聖書 新共同訳 旧約聖書

日本聖書協会

サムエル

ダビデ、サウルの

1

1サウルがんだのちのことである。ダビデはアマレクじんってツィクラグにかえり、ふつごした。2みっに、サウルのじんえいからひとおとこがたどりついた。ふくけ、あたまつちをかぶっていた。おとこはダビデのまえると、にひれしてれいをした。3ダビデはたずねた。「どこからたのだ。」「イスラエルのじんえいからのがれてまいりました」とかれこたえた。4じょうきょうはどうか。はなしてくれ」とダビデはかれった。かれった。「へいせんじょうからり、おおくのへいたおれてにました。サウルおうおうのヨナタンもくなられました。」

5ダビデはらせをもたらしたこのわかものたずねた。「ふたをどうしてったのか。」6このわかものこたえた。「わたしはたまたまギルボアさんにおりました。そのとき、サウルおうやりにもたれかかっておられましたが、せんしゃへいおうせまっていました。7おうかえってわたしをらんになり、おびになりました。『はい』とおこたえすると、8『おまえなにものだ』とおたずねになり、『アマレクのものです』とおこたえすると、9『そばにて、とどめをしてくれ。けいれんこったがにきれない』とわれました。10そこでおそばにって、とどめをしました。たおれてしまわれ、もはやびることはできまいとおもったからです。あたまにかぶっておられたおうかんうでにつけておられたうでって、しゅじんさまってまいりました。これでございます。」

11ダビデはぶんころもをつかんでいた。ともにいたものみなそれにならった。12かれらは、つるぎたおれたサウルとそのヨナタン、そしてしゅたみとイスラエルのいえいたんでき、ゆうれまでだんじきした。

13ダビデは、らせをもたらしたわかものたずねた。「おまえはどこのしゅっしんか。」「わたしはりゅうのアマレクじんです」とかれこたえた。14ダビデはかれった。「しゅあぶらそそがれたかたを、おそれもせずにかけ、さつがいするとはなにごとか。」

15ダビデはじゅうしゃひとび、「ちかって、このものて」とめいじた。じゅうしゃかれころした。16ダビデはった。「おまえながしたはおまえかしらかえる。おまえしんくちが、『わたしはしゅあぶらそそがれたかたころした』としょうげんしたのだから。」

あいとううたゆみ

17ダビデはサウルとそのヨナタンをいたうたみ、18ゆみ」とだいして、ユダのひとびとおしえるようにめいじた。このは『ヤシャルのしょ』におさめられている。

19イスラエルよ、「うるわしきもの」は

まえたかおかうえころされた。

ああ、ゆうらはたおれた。

20ガトにげるな

アシュケロンのまちまちにこれをらせるな

ペリシテのむすめらがよろこいわ

かつれいなきものむすめらがよろこいさむことのないように。

21ギルボアのやまやまよ、いけにえをもとめた

まえたちのうえにはつゆむすぶな、あめるな。

ゆうらのたてがそこにてられ

サウルのたてあぶらられずにてられている。

22ころしたものたちの

ゆうらのあぶらをなめずには

ヨナタンのゆみけっして退しりぞかず

サウルのつるぎがむなしくおさめられることもなかった。

23サウルとヨナタン、あいされよろこばれたふた

わしよりもはやく、よりもしかった。

いのちあるときのぞんでも

ふたはなれることはなかった。

24け、イスラエルのむすめらよ、サウルのために。

くれないころもをおまえたちに

まえたちのころもうえ

きんかざりをおいたサウルのために。

25ああ、ゆうらはたたかいのさなかにたおれた。

ヨナタンはイスラエルのたかおかころされた。

26あなたをおもってわたしはかなしむ

きょうだいヨナタンよ、まことのよろこ

おんなあいにまさるおどろくべきあなたのあいを。

27ああ、ゆうらはたおれた。

たたかいのうつわうしなわれた。

ダビデ、ユダのおうとなる

2

1そののちダビデはしゅたくせんもとめてった。「どこかユダのまちのぼるべきでしょうか。」しゅわれた。「のぼれ。」さらにダビデはたずねた。「どこへのぼればよいのでしょうか。」「ヘブロンへ」としゅはおこたえになった。

2そこでダビデはふたつま、イズレエルのアヒノアムとカルメルのナバルのつまであったアビガイルをれて、ヘブロンへのぼった。3ダビデはかれしたがっていたへいをそのぞくともれてのぼった。こうしてかれらはヘブロンのまちまちんだ。4ユダのひとびとそこにて、ダビデにあぶらそそぎ、ユダのいえおうとした。

