヤコブはった。

「では、いますぐちかってください。」

エサウはちかい、ちょうけんをヤコブにゆずってしまった。34ヤコブはエサウにパンとレンズまめものあたえた。エサウはいしたあげくち、ってった。こうしてエサウは、ちょうけんかろんじた。

イサクのゲラルたいざい

26

1アブラハムのだいにあったきんとはべつに、このほうにまたきんがあったので、イサクはゲラルにいるペリシテじんおうアビメレクのところへった。2そのとき、しゅがイサクにあらわれてわれた。

「エジプトへくだってってはならない。わたしがめいじるたいざいしなさい。3あなたがこのりゅうするならば、わたしはあなたとともにいてあなたをしゅくふくし、これらのをすべてあなたとそのそんあたえ、あなたのちちアブラハムにちかったわたしのちかいをじょうじゅする。4わたしはあなたのそんてんほしのようにやし、これらのをすべてあなたのそんあたえる。じょうしょこくみんはすべて、あなたのそんによってしゅくふくる。5アブラハムがわたしのこえしたがい、わたしのいましめやめいれいおきておしえをまもったからである。」

6そこで、イサクはゲラルにんだ。

7そのひとたちがイサクのつまのことをたずねたとき、かれは、ぶんつまだとうのをおそれて、「わたしのいもうとです」とこたえた。リベカがうつくしかったので、ものたちがリベカのゆえにぶんころすのではないかとおもったからである。8イサクはながたいざいしていたが、あるとき、ペリシテじんおうアビメレクがまどからしたながめると、イサクがつまのリベカとたわむれていた。9アビメレクはさっそくイサクをびつけてった。「あのおんなは、ほんとうはあなたのつまではないか。それなのになぜ、『わたしのいもうとです』などとったのか。」「かのじょのゆえにわたしはぬことになるかもしれないとおもったからです」とイサクはこたえると、10アビメレクはった。「あなたはなんということをしたのだ。たみのだれかがあなたのつまたら、あなたはわれわれつみおとしいれるところであった。」11アビメレクはすべてのたみめいれいくだした。「このひと、またはそのつまがいくわえるものは、かならけいしょせられる。」

12イサクがそのこくもつたねくと、そのとしのうちに百ばいものしゅうかくがあった。イサクがしゅしゅくふくけて、13ゆたかになり、ますますさかえて、14おおくのひつじうしれ、それにおおくの使つかいをつようになると、ペリシテじんはイサクをねたむようになった。

をめぐるあらそ

15ペリシテじんは、むかし、イサクのちちアブラハムがしもべたちにらせたをことごとくふさぎ、つちめた。16アビメレクはイサクにった。「あなたはわれわれくらべてあまりにつよくなった。どうか、ここからっていただきたい。」17イサクはそこをって、ゲラルのたにてんまくってんだ。18そこにも、ちちアブラハムのだいったいくつかあったが、アブラハムの、ペリシテじんがそれらをふさいでしまっていた。イサクはそれらのなおし、ちちけたとおりのまえけた。19イサクのしもべたちがたにり、みずゆたかにつけると、20ゲラルのひつじいは、「このみずわれわれのものだ」とイサクのひつじいとあらそった。そこで、イサクはそのをエセク(あらそい)とけた。かれらがイサクとあらそったからである。21イサクのしもべたちがもう一つのてると、それについてもあらそいがしょうじた。そこで、イサクはそのをシトナ(てき)とけた。22イサクはそこからうつって、さらにもう一つのてた。それについては、もはやあらそいはこらなかった。イサクは、そのをレホボト(ひろしょ)とけ、「いまや、しゅわれわれはんえいのためにひろしょをおあたえになった」とった。

23イサクはさらに、そこからベエル・シェバにのぼった。24そのしゅあらわれてわれた。

「わたしは、あなたのちちアブラハムのかみである。

おそれてはならない。わたしはあなたとともにいる。

わたしはあなたをしゅくふくし、そんやす

わがしもべアブラハムのゆえに。」

25イサクは、そこにさいだんきずき、しゅんでれいはいした。かれはそこにてんまくり、イサクのしもべたちはった。

イサクとアビメレクのけいやく

26アビメレクがさんぼうのアフザトとぐんたいちょうのピコルとともに、ゲラルからイサクのところにた。27イサクはかれらにたずねた。「あなたたちは、わたしをにくんでしたのに、なぜここにたのですか。」28かれらはこたえた。「しゅがあなたとともにおられることがよくかったからです。そこでかんがえたのですが、われわれはおたがいに、つまり、われわれとあなたとのあいだせいやくわし、あなたとけいやくむすびたいのです。29ぜんわれわれはあなたになんがいくわえず、むしろあなたのためになるようはかり、あなたをおくしました。そのようにあなたも、われわれにいかなるがいあたえないでください。あなたはたしかに、しゅしゅくふくされたかたです。」30そこで、イサクはかれらのためにしゅくえんもよおし、ともいした。31つぎあさはやく、たがいにちかいをわしたのち、イサクはかれらをおくし、かれらはやすらかにってった。32そのに、っていたイサクのしもべたちがかえってて、「みずました」とほうこくした。33そこで、イサクはそのをシブア(ちかい)とけた。そこで、そのまちは、こんにちいたるまで、ベエル・シェバ(ちかいの)といわれている。

エサウのつま

34エサウは、四十さいのときヘトじんベエリのむすめユディトとヘトじんエロンのむすめバセマトをつまとしてむかえた。35かのじょたちは、イサクとリベカにとってなやみのたねとなった。

リベカのけいりゃく

27

1イサクはとしをとり、がかすんでえなくなってきた。そこでうえむすのエサウをせて、「むすよ」とった。エサウが、「はい」とこたえると、2イサクはった。

「こんなにとしをとったので、わたしはいつぬかからない。3いますぐに、ゆみづつなど、りのどうってき、ものってて、4わたしのきなおいしいりょうつくり、ここへっててほしい。まえにそれをべて、わたししんしゅくふくをおまえあたえたい。」

5リベカは、イサクがむすのエサウにはなしているのをいていた。エサウがものりにくと、6リベカはむすのヤコブにった。

いま、おとうさんがにいさんのエサウにこうっているのをみみにしました。7ものってて、あのおいしいりょうつくってほしい。わたしはまえにそれをべて、しゅまえでおまえしゅくふくしたい』と。8わたしのよ。いま、わたしがうことをよくいてそのとおりにしなさい。9ちくれのところへって、よくえたを二ひきってなさい。わたしが、それでおとうさんのきなおいしいりょうつくりますから、10それをおとうさんのところへってきなさい。おとうさんはがって、くなるまえにおまえしゅくふくしてくださるでしょう。」

11しかし、ヤコブはははリベカにった。

「でも、エサウにいさんはとてもぶかいのに、わたしのはだなめらかです。12とうさんがわたしにさわれば、だましているのがかります。そうしたら、わたしはしゅくふくどころか、はんたいのろいをけてしまいます。」

13ははった。

「わたしのよ。そのときにはおかあさんがそののろいをけます。ただ、わたしのうとおりに、ってってなさい。」

14ヤコブはりにき、ははのところにってたので、ははちちきなおいしいりょうつくった。15リベカは、いえにしまっておいたうえむすエサウのして、したむすヤコブにせ、16がわかれうでなめらかなくびきつけて、17ぶんつくったおいしいりょうとパンをむすヤコブにわたした。

しゅくふくをだましるヤコブ

18ヤコブは、ちちのもとへき、「わたしのおとうさん」とびかけた。ちちが、「ここにいる。わたしのよ。だれだ、おまえは」とたずねると、19ヤコブはった。「ちょうなんのエサウです。おとうさんのわれたとおりにしてきました。さあ、どうぞきて、すわってわたしのものがり、おとうさんしんしゅくふくをわたしにあたえてください。」20「わたしのよ、どうしてまた、こんなにはやくしとめられたのか」と、イサクがむすたずねると、ヤコブはこたえた。「あなたのかみしゅがわたしのためにはからってくださったからです。」21イサクはヤコブにった。「ちかりなさい。わたしのさわって、ほんとうにおまえむすのエサウかどうか、たしかめたい。」

22ヤコブがちちイサクにちかると、イサクはかれさわりながらった。「こえはヤコブのこえだが、うではエサウのうでだ。」23イサクは、ヤコブのうであにエサウのうでのようにぶかくなっていたので、やぶることができなかった。そこで、かれしゅくふくしようとして、24った。「おまえほんとうにわたしのエサウなのだな。」ヤコブは、「もちろんです」とこたえた。25イサクはった。「では、おまえものをここへってなさい。それをべて、わたししんしゅくふくをおまえあたえよう。」ヤコブがりょうすと、イサクはべ、ぶどうしゅをつぐと、それをんだ。26それから、ちちイサクはかれった。「わたしのよ、ちかってわたしにくちづけをしなさい。」27ヤコブがちかってくちづけをすると、イサクは、ヤコブのものにおいをかいで、しゅくふくしてった。

「ああ、わたしのかおりは

しゅしゅくふくされたかおりのようだ。

28どうか、かみ

てんつゆゆたかなもの

こくもつとぶどうしゅ

まえあたえてくださるように。

29おおくのたみがおまえつか

おおくのこくみんがおまえにひれす。

まえきょうだいたちのしゅじんとなり

ははらもおまえにひれす。

まえのろもののろわれ

まえしゅくふくするもの

しゅくふくされるように。」

くやしがるエサウ

30イサクがヤコブをしゅくふくえて、ヤコブがちちイサクのまえからるとすぐ、あにエサウがりからかえってた。31かれもおいしいりょうつくり、ちちのところへってった。「わたしのおとうさん。きて、むすものべてください。そして、あなたしんしゅくふくをわたしにあたえてください。」32ちちイサクが、「おまえだれなのか」とくと、「わたしです。あなたのむすちょうなんのエサウです」とこたえがかえってきた。33イサクははげしくからだふるわせてった。「では、あれは、いったいだれだったのだ。さっきものってわたしのところにってたのは。じつは、おまえまえにわたしはみんなべて、かれしゅくふくしてしまった。だから、かれしゅくふくされたものになっている。」

34エサウはこのちちことくと、つうさけびをあげてはげしくき、ちちかってった。「わたしのおとうさん。わたしも、このわたしもしゅくふくしてください。」35イサクはった。「おまえおとうとさくりゃく使つかい、おまえしゅくふくうばってしまった。」36エサウはさけんだ。

かれをヤコブとは、よくもけたものだ。これで二も、わたしのあしり(アーカブ)あざむいた。あのときはわたしのちょうけんうばい、こんはわたしのしゅくふくうばってしまった。」エサウはつづけてった。「おとうさんは、わたしのためにしゅくふくのこしておいてくれなかったのですか。」

37イサクはエサウにこたえた。「すでにわたしは、かれをおまえしゅじんとし、しんぞくをすべてかれしもべとし、こくもつもぶどうしゅかれのものにしてしまった。わたしのよ。いまとなっては、おまえのためになにをしてやれようか。」

38エサウはちちさけんだ。

「わたしのおとうさん。しゅくふくはたった一つしかないのですか。わたしも、このわたしもしゅくふくしてください、わたしのおとうさん。」エサウはこえをあげていた。39ちちイサクはった。

「ああ

ゆたかなものからとおはなれたところ

こののちまえはそこに

てんつゆからもとおへだてられて。

40まえつるぎたよってきていく。

しかしおまえおとうとつかえる。

いつのにかおまえはんこうくわだ

ぶんくびからくびきとす。」

とうぼうすす

41エサウは、ちちがヤコブをしゅくふくしたことをって、ヤコブをにくむようになった。そして、こころなかった。「ちちとおくない。そのときがきたら、かならおとうとのヤコブをころしてやる。」42ところが、うえむすエサウのこのことははリベカのみみはいった。かのじょひとをやって、したむすのヤコブをせてった。「たいへんです。エサウにいさんがおまえころしてうらみをらそうとしています。43わたしのよ。いま、わたしのうことをよくき、いそいでハランに、わたしのあにラバンのところげてきなさい。44そして、おにいさんのいかりがおさまるまで、しばらくさんのところいてもらいなさい。45そのうちに、おにいさんのいきどおりもおさまり、おまえのしたことをわすれてくれるだろうから、そのときにはひとをやっておまえもどします。一にちのうちにおまえたちふたうしなうことなど、どうしてできましょう。」

ヤコブのしゅっぱつ

46リベカはイサクにった。「わたしは、ヘトじんむすめたちのことで、きているのいやになりました。もしヤコブまでも、このむすめなかからあんなヘトじんむすめをめとったら、わたしはきているかいがありません。」

28

1イサクはヤコブをせてしゅくふくして、めいじた。

「おまえはカナンのむすめなかからつまむかえてはいけない。2ここをたって、パダン・アラムのベトエルおじいさんのいえき、そこでラバンさんのむすめなかからけっこんあいつけなさい。3どうか、ぜんのうかみがおまえしゅくふくしてはんえいさせ、おまえやしておおくのたみれとしてくださるように。4どうか、アブラハムのしゅくふくがおまえとそのそんおよび、かみがアブラハムにあたえられた、おまえりゅうしているこのぐことができるように。」

5ヤコブはイサクにおくされて、パダン・アラムのラバンのところたびった。ラバンはアラムじんベトエルのむすで、ヤコブとエサウのははリベカのあにであった。

エサウのべつつま

6エサウは、イサクがヤコブをしゅくふくし、パダン・アラムへおくし、そこからつまむかえさせようとしたこと、しかもかれしゅくふくしたとき、「カナンのむすめなかからつまむかえてはいけない」とめいじたこと、7そして、ヤコブがちちははめいれいしたがってパダン・アラムへたびったことなどをった。8エサウは、カナンのむすめたちがちちイサクのらないことをって、9イシュマエルのところへき、すでにいるつまのほかにもうひと、アブラハムのむすイシュマエルのむすめで、ネバヨトのいもうとたるマハラトをつまとした。

ヤコブのゆめ

10ヤコブはベエル・シェバをってハランへかった。11とあるしょたとき、しずんだので、そこで一ごすことにした。ヤコブはそのしょにあったいしを一つってまくらにして、そのしょよこたわった。12すると、かれゆめた。せんたんてんまでたっするかいだんかってびており、しかも、かみ使つかいたちがそれをのぼったりくだったりしていた。13よ、しゅかたわらにってわれた。

「わたしは、あなたのアブラハムのかみ、イサクのかみしゅである。あなたがいまよこたわっているこのを、あなたとあなたのそんあたえる。14あなたのそんだいすなつぶのようにおおくなり、西にしへ、ひがしへ、きたへ、みなみへとひろがっていくであろう。じょうぞくはすべて、あなたとあなたのそんによってしゅくふくはいる。15よ、わたしはあなたとともにいる。あなたがどこへっても、わたしはあなたをまもり、かならずこのかえる。わたしは、あなたにやくそくしたことをたすまでけっしててない。」

16ヤコブはねむりからめてった。

「まことにしゅがこのしょにおられるのに、わたしはらなかった。」

17そして、おそれおののいてった。

「ここは、なんとおそおおしょだろう。これはまさしくかみいえである。そうだ、ここはてんもんだ。」

18ヤコブはつぎあさはやきて、まくらにしていたいしり、それをねんとしてて、せんたんあぶらそそいで、19そのしょをベテル(かみいえ)とけた。ちなみに、そのまちはかつてルズとばれていた。

20ヤコブはまた、せいがんててった。

かみがわたしとともにおられ、わたしがあゆむこのたびまもり、ものものあたえ、21ちちいえかえらせてくださり、しゅがわたしのかみとなられるなら、22わたしがねんとしててたこのいしかみいえとし、すべて、あなたがわたしにあたえられるものの十ぶんの一をささげます。」

ラバンのいえ

29

1ヤコブはたびつづけて、とうほうひとびとった。2ふとると、はらがあり、そのそばにひつじが三つのれになってしていた。そのからひつじれに、みずませることになっていたからである。ところが、くちうえにはおおきないしせてあった。3まずひつじれをぜんそこにあつめ、いしくちからころがしてひつじれにみずませ、またいしもとところもどしておくことになっていた。4ヤコブはそこにいたひとたちにたずねた。「みなさんはどちらのかたですか。」「わたしたちはハランのものです」とこたえたので、5ヤコブはたずねた。「では、ナホルのむすのラバンをっていますか。」「ええ、っています」とかれらがこたえたので、6ヤコブはさらたずねた。「げんでしょうか。」「げんです。もうすぐ、むすめのラケルもひつじれをれてやってます」とかれらはこたえた。7ヤコブはった。

「まだこんなにたかいし、ちくあつめるときでもない。ひつじみずませて、もう一くさべさせにったらどうですか。」8すると、かれらはこたえた。「そうはできないのです。ひつじれをぜんここにあつめ、あのいしくちからころがしてひつじみずませるのですから。」

9ヤコブがかれらとはなしているうちに、ラケルがちちひつじれをれてやってた。かのじょひつじっていたからである。10ヤコブは、ラバンのむすめラケルとラバンのひつじれをるとすぐに、くちちかいしころがして、ラバンのひつじみずませた。11ヤコブはラケルにくちづけし、こえをあげていた。12ヤコブはやがて、ラケルに、ぶんかのじょちちおいたり、リベカのむすであることをけた。ラケルははしってって、ちちらせた。13ラバンは、いもうとむすヤコブのことくと、はしってむかえにき、ヤコブをくちづけした。それから、ヤコブをぶんいえあんないした。ヤコブがラバンにことだいをすべてはなすと、14ラバンはかれった。「おまえは、ほんとうにわたしのこつにくものだ。」

ヤコブのけっこん

ヤコブがラバンのもとにひとつきほどたいざいしたある15ラバンはヤコブにった。「おまえうちものだからといって、ただではたらくことはない。どんなほうしゅうしいかってみなさい。」

16ところで、ラバンにはふたむすめがあり、あねほうはレア、いもうとほうはラケルといった。17レアはやさしいをしていたが、ラケルはかおうつくしく、よう姿すぐれていた。18ヤコブはラケルをあいしていたので、「したむすめのラケルをくださるなら、わたしは七ねんかんあなたのところはたらきます」とった。19ラバンはこたえた。「あのむすめをほかのひととつがせるより、おまえとつがせるほうい。わたしのところにいなさい。」20ヤコブはラケルのために七ねんかんはたらいたが、かのじょあいしていたので、それはほんのすうじつのようにおもわれた。21ヤコブはラバンにった。

やくそくねんげつちましたから、わたしのいいなずけといっしょにならせてください。」22ラバンはひとたちをみなあつしゅくえんひらき、23よるになると、むすめのレアをヤコブのもとにれてったので、ヤコブはかのじょのところにはいった。24ラバンはまた、おんなれいジルパをむすめレアに使つかいとしてけてやった。25ところが、あさになってみると、それはレアであった。ヤコブがラバンに、「どうしてこんなことをなさったのですか。わたしがあなたのもとではたらいたのは、ラケルのためではありませんか。なぜ、わたしをだましたのですか」とうと、26ラバンはこたえた。「われわれところでは、いもうとあねよりさきとつがせることはしないのだ。27とにかく、この一しゅうかんこんれいいわいをませなさい。そうすれば、いもうとほうもおまえとつがせよう。だがもう七ねんかん、うちではたらいてもらわねばならない。」28ヤコブが、われたとおり一しゅうかんこんれいいわいをませると、ラバンはしたむすめのラケルもヤコブにつまとしてあたえた。29ラバンはまた、おんなれいビルハをむすめラケルに使つかいとしてけてやった。30こうして、ヤコブはラケルをめとった。ヤコブはレアよりもラケルをあいした。そして、さらにもう七ねんラバンのもとではたらいた。

ヤコブのども

31しゅは、レアがうとんじられているのをかのじょたいひらかれたが、ラケルにはどもができなかった。32レアはごもっておとこみ、ルベンとけた。それは、かのじょが、「しゅはわたしのくるしみをかえりみて(ラア)くださった。これからはおっともわたしをあいしてくれるにちがいない」とったからである。33レアはまたごもっておとこみ、「しゅはわたしがうとんじられていることをみみにされ(シャマ)、またこのをもさずけてくださった」とって、シメオンとけた。34レアはまたごもっておとこみ、「これからはきっと、おっとはわたしにむすいて(ラベ)くれるだろう。おっとのために三にんおとこんだのだから」とった。そこで、そのをレビとけた。35レアはまたごもっておとこみ、「こんこそしゅをほめたたえ(ヤダ)よう」った。そこで、そのをユダとけた。しばらく、かのじょまなくなった。

30

1ラケルは、ヤコブとのあいだどもができないことがかると、あねをねたむようになり、ヤコブにかって、「わたしにもぜひどもあたえてください。あたえてくださらなければ、わたしはにます」とった。2ヤコブははげしくいかって、った。「わたしがかみわれるとうのか。おまえたいども宿やどらせないのはかみしんなのだ。」3ラケルは、「わたしの使つかいのビルハがいます。かのじょのところにはいってください。かのじょどもみ、わたしがそのひざうえむかえれば、かのじょによってわたしもどもつことができます」とった。4ラケルはヤコブに使つかいビルハをそばとしてあたえたので、ヤコブはかのじょのところにはいった。5やがて、ビルハはごもってヤコブとのあいだおとこんだ。6そのときラケルは、「わたしのうったえをかみただしくおさばき(ディン)になり、わたしのねがいをおとこあたえてくださった」とった。そこで、かのじょはそのをダンとけた。7ラケルの使つかいビルハはまたごもって、ヤコブとのあいだふたおとこんだ。8そのときラケルは、「あねものぐるいのあらそいをして(ニフタル)、ついにった」とって、そのをナフタリとけた。

9レアもぶんどもができなくなったのをると、ぶん使つかいジルパをヤコブにそばとしてあたえたので、10レアの使つかいジルパはヤコブとのあいだおとこんだ。11そのときレアは、「なんとこううんな(ガド)」とって、そのをガドとけた。12レアの使つかいジルパはヤコブとのあいだふたおとこんだ。13そのときレアは、「なんとしあわせなこと(アシェル)か。むすめたちはわたしをしあわものうにちがいない」とって、そのをアシェルとけた。

14むぎれのころ、ルベンははらこいなすびをつけ、ははレアのところへってた。ラケルがレアに、「あなたのどもってこいなすびをわたしにけてください」とうと、15レアはった。「あなたは、わたしのおっとっただけではまず、わたしのむすこいなすびまでろうとするのですか。」「それでは、あなたのどもこいなすびのわりに、こんあのひとがあなたととこともにするようにしましょう」とラケルはこたえた。16ゆうがたになり、ヤコブがはらからかえってると、レアはむかえてった。「あなたはわたしのところになければなりません。わたしは、むすこいなすびであなたをやとったのですから。」そのよる、ヤコブはレアとた。17かみがレアのねがいをれられたので、レアはごもってヤコブとのあいだに五にんおとこんだ。18そのときレアは、「わたしが使つかいをおっとあたえたので、かみはそのほうしゅう(サカル)をくださった」とって、そのをイサカルとけた。19レアはまたごもって、ヤコブとのあいだに六にんおとこんだ。20そのときレアは、「かみがすばらしいおくものをわたしにくださった。こんこそ、おっとはわたしをそんけいしてくれる(ザバル)でしょう。おっとのために六にんおとこんだのだから」とって、そのをゼブルンとけた。21そののち、レアはおんなみ、そのをディナとけた。22しかし、かみはラケルもこころめ、かのじょねがいをれそのたいひらかれたので、23ラケルはごもっておとこんだ。そのときラケルは、「かみがわたしのはじをすすいでくださった」とった。24かのじょは、「しゅがわたしにもうひとおとこくわえてくださいますように(ヨセフ)」とねがっていたので、そのをヨセフとけた。

ラバンとの

25ラケルがヨセフをんだころ、ヤコブはラバンにった。「わたしをひとちさせて、まれきょうかえらせてください。26わたしはいままで、つまるためにあなたのところではたらいてきたのですから、さいともかえらせてください。あなたのために、わたしがどんなにくしてきたか、よくごぞんじのはずです。」

27「もし、おまえさえければ、もっといてほしいのだが。じつうらないで、わたしはおまえのおかげで、しゅからしゅくふくをいただいていることがかったのだ」とラバンはい、28さらつづけて、「おまえのぞほうしゅうをはっきりいなさい。かならはらうから」とった。29ヤコブはった。「わたしがどんなにあなたのためにくし、ちくをしてきたかよくごぞんじのはずです。30わたしがるまではわずかだったちくが、いまではこんなにおおくなっています。わたしがてからは、しゅがあなたをしゅくふくしておられます。しかしいまのままでは、いつになったらわたしはぶんいえつことができるでしょうか。」31なにをおまえはらえばよいのか」とラバンがたずねると、ヤコブはこたえた。「なにもくださるにはおよびません。ただこういうじょうけんなら、もう一あなたのれをい、をいたしましょう。32きょ、わたしはあなたのれをゼんまわって、そのなかから、ぶちとまだらのひつじをすべてとひつじなかくろみがかったものをすべて、それからまだらとぶちのしておきますから、それをわたしのほうしゅうにしてください。33、あなたがてわたしのほうしゅうをよく調しらべれば、わたしのただしいことはしょうめいされるでしょう。なかにぶちとまだらでないものや、ひつじなかくろみがかっていないものがあったら、わたしがぬすんだものとなしてけっこうです。」34ラバンはった。「よろしい。おまえうとおりにしよう。」

35ところが、その、ラバンはしまやまだらのとぶちやまだらのぜん、つまりしろいところがじっているものぜんとそれにくろみがかったひつじをみなしてぶんむすたちのわたし、36ヤコブがラバンののこりのれをっているあいだに、ぶんとヤコブとのあいだあるいてみっかかるほどのきょをおいた。

ヤコブのふう

37ヤコブは、ポプラとアーモンドとプラタナスのわかえだってて、かわをはぎ、えだしろはだしまつくり、38ちくれがやってたときにれのにつくように、かわをはいだえだちくみずすいそうなかれた。そして、ちくれがみずみにやってたとき、さかりがつくようにしたので、39ちくれは、そのえだまえこうしてしまやぶちやまだらのものをんだ。40また、ヤコブはひつじふたけて、いっぽうれをラバンのれのなかしまのものとぜんたいくろみがかったものとにかわせた。かれは、ぶんれだけにはそうしたが、ラバンのれにはそうしなかった。41また、じょうひつじこうするになると、ヤコブはかわをはいだえだをいつもみずぶねのなかれてれのまえき、えだのそばでこうさせたが、42よわひつじのときにはえだかなかった。そこで、よわいのはラバンのものとなり、じょうなのはヤコブのものとなった。43こうして、ヤコブはますますゆたかになり、おおくのちくだんじょれい、それにらくだやろばなどをつようになった。

ヤコブのだっそう

31

1ヤコブは、ラバンのむすたちが、「ヤコブはわれわれちちのものをぜんうばってしまった。ちちのものをごまかして、あのとみきずげたのだ」とっているのをみみにした。2また、ラバンのたいると、たしかにぜんとはわっていた。3しゅはヤコブにわれた。

「あなたは、あなたのきょうであるせんかえりなさい。わたしはあなたとともにいる。」

4ヤコブはひとをやって、ラケルとレアをちくれがいるはらせて、5った。「さいきんづいたのだが、あなたたちのおとうさんは、わたしにたいしてぜんとはたいわった。しかし、わたしのちちかみは、ずっとわたしとともにいてくださった。6あなたたちもっているように、わたしはぜんりょくくしてあなたたちのおとうさんのもとではたらいてきたのに、7わたしをだまして、わたしのほうしゅうを十かいえた。しかし、かみはわたしにがいくわえることをおゆるしにならなかった。8とうさんが、『ぶちのものがおまえほうしゅうだ』とえば、れはみなぶちのものをむし、『しまのものがおまえほうしゅうだ』とえば、れはみなしまのものをんだ。9かみはあなたたちのおとうさんのちくげて、わたしにおあたえになったのだ。

10れのはつじょうのころのことだが、ゆめなかでわたしがげてると、れとつがっているしまとぶちとまだらのものばかりだった。11そのとき、ゆめなかかみ使つかいが、『ヤコブよ』とわれたので、『はい』とこたえると、12こうわれた。『げてなさい。れとつがっているはみな、しまとぶちとまだらのものだけだ。ラバンのあなたにたいするちは、すべてわたしにはかっている。13わたしはベテルのかみである。かつてあなたは、そこにねんててあぶらそそぎ、わたしにせいがんてたではないか。さあ、いますぐこのて、あなたのきょうかえりなさい。』」

14ラケルとレアはヤコブにこたえた。「ちちいえに、わたしたちへのぎょうぶんがまだあるでしょうか。15わたしたちはもう、ちちにとってにんおなじではありませんか。ちちはわたしたちをって、しかもそのおかね使つかたしてしまったのです。16かみさまちちからげられたざいさんは、たしかにぜんわたしたちとどもたちのものです。ですから、どうかいますぐ、かみさまがあなたにげられたとおりになさってください。」

17ヤコブはただちに、どもたちとつまたちをらくだにせ、18パダン・アラムでたすべてのざいさんであるちくてて、ちちイサクのいるカナンほうかってしゅっぱつした。19そのとき、ラバンはひつじりにかけていたので、ラケルはちちいえまもがみぞうぬすんだ。20ヤコブもアラムじんラバンをあざむいて、ぶんることをさとられないようにした。21ヤコブはこうして、すべてのざいさんってし、かわわたりギレアドのさんかった。

ラバンのついせき

22ヤコブがげたことがラバンにれたのは、みっであった。23ラバンはいちぞくひきいて、なのみちのりをいかけてき、ギレアドのさんでヤコブにいついたが、24そのゆめなかかみは、アラムじんラバンのもとにわれた。「ヤコブをいっさいなんせぬよう、よくこころめておきなさい。」25ラバンがヤコブにいついたとき、ヤコブはやまうえてんまくっていたので、ラバンもいちぞくともにギレアドのやまてんまくった。26ラバンはヤコブにった。「いったいなんということをしたのか。わたしをあざむき、しかもむすめたちをせんそうりょのようにててくとは。27なぜ、こっそりしたりして、わたしをだましたのか。ひとことってくれさえすれば、わたしはたいたてごとよろこうたって、おくしてやったものを。28まごむすめたちにわかれのくちづけもさせないとはおろかなことをしたものだ。29わたしはおまえたちをひどいわせることもできるが、ゆうべ、おまえたちのちちかみが、『ヤコブをいっさいなんせぬよう、よくこころめておきなさい』とわたしにおげになった。30ちちいえこいしくてるのなら、ってもよい。しかし、なぜわたしのまもがみぬすんだのか。」

31ヤコブはラバンにこたえた。「わたしは、あなたがむすめたちをわたしからうばるのではないかとおもっておそれただけです。32もし、あなたのまもがみがだれかのところでつかれば、そのものかしてはおきません。われわれいちどうまえで、わたしのところにあなたのものがあるかどうか調しらべて、もどしてください。」ヤコブは、ラケルがそれをぬすんでいたことをらなかったのである。