ギレアドのヤベシュのひとびとがサウルをほうむったとらされたとき、5ダビデはギレアドのヤベシュのひとびと使しゃおくってこうわせた。「あなたがたがしゅしゅくふくされますように。あなたがたはしゅくんサウルにちゅうじつくし、かれほうむりました。6いましゅがあなたがたにいつくしみとまことをくしてくださいますように。わたしも、そうしたあなたがたのはたらきにむくいたいとおもいます。7ちからふるこし、ゆうかんものとなってください。あなたがたのしゅくんサウルはくなられましたが、ユダのいえはこのわたしにあぶらそそいでぶんたちのおうとしました。」

イスラエルとユダのたたか

8サウルのぐんれいかん、ネルのアブネルは、サウルのイシュ・ボシェトをようりつしてマハナイムにうつり、9かれをギレアド、アシュルじん、イズレエル、エフライム、ベニヤミン、すなわちぜんイスラエルのおうとした。10サウルのイシュ・ボシェトは四十さいでイスラエルのおうとなり、二ねんかんおうにあった。だが、ユダのいえはダビデにしたがった。11ダビデがユダのいえおうとしてヘブロンにとどまったかんは七ねん六かげつであった。

12ネルのアブネルは、サウルのイシュ・ボシェトのしんともにマハナイムをて、ギブオンにかった。13いっぽう、ツェルヤのヨアブとダビデのしんしゅつじんした。りょうぐんはギブオンのいけい、いっぽういけのこちらがわに、ほうこうがわにとどまった。14アブネルはヨアブにもうれた。「わかものてて、われわれまえしょうさせてはどうか。」「よかろう」とヨアブはった。

15ベニヤミンぞくとサウルのイシュ・ボシェトのがわから十二にん、ダビデのしんからも十二にんどうすうものってつぎつぎった。16かれらはそれぞれあいあたまをとらえ、つるぎあいわきばらし、みなともたおれた。そのしょはヘルカト・ツリムとばれ、ギブオンにある。17そのはげしいたたかいがつづき、アブネルとイスラエルのへいがダビデのしんかされた。18ツェルヤの三にんむす、ヨアブ、アビシャイ、アサエルもたたかいにくわわっていたが、アサエルはのかもしかのようにあしはやく、19アブネルをついせきし、みぎにもひだりにもそれることなくアブネルのあとった。20アブネルはいてった。「おまえはアサエルだな。」「そうだ」とかれこたえた。21みぎひだりにそれてわかものひとでもらえ、につけているものをうばったらどうだ」とアブネルはったが、アサエルはアブネルをってはなれようとしなかった。22アブネルはかさねてアサエルにった。「うのはやめてくれ。おまえたおすわけにはいかない。おまえあに、ヨアブにかおけできないではないか。」23だがアサエルはがんとしてはなれなかった。アブネルはやりいしきでアサエルのしたはらいた。やりなかまでけ、アサエルはたおれ、そのんだ。アサエルがたおれてんでいるところまでものみなまったが、24ヨアブとアビシャイはアブネルをつづけた。ゆうどきとなって、かれらはギブオンのつづくギアのぐちにあったアンマのおかいた。25ベニヤミンぞくはアブネルにごうりゅうし、いちだんとなって一つのおかいただきにとどまった。26アブネルはヨアブにびかけてった。「いつまでつるぎじきとしうのか。さんけつまつになることをらぬわけではあるまい。いつになったら、きょうだいうのはやめよ、とへいめいじるのか。」27ヨアブはこたえた。「かみきておられる。もしおまえがそうさなかったなら、へいあさまでそのきょうだいつづけたことだろう。」28ヨアブはつのぶえいた。へいみな、イスラエルぐんうことをやめ、それじょうたたかいをつづけなかった。29アブネルとそのへいはアラバをどおあるいてヨルダンがわわたり、さらぜんちゅうあるいて、マハナイムにいた。

30ヨアブはアブネルのついせきからもどり、へいみなしゅうごうさせた。ダビデのしんのうち十九にんとアサエルがけていた。31ダビデのしんはベニヤミンぞくとアブネルのへいのうち三百六十にんころした。32アサエルはベツレヘムにはこばれ、ちちはかほうむられた。ヨアブとそのへいどおあるいて、がたヘブロンにいた。

3

1サウルおうとダビデおうとのたたかいはながいたが、ダビデはますますせいりょくし、サウルのいえだいおとろえていった。

ヘブロンでまれたダビデのむす

2ヘブロンでまれたダビデのむすつぎのとおりである。ちょうなんはアムノン、はははイズレエルじんアヒノアム。3なんはキルアブ、はははカルメルじんナバルのつまアビガイル。三なんはアブサロム、ゲシュルのおうタルマイのむすめマアカの4なんはアドニヤ、ハギトの。五なんはシェファトヤ、アビタルの5なんはイトレアム、はははダビデのつまエグラ。じょうがヘブロンでまれたダビデのむすである。

アブネル、ダビデのがわにつく

6サウルおうとダビデおうたたかいがつづくうちに、サウルおうではアブネルがじっけんにぎるようになっていた。7アヤのむすめでリツパというおんながいた。このおんなはサウルのそばであった。あるイシュ・ボシェトはアブネルに、「なぜちちそばつうじたのか」とった。8アブネルはイシュ・ボシェトのことはげしくいかってった。「わたしをユダのいぬどものかしらとでもわれるのですか。きょまでわたしは、あなたのちちうえサウルのいえとそのきょうだいゆうじんたちにちゅうじつつかえてきました。あなたをダビデのわたすこともしませんでした。それをいま、あのおんなのことでわたしをつみおうとなさる。9しゅがダビデにちかわれたことを、わたしがダビデのためにおこなわないなら、かみがこのアブネルをいくにもばっしてくださるように。10わたしはおうけんをサウルのいえからうつし、ダビデのおうをダンからベエル・シェバにいたるイスラエルとユダのうえてる。」11イシュ・ボシェトはアブネルをおそれ、もはやことかえすこともできなかった。

12アブネルはダビデのもとに使しゃおくってった。「このだれのものとおもわれますか。わたしとけいやくむすべば、あなたのかたとなってぜんイスラエルがあなたにつくようにはからいましょう。」13ダビデはこたえた。「よろしい、けいやくむすぼう。ただし、一つのことをわたしはようきゅうする。すなわち、いにるときは、サウルのむすめミカルをかなられてるように。さもなければいにるにはおよばない。」

14ダビデは、サウルのイシュ・ボシェトに使しゃつかわし、ペリシテじんようまいおさめてめとったつまミカルをいただきたい、ともうれた。15イシュ・ボシェトはひとをやって、ミカルをそのおっと、ライシュのパルティエルからげた。16パルティエルはきながらミカルをい、バフリムまでたが、アブネルに「もうかえれ」とわれてかえってった。

17アブネルのことがイスラエルのちょうろうたちにとどいた。「あなたがたは、これまでもダビデをおうにいただきたいとねがっていた。18それをじつげんさせるべきときだ。しゅはダビデに、『わたしはしもべダビデのによって、わたしのたみイスラエルをペリシテじんから、またすべてのてきからすくう』とおおせになったのだ。」19またアブネルは、ベニヤミンのひとびとともちょくせつはなしたのち、イスラエルとベニヤミンのいえぜんたいとのいとうつったことについてちょくせつダビデにはなそうと、ヘブロンのダビデのもとにった。20アブネルは二十にんれてヘブロンのダビデのもとにいた。ダビデはしゅえんもよおしてアブネルとそのをもてなした。21アブネルはダビデにった。「わたしはってき、ぜんイスラエルをしゅくんであるおうのもとにあつめましょう。かれらがあなたとけいやくむすば、あなたはおのぞみのままにおさめることができます。」

アブネル、あんさつされる

ダビデはアブネルをおくし、アブネルはへいのうちにしゅっぱつした。22そこへダビデのしんひきいたヨアブがおおくのせんひんたずさえてりゃくだつからかえってた。アブネルはへいのうちにおくされたあとで、ヘブロンのダビデのもとにはいなかった。23ヨアブとかれどうこうしていたぜんぐんとうちゃくすると、「ネルのアブネルがおうたずねてましたが、へいのうちにおくされてりました」とヨアブにげるものがあった。

24ヨアブはおうのもとにき、こうった。

「どうなさったのです。アブネルがあなたのもとにやってたのに、なぜおくし、らせてしまわれたのですか。25ネルのアブネルをよくごぞんじのはずではありませんか。あのおとこたのは、おうあざむいてどうせいさぐり、おうのなさることをすべて調しらべるためなのです。」

26ヨアブはダビデのもとをがると、アブネルをって使つかいをした。使つかいはボル・シラからアブネルをもどした。ダビデはそのことをらなかった。27アブネルがヘブロンにもどると、ヨアブはしずかなところではなしたいとってじょうもんなかさそみ、そのでアブネルのしたはらいてころし、おとうとアサエルのむくいた。