33そこで、ラバンはヤコブのてんまくはいり、さらにレアのてんまくふた使つかいのてんまくにもはいってさがしてみたが、つからなかった。ラバンがレアのてんまくてラケルのてんまくはいると、34ラケルはすでまもがみぞうって、らくだのくらしたれ、そのうえすわっていたので、ラバンはてんまくなかをくまなく調しらべたがつけることはできなかった。35ラケルはちちった。「おとうさん、どうかわるおもわないでください。わたしはいまつきのものがあるのでてません。」ラバンはなおもさがしたが、まもがみぞうつけることはできなかった。36ヤコブはいかってラバンをめ、かえした。

「わたしになんはいはんなんつみがあって、わたしのあとってられたのですか。37あなたはわたしのものを一つのこらず調しらべられましたが、あなたのいえものが一つでもつかりましたか。それをここにして、わたしのいちぞくとあなたのいちぞくまえき、わたしたちふたあいだを、みなさばいてもらおうではありませんか。38この二十ねんかんというもの、わたしはあなたのもとにいましたが、あなたのひつじそこねたことはありません。わたしは、あなたのれのひつじべたこともありません。39じゅうにかみかれたものがあっても、あなたのところへってかないでぶんつぐないました。ひるであろうとよるであろうと、ぬすまれたものはみなべんしょうするようにあなたはようきゅうしました。40しかも、わたしはしばしば、ひるもうしょよるごっかんなやまされ、ねむることもできませんでした。41この二十ねんかんというもの、わたしはあなたのいえごしましたが、そのうち十四ねんはあなたのふたむすめのため、六ねんはあなたのちくれのためにはたらきました。しかも、あなたはわたしのほうしゅうを十かいえました。42もし、わたしのちちかみ、アブラハムのかみ、イサクのおそうやまかたがわたしのかたでなかったなら、あなたはきっとなにたせずにわたしをしたことでしょう。かみは、わたしのろうなやみをめられ、さく、あなたをさとされたのです。」

ヤコブとラバンのけいやく

43ラバンは、ヤコブにこたえた。「このむすめたちはわたしのむすめだ。このまごたちもわたしのまごだ。このちくれもわたしのれ、いや、おまえまえにあるものはみなわたしのものだ。しかし、むすめたちやむすめたちがんだまごたちのために、もはや、しをしようとはおもわない。44さあ、これから、おまえとわたしはけいやくむすぼうではないか。そして、おまえとわたしのあいだなにしょうとなるものをてよう。」

45ヤコブは一つのいしり、それをねんとしてて、46いちぞくものに、「いしあつめてきてくれ」とった。かれらはいしってきていしづかきずき、そのいしづかかたわらでしょくともにした。47ラバンはそれをエガル・サハドタとび、ヤコブはガルエドとんだ。48ラバンはまた、「このいしづか(ガル)は、きょからおまえとわたしのあいだしょう(エド)となる」ともった。そこで、そのはガルエドとばれるようになった。49そこはまた、ミツパ(じょ)ともばれた。「われわれたがいにはなれているときも、しゅがおまえとわたしのあいだってくださるように。50もし、おまえがわたしのむすめたちをくるしめたり、わたしのむすめたちがいにほかのじょせいをめとったりするなら、たとえ、ほかにだれもいなくても、かみしんがおまえとわたしのしょうにんであることをわすれるな」とラバンがったからである。

51ラバンはさらに、ヤコブにった。

「ここにいしづかがある。またここに、わたしがおまえとのあいだてたねんがある。52このいしづかしょうであり、ねんしょうにんだ。てきをもって、わたしがこのいしづかえておまえほうしんにゅうしたり、おまえがこのいしづかとこのねんえてわたしのほうしんにゅうしたりすることがないようにしよう。53どうか、アブラハムのかみとナホルのかみかれらのせんかみわれわれあいだただしくさばいてくださいますように。」

ヤコブも、ちちイサクのおそうやまかたにかけてちかった。54ヤコブはやまうえでいけにえをささげ、いちぞくまねいてしょくともにした。しょくのちかれらはやまいちごした。

32

1つぎあさはやく、ラバンはまごむすめたちにくちづけしてしゅくふくあたえ、そこをってぶんいえかえってった。

エサウとのさいかいじゅん

2ヤコブがたびつづけていると、とつぜんかみ使つかいたちがあらわれた。3ヤコブはかれらをたとき、「ここはかみじんえいだ」とい、そのしょをマハナイム(ふたくみじんえい)とけた。

4ヤコブは、あらかじめ、セイルほう、すなわちエドムのにいるあにエサウのもとに使つかいのものつかわすことにし、5まえたちはわたしのしゅじんエサウにこういなさいとめいじた。「あなたのしもべヤコブはこうもうしております。わたしはラバンのもとにたいざいこんにちいたりましたが、6うし、ろば、ひつじだんじょれいしょゆうするようになりました。そこで、使つかいのものしゅじんさまのもとにおくってほうこくし、げんをおうかがいいたします。」

7使つかいのものはヤコブのところにかえってて、「あにうえのエサウさまのところへってまいりました。あにうえさまほうでも、あなたをむかえるため、四百にんのおともれてこちらへおいでになるちゅうでございます」とほうこくした。8ヤコブはじょうおそれ、おもなやんだすえれているひとびとを、ひつじうし、らくだなどとともふたくみけた。9エサウがやってて、いっぽうくみこうげきけても、のこりのくみたすかるとおもったのである。10ヤコブはいのった。

「わたしのちちアブラハムのかみ、わたしのちちイサクのかみしゅよ、あなたはわたしにこうわれました。『あなたはまれきょうかえりなさい。わたしはあなたにさいわいをあたえる』と。11わたしは、あなたがしもべしめしてくださったすべてのいつくしみとまことをけるにりないものです。かつてわたしは、一ぽんつえたよりにこのヨルダンがわわたりましたが、いまふたくみじんえいつまでになりました。12どうか、あにエサウのからすくってください。わたしはあにおそろしいのです。あにめてて、わたしをはじめははどもころすかもしれません。13あなたは、かつてこうわれました。『わたしはかならずあなたにさいわいをあたえ、あなたのそんうみすなのようにかぞえきれないほどおおくする』と。」

14その、ヤコブはそこに宿じゅくして、ぶんものなかからあにエサウへのおくものえらんだ。15それは、二百ぴき二十ぴきひつじ二百ぴきひつじ二十ぴき16ちちらくだ三十とうとそのどもうし四十とううしとうろば二十とうろば十とうであった。17それをれごとにけ、使つかいたちのわたしてった。「れとれとのあいだきょき、わたしのさきってきなさい。」18また、せんとうものにはつぎのようにめいじた。「あにのエサウがおまえって、『おまえしゅじんだれだ。どこへくのか。ここにいるちくだれのものだ』とたずねたら、19こういなさい。『これは、あなたさまのしもべヤコブのもので、しゅじんのエサウさまにげるおくものでございます。ヤコブもあとからまいります』と。」20ヤコブは、二ばんものにも、三ばんものにも、れのあとについてくすべてのものめいじてった。「エサウにったら、これとおなじことをべ、21『あなたさまのしもべヤコブもあとからまいります』といなさい。」ヤコブは、おくものさきかせてあにをなだめ、そのあとかおわせれば、おそらくこころよむかえてくれるだろうとおもったのである。22こうして、おくものさきかせ、ヤコブしんは、そのえいにとどまった。

ペヌエルでのかくとう

23その、ヤコブはきて、ふたつまふたそば、それに十一にんどもれてヤボクのわたしをわたった。24みなみちびいてかわわたらせ、ものわたしてしまうと、25ヤコブはひとあとのこった。そのとき、なにものかがけまでヤコブとかくとうした。26ところが、そのひとはヤコブにてないとみて、ヤコブのももかんせつったので、かくとうをしているうちにももかんせつがはずれた。27「もうらせてくれ。けてしまうから」とそのひとったが、ヤコブはこたえた。「いいえ、しゅくふくしてくださるまでははなしません。」28「おまえなんというのか」とそのひとたずね、「ヤコブです」とこたえると、29そのひとった。「おまえはもうヤコブではなく、これからはイスラエルとばれる。おまえかみひとたたかってったからだ。」30「どうか、あなたのおまえおしえてください」とヤコブがたずねると、「どうして、わたしのたずねるのか」とって、ヤコブをそのしゅくふくした。31ヤコブは、「わたしはかおかおとをわせてかみたのに、なおきている」とって、そのしょをペヌエル(かみかお)とけた。

32ヤコブがペヌエルをぎたとき、たいようかれうえのぼった。ヤコブはももいためてあしきずっていた。33こういうわけで、イスラエルのひとびといまでもももかんせつうえにあるこしすじべない。かのひとがヤコブのももかんせつ、つまりこしすじのところをったからである。

エサウとのさいかい

33

1ヤコブがげると、エサウが四百にんものれてるのがえた。ヤコブはどもたちをそれぞれ、レアとラケルとふたそばとにけ、2そばとそのどもたちをまえに、レアとそのどもたちをそのあとに、ラケルとヨセフをさいいた。3ヤコブはそれから、せんとうすすて、あにのもとにくまでに七たびにひれした。4エサウははしっててヤコブをむかえ、め、くびかかえてくちづけし、ともいた。

5やがて、エサウはかおげ、おんなたちやどもたちをまわしてたずねた。

いっしょにいるこのひとびとだれなのか。」

「あなたのしもべであるわたしに、かみめぐんでくださったどもたちです。」

ヤコブがこたえると、6そばたちがどもたちとともすすてひれし、7つぎに、レアがどもたちとともすすてひれし、さいに、ヨセフとラケルがすすてひれした。

8エサウはたずねた。

いま、わたしがったあのおおくのちくなんのつもりか。」

ヤコブが、「しゅじんさまこうるためです」とこたえると、9エサウはった。

おとうとよ、わたしのところにはなんでもじゅうぶんある。おまえのものはおまえっていなさい。」

10ヤコブはった。

「いいえ。もしこうをいただけるのであれば、どうぞおくものをおりください。あにうえのおかおは、わたしにはかみかおのようにえます。このわたしをあたたかくむかえてくださったのですから。11どうか、さんしましたおくものをおおさめください。かみがわたしにめぐみをおあたえになったので、わたしはなんでもっていますから。」

ヤコブがしきりにすすめたので、エサウはった。

12それからエサウはった。

「さあ、いっしょかけよう。わたしがせんどうするから。」

13しゅじんさま。ごぞんじのように、どもたちはかよわく、わたしもひつじうしちちませるをしなければなりません。れは、一にちでもてるとみなんでしまいます。14どうかしゅじんさましもべにおかまいなくさきにおすすみください。わたしは、ここにいるちくどもたちのあゆみにわせてゆっくりすすみ、セイルのしゅじんさまのもとへまいりましょう。」

ヤコブがこうこたえたので、15エサウはった。

「では、わたしがれているものなんにんか、おまえのところにのこしておくことにしよう。」

「いいえ。それにはおよびません。こうだけでじゅうぶんです」とこたえたので、16エサウは、そのセイルへのみちかえってった。17ヤコブはスコトへき、ぶんいえて、ちくつくった。そこで、そのしょはスコト()とばれている。

18ヤコブはこうして、パダン・アラムからにカナンほうにあるシケムのまちき、まちのそばに宿しゅくえいした。19ヤコブは、てんまくったいちを、シケムのちちハモルのむすたちから百ケシタでり、20そこにさいだんてて、それをエル・エロヘ・イスラエルとんだ。

シケムでのごと

34

1あるとき、レアとヤコブとのあいだまれたむすめのディナがむすめたちにいにかけたが、2そのしゅちょうであるヒビじんハモルのむすシケムがかのじょかけてらえ、ともはずかしめた。3シケムはヤコブのむすめディナにこころうばわれ、このわかむすめあいし、った。4さらにシケムは、ちちハモルにった。

「どうか、このむすめけっこんさせてください。」

5ヤコブは、むすめのディナがけがされたことをいたが、むすたちはちくれてていたので、かれらがかえるまでだまっていた。6シケムのちちハモルがヤコブとはなうためにやってたとき、7ヤコブのむすたちがからかえっててこのことき、みなたがいになげき、またはげしくいきどおった。シケムがヤコブのむすめて、イスラエルにたいしてずべきことをおこなったからである。それはしてはならないことであった。8ハモルはかれらとはなした。

むすのシケムは、あなたがたのむすめさんをしたっています。どうか、むすめさんをむすよめにしてください。9たがいにいんせきかんけいむすび、あなたがたのむすめさんたちをわたしどもにくださり、わたしどものむすめよめにしてくださいませんか。10そして、わたしどもといっしょんでください。あなたがたのためのじゅうぶんあります。どうか、ここにうつんで、ゆう使つかってください。」

11シケムも、ディナのちちきょうだいたちにった。

「ぜひとも、よろしくおねがいします。おもうがあればなんでもげます。12どんなにたかゆいのうきんでもおくものでも、おのぞみどおりにげます。ですから、ぜひあのかたをわたしのつまにください。」

13しかし、シケムがいもうとのディナをけがしたので、ヤコブのむすたちは、シケムとそのちちハモルをだましてこうこたえた。

14かつれいけていないおとこに、いもうとつまとしてあたえることはできません。そのようなことはわれわれはじとするところです。15ただ、つぎじょうけんがかなえられれば、あなたたちにどうしましょう。それは、あなたたちのだんせいみなかつれいけてわれわれおなじようになることです。16そうすれば、われわれむすめたちをあなたたちにあたえ、あなたたちのむすめわれわれがめとります。そしてわれわれは、あなたたちといっしょんで一つのたみとなります。17しかし、もしかつれいけることにどうしないなら、われわれむすめれてここをることにします。」

18ハモルとそのむすシケムは、このじょうけんなられてもよいとおもった。19とくにシケムは、ヤコブのむすめあいしていたので、ためらわずじっこうすることにした。かれは、ハモルなかではもっとそんけいされていた。20ハモルとむすシケムは、まちもんのところへまちひとびとていあんした。

21「あのひとたちは、われわれなかくやっていけるひとたちだ。かれらをここにまわせ、このゆう使つかってもらうことにしようではないか。らんのとおりじゅうぶんひろいから、かれらがてもだいじょうだ。そして、かれらのむすめたちをわれわれよめとしてむかえ、われわれむすめたちをかれらにあたえようではないか。22ただ、つぎじょうけんがかなえられれば、あのひとたちはわれわれいっしょみ、一つのたみとなることにどうするというのだ。それは、かれらがかつれいけているように、われわれだんせいみなかつれいけることだ。23そうすれば、かれらのちくれもざいさんどうぶつもみな、われわれのものになるではないか。それには、ただかれらのじょうけんどうさえすれば、かれらはわれわれいっしょむことができるのだ。」

24まちもんのところにあつまっていたひとびとみな、ハモルとむすシケムのていあんれた。まちもんのところにあつまっていただんせいはこうして、すべてかつれいけた。

25みっになって、おとこたちがまだきずいたみにくるしんでいたとき、ヤコブのふたむす、つまりディナのあにのシメオンとレビは、めいめいつるぎってなんなくまちはいり、おとこたちをことごとくころした。26ハモルとむすシケムもつるぎにかけてころし、シケムのいえからディナをした。27ヤコブのむすたちは、たおれているものたちにおそいかかり、さらまちじゅうりゃくだつした。ぶんたちのいもうとけがしたからである。28そして、ひつじうしやろばなど、まちなかのものもにあるものもうばり、29いえなかにあるものもみなうばい、おんなどももすべてりょにした。