28のちにこれをいたダビデはった。「ネルのアブネルのについて、わたしとわたしのおうこくしゅたいしてとこしえにけっぱくだ。29そのはヨアブのあたまに、ヨアブのちちいえぜんたいにふりかかるように。ヨアブのいえにはろうしゅつものおもびょうものいとつむぎしかできないおとこつるぎたおれるもの、パンにことものえることのないように。」30ヨアブとおとうとのアビシャイがアブネルをころしたのは、ギブオンのたたかいでかれらのおとうとアサエルをアブネルがころしたからであった。

31ダビデは、ヨアブとヨアブのひきいるへいぜんいんかって、「ふくき、あらぬのをまとい、いたかなしんでアブネルのまえすすめ」とめいじ、ダビデおうしんはアブネルのひつぎのあとしたがった。32いちどうはアブネルをヘブロンにほうむった。おうはそのはかかってこえをあげてき、へいみないた。

33おうはアブネルをいたうたんだ。

おろものぬように

アブネルはなねばならなかったのか。

34しばられたのでもなく

あしかせをはめられたのでもないおまえ

せいおこなものまえたおれるかのように

たおれねばならなかったのか。」

へいみなかれいたんでさらいた。35へいみな、まだのあるうちにダビデにしょくをとらせようとやってた。しかし、ダビデはちかってった。

しずまえに、わたしがパンであれほかのなんであれ、くちにするようなことがあるなら、かみいくにもばっしてくださるように。」

36へいみなこれをって、いこととなした。おうのすることはつねに、へいぜんいんいとうつった。37すべてのへい、そしてぜんイスラエルはこの、ネルのアブネルがころされたのはおうによるものではなかったことをみとめた。38おうしんった。「きょ、イスラエルのだいしょうぐんたおれたということをおまえたちはさとらねばならない。39わたしはあぶらそそがれたおうであるとはいえ、いまりょくである。あのものども、ツェルヤのむすたちはわたしのあまる。あくをなすものにはしゅしんがそのあくむくいられるように。」

イシュ・ボシェトの

4

1アブネルがヘブロンでころされたといて、サウルのむすイシュ・ボシェトはちからとし、ぜんイスラエルはおびえた。2このサウルのむすのもとにふたりゃくだつたいちょうがいた。をバアナとレカブといい、ともにベニヤミンのもので、ベエロトのリモンのむすであった。ベエロトもベニヤミンりょうかんがえられるからである。3ベエロトのひとびとはかつてギタイムにげ、こんにちもそこにりゅうしている。

4サウルのヨナタンにはりょうあしえたむすがいた。サウルとヨナタンのほうがイズレエルからとどいたとき、そのは五さいであった。いてげたが、げようとしてあわてたのでかれとし、あしゆうになったのである。かれはメフィボシェトといった。

5ベエロトじんリモンのレカブとバアナは、ざかりのころイシュ・ボシェトのいえにやってた。イシュ・ボシェトはひるをしていた。6レカブとそのきょうだいバアナは、むぎりをしていえなかはいり、かれしたはらしてころし、とうぼうした。7すなわち、かれらがいえはいると、イシュ・ボシェトがしんしつどこよこたわっていたので、ふたかれしてころし、くびをはねた。かれらはそのくびたずさえてアラバへのみちどおあるき、8ヘブロンのダビデのもとに、そのくびさんした。ふたおうった。「らんください。おいのちをねらっていた、おうてきサウルのイシュ・ボシェトのくびです。しゅは、しゅくんおうのために、サウルとそのそんほうふくされました。」

9ダビデはベエロトじんリモンのレカブとそのきょうだいバアナにこたえてった。

「あらゆるなんからわたしのいのちすくわれたしゅきておられる。10かつてサウルのをわたしにげたものは、ぶんではらせをもたらしたつもりであった。だが、わたしはそのものらえ、ツィクラグでしょけいした。それがかれらせへのむくいであった。11まして、ぶんいえどこやすんでいたただしいひとを、かみさからうものころしたのだ。そのりゅうけつつみをおまえたちのわずにいられようか。おまえたちをじょうからのぞらずにいられようか。」

12ダビデのめいれいによって、じゅうしゃふたころしてりょうりょうあしとし、ヘブロンのいけのほとりでにつるした。イシュ・ボシェトのくびはヘブロンにはこばれ、アブネルのはかほうむられた。

ダビデ、イスラエルとユダのおうとなる

5

1イスラエルのぜんぞくはヘブロンのダビデのもとにてこうった。「らんください。わたしたちはあなたのこつにくです。2これまで、サウルがわたしたちのおうであったときにも、イスラエルのしん退たいをとっておられたのはあなたでした。しゅはあなたにおおせになりました。『わがたみイスラエルをぼくするのはあなただ。あなたがイスラエルのどうしゃとなる』と。」