30こまったことをしてくれたものだ。わたしはこのむカナンじんやペリジじんにくまれものになり、のけものになってしまった。こちらはしょうにんずうなのだから、かれらがあつまってこうげきしてきたら、わたしもぞくほろぼされてしまうではないか」とヤコブがシメオンとレビにうと、31ふたはこうかえした。

「わたしたちのいもうとしょうのようにあつかわれてもかまわないのですか。」

ふたたびベテルへ

35

1かみはヤコブにわれた。「さあ、ベテルにのぼり、そこにみなさい。そしてそのに、あなたがあにエサウをけてげてったとき、あなたにあらわれたかみのためのさいだんつくりなさい。」

2ヤコブは、ぞくものいっしょにいるすべてのひとびとった。「おまえたちがけているがいこくかみがみり、きよめてふくえなさい。3さあ、これからベテルにのぼろう。わたしはそのに、なんときわたしにこたえ、たびあいだわたしとともにいてくださったかみのためにさいだんつくる。」4ひとびとは、っていたがいこくのすべてのかみがみと、けていたみみかざりをヤコブにわたしたので、ヤコブはそれらをシケムのちかくにあるかししためた。5こうしていちどうしゅっぱつしたが、かみしゅうまちまちおそれさせたので、ヤコブのむすたちをついせきするものはなかった。6ヤコブはやがて、いちぞくものすべてとともに、カナンほうのルズ、すなわちベテルにき、7そこにさいだんきずいて、そのしょエル・ベテルとけた。あにけてげてったとき、かみがそこでヤコブにあらわれたからである。

8リベカのデボラがに、ベテルのしもにあるかししたほうむられた。そこで、そのはアロン・バクト(なげきのかし)とばれるようになった。

9ヤコブがパダン・アラムからかえってたとき、かみふたたびヤコブにあらわれてかれしゅくふくされた。10かみかれわれた。

「あなたのはヤコブである。しかし、あなたのはもはやヤコブとばれない。イスラエルがあなたのとなる。」

かみはこうして、かれをイスラエルとけられた。

11かみは、またかれわれた。

「わたしはぜんのうかみである。

めよ、えよ。

あなたから

一つのこくみん、いやおおくのこくみんれがこり

あなたのこしからおうたちがる。

12わたしは、アブラハムとイサクにあたえた

あなたにあたえる。

また、あなたにつづそんにこのあたえる。」

13かみはヤコブとかたられたしょはなれてのぼってかれた。14ヤコブは、かみぶんかたられたしょねんてた。それはいしはしらで、かれはそのうえにぶどうしゅそそぎかけ、またあぶらそそいだ。15そしてヤコブは、かみぶんかたられたしょをベテルとけた。

ラケルの

16いちどうがベテルをしゅっぱつし、エフラタまでくにはまだかなりのみちのりがあるときに、ラケルがさんづいたが、なんざんであった。17ラケルがみのくるしみをしているとき、じょさんかのじょに、「しんぱいありません。こんおとこですよ」とった。18ラケルがさいいきろうとするとき、そのをベン・オニ(わたしのくるしみの)とけたが、ちちはこれをベニヤミン(さいわいの)とんだ。

19ラケルはんで、エフラタ、すなわちこんにちのベツレヘムへかうみちかたわらにほうむられた。20ヤコブは、かのじょほうむられたところねんてた。それは、ラケルのほうむりのとしていまでものこっている。21イスラエルはさらたびつづけ、ミグダル・エデルをぎたところてんまくった。22イスラエルがそこにたいざいしていたとき、ルベンはちちそばビルハのところへはいってた。このことはイスラエルのみみにもはいった。

ヤコブのむすたち

ヤコブのむすは十二にんであった。23レアのむすがヤコブのちょうなんルベン、それからシメオン、レビ、ユダ、イサカル、ゼブルン、24ラケルのむすがヨセフとベニヤミン、25ラケルの使つかいビルハのむすがダンとナフタリ、26レアの使つかいジルパのむすがガドとアシェルである。これらは、パダン・アラムでまれたヤコブのむすたちである。

イサクの

27ヤコブは、キルヤト・アルバ、すなわちヘブロンのマムレにいるちちイサクのところへった。そこは、イサクだけでなく、アブラハムもたいざいしていたところである。28イサクのしょうがいは百八十ねんであった。29イサクはいきり、こうれいのうちにりてに、せんれつくわえられた。むすのエサウとヤコブがかれほうむった。

エサウのそん

36

1エサウ、すなわちエドムのけいつぎのとおりである。2エサウは、カナンのむすめたちのなかからつまむかえた。ヘトじんエロンのむすめアダ、ヒビじんツィブオンのまごむすめでアナのむすめオホリバマ、3それに、ネバヨトのまいでイシュマエルのむすめバセマトである。4アダは、エサウとのあいだにエリファズをみ、バセマトはレウエルをんだ。5オホリバマは、エウシュ、ヤラム、コラをんだ。これらは、カナンほうまれたエサウのむすたちである。

6エサウは、つまむすむすめいえはたらくすべてのひとびとちくれ、すべてのどうぶつれ、カナンのれたぜんざいさんたずさえ、おとうとヤコブのところからはなれてほかのった。7かれらのしょゆうぶついっしょむにはあまりにもおおく、たいざいしていたかれらのちくやしなうにはせますぎたからである。8エサウはこうして、セイルのさんむようになった。エサウとはエドムのことである。

9セイルのさんむ、エドムじんせんエサウのけいつぎのとおりである。10まず、エサウのむすたちのまえげると、エリファズはエサウのつまアダので、レウエルはエサウのつまバセマトのである。11エリファズのむすたちは、テマン、オマル、ツェフォ、ガタム、ケナズである。12エサウのむすエリファズのそばティムナは、エリファズとのあいだにアマレクをんだ。じょうが、エサウのつまアダのそんである。13レウエルのむすたちは、ナハト、ゼラ、シャンマ、ミザである。じょうが、エサウのつまバセマトのそんである。14ツィブオンのまごむすめで、アナのむすめであるエサウのつまオホリバマのむすたちは、つぎのとおりである。かのじょは、エサウとのあいだにエウシュ、ヤラム、コラをんだ。

15エサウのそんであるしゅちょうつぎのとおりである。まず、エサウのちょうなんエリファズのむすたちについていえば、しゅちょうテマン、しゅちょうオマル、しゅちょうツェフォ、しゅちょうケナズ、16しゅちょうコラ、しゅちょうガタム、しゅちょうアマレクである。これらは、エドムほうむエリファズけいしゅちょうで、アダのそんである。17つぎに、エサウのレウエルのむすたちについていえば、しゅちょうナハト、しゅちょうゼラ、しゅちょうシャンマ、しゅちょうミザである。これらは、エドムほうむレウエルけいしゅちょうで、エサウのつまバセマトのそんである。18エサウのつまオホリバマのむすたちについていえば、しゅちょうエウシュ、しゅちょうヤラム、しゅちょうコラである。これらは、アナのむすめであるエサウのつまオホリバマからまれたしゅちょうである。19じょうが、エサウ、すなわちエドムのそんであるしゅちょうたちである。

セイルのそん

20このむフリじんセイルのむすたちは、ロタン、ショバル、ツィブオン、アナ、21ディション、エツェル、ディシャンである。これらは、エドムほうむセイルのむすで、フリじんしゅちょうたちである。22ロタンのむすたちは、ホリとヘマムであり、ロタンのいもうとがティムナである。23ショバルのむすたちは、アルワン、マナハト、エバル、シェフォ、オナムである。24ツィブオンのむすたちは、アヤとアナである。アナはちちツィブオンのろばをっていたとき、いずみはっけんしたひとである。25アナのどもたちは、ディションとアナのむすめオホリバマである。26ディションのむすたちは、ヘムダン、エシュバン、イトラン、ケランである。27エツェルのむすたちは、ビルハン、ザアワン、アカンである。28ディシャンのむすたちは、ウツとアランである。

29フリじんしゅちょうつぎのとおりである。しゅちょうロタン、しゅちょうショバル、しゅちょうツィブオン、しゅちょうアナ、30しゅちょうディション、しゅちょうエツェル、しゅちょうディシャン。じょうがフリじんしゅちょうであり、セイルほうむそれぞれのしゅちょうであった。

エドムのおうこく

31イスラエルのひとびとおさめるおうがまだいなかっただいに、エドムほうおさめていたおうたちはつぎのとおりである。32エドムでおさめていたのは、ベオルのむすベラであり、そのまちはディンハバといった。33ベラがんで、わりにおうとなったのは、ボツラしゅっしんでゼラのむすヨバブである。34ヨバブがんで、わりにおうとなったのは、テマンじんからたフシャムである。35フシャムがんでわりにおうとなったのは、ベダドのむすハダドであり、モアブのでミディアンじんげき退たいしたひとである。そのまちはアビトといった。36ハダドがんでわりにおうとなったのは、マスレカしゅっしんのサムラである。37サムラがんでわりにおうとなったのは、ユーフラテスがわのレホボトしゅっしんのシャウルである。38シャウルがんで、わりにおうとなったのは、アクボルのむすバアル・ハナンである。39アクボルのむすバアル・ハナンがんでわりにおうとなったのは、ハダドである。そのまちはパウといい、そのつまはメヘタブエルといった。かのじょはマトレドのむすめで、メ・ザハブのまごむすめである。

40エサウけいしゅちょうたちのまえぞくしょしたがってげれば、しゅちょうティムナ、しゅちょうアルワ、しゅちょうエテト、41しゅちょうオホリバマ、しゅちょうエラ、しゅちょうピノン、42しゅちょうケナズ、しゅちょうテマン、しゅちょうミブツァル、43しゅちょうマグディエル、しゅちょうイラムである。じょうがエドムのしゅちょうであって、かれらがしょゆうしたりょうしたがってげたものである。エサウは、エドじんせんである。

ヨセフのゆめ

37

1ヤコブは、ちちがかつてたいざいしていたカナンほうんでいた。

2ヤコブのぞくらいつぎのとおりである。ヨセフは十七さいのとき、あにたちとひつじれをっていた。まだわかく、ちちそばビルハやジルパのどもたちといっしょにいた。ヨセフはあにたちのことをちちぐちした。

3イスラエルは、ヨセフがとしであったので、どのむすよりもかわいがり、かれにはすそながつくってやった。4あにたちは、ちちがどのきょうだいよりもヨセフをかわいがるのをて、ヨセフをにくみ、おだやかにはなすこともできなかった。

5ヨセフはゆめて、それをあにたちにかたったので、かれらはますますにくむようになった。6ヨセフはった。

いてください。わたしはこんなゆめました。7はたけでわたしたちがたばわえていると、いきなりわたしのたばがり、まっすぐにったのです。すると、にいさんたちのたばまわりにあつまってて、わたしのたばにひれしました。」

8あにたちはヨセフにった。

「なに、おまえわれわれおうになるというのか。おまえわれわれはいするというのか。」

あにたちはゆめとそのことのために、ヨセフをますますにくんだ。

9ヨセフはまたべつゆめて、それをあにたちにはなした。

「わたしはまたゆめました。たいようつきと十一のほしがわたしにひれしているのです。」

10こんあにたちだけでなく、ちちにもはなした。ちちはヨセフを𠮟しかってった。

いったいどういうことだ、おまえたそのゆめは。わたしもおかあさんもにいさんたちも、おまえまえって、めんにひれすというのか。」

11あにたちはヨセフをねたんだが、ちちはこのことをこころめた。

ヨセフ、エジプトにられる

12あにたちがかけてき、シケムでちちひつじれをっていたとき、13イスラエルはヨセフにった。

にいさんたちはシケムでひつじっているはずだ。おまえかれらのところへやりたいのだが。」

「はい、かりました」とヨセフがこたえると、14さらにこうった。

「では、さっそくかけて、にいさんたちがげんにやっているか、ひつじれもとどけて、ようらせてくれないか。」

ちちはヨセフをヘブロンのたにからおくした。ヨセフがシケムにき、15はらをさまよっていると、ひとひとった。そのひとはヨセフにたずねた。

なにさがしているのかね。」

16あにたちをさがしているのです。どこでひつじれをっているかおしえてください。」

ヨセフがこううと、17そのひとこたえた。

「もうここをたってしまった。ドタンへこう、とっていたのをいたが。」

ヨセフはあにたちのあとってき、ドタンでいっこうつけた。

18あにたちは、はるかとおくのほうにヨセフの姿すがたみとめると、まだちかづいてないうちに、ヨセフをころしてしまおうとたくらみ、19そうだんした。

「おい、こうかられいゆめるおかたがやってる。20さあ、いまだ。あれをころして、あなの一つにもう。あとは、じゅうわれたとえばよい。あれのゆめがどうなるか、てやろう。」

21ルベンはこれをいて、ヨセフをかれらのからたすそうとして、った。

いのちまでるのはよそう。」

22ルベンはつづけてった。

ながしてはならない。のこのあなれよう。くだしてはならない。」

ルベンは、ヨセフをかれらのからたすして、ちちのもとへかえしたかったのである。

23ヨセフがやってると、あにたちはヨセフがていたものすそながをはぎり、24かれらえて、あなんだ。そのあなからみずはなかった。

25かれらはそれから、こしろしてしょくはじめたが、ふとげると、イシュマエルじんたいしょうがギレアドのほうからやってるのがえた。らくだにじゅにゅうこうもつやくんで、エジプトにくだってこうとしているところであった。26ユダはきょうだいたちにった。

おとうところして、そのおおっても、なんとくにもならない。27それより、あのイシュマエルじんろうではないか。おとうとをかけるのはよそう。あれだって、にくしんおとうとだから。」

きょうだいたちは、これをれた。

28ところが、そのあいだにミディアンじんしょうにんたちがとおりかかって、ヨセフをあなからげ、ぎん二十まいでイシュマエルじんったので、かれらはヨセフをエジプトにれてってしまった。29ルベンがあなのところにもどってみると、がいにもあななかにヨセフはいなかった。ルベンはぶんころもき、30きょうだいたちのところへかえり、「あのがいない。わたしは、このわたしは、どうしたらいいのか」とった。31きょうだいたちはヨセフのものひろげ、ころしてそのものひたした。32かれらはそれから、すそながちちのもとへおくとどけ、「これをつけましたが、あなたのむすものかどうか、お調しらべになってください」とわせた。33ちちは、それを調しらべてった。

「あのものだ。じゅうわれたのだ。ああ、ヨセフはかみかれてしまったのだ。」

34ヤコブはぶんころもき、あらぬのこしにまとい、いくにちもそののためになげかなしんだ。35むすむすめたちがみなやってて、なぐさめようとしたが、ヤコブはなぐさめられることをこばんだ。

「ああ、わたしもあののところへ、なげきながらくだってこう。」

ちちはこうって、ヨセフのためにいた。

36いっぽう、メダンのひとたちがエジプトへったヨセフは、ファラオのきゅうていやくにんで、じゅうちょうであったポティファルのものとなった。

ユダとタマル

38

1そのころ、ユダはきょうだいたちとわかれて、アドラムじんのヒラというひとちかくにてんまくった。2ユダはそこで、カナンじんのシュアというひとむすめめてけっこんし、かのじょのところにはいった。3かのじょごもりおとこんだ。ユダはそのをエルとけた。4かのじょはまたごもりおとこみ、そのをオナンとけた。5かのじょさらにまたおとこみ、そのをシェラとけた。かのじょがシェラをんだとき、ユダはケジブにいた。

6ユダはちょうなんのエルに、タマルというよめむかえたが、7ユダのちょうなんエルはしゅはんしたので、しゅかれころされた。8ユダはオナンにった。

あによめのところにはいり、きょうだいたし、あにのためにそんをのこしなさい。」

9オナンはそのそんぶんのものとならないのをっていたので、あにそんあたえないように、あによめのところにはいたびだねめんながした。10かれのしたことはしゅはんすることであったので、かれもまたころされた。

11ユダはよめのタマルにった。

「わたしのむすのシェラがせいじんするまで、あなたはちちうえいえで、やもめのままらしていなさい。」

それは、シェラもまたあにたちのようにんではいけないとおもったからであった。タマルはぶんちちいえかえってらした。

12かなりのねんげつがたって、シュアのむすめであったユダのつまんだ。ユダはふくしたのちゆうじんのアドラムじんヒラといっしょに、ティムナのひつじもののところへのぼってった。13あるひとがタマルに、「あなたのしゅうとが、ひつじるために、ティムナへやってます」とらせたので、14タマルはやもめのものぎ、ベールをかぶってなりをえ、ティムナへちゅうのエナイムのぐちすわった。シェラがせいじんしたのに、ぶんがそのつまにしてもらえない、とかったからである。15ユダはかのじょて、かおかくしているのでしょうだとおもった。16ユダは、ぼうにいるかのじょちかって、「さあ、あなたのところはいらせてくれ」とった。かのじょぶんよめだとはづかなかったからである。

「わたしのところにおはいりになるのなら、なにをくださいますか」とかのじょうと、17ユダは、「れのなかからを一ぴきおくとどけよう」とこたえた。しかしかのじょった。

「でも、それをおくとどけてくださるまで、しょうしなをください。」

18「どんなしょうがいいのか」とうと、かのじょこたえた。

「あなたのひものいたいんしょうと、っていらっしゃるそのつえです。」

ユダはそれをわたし、かのじょところはいった。かのじょはこうして、ユダによってごもった。19かのじょはそこをり、ベールをいで、ふたたびやもめのものた。

20ユダはゆうじんのアドラムじんたくしておくとどけ、おんなからしょうしなもどそうとしたが、そのおんなつからなかった。21ゆうじんひとびとに、「エナイムのぼうにいたしん殿でんしょうは、どこにいるでしょうか」とたずねると、ひとびとは、「ここには、しん殿でんしょうなどいたことはありません」とこたえた。22ゆうじんはユダのところにもどってった。「おんなつかりませんでした。それにひとびとも、『ここには、しん殿でんしょうなどいたことはありません』とうのです。」23ユダはった。

「では、あのしなはあのおんなにそのままやっておこう。さもないと、われわれものわらいのたねになるから。とにかく、わたしはとどけたのだが、おんなつからなかったのだから。」

24三かげつほどたって、「あなたのよめタマルはかんいんをし、しかも、かんいんによってもりました」とユダにげるものがあったので、ユダはった。

「あのおんなきずりして、ころしてしまえ。」

25ところが、きずりされようとしたとき、タマルはしゅうとに使つかいをやってった。

「わたしは、このしなじなぬしによってごもったのです。」

かのじょつづけてった。

「どうか、このひものいたいんしょうとこのつえとが、どなたのものか、お調しらべください。」

26ユダは調しらべてった。

「わたしよりもかのじょほうただしい。わたしがかのじょむすのシェラにあたえなかったからだ。」

ユダは、ふたたびタマルをることはなかった。

27タマルのしゅっさんときたが、たいないにはふたがいた。28しゅっさんときひとしたので、じょさんは、「これがさきた」とい、いとってそのむすんだ。29ところがそのめてしまい、もうひとほうてきたので、じょさんった。

「なんとまあ、このひといたりして。」

そこで、このはペレツ(き)とけられた。30そのあとから、いとむすんだほうてきたので、このはゼラ()とけられた。

ヨセフとポティファルのつま

39

1ヨセフはエジプトにれてられた。ヨセフをエジプトへれてたイシュマエルじんからかれったのは、ファラオのきゅうていやくにんで、じゅうちょうのエジプトじんポティファルであった。

2しゅがヨセフとともにおられたので、かれはうまくことはこんだ。かれはエジプトじんしゅじんいえにいた。3しゅともにおられ、しゅかれのすることをすべてうまくはからわれるのをしゅじんは、4ヨセフにをかけてぢかつかえさせ、いえかんをゆだね、ざいさんをすべてかれまかせた。5しゅじんいえかんやすべてのざいさんをヨセフにまかせてから、しゅはヨセフのゆえにそのエジプトじんいえしゅくふくされた。しゅしゅくふくは、いえなかにものうにも、すべてのざいさんおよんだ。6しゅじんぜんざいさんをヨセフのにゆだねてしまい、ぶんべるものがいまったつかわなかった。ヨセフはかおうつくしく、からだつきもすぐれていた。

7これらのことのあとで、しゅじんつまはヨセフにそそぎながらった。

「わたしのとこはいりなさい。」

8しかし、ヨセフはこばんで、しゅじんつまった。

「ごぞんじのように、しゅじんはわたしをそばき、いえなかのことにはいっさいをおつかいになりません。ざいさんもすべてわたしのにゆだねてくださいました。9このいえでは、わたしのうえものはいませんから、わたしののままにならないものもありません。ただ、あなたはべつです。あなたはしゅじんつまですから。わたしは、どうしてそのようにおおきなあくはたらいて、かみつみおかすことができましょう。」

10かのじょまいにちヨセフにったが、ヨセフはみみさず、かのじょかたわらにることも、ともにいることもしなかった。

11こうして、ある、ヨセフがごとをしようといえはいると、いえものひといえなかにいなかったので、12かのじょはヨセフのものをつかんでった。

「わたしのとこはいりなさい。」

ヨセフはものかのじょのこし、げてそとた。

13ものかのじょのこしたまま、ヨセフがそとげたのをると、14かのじょいえものたちをせてった。

てごらん。ヘブライじんなどをわたしたちのところれてたから、わたしたちはいたずらをされる。かれがわたしのところて、わたしとようとしたから、おおごえさけびました。15わたしがおおごえをあげてさけんだのをいて、わたしのかたわらにもののこしたままそとげてきました。」

16かのじょは、しゅじんいえかえってるまで、そのものかたわらにいていた。17そして、しゅじんおなじことをかたった。

「あなたがわたしたちのところれてた、あのヘブライじんれいはわたしのところて、いたずらをしようとしたのです。18わたしがおおごえをあげてさけんだものですから、ものをわたしのかたわらにのこしたまま、そとげてきました。」

19「あなたのれいがわたしにこんなことをしたのです」とうったえるつまこといて、しゅじんいかり、20ヨセフをらえて、おうしゅうじんをつなぐかんごくれた。ヨセフはこうして、かんごくにいた。

21しかし、しゅがヨセフとともにおられ、めぐみをほどこし、かんしゅちょうにかなうようにみちびかれたので、22かんしゅちょうかんごくにいるしゅうじんみな、ヨセフのにゆだね、ごくちゅうひとのすることはすべてヨセフがりしきるようになった。23かんしゅちょうは、ヨセフのにゆだねたことには、いっさいくばらなくてもよかった。しゅがヨセフとともにおられ、ヨセフがすることをしゅがうまくはからわれたからである。

ゆめくヨセフ

40

1これらのことのあとで、エジプトおうきゅうやくりょうやくしゅくんであるエジプトおうあやまちをおかした。2ファラオはいかって、このふたきゅうていやくにんきゅうやくちょうりょうやくちょうを、3じゅうちょういえにあるろうごく、つまりヨセフがつながれているかんごくわたした。4じゅうちょうかれらをヨセフにあずけ、しんぺんをさせた。ろうごくなかいくにちかがぎたが、5かんごくにつながれていたエジプトおうきゅうやくりょうやくは、ふたともおなよるにそれぞれゆめた。そのゆめには、それぞれかくされていた。6あさになって、ヨセフがふたのところへってみると、ふたともふさぎんでいた。7ヨセフはしゅじんいえろうごくぶんいっしょれられているファラオのきゅうていやくにんたずねた。

きょは、どうしてそんなにゆううつなかおをしているのですか。」

8われわれゆめたのだが、それをかしてくれるひとがいない」とふたこたえた。ヨセフは、「かしはかみがなさることではありませんか。どうかわたしにはなしてみてください」とった。9きゅうやくちょうはヨセフにぶんゆめはなした。

「わたしがゆめていると、一ぽんのぶどうのまえあらわれたのです。10そのぶどうのには三ぼんのつるがありました。それがみるみるうちにしたかとおもうと、すぐにはなき、ふさふさとしたぶどうがじゅくしました。11ファラオのさかずきにしていたわたしは、そのぶどうをって、ファラオのさかずきしぼり、そのさかずきをファラオにささげました。」

12ヨセフはった。

「そのかしはこうです。三ぼんのつるはみっです。13みったてば、ファラオがあなたのあたまげて、もとしょくふっさせてくださいます。あなたはぜんきゅうやくであったときのように、ファラオにさかずきをささげるやくをするようになります。14ついては、あなたがそのようにしあわせになられたときには、どうかわたしのことをおもしてください。わたしのためにファラオにわたしのうえはなし、このいえからられるようにはからってください。15わたしはヘブライじんくにからやりれてられたのです。また、ここでも、ろうれられるようなことはなにもしていないのです。」

16りょうやくちょうは、ヨセフがたくみにかすのをった。

「わたしもゆめていると、んだかごが三わたしのあたまうえにありました。17いちばんうえかごには、りょうやくがファラオのために調ととのえたいろいろなりょうはいっていましたが、とりがわたしのあたまうえかごからそれをべているのです。」

18ヨセフはこたえた。

「そのかしはこうです。三かごみっです。19みったてば、ファラオがあなたのあたまげてはなし、あなたをにかけます。そして、とりがあなたのにくをついばみます。」

20みっはファラオのたんじょうであったので、ファラオはらいたちをみなまねいて、しゅくえんもよおした。そして、らいたちのならぶところでれいきゅうやくちょうあたまりょうやくちょうあたまげて調しらべた。21ファラオはきゅうやくちょうきゅうしょくふっさせたので、かれはファラオにさかずきをささげるやくをするようになったが、22りょうやくちょうは、ヨセフがかしたとおりにかけられた。23ところが、きゅうやくちょうはヨセフのことをおもさず、わすれてしまった。

ファラオのゆめ

41

1ねんのち、ファラオはゆめた。ナイルがわのほとりにっていると、2とつぜん、つややかな、よくえた七とううしかわからがってて、あしくさはじめた。3すると、そのあとから、こんみにくい、やせほそった七とううしかわからがってて、きしにいるうしのそばにった。4そして、みにくい、やせほそったうしが、つややかな、よくえた七とううしくした。ファラオは、そこでめた。

5ファラオがまたねむると、ふたたゆめた。こんは、ふとって、よくみのった七つのが、一ぽんくきからてきた。6すると、そのあとから、はいっていない、ひがしかぜからびた七つのえてきて、7はいっていないが、ふとって、はいった七つのをのみんでしまった。ファラオは、そこでめた。それはゆめであった。8あさになって、ファラオはひどくこころさわぎ、エジプトじゅうじゅつけんじゃをすべてあつめさせ、ぶんゆめかれらにはなした。しかし、ファラオにかすことができるものはいなかった。

9そのとき、れいきゅうやくちょうがファラオにもうた。

「わたしは、きょになってぶんあやまちをおもしました。10かつてファラオがしもべどもについていきどおられて、じゅうちょういえにあるろうごくにわたしとりょうやくちょうれられたとき、11おなよるに、わたしたちはそれぞれゆめたのですが、そのどちらにもかくされていました。12そこには、じゅうちょうつかえていたヘブライじんわかものがおりまして、かれはなしをしたところ、わたしたちのゆめかし、それぞれ、そのゆめおうじてかしたのです。13そしてまさしく、かしたとおりになって、わたしはもとしょくふっすることをゆるされ、かれにかけられました。」

14そこで、ファラオはヨセフをびにやった。ヨセフはただちにろうからされ、さんぱつをしものえてから、ファラオのまえた。15ファラオはヨセフにった。

「わたしはゆめたのだが、それをかすものがいない。くところによれば、おまえゆめはなしいて、かすことができるそうだが。」

16ヨセフはファラオにこたえた。

「わたしではありません。かみがファラオのさいわいについてげられるのです。」

17ファラオはヨセフにはなした。

ゆめなかで、わたしがナイルがわきしっていると、18とつぜん、よくえて、つややかな七とううしかわからがってて、あしくさはじめた。19すると、そのあとから、こんひんじゃくで、とてもみにくい、やせた七とううしがってた。あれほどひどいのは、エジプトではたことがない。20そして、そのやせた、みにくうしが、はじめのよくえた七とううしくしてしまった。21ところが、たしかにはらなかれたのに、はらなかれたことがまるでからないほど、さいしょおなじようにみにくいままなのだ。わたしは、そこでめた。

22それからまた、ゆめなかでわたしはたのだが、こんは、とてもよくはいった七つのが一ぽんくきからてきた。23すると、そのあとから、やせほそり、はいっておらず、ひがしかぜからびた七つのえてきた。24そして、はいっていないそのが、よくみのった七つのをのみんでしまった。わたしはじゅつたちにはなしたが、そのげうるものひともいなかった。」

25ヨセフはファラオにった。

「ファラオのゆめは、どちらもおなでございます。かみがこれからなさろうとしていることを、ファラオにおげになったのです。26とうのよくそだったうしは七ねんのことです。七つのよくみのったも七ねんのことです。どちらのゆめおなでございます。27そのあとからがってた七とうのやせた、みにくうしも七ねんのことです。また、やせて、ひがしかぜからびた七つのおなじで、これらは七ねんきんのことです。28これは、さきほどファラオにもうげましたように、かみがこれからなさろうとしていることを、ファラオにおしめしになったのです。29いまから七ねんかん、エジプトのくにぜんたいだいほうさくおとずれます。30しかし、そのあとに七ねんかんきんつづき、エジプトのくにほうさくがあったことなど、すっかりわすれられてしまうでしょう。きんくにほろぼしてしまうのです。31このくにほうさくがあったことは、そのあとつづきんのためにまったわすれられてしまうでしょう。きんはそれほどひどいのです。32ファラオがゆめを二かさねてられたのは、かみがこのことをすでけっていしておられ、かみもなくじっこうされようとしておられるからです。33このようなだいですから、ファラオはいますぐ、そうめいのあるじんぶつをおつけになって、エジプトのくにおさめさせ、34また、くにじゅうかんとくかんをおてになり、ほうさくの七ねんあいだ、エジプトのくにさんぶつの五ぶんの一をちょうしゅうなさいますように。35このようにして、これからおとずれるほうねんあいだしょくりょうをできるかぎりあつめさせ、まちまちしょくりょうとなるこくもつをファラオのかんもとたくわえ、かんさせるのです。36そうすれば、そのしょくりょうがエジプトのくにおそう七ねんきんたいするくにちくとなり、きんによってくにほろびることはないでしょう。」

ヨセフのはい

37ファラオとらいたちはみな、ヨセフのことかんしんした。38ファラオはらいたちに、「このようにかみれい宿やどっているひとはほかにあるだろうか」とい、39ヨセフのほういてファラオはった。

かみがそういうことをみなしめされたからには、おまえほどそうめいのあるものは、ほかにはいないであろう。40まえをわがきゅうていせきにんしゃとする。わがこくみんみな、おまえめいしたがうであろう。ただおうにあるということでだけ、わたしはおまえうえつ。」