3イスラエルのちょうろうたちはぜんいん、ヘブロンのおうのもとにた。ダビデおうはヘブロンでしゅまえかれらとけいやくむすんだ。ちょうろうたちはダビデにあぶらそそぎ、イスラエルのおうとした。

4ダビデは三十さいおうとなり、四十ねんかんおうにあった。5ねん六かげつあいだヘブロンでユダを、三十三ねんあいだエルサレムでイスラエルとユダのぜんとうした。

ダビデのまちエルサレム

6おうとそのへいはエルサレムにかい、そのじゅうみんのエブスじんめようとした。エブスじんはダビデがまちはいることはできないとおもい、ダビデにった。「おまえはここにはいれまい。えないものあしゆうものでも、おまえはらうことはようだ。」

7しかしダビデはシオンのようがいおとしいれた。これがダビデのまちである。8そのとき、ダビデはった。「エブスじんとうとするものみなみずくみのトンネルをとおってまちはいり、ダビデのいのちにくむというあしゆうものえないものて。」このために、あしゆうものしん殿でんはいってはならない、とわれるようになった。

9ダビデはこのようがいみ、それをダビデのまちび、ミロからないまで、しゅうじょうへききずいた。10ダビデはだいせいりょくし、ばんぐんかみしゅかれともにおられた。

11ティルスのおうヒラムはダビデのもとに使せつけんし、レバノンすぎもっこういしおくってた。かれらはダビデのおうきゅうてた。12ダビデは、しゅかれをイスラエルのおうとしてるぎないものとされ、しゅたみイスラエルのためにかれおうけんたかめてくださったことをさとった。

エルサレムでまれたダビデのども

13ダビデはヘブロンからうつったのち、エルサレムでもつまをめとり、そばいたので、むすむすめさらまれた。14エルサレムでまれたどもたちのつぎのとおりである。シャムア、ショバブ、ナタン、ソロモン、15イブハル、エリシュア、ネフェグ、ヤフィア、16エリシャマ、エルヤダ、エリフェレト。

ダビデ、ペリシテじんやぶ

17ペリシテじんは、ダビデがあぶらそそがれてイスラエルのおうになったことをいた。すべてのペリシテじんが、ダビデのいのちをねらってのぼってた。ダビデはこれをいてようがいくだった。18やってたペリシテじんはレファイムのたにじんひろげた。19ダビデはしゅたくせんもとめた。「ペリシテじんかってのぼるべきでしょうか。かれらをこのにおわたしくださるでしょうか。」しゅはダビデにこたえられた。「のぼれ。かならずペリシテじんをあなたのわたす。」

20ダビデはバアル・ペラツィムにり、かれらをほろぼして、こうった。「しゅてきをわたしのまえで、みずていぼうやぶるようにやぶってくださった。」そのしょをバアル・ペラツィム(やぶあるじ)とぶのは、このためである。21ペリシテじんぶんたちのぐうぞうをそこにててったので、ダビデとそのへいはそれをはこった。

22ペリシテじんふたたのぼり、レファイムのたにじんひろげた。23ダビデがしゅたくせんもとめると、つぎのようにこたえられた。「のぼらず、はいまわれ。バルサムのしげみのはんたいがわからてきかえ。24しげしにこうぐんおといたら、めかかれ。しゅがペリシテのじんえいつために、おまえさきんじてしゅつじんされるのだ。」25ダビデはしゅめいじられたとおりにこうどうし、ゲバからゲゼルにいたるまで、ペリシテじんほろぼした。

かみはこをエルサレムへはこげる

6

1ダビデはさらにイスラエルのせいえいまんをことごとくあつめた。2ダビデはかれしたがうすべてのへいともにバアレ・ユダからしゅっぱつした。それは、ケルビムのうえばんぐんしゅによってそのばれるかみはこをそこからはこげるためであった。3かれらはかみはこあたらしいくるませ、おかうえのアビナダブのいえからはこした。アビナダブのウザとアフヨがそのあたらしいくるまぎょしていた。4かれらはおかうえのアビナダブのいえからかみはこせたくるまはこし、アフヨははこまえすすんだ。5ダビデとイスラエルのいえみなしゅまえいとすぎがったてごとことたいすず、シンバルをかなでた。