41ファラオはヨセフにかって、「よ、わたしはいま、おまえをエジプトぜんこくうえてる」とい、42いんしょうのついたゆびぶんゆびからはずしてヨセフのゆびにはめ、ぬのふくせ、きんくびかざりをヨセフのくびにかけた。43ヨセフをおうだい二のくるませると、ひとびとはヨセフのまえで、「アブレク(けいれい)」とさけんだ。ファラオはこうして、ヨセフをエジプトぜんこくうえて、44ヨセフにった。「わたしはファラオである。おまえゆるしなしには、このエジプトぜんこくで、だれも、あしげてはならない。」

45ファラオはさらに、ヨセフにツァフェナト・パネアというあたえ、オンのさいポティ・フェラのむすめアセナトをつまとしてあたえた。ヨセフのこうはこうして、エジプトのくににあまねくおよんだ。

46ヨセフは、エジプトのおうファラオのまえったとき三十さいであった。ヨセフはファラオのまえをたって、エジプトぜんこくじゅんかいした。

47ほうさくの七ねんあいだだいゆたかなみのりにあふれた。48ヨセフはその七ねんあいだに、エジプトのくにじゅうしょくりょうをできるかぎりあつめ、そのしょくりょうまちまちたくわえさせた。まちしゅうはたけにできたしょくりょうを、そのまちなかたくわえさせたのである。49ヨセフは、うみすなほどもおおくのこくもつたくわえ、ついにはかりきれなくなったので、はかるのをやめた。

50きんとしがやってまえに、ヨセフにふたむすまれた。このどもんだのは、オンのさいポティ・フェラのむすめアセナトである。51ヨセフはちょうなんをマナセ(わすれさせる)とけてった。

かみが、わたしのろうちちいえのことをすべてわすれさせてくださった。」

52また、なんをエフライム(やす)とけてった。

かみは、なやみので、わたしにそんやしてくださった。」

53エジプトのくにに七ねんかんだいほうさくわると、54ヨセフがったとおり、七ねんきんはじまった。そのきんはすべてのくにぐにおそったが、エジプトには、ぜんこくどこにでもしょくもつがあった。55やがて、エジプトぜんこくにもきんひろがり、たみがファラオにしょくもつさけもとめた。ファラオはすべてのエジプトじんに、「ヨセフのもとにって、ヨセフのうとおりにせよ」とめいじた。56きんかいかくおよんだ。ヨセフはすべてのこくぐらひらいてエジプトじんこくもつったが、エジプトのくにきんはげしくなっていった。57また、かいかくひとびとも、こくもついにエジプトのヨセフのもとにやってるようになった。かいかくきんはげしくなったからである。

あにたち、エジプトへくだ

42

1ヤコブは、エジプトにこくもつがあるとって、むすたちに、「どうしておまえたちはかおわせてばかりいるのだ」とい、さらに、2くところでは、エジプトにはこくもつがあるというではないか。エジプトへくだってってこくもつってきなさい。そうすれば、われわれなずにびることができるではないか」とった。3そこでヨセフの十にんあにたちは、エジプトからこくもつうためにくだってった。4ヤコブはヨセフのおとうとベニヤミンをあにたちにどうこうさせなかった。なにこうなことがかれこるといけないとおもったからであった。5イスラエルのむすたちは、ひとびとじってこくもついにかけた。カナンほうにもきんおそっていたからである。

6ところで、ヨセフはエジプトのせいしゃとして、こくみんこくもつはんばいするかんとくをしていた。ヨセフのあにたちはて、めんにひれし、ヨセフをはいした。7ヨセフはひとあにたちだとづいたが、そしらぬりをしてきびしい調ちょうで、「おまえたちは、どこからやってたのか」といかけた。

かれらはこたえた。

しょくりょううために、カナンほうからやってまいりました。」

8ヨセフはあにたちだとづいていたが、あにたちはヨセフとはづかなかった。9ヨセフは、そのとき、かつてあにたちについてゆめおもこした。

ヨセフはかれらにった。

「おまえたちはまわものだ。このくにうすところさぐりにたにちがいない。」

10かれらはこたえた。

「いいえ、しゅくんさましもべどもはしょくりょういにただけでございます。11わたしどもはみな、あるおとこむすで、しょうじきにんげんでございます。しもべどもはけっしてまわものなどではありません。」

12しかしヨセフが、「いや、おまえたちはこのくにうすところさぐりにたにちがいない」とうと、13かれらはこたえた。

しもべどもは、ほんとうに十二にんきょうだいで、カナンほうむあるおとこむすたちでございます。すえおとうとは、いまちちのもとにおりますが、もうひとうしないました。」

14すると、ヨセフはった。

「おまえたちはまわものだとわたしがったのは、そのことだ。15そのてんについて、おまえたちをためすことにする。ファラオのいのちにかけてう。いちばんすえおとうとを、ここにさせよ。それまでは、おまえたちをここからすわけにはいかぬ。16まえたちのうち、だれかひとかせて、おとうとれてい。それまでは、おまえたちをかんきんし、おまえたちのうことがほんとうかどうかためす。もしそのとおりでなかったら、ファラオのいのちにかけてう。おまえたちはちがいなくまわものだ。」

17ヨセフは、こうしてかれらをみっかんろうごくかんきんしておいた。

18みっになって、ヨセフはかれらにった。

「こうすれば、おまえたちのいのちたすけてやろう。わたしはかみおそれるものだ。19まえたちがほんとうしょうじきにんげんだというのなら、きょうだいのうちひとだけをろうごくかんきんするから、ほかのものみなえているおまえたちのぞくのためにこくもつってかえり、20すえおとうとをここへれてい。そうして、おまえたちのぶんたしかめられたら、ころされはしない。」

かれらはどうして、21たがいにった。

「ああ、われわれおとうとのことでばつけているのだ。おとうとわれわれたすけをもとめたとき、あれほどのくるしみをながら、みみそうともしなかった。それで、このくるしみがわれわれにふりかかった。」

22すると、ルベンがこたえた。

「あのときわたしは、『あのわるいことをするな』とったではないか。おまえたちはみみそうともしなかった。だから、あのむくいをけるのだ。」

23かれらはヨセフがいているのをらなかった。ヨセフときょうだいたちのあいだに、つうやくがいたからである。24ヨセフはかれらからとおざかっていた。それからまたもどってて、はなしをしたうえでシメオンをえらし、かれらのているまえしばげた。25ヨセフはひとびとめいじて、あにたちのふくろこくもつめ、はらったぎんをめいめいのふくろかえし、どうちゅうしょくりょうあたえるようにし、そのとおりじっこうされた。

26かれらはこくもつをろばにんでそこをった。27ちゅう宿やどで、ひとがろばにえさをやろうとして、ぶんふくろけてみると、ふくろくちのところにぶんぎんがあるのをつけ、28ほかのきょうだいたちにった。

もどされているぞ、わたしのぎんが。ほら、わたしのふくろなかに。」

みんなのものおどろき、たがいにふるえながらった。

「これはいったい、どういうことだ。かみわれわれになさったことは。」

29いっこうはカナンほうにいるちちヤコブのところへかえってて、ぶんたちのこったことをすべてほうこくした。

30「あのくにしゅくんであるひとが、われわれきびしい調ちょうめて、このくにさぐりにまわものにちがいないとうのです。31もちろん、われわれしょうじきにんげんで、けっしてまわものなどではないとこたえました。32われわれが十二にんきょうだいで、ひとちちむすであり、ひとうしないましたが、すえおとうといま、カナンのほうちちのもとにいますとったところ、33あのくにしゅくんであるひといました。『では、おまえたちがほんとうしょうじきにんげんかどうかを、こうしてたしかめることにする。おまえたちきょうだいのうち、ひとだけここにのこし、えているおまえたちのぞくのために、こくもつかえるがいい。34ただし、すえおとうとかならずここへれてるのだ。そうすれば、おまえたちがまわものではなく、しょうじきにんげんであることがかるから、おまえたちにきょうだいかえし、ゆうにこのくにりできるようにしてやろう。』」

35それから、かれらがふくろけてみると、めいめいのふくろなかにもそれぞれぶんぎんつつみがはいっていた。かれらもちちも、ぎんつつみをおそろしくなった。36ちちヤコブはむすたちにった。

「おまえたちは、わたしからつぎつぎどもうばってしまった。ヨセフをうしない、シメオンもうしなった。そのうえベニヤミンまでもげるのか。みんなわたしをくるしめることばかりだ。」

37ルベンはちちった。

「もしも、おとうさんのところにベニヤミンをかえらないようなことがあれば、わたしのふたむすころしてもかまいません。どうか、かれをわたしにまかせてください。わたしが、かならずおとうさんのところにかえりますから。」

38しかし、ヤコブはった。

「いや、このだけは、おまえたちといっしょかせるわけにはいかぬ。このあにんでしまい、のこっているのは、このだけではないか。おまえたちのたびちゅうで、なにこうなことがこのこりでもしたら、おまえたちは、このはくはつちちを、たんのうちにくだらせることになるのだ。」

ふたたびエジプトへ

43

1このほうきんはひどくなるいっぽうであった。2エジプトからかえったこくもつくすと、ちちむすたちにった。

「もう一って、われわれしょくりょうすこってなさい。」

3しかし、ユダはこたえた。

「あのひとは、『おとうといっしょでないかぎり、わたしのかおることはゆるさぬ』と、きびしくわれわれわたしたのです。4もしおとうといっしょかせてくださるなら、われわれくだってって、あなたのためにしょくりょうってまいります。5しかし、いっしょかせてくださらないのなら、くわけにはいきません。『おとうといっしょでないかぎり、わたしのかおることはゆるさぬ』と、あのひとわれわれったのですから。」

6「なぜおまえたちは、そのひとにもうひとおとうとがいるなどとって、わたしをくるしめるようなことをしたのか」とイスラエルがうと、7かれらはこたえた。

「あのひとが、われわれのことやぞくのことについて、『おまえたちのちちおやは、まだきているのか』とか、『おまえたちには、まだほかにおとうとがいるのか』などと、しきりにたずねるものですから、たずねられるままにこたえただけです。まさか、『おとうとれてい』などとわれようとはおもいもりませんでしたから。」

8ユダは、ちちイスラエルにった。

「あのをぜひわたしといっしょかせてください。それなら、すぐにでもってまいります。そうすれば、われわれも、あなたも、どもたちもなずにびることができます。9あののことはわたしがしょうします。そのせきにんをわたしにわせてください。もしも、あのをおとうさんのもとにかえらず、姿すがたをおにかけられないようなことにでもなれば、わたしがあなたにたいしてしょうがいそのつみつづけます。10こんなにためらっていなければ、いまごろはもう二ってたはずです。」

11すると、ちちイスラエルはむすたちにった。

「どうしてもそうしなければならないのなら、こうしなさい。このめいさんしなふくろれて、そのひとへのおくものとしてってくのだ。にゅうこうみつすこし、じゅもつやく、ピスタチオやアーモンドの12それから、ぎんを二ばいようしてきなさい。ふくろくちもどされていたぎんってっておかえしするのだ。たぶんなにかのちがいだったのだろうから。13では、おとうとれて、さっそくそのひとのところへもどりなさい。14どうか、ぜんのうかみがそのひとまえでおまえたちにあわれみをほどこし、もうひときょうだいと、このベニヤミンをかえしてくださいますように。このわたしがどうしてもどもうしなわねばならないのなら、うしなってもよい。」

15むすたちはおくものと二ばいぎんようすると、ベニヤミンをれて、さっそくエジプトへくだってった。

さて、いっこうがヨセフのまえすすると、16ヨセフはベニヤミンがいっしょなのをて、ぶんいえまかせているしつった。

「このひとたちをいえへおれしなさい。それから、ちくほふってりょう調ととのえなさい。ひるしょくをこのひとたちといっしょにするから。」

17しつはヨセフにわれたとおりにし、いちどうをヨセフのしきれてった。18いちどうはヨセフのしきれてられたので、おそろしくなって、「これはきっと、まえたときわれわれふくろもどされていたあのぎんのせいだ。それで、ここにまれようとしているのだ。いまに、ろばもろともらえられ、ひどいい、れいにされてしまうにちがいない」とおもった。19かれらはしきぐちのところでヨセフのしつまえすすて、はなしかけて、20った。

「ああ、しゅじんさまじつは、わたしどもはまえに一しょくりょううためにここへたことがございます。21ところが、かえりに宿やどふくろけてみると、ひとひとふくろくちのところにそれぞれぶんぎんはいっておりました。しかも、ぎんおもさはもとのままでした。それで、それをおかえししなければ、とってまいりました。22もちろん、しょくりょううためのぎんは、べつようしてきております。いったいだれがわたしどものふくろぎんれたのかかりません。」

23しつは、「あんしんなさい。しんぱいすることはありません。きっと、あなたたちのかみ、あなたたちのちちかみが、そのたからふくろれてくださったのでしょう。あなたたちのぎんは、このわたしがたしかにったのですから」とこたえ、シメオンをきょうだいたちのところへれてた。24しついちどうをヨセフのしきれ、みずあたえてあしあらわせ、ろばにもえさあたえた。25かれらはおくもの調ととのえて、ひるにヨセフがたくするのをった。いっしょしょくをすることになっているといたからである。

26ヨセフがたくすると、いちどうしきっておくものして、にひれしてヨセフをはいした。27ヨセフはいちどうあんたずねたあとった。

まえはなしていた、としをとったちちうえげんか。まだきておられるか。」

28「あなたさまのしもべであるちちげんで、まだきております」とかれらはこたえ、ひざまずいて、ヨセフをはいした。

29ヨセフはおなははからまれたおとうとベニヤミンをじっとつめて、「まえはなしていたすえおとうとはこれか」とたずね、「わたしのよ。かみめぐみがおまえにあるように」とうと、30ヨセフはいそいでせきはずした。おとうとなつかしさに、むねあつくなり、なみだがこぼれそうになったからである。ヨセフはおくはいるといた。31やがて、かおあらってると、ヨセフはへいせいよそおい、「さあ、しょくしなさい」といつけた。32しょくは、ヨセフにはヨセフの、きょうだいたちにはきょうだいたちの、しょうばんするエジプトじんにはエジプトじんのものと、べつべつようされた。とう、エジプトじんは、ヘブライじんともしょくをすることはできなかったからである。それはエジプトじんのいとうことであった。33きょうだいたちは、いちばんうえあにからすえおとうとまで、ヨセフにかってねんれいじゅんすわらされたので、おどろいてたがいにかおわせた。34そして、りょうがヨセフのまえからみんなのところへくばられたが、ベニヤミンのぶんはほかのだれのぶんより五ばいおおかった。いちどうはぶどうしゅみ、ヨセフとともしゅえんたのしんだ。

ぎんさかずき

44

1ヨセフはしつめいじた。

「あのひとたちのふくろを、はこべるかぎりおおくのしょくりょうでいっぱいにし、めいめいのぎんをそれぞれのふくろくちのところへれておけ。2それから、わたしのさかずき、あのぎんさかずきを、いちばんとししたものふくろくちに、こくもつだいきんぎんいっしょれておきなさい。」

しつはヨセフがめいじたとおりにした。

3つぎあさあたりがあかるくなったころ、いっこうおくりをけ、ろばとともしゅっぱつした。4ところが、まちて、まだとおくへかないうちに、ヨセフはしつめいじた。

「すぐに、あのひとたちをいかけ、いついたらかれらにいなさい。『どうして、おまえたちはあくをもってぜんむくいるのだ。5あのぎんさかずきは、わたしのしゅじんむときやうらないのときに、お使つかいになるものではないか。よくもこんなわるいことができたものだ。』」