6いっこうがナコンのむぎにさしかかったとき、うしがよろめいたので、ウザはかみはこほうばし、はこさえた。7ウザにたいしてしゅいかりをはっし、このしつのゆえにかみはそのかれたれた。ウザはかみはこかたわらでんだ。8ダビデもいかった。しゅがウザをくだかれたためである。そのしょをペレツ・ウザ(ウザをくだく)とんでこんにちいたっている。9その、ダビデはしゅおそれ、「どうしてしゅはこをわたしのもとにむかえることができようか」とって、10ダビデのまちぶんのもとにしゅはこうつすことをのぞまなかった。ダビデははこをガトじんオベド・エドムのいえかわせた。11三かげつあいだしゅはこはガトじんオベド・エドムのいえにあった。しゅはオベド・エドムとそのいえものいちどうしゅくふくされた。

12かみはこのゆえに、オベド・エドムのいっとそのざいさんのすべてをしゅしゅくふくしておられる、とダビデおうげるものがあった。おうただちにかけ、よろこいわってかみはこをオベド・エドムのいえからダビデのまちはこげた。13しゅはこかつものが六すすんだとき、ダビデはえたうしをいけにえとしてささげた。14しゅまえでダビデはちからのかぎりおどった。かれあさのエフォドをけていた。15ダビデとイスラエルのいえはこぞってよろこびのさけびをあげ、つのぶえらして、しゅはこはこげた。16しゅはこがダビデのまちいたとき、サウルのむすめミカルはまどからこれをろしていたが、しゅまえおどるダビデおうて、こころうちにさげすんだ。

17ひとびとしゅはこはこれ、ダビデのったてんまくなかあんすると、ダビデはしゅまえくすささものかいささものをささげた。18くすささものかいささものをささげわると、ダビデはばんぐんしゅによってたみしゅくふくし、19へいぜんいん、イスラエルのぐんしゅうのすべてに、おとこにもおんなにも、がたのパン、なつめやしのしぶどうのを一つずつあたえた。たみみなぶんいえかえってった。

20ダビデがいえものしゅくふくあたえようともどってると、サウルのむすめミカルがダビデをむかえてった。「きょのイスラエルおうりっでした。しんのはしためたちのまえはだかになられたのですから。からっぽのおとこずかしげもなくはだかになるように。」21ダビデはミカルにった。「そうだ。おまえちちやそのいえのだれでもなく、このわたしをえらで、しゅたみイスラエルのどうしゃとしてててくださったしゅまえで、そのしゅまえでわたしはおどったのだ。22わたしはもっといやしめられ、ぶんにもひくものとなろう。しかし、おまえうはしためたちからは、うやまわれるだろう。」23サウルのむすめミカルは、つことのないまま、むかえた。

ナタンのげん

7

1おうおうきゅうむようになり、しゅしゅうてきをすべて退しりぞけてかれやすらぎをおあたえになった。2おうげんしゃナタンにった。「なさい。わたしはレバノンすぎいえんでいるが、かみはこてんまくったなかいたままだ。」3ナタンはおうった。「こころにあることはなんでもじっこうなさるとよいでしょう。しゅはあなたとともにおられます。」4しかし、その、ナタンにのぞんだしゅことつぎのとおりであった。

5「わたしのしもべダビデのもとにってげよ。しゅはこうわれる。あなたがわたしのためにむべきいえてようというのか。6わたしはイスラエルのらをエジプトからみちびのぼったからこんにちいたるまで、いえまず、てんまく、すなわちまくみかとしてあゆんできた。7わたしはイスラエルのらとつねともあゆんできたが、そのあいだ、わたしのたみイスラエルをぼくするようにとめいじたイスラエルのぞくの一つにでも、なぜわたしのためにレバノンすぎいえてないのか、とったことがあろうか。

8わたしのしもべダビデにげよ。ばんぐんしゅはこうわれる。わたしはまきひつじれのうしろからあなたをって、わたしのたみイスラエルのどうしゃにした。9あなたがどこにこうとも、わたしはともにいて、あなたのからてきをことごとくち、じょうおおいなるものならめいせいあたえよう。10わたしのたみイスラエルには一つのところさだめ、かれらをそこにける。たみはそこにいて、もはや、おののくことはなく、むかしのようにせいおこなものあっぱくされることもない。11わたしのたみイスラエルのうえてたころからのてきをわたしがすべて退しりぞけて、あなたにやすらぎをあたえる。しゅはあなたにげる。しゅがあなたのためにいえおこす。12あなたがしょうがいえ、せんともねむるとき、あなたのからそんあとがせ、そのおうこくるぎないものとする。13このものがわたしののためにいえて、わたしはかれおうこくおうをとこしえにかたえる。14わたしはかれちちとなり、かれはわたしのとなる。かれあやまちをおかすときは、にんげんつえひとらのむちをもってかれらしめよう。15わたしはいつくしみをかれからりはしない。あなたのまえから退しりぞけたサウルからいつくしみをったが、そのようなことはしない。16あなたのいえ、あなたのおうこくは、あなたのにとこしえにつづき、あなたのおうはとこしえにかたえられる。」

17ナタンはこれらのことをすべてそのまま、このまぼろしのとおりにダビデにげた。

ダビデおういの

18ダビデおうしゅまえし、つぎのようにった。

しゅなるかみよ、なにゆえわたしを、わたしのいえなどを、ここまでおみちびきくださったのですか。19しゅなるかみよ、おんには、それもまたちいさなことにすぎません。また、あなたは、このしもべいえとおしょうらいにかかわることまでたまわりました。しゅなるかみよ、このようなことがにんげんさだめとしてありえましょうか。20ダビデはこのうえなにもうげることができましょう。しゅなるかみよ、あなたはしもべみとめてくださいました。21ことのゆえに、こころのままに、このようにおおきなわざをことごとくおこない、しもべらせてくださいました。22しゅなるかみよ、まことにあなたはおおいなるかた、あなたにくらべられるものはなく、あなたがいかみがあるとはみみにしたこともありません。23また、このじょうに一つでも、あなたのたみイスラエルのようなたみがありましょうか。かみすすんでこれをあがなってぶんたみとし、をおあたえになりました。ぶんのためにおおきなわざげ、あなたのたみのためにぶんおそるべきわざたし、ぶんのために、エジプトおよびほうたみとそのかみがみから、このたみあがなってくださいました。24しゅよ、さらにあなたはあなたのたみイスラエルをとこしえにぶんたみとしてかたて、あなたしんがそのかみとなられました。

25しゅなるかみよ、いまこのしもべとそのいえについてたまわったことをとこしえにまもり、ことのとおりになさってください。26ばんぐんしゅは、イスラエルのかみ』ととなえられるが、とこしえにあがめられますように。しもべダビデのいえまえかたえられますように。27ばんぐんしゅ、イスラエルのかみよ、あなたはしもべみみひらき、『あなたのためにいえてる』とわれました。それゆえ、しもべはこのいのりをささげるゆうました。28しゅなるかみよ、あなたはかみ、あなたのことしんじつです。あなたはしもべにこのようなめぐみのことたまわりました。29どうかいましもべいえしゅくふくし、とこしえにまえながらえさせてください。しゅなるかみよ、あなたがことたまわれば、そのしゅくふくによってしもべいえはとこしえにしゅくふくされます。」

ダビデのせん

8

1そののち、ダビデはペリシテじんってくっぷくさせ、ペリシテじんからメテグ・アンマをうばった。2また、モアブをち、かれらをめんさせてはかなわではかり、なわほんぶんものたちをころし、一ぽんぶんものかしておいた。モアブじんはダビデにれいぞくし、みつぎおさめるものとなった。

3ダビデはつぎに、ツォバのおう、レホブのハダドエゼルがユーフラテスにせいりょくかいふくしようとこうどうこしたとき、かれち、4へい千七百、へいまんりょとし、せんしゃうまは、百とうのこして、そのほかはすべてけんってしまった。5ダマスコのアラじんがツォバのおうハダドエゼルのえんぐんとしてさんせんしたが、ダビデはこのアラムぐんまん二千をもち、6ダマスコのアラムじんたいしてしゅたいいた。こうしてアラムじんもダビデにれいぞくし、みつぎおさめるものとなった。しゅはダビデに、そのさきざきしょうあたえられた。7ダビデは、ハダドエゼルのしんがそれぞれたずさえていたきんたてぼっしゅうしてエルサレムにはこんだ。8また、ダビデおうはハダドエゼルのまちベタとベロタイからたいりょうせいどううばった。

9ハマトのおうトイは、ダビデがハダドエゼルのぐんぜいほろぼしたとき、10おうヨラムをダビデおうのもとにつかわしてあんわせた。トイしん、ハダドエゼルとこうせんちゅうだったので、ハダドエゼルにたいするダビデのせんしょういわって、ぎんきんせいどうしなじなおくった。11ダビデおうはこれらのしなじなを、せいふくしたすべてのほうたみからぎんきんともしゅのためにせいべつした。12それは、アラム、モアブ、アンモンじん、ペリシテじん、アマレクからたもの、ツォバのおう、レホブのハダドエゼルからのせんひんなどであった。

13ダビデはアラムをってかえちゅうしおたにでエドムじんまん八千をころし、めいせいた。14かれはエドムにしゅたいくことにした。しゅたいはエドムぜんかれ、ぜんエドムはダビデにれいぞくした。しゅはダビデに、さきざきしょうあたえられた。