6しつかれらにいつくと、そのとおりにった。7すると、かれらはった。

しゅじんさま、どうしてそのようなことをおっしゃるのですか。しもべどもがそんなことをするなどとは、とんでもないことです。8ふくろくちつけたぎんでさえ、わたしどもはカナンのからかえって、しゅじんさまにおかえししたではありませんか。そのわたしどもがどうして、あなたのしゅくんのおしきからぎんきんぬすんだりするでしょうか。9しもべどものなかのだれからでもさかずきつかれば、そのものざいに、ほかのわたしどももみなしゅじんさまれいになります。」

10すると、しつった。

こんもおまえたちがうとおりならよいが。だれであっても、さかずきつかれば、そのものはわたしのれいにならねばならない。ほかのものにはつみい。」

11かれらはいそいでぶんふくろめんろし、めいめいでふくろけた。12しつとしうえものからねんりに調しらはじめ、いちばんさいとししたものになったとき、ベニヤミンのふくろなかからさかずきつかった。13かれらはころもき、めいめいぶんのろばにむと、まちかえした。

14ユダときょうだいたちがヨセフのしきはいってくと、ヨセフはまだそこにいた。いちどうかれまえにひれした。15「おまえたちのしたこのわざなにごとか。わたしのようなものうらなてることをらないのか」とヨセフがうと、16ユダがこたえた。

しゅくんなんもうひらきできましょう。いまさらどうえば、わたしどものあかしをてることができましょう。かみしもべどものつみあばかれたのです。このうえは、わたしどもも、さかずきつかったものともに、しゅくんれいになります。」

17ヨセフはった。

「そんなことはまったかんがえていない。ただ、さかずきつけられたものだけが、わたしのれいになればよい。ほかのおまえたちはみなあんしんしてちちおやのもとへかえるがよい。」

ユダのたんがん

18ユダはヨセフのまえすすった。

「ああ、しゅくんさまなにとぞおいかりにならず、しもべもうげますことにみみかたむけてください。あなたはファラオにひとしいおかたでいらっしゃいますから。

19しゅくんしもべどもにかって、『ちちきょうだいがいるのか』とおたずねになりましたが、20そのとき、しゅくんに、『としとったちちと、それにちちとしであるすえおとうとがおります。そのあにくなり、おなははのこっているのはそのだけですから、ちちかれをかわいがっております』ともうげました。21すると、あなたさまは、『そのをここへれてい。ぶんたしかめることにする』としもべどもにおめいじになりました。22わたしどもは、しゅくんに、『あのは、ちちおやのもとからはなれるわけにはまいりません。あのちちおやのもとをはなれれば、ちちんでしまいます』ともうしましたが、23あなたさまは、『そのすえおとうといっしょなければ、ふたたびわたしのかおることはゆるさぬ』としもべどもにおっしゃいました。24わたしどもは、あなたさまのしもべであるちちのところへかえり、しゅくんのおことつたえました。25そしてちちが、『もう一って、われわれしょくりょうすこってい』ともうしましたおりにも、26くことはできません。もし、すえおとうといっしょなら、ってまいります。すえおとうといっしょでないかぎり、あのかたかおることはできないのです』とこたえました。27すると、あなたさまのしもべであるちちは、『おまえたちもっているように、わたしのつまふたむすんだ。28ところが、そのうちのひとはわたしのところからったきりだ。きっとかみかれてしまったとおもうが、それらいっていない。29それなのに、おまえたちはこのまでも、わたしからげようとする。もしも、なにこうなことがこのこりでもしたら、おまえたちはこのはくはつちちを、くるしめてくだらせることになるのだ』ともうしました。30いまわたしが、このいっしょれずに、あなたさまのしもべであるちちのところへかえれば、ちちたましいはこのたましいかたむすばれていますから、31このがいないことをって、ちちんでしまうでしょう。そして、しもべどもははくはつちちを、たんのうちにくだらせることになるのです。

32じつは、このしもべちちにこのあんぜんしょうして、『もしも、このをあなたのもとにれてかえらないようなことがあれば、わたしがちちたいしてしょうがいそのつみつづけます』とったのです。33なにとぞ、このわりに、このしもべしゅくんれいとしてここにのこし、このはほかのきょうだいたちといっしょかえらせてください。34このいっしょれずに、どうしてわたしはちちのもとへかえることができましょう。ちちおそいかかるもんるにしのびません。」

ヨセフ、かす

45

1ヨセフは、そばでつかえているものまえで、もはやへいせいよそおっていることができなくなり、「みんな、ここからってくれ」とさけんだ。だれもそばにいなくなってから、ヨセフはきょうだいたちにぶんかした。2ヨセフは、こえをあげていたので、エジプトじんはそれをき、ファラオのきゅうていにもつたわった。

3ヨセフは、きょうだいたちにった。

「わたしはヨセフです。おとうさんはまだきておられますか。」

きょうだいたちはヨセフのまえおどろきのあまり、こたえることができなかった。

4ヨセフはきょうだいたちにった。

「どうか、もっとちかってください。」

きょうだいたちがそばへちかづくと、ヨセフはまたった。

「わたしはあなたたちがエジプトへったおとうとのヨセフです。5しかし、いまは、わたしをここへったことをやんだり、ったりするひつようはありません。いのちすくうために、かみがわたしをあなたたちよりさきにおつかわしになったのです。6この二ねんあいだかいじゅうきんおそっていますが、まだこれから五ねんかんは、たがやすこともなく、しゅうかくもないでしょう。7かみがわたしをあなたたちよりさきにおつかわしになったのは、このくににあなたたちののこりのものあたえ、あなたたちをながらえさせて、おおいなるすくいにいたらせるためです。8わたしをここへつかわしたのは、あなたたちではなく、かみです。かみがわたしをファラオのもんきゅうていぜんたいしゅ、エジプトぜんこくおさめるものとしてくださったのです。

9いそいでちちうえのもとへかえって、つたえてください。『むすのヨセフがこうっています。かみが、わたしをぜんエジプトのしゅとしてくださいました。ためらわずに、わたしのところへおいでください。10そして、ゴシェンのいきんでください。そうすればあなたも、むすまごも、ひつじうしれも、そのほかすべてのものも、わたしのちかくでらすことができます。11そこでのおは、わたしがおけいたします。まだ五ねんかんきんつづくのですから、ちちうえぞくも、そのほかすべてのものも、こまることのないようになさらなければいけません。』12さあ、おにいさんたちも、おとうとのベニヤミンも、ぶんてください。ほかならぬわたしがあなたたちにっているのです。13エジプトでわたしがけているすべてのえいと、あなたたちがたすべてのことをちちうえはなしてください。そして、いそいでちちうえをここへれててください。」

14ヨセフは、おとうとベニヤミンのくびいていた。ベニヤミンもヨセフのくびいていた。15ヨセフはきょうだいたちみなくちづけし、かれらをいていた。そののちきょうだいたちはヨセフとかたった。

16ヨセフのきょうだいたちがやってたというらせがファラオのきゅうていつたわると、ファラオもらいたちもよろこんだ。17ファラオはヨセフにった。

きょうだいたちに、こうするようにいなさい。『ちくんでカナンのき、18ちちうえぞくをここへれてなさい。わたしは、エジプトのくにさいりょうのものをあたえよう。あなたたちはこのくにさいじょうさんぶつべるがよい。』19また、こうするようめいじなさい。『エジプトのくにから、あなたたちのどもつまたちをせるしゃいてき、ちちうえもそれにせてるがよい。20ざいどうなどにはれんのこさないように。エジプトのくにじゅうさいりょうのものが、あなたたちのものになるのだから。』」

21イスラエルのむすたちはそのとおりにした。ヨセフは、ファラオのめいれいしたがって、かれらにしゃあたえ、またどうちゅうしょくりょうあたえた。22ヨセフはさらに、ぜんいんにそれぞれあたえたが、とくにベニヤミンにはぎん三百まいまいあたえた。23ちちにも、エジプトのさいりょうのものをんだろば十とうと、こくもつやパン、それにちちどうちゅうひつようしょくりょうんだろば十とうおくった。24いよいよきょうだいたちをおくすとき、しゅっぱつにあたってヨセフは、「ちゅうで、あらそわないでください」とった。25きょうだいたちはエジプトからカナンほうのぼってき、ちちヤコブのもとへかえると、26ただちにほうこくした。

「ヨセフがまだきています。しかも、エジプトぜんこくおさめるものになっています。」

ちちとおくなった。かれらのうことがしんじられなかったのである。27かれらはヨセフがはなしたとおりのことを、のこらずちちかたり、ヨセフがちちせるためにつかわしたしゃせた。ちちヤコブはげんもどした。28イスラエルはった。

「よかった。むすヨセフがまだきていたとは。わたしはこう。まえに、どうしてもいたい。」

ヤコブのエジプトくだ

46

1イスラエルは、いっげてたびった。そして、ベエル・シェバにくと、ちちイサクのかみにいけにえをささげた。2そのよるまぼろしなかかみがイスラエルに、「ヤコブ、ヤコブ」とびかけた。かれが、「はい」とこたえると、3かみわれた。

「わたしはかみ、あなたのちちかみである。エジプトへくだることをおそれてはならない。わたしはあなたをそこでおおいなるこくみんにする。4わたしがあなたとともにエジプトへくだり、わたしがあなたをかならもどす。ヨセフがあなたのまぶたをじてくれるであろう。」

5ヤコブはベエル・シェバをしゅっぱつした。イスラエルのむすたちは、ファラオがつかわしたしゃちちヤコブとどもつまたちをせた。6ヤコブとそのそんみな、カナンほうちくざいさんたずさえてエジプトへかった。7こうしてヤコブは、むすまごむすめまごむすめなど、そんみなれてエジプトへった。

8エジプトへったイスラエルのひとびと、すなわちヤコブとそのらのまえつぎのとおりである。ヤコブのちょうなんルベン。9ルベンのむすのハノク、パル、ヘツロン、カルミ。10シメオンのむすのエムエル、ヤミン、オハド、ヤキン、ツォハル、およびカナンのおんなによるむすシャウル。11レビのむすのゲルション、ケハト、メラリ。12ユダのむすのエル、オナン、シェラ、ペレツ、ゼラ。ただし、エルとオナンはカナンのんだ。ペレツのむすのヘツロン、ハムル。13イサカルのむすのトラ、プワ、ヨブ、シムロン。14ゼブルンのむすのセレド、エロン、ヤフレエル。15これらは、レアがパダン・アラムでヤコブとのあいだんだらである。ヤコブのむすめディナもふくめ、だんじょそうすうは三十三めいである。

16ガドのむすのツィフヨン、ハギ、シュニ、エツボン、エリ、アロディ、アルエリ。17アシェルのむすのイムナ、イシュワ、イシュビ、ベリア、およびいもうとセラ。ベリアのむすはヘベル、マルキエル。18これらは、ラバンがむすめレアにあたえたジルパのらである。ジルパがヤコブとのあいだんだのは十六めいである。

19ヤコブのつまラケルのむすのヨセフ、ベニヤミン。20ヨセフには、エジプトのくにむすまれた。それは、オンのさいのポティ・フェラのむすめアセナトがかれとのあいだんだマナセとエフライムである。21ベニヤミンのむすのベラ、ベケル、アシュベル、ゲラ、ナアマン、エヒ、ロシュ、ムピム、フピム、アルド。22これらは、ヤコブとのあいだまれたラケルのらで、そのそうすうは十四めいである。

23ダンのむすのフシム。24ナフタリのむすのヤフツェエル、グニ、イエツェル、シレム。25これらは、ラバンがむすめラケルにあたえたビルハのらである。ビルハがヤコブとのあいだんだものそうすうは七めいである。

26ヤコブのこしからもので、ヤコブとともにエジプトへったものは、ヤコブのむすつまたちをのぞけば、そうすう六十六めいである。27エジプトでまれたヨセフのむすふたである。したがって、エジプトへったヤコブのぞくそうすう七十めいであった。

ゴシェンでのさいかい

28ヤコブは、ヨセフをゴシェンにれてるために、ユダをひとあしさきにヨセフのところへつかわした。そしていっこうはゴシェンのとうちゃくした。29ヨセフはくるまようさせると、ちちイスラエルにいにゴシェンへやってた。ヨセフはちちるやいなや、ちちくびきつき、そのくびにすがったまま、しばらくつづけた。30イスラエルはヨセフにった。

「わたしはもうんでもよい。おまえがまだきていて、おまえかおることができたのだから。」

31ヨセフは、きょうだいちちぞくものたちにった。

「わたしはファラオのところへほうこくのためさんじょうし、『カナンほうにいたわたしのきょうだいちちぞくものたちがわたしのところにまいりました。32このひとたちはひつじいで、ちくれをっていたのですが、ひつじうしをはじめ、すべてのざいさんたずさえてやってました』ともうします。33ですから、ファラオがあなたたちをおしになって、『ごとなにか』とわれたら、34『あなたのしもべであるわたしどもは、せんだいだいおさなときからこんにちまでちくれをものでございます』とこたえてください。そうすれば、あなたたちはゴシェンのいきむことができるでしょう。」

ひつじいはすべて、エジプトじんのいとうものであったのである。

ファラオとのかいけん

47

1ヨセフはファラオのところへき、「わたしのちちきょうだいたちが、ひつじうしをはじめ、すべてのざいさんたずさえて、カナンほうからやってて、いま、ゴシェンのにおります」とほうこくした。2そのときヨセフは、きょうだいなかから五にんえらんで、ファラオのまえれてった。3ファラオはヨセフのきょうだいたちにった。

「おまえたちのごとなにか。」

きょうだいたちが、「あなたのしもべであるわたしどもは、せんだいだいひつじいでございます」とこたえ、4さらつづけてファラオにった。

「わたしどもはこのくにりゅうさせていただきたいとおもって、まいりました。カナンほうきんがひどく、しもべたちのひつじうためのぼくそうがありません。しもべたちをゴシェンのまわせてください。」

5ファラオはヨセフにかってった。

ちちうえきょうだいたちが、おまえのところにやってたのだ。6エジプトのくにのことはおまえまかせてあるのだから、もっとちちうえきょうだいたちをまわせるがよい。ゴシェンのまわせるのもよかろう。もし、いちぞくなかゆうのうものがいるなら、わたしのちくかんとくをさせるがよい。」

7それから、ヨセフはちちヤコブをれてて、ファラオのまえたせた。ヤコブはファラオにしゅくふくことべた。8ファラオが、「あなたはなんさいにおなりですか」とヤコブにかたりかけると、9ヤコブはファラオにこたえた。

「わたしのたびとしつきは百三十ねんです。わたしのしょうがいとしつきみじかく、くるしみおおく、わたしのせんたちのしょうがいたびとしつきにはおよびません。」

10ヤコブは、わかれのあいさつをして、ファラオのまえから退たいしゅつした。

11ヨセフはファラオがめいじたように、ちちきょうだいたちのまいをさだめ、エジプトのくにしょゆうあたえた。そこは、ラメセスほうもっとであった。12ヨセフはまた、ちちきょうだいたちとちちぞくものすべてをやしない、ようすべきものかずしたがってしょくりょうあたえた。

ヨセフのせいさく

13きんきわめてはげしく、かいじゅうしょくりょうがなくなった。エジプトのくにでも、カナンほうでも、ひとびときんのためにくるしみあえいだ。14ヨセフは、エジプトのくにとカナンほうひとびとこくもつだいきんとしてはらったぎんをすべてあつめ、それをファラオのきゅうていおさめた。15エジプトのくににもカナンほうにも、ぎんてると、エジプトじんみな、ヨセフのところにやってて、「べるものをください。あなたさまは、わたしどもをごろしになさるおつもりですか。ぎんはなくなってしまいました」とった。

16ヨセフはこたえた。「ちくれてなさい。もしぎんがなくなったのなら、ちくえにあたえよう。」

17ひとびとちくをヨセフのところにれてると、ヨセフは、うまや、ひつじうしれや、ろばとえにしょくりょうあたえた。ヨセフはこうして、そのとし、すべてのちくえにひとびとしょくりょうあたえた。18そのとしわり、つぎとしになると、ひとびとはまたヨセフのところにて、った。

しゅくんには、なにもかもかくさずにもうげます。ぎんはすっかりなくなり、ちくれもしゅくんのものとなって、らんのようにのこっているのは、わたしどものからだのうだけです。19どうしてあなたさまのまえで、わたしどもとのうほろんでしまってよいでしょうか。しょくりょうえに、わたしどもとげてください。わたしどもはのうとともに、ファラオのれいになります。たねをおあたえください。そうすれば、わたしどもはなずにきることができ、のうてないでしょう。」

20ヨセフは、エジプトじゅうのすべてののうをファラオのためにげた。きんはげしくなったので、エジプトじんみなぶんはたけったからである。はこうして、ファラオのものとなった。21またたみについては、エジプトりょうはしからはしまで、ヨセフがかれらをれいにした。22ただし、さいのうだけはげなかった。さいにはファラオからのきゅうがあって、ファラオがあたえるきゅうせいかつしていたので、のうらなかったからである。

23ヨセフはたみった。

「よいか、おまえたちはきょのうとともにファラオにられたのだ。さあ、ここにたねがあるから、はたけきなさい。24しゅうかくときには、五ぶんの一をファラオにおさめ、五ぶんの四はおまえたちのものとするがよい。それをはたけたねにしたり、おまえたちやぞくものしょくりょうとし、どもたちのしょくりょうとしなさい。」

25かれらはった。

「あなたさまはわたしどものいのちおんじんです。しゅくんこうによって、わたしどもはファラオのれいにさせていただきます。」

26ヨセフはこのように、しゅうかくの五ぶんの一をファラオにおさめることを、エジプトののうぎょうさだめとした。それはこんにちまでつづいている。ただし、さいのうだけはファラオのものにならなかった。

ヤコブのゆいごん

27イスラエルは、エジプトのくに、ゴシェンのいきみ、そこにて、み、おおいにかずした。28ヤコブは、エジプトのくにで十七ねんきた。ヤコブのしょうがいは百四十七ねんであった。

29イスラエルはちかづいたとき、むすヨセフをせてった。

「もし、おまえがわたしのねがいをいてくれるなら、おまえをわたしのももあいだれ、わたしのためにいつくしみとまことをもってじっこうすると、ちかってほしい。どうか、わたしをこのエジプトにはほうむらないでくれ。30わたしがせんたちとともねむりについたなら、わたしをエジプトからはこして、せんたちのはかほうむってほしい。」

ヨセフが、「かならず、おっしゃるとおりにいたします」とこたえると、31「では、ちかってくれ」とったので、ヨセフはちかった。イスラエルは、しんだいまくらもとでかんしゃあらわした。

ヤコブ、ヨセフのらをしゅくふくする

48

1これらのことのあとで、ヨセフに、「おちちうえびょうです」とのらせがはいったので、ヨセフはふたむすマナセとエフライムをれてった。2あるひとがヤコブに、「そくのヨセフさまが、ただいまおえになりました」とらせると、イスラエルはちからふるこして、しんだいうえすわった。3ヤコブはヨセフにった。

ゼんのうかみがカナンほうのルズでわたしにあらわれて、わたしをしゅくふくしてくださったとき、4こうわれた。

『あなたのそんはんえいさせ、かずやし

あなたをしょこくみんれとしよう。

このをあなたにつづそん

えいえんしょゆうとしてあたえよう。』

5いま、わたしがエジプトのおまえのところにまえに、エジプトのくにまれたおまえふたむすをわたしのどもにしたい。エフライムとマナセは、ルベンやシメオンとおなじように、わたしのとなるが、6そのあとまれるものはおまえのものとしてよい。しかし、かれらのぎょうあにたちのばれるであろう。

7わたしはパダンからかえちゅう、ラケルになれてしまった。あれはカナンほうで、エフラトまでくには、まだかなりのみちのりがあるちゅうでのことだった。わたしはラケルを、エフラト、つまりいまのベツレヘムへかうみちのほとりにほうむった。」

8イスラエルは、ヨセフのむすたちをながら、「これはだれか」とたずねた。9ヨセフがちちに、「かみが、ここでさずけてくださったわたしのむすです」とこたえると、ちちは、「ここへれてなさい。かれらをしゅくふくしよう」とった。10イスラエルのろうれいのためかすんでよくえなかったので、ヨセフがふたむすちちのもとにちからせると、ちちかれらにくちづけをしてめた。

11イスラエルはヨセフにった。

「おまえかおさえることができようとはおもわなかったのに、なんと、かみはおまえどもたちをもさせてくださった。」

12ヨセフはかれらをちちひざからはなし、にひれしてはいした。13ヨセフはふたむすのうち、エフライムをぶんみぎでイスラエルのひだりかわせ、マナセをぶんひだりでイスラエルのみぎかわせ、ふたちからせた。14イスラエルはみぎばして、おとうとであるエフライムのあたまうえき、ひだりをマナセのあたまうえいた。つまり、マナセがちょうなんであるのに、かれりょうこうしていたのである。

15そして、ヨセフをしゅくふくしてった。

「わたしのせんアブラハムとイサクが

そのまえあゆんだかみよ。

わたしのしょうがいきょまで

みちびかれたぼくしゃなるかみよ。

16わたしをあらゆるくるしみから

あがなわれた使つかいよ。

どうか、このどもたちのうえ

しゅくふくをおあたえください。

どうか、わたしの

わたしのせんアブラハム、イサクの

かれらによっておぼえられますように。

どうか、かれらがこのじょう

かずおおつづけますように。」

17ヨセフは、ちちみぎをエフライムのあたまうえいているのをて、まんおもい、ちちってエフライムのあたまからマナセのあたまうつそうとした。18ヨセフはちちった。

ちちうえ、そうではありません。これがちょうなんですから、みぎをこれのあたまうえいてください。」

19ところが、ちちはそれをこばんでった。

「いや、かっている。わたしのよ、わたしにはかっている。このも一つのたみとなり、おおきくなるであろう。しかし、おとうとほうかれよりもおおきくなり、そのそんくにぐにちるものとなる。」

20そのちちかれらをしゅくふくしてった。

「あなたによって

イスラエルはひとしゅくふくしてうであろう。

『どうか、かみがあなたを

エフライムとマナセのように

してくださるように。』」

かれはこのように、エフライムをマナセのうえてたのである。

21イスラエルはヨセフにった。

もなく、わたしはぬ。だが、かみがおまえたちとともにいてくださり、きっとおまえたちをせんくにみちびかえらせてくださる。22わたしは、おまえきょうだいたちよりもおおく、わたしがつるぎゆみをもってアモリじんからった一つのまえ(シェケム)をあたえることにする。」

ヤコブのしゅくふく

49

1ヤコブはむすたちをせてった。

あつまりなさい。わたしはのちにおまえたちにこることをかたっておきたい。

2ヤコブのむすたちよ、あつまってみみかたむけよ。

まえたちのちちイスラエルにみみかたむけよ。

3ルベンよ、おまえはわたしのちょう

わたしのいきおい、いのちちからはつ

ぐらいたかく、ちからつよい。

4まえみずのようにほんぽう

ちょうほまれをうしなう。

まえちちしんだいのぼった。

あのとき、わたしのしんだいのぼ

それをけがした。

5シメオンとレビはきょうだい

かれらのつるぎぼうりょくどう

6わたしのたましいよ、かれらのぼうくわわるな。

わたしのこころよ、かれらのなかつらなるな。

かれらはいかりのままにひところ

おもうがままにうしあしすじった。

7のろわれよ、かれらのいかりははげしく

いきどおりははなはだしいゆえに。

わたしはかれらをヤコブのあいだ

イスラエルのあいだらす。

8ユダよ、あなたはきょうだいたちにたたえられる。

あなたのてきくびさえ

ちちたちはあなたをおがむ。

9ユダは

わたしのよ、あなたはものってのぼってる。

かれのようにうずくまり

のようにせる。

だれがこれをこすことができようか。

10おうしゃくはユダからはなれず

とうつえあしあいだからはなれない。

ついにシロがて、しょこくたみかれしたがう。

11かれはろばをぶどうの

ろばのいぶどうのにつなぐ。

かれぶんころもをぶどうしゅ

ものをぶどうのしるあらう。

12かれはぶどうしゅによってかがや

ちちによってしろくなる。

13ゼブルンはうみむ。

そこはふねりするみなととなり

そのさかいはシドンにおよぶ。

14イサカルはほねぶとのろば

二つのかわぶくろあいだせる。

15かれにはそのこころよ

このましいきゅうそくとなった。

かれはそこでをかがめてにな

えきれいとす。

16ダンはぶんたみさば

イスラエルのほかのぞくのように。

17ダンは、みちばたへび

みちのほとりにひそまむし

うまのかかとをかむと

はあおむけにちる。

18しゅよ、わたしはあなたのすくいをのぞむ。

19ガドはりゃくだつしゃおそわれる。

しかしかれは、かれらのかかとをおそう。

20アシェルにはゆたかなしょくもつがあり

おうしょくたくそなえる。

21ナフタリははなたれた鹿じか

うつくしい鹿じかむ。

22ヨセフはむすわか

いずみのほとりのむすわか

そのえだいしがきえてびる。

23ゆみものたちはかれてきいだ

はなち、いかけてくる。

24しかし、かれゆみはたるむことなく

かれうでばやうごく。

ヤコブのゆうしゃにより

それによって、イスラエルのいしとなりぼくしゃとなった。

25どうか、あなたのちちかみがあなたをたす

ぜんのうしゃによってあなたはしゅくふくけるように。

うえてんしゅくふく

したよこたわるふちしゅくふく

ぶさははたいしゅくふくをもって。

26あなたのちちしゅくふく

えいえんやましゅくふくにまさり

えいきゅうおかたまものにまさる。

これらのしゅくふくがヨセフのかしらうえにあり

きょうだいたちからえらばれたものかしらにあるように。

27ベニヤミンはかみおおかみ

あさにはものらいつき

ゆうにはうばったものをう。」

28これらはすべて、イスラエルのぞくで、そのかずは十二である。これはかれらのちちかたり、しゅくふくしたことである。ちちかれらを、おのおのにふさわしいしゅくふくをもってしゅくふくしたのである。

ヤコブの

29ヤコブはむすたちにめいじた。

もなくわたしは、せんれつくわえられる。わたしをヘトじんエフロンのはたけにあるほらあなに、せんたちとともほうむってほしい。30それはカナンほうのマムレのまえのマクペラのはたけにあるほらあなで、アブラハムがヘトじんエフロンからり、としてしょゆうするようになった。31そこに、アブラハムとつまサラがほうむられている。そこに、イサクとつまリベカもほうむられている。そこに、わたしもレアをほうむった。32あのはたけとあそこにあるほらあなは、ヘトのひとたちからったものだ。」

33ヤコブは、むすたちにめいえると、どこうえあしをそろえ、いきり、せんれつくわえられた。

ヤコブのまいそう

50

1ヨセフはちちかおしてき、くちづけした。

2ヨセフはぶんたちに、ちちのなきがらにくすりり、ぼうしょをするようにめいじたので、しゃはイスラエルにそのしょをした。3そのために四十にちついやした。このしょをするにはそれだけのにっすうひつようであった。エジプトじんは七十にちあいだふくた。

4けると、ヨセフはファラオのきゅうていねがた。

「ぜひともよろしくファラオにおぎください。5じつは、ちちがわたしにちかわせて、『わたしはもなくぬ。そのときは、カナンのようしてあるはかにわたしをほうむってくれ』ともうしました。ですから、どうかちちほうむりにかせてください。わたしはまたかえってまいります。」

6ファラオはこたえた。

ちちうえちかわせたとおりに、ほうむりにってるがよい。」

7ヨセフはちちほうむりにのぼってった。ヨセフととものぼってったのは、ファラオのきゅうていげんろうであるじゅうしんたちすべてとエジプトのくにちょうろうたちすべて、8それにヨセフのぞくぜんいんかれきょうだいたち、およびちちいちぞくであった。ただようと、ひつじうしれはゴシェンのいきのこした。9またせんしゃへいとものぼってったので、それはまことにせいだいぎょうれつとなった。

10いっこうはヨルダンがわひがしがわにあるゴレン・アタドにき、そこでじょうそうごんそうおこなった。ちちついとうしきなのかんにわたっておこなわれた。11そのんでいるカナンじんたちは、ゴレン・アタドでおこなわれたついとうしきて、「あれは、エジプトりゅうせいだいついとうしきだ」とった。それゆえ、そのしょは、アベル・ミツライム(エジプトりゅうついとうしき)とばれるようになった。それは、ヨルダンがわひがしがわある。

12それから、ヤコブのむすたちはちちめいじられたとおりにおこなった。13すなわち、ヤコブのむすたちは、ちちのなきがらをカナンのはこび、マクペラのはたけほらあなほうむった。それは、アブラハムがマムレのまえにあるはたけとともにヘトじんエフロンからり、としてしょゆうするようになったものである。

14ヨセフはちちほうむったのちきょうだいたちをはじめ、ちちほうむるためにいっしょのぼってたすべてのひとびとともにエジプトにかえった。

ゆるしのさいかくにん

15ヨセフのきょうだいたちは、ちちんでしまったので、ヨセフがことによるとぶんたちをまだうらみ、むかしヨセフにしたすべてのあくかえしをするのではないかとおもった。16そこで、ひとかいしてヨセフにった。

「おとうさんはくなるまえに、こうっていました。17『おまえたちはヨセフにこういなさい。たしかに、あにたちはおまえわるいことをしたが、どうかあにたちのとがつみゆるしてやってほしい。』おねがいです。どうか、あなたのちちかみつかえるしもべたちのとがゆるしてください。」

これをいて、ヨセフはなみだながした。18やがて、あにたちしんもやってて、ヨセフのまえにひれして、「このとおり、わたくしどもはあなたのしもべです」とうと、19ヨセフはあにたちにった。

おそれることはありません。わたしがかみわることができましょうか。20あなたがたはわたしにあくをたくらみましたが、かみはそれをぜんえ、おおくのたみいのちすくうために、こんにちのようにしてくださったのです。21どうかおそれないでください。このわたしが、あなたたちとあなたたちのどもやしないましょう。」

ヨセフはこのように、あにたちをなぐさめ、やさしくかたりかけた。

ヨセフの

22ヨセフはちちぞくともにエジプトにみ、百十さいまでき、23エフライムの三だいそんることができた。マナセのむすマキルのどもたちもまれると、ヨセフのひざかれた。

24ヨセフはきょうだいたちにった。

「わたしはもなくにます。しかし、かみかならずあなたたちをかえりみてくださり、このくにからアブラハム、イサク、ヤコブにちかわれたみちびのぼってくださいます。」

25それから、ヨセフはイスラエルのむすたちにこうってちかわせた。

かみは、かならずあなたたちをかえりみてくださいます。そのときには、わたしのほねをここからたずさえてのぼってください。」

26ヨセフはこうして、百十さいんだ。ひとびとはエジプトでかれのなきがらにくすりり、ぼうしょをして、ひつぎにおさめた。

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