ダビデのじゅうしんたち

15ダビデはおうとしてぜんイスラエルをはいし、そのたみすべてのためにさばきとめぐみのわざおこなった。

16ツェルヤのヨアブはぐんれいかん。アヒルドのヨシャファトはかん17アヒトブのツァドクとアビアタルのアヒメレクはともさい。セラヤはしょかん18ヨヤダのベナヤはクレタじんとペレティじんかんとくかん。ダビデのむすたちはさいとなった。

ダビデとメフィボシェト

9

1ダビデはった。「サウルものがまだのこっているならば、ヨナタンのために、そのものちゅうじつくしたい。」2サウルつかえていたツィバというものがダビデのもとにされた。

「おまえがツィバか」とおうたずねると、「しもべでございます」とかれこたえた。3おうった。「サウルには、もうだれものこっていないのか。いるなら、そのものかみちかったちゅうじつくしたいが。」「ヨナタンさまのそくひとおられます。りょうあしえたかたでございます」とツィバはおうこたえた。4おうは「どこにいるのか」とい、ツィバはおうに、「ロ・デバルにあるアミエルのマキルのいえにおられます」とこたえた。5ダビデおうひとつかわし、ロ・デバルにあるアミエルのマキルのいえからかれれてさせた。6サウルのヨナタンのメフィボシェトは、ダビデのまえるとひれしてれいをした。「メフィボシェトよ」とダビデがうと、「しもべです」とかれこたえた。7おそれることはない。あなたのちちヨナタンのために、わたしはあなたにちゅうじつくそう。サウルのしょはすべてかえす。あなたはいつもわたしのしょくたくしょくをするように」とダビデがうと、8メフィボシェトはれいをしてった。「しもべなどなにものでありましょうか。んだいぬどうぜんのわたしをかえりみてくださるとは。」

9おうは、サウルのじゅうしゃであったツィバをんでった。「サウルとそのいえしょゆうであったものはすべておまえしゅじんそくあたえることにした。10まえは、むすたち、使つかいたちとともに、そのたがやしてしゅうかくをあげ、おまえしゅじんそくのためにせいけいてよ。おまえしゅじんそくメフィボシェトは、いつもわたしのしょくたくしょくをすることになる。」ツィバには十五にんむすと二十にん使つかいがいた。11ツィバはおうこたえた。「わたくししゅくんおうしもべにおめいじになりましたことはすべて、しもべちがいなくじっこういたします。」メフィボシェトはおうひとのように、ダビデのしょくたくしょくをした。12メフィボシェトにはミカというおさなむすがいた。ツィバのいえものみな、メフィボシェトの使つかいとなった。13メフィボシェトはおうしょくたくつらなるのがつねのことであり、りょうあしともゆうなので、エルサレムにんだ。

アンモン、アラムとのたたか

10

1そののち、アンモンじんおうに、そのハヌンがわっておうとなった。2ダビデは、「ハヌンのちちナハシュがわたしにちゅうじつであったのだから、わたしもそのハヌンにちゅうじつであるべきだ」とって、使せつつかわしてあいとうあらわそうとした。ところが、ダビデのしんたちがアンモンじんりょうはいると、3アンモンじんこうかんたちはしゅくんハヌンにった。「ダビデがおちちうえけいひょうしてちょうもん使せつおくってたとおかんがえになってはなりません。このまちさぐりうかがい、たおそうとして、しんおくんだにちがいありません。」4それでハヌンはダビデのしんらえ、ひげをはんぶんそりとし、ふくはんぶんこしからしたとしてかえした。5このひとたちがはなはだしいはずかしめをけたというらせがダビデにとどくと、ダビデはひとつかわしてかれらをむかえさせ、おうでんごんとして、「ひげがえそろうまでエリコにとどまり、それからかえるように」とわせた。

6アンモンじんは、ダビデのにくしみをかったとさとると、ベト・レホブおよびツォバのアラムじんひとつかわしてへいまんようへいとしてようせいし、マアカのおうにはへい一千、トブにはへいまん二千をようせいした。7これをいたダビデは、ヨアブをはじめゆうたちのぜんぐんおくした。8アンモンじんじょうもんぐちまでたたかいにそなえ、ツォバとレホブのアラムへいおよびトブとマアカのへいにあってたたかいにそなえた。9ヨアブはせんせんぜんぽうこうほうにあるのをて、イスラエルのぜんせいえいからへいをえりすぐり、アラムぐんかってせんれつととのえ、10のこりのへいきょうだいアビシャイのにゆだねて、アンモンぐんかってせんれつととのえさせた。11ヨアブはった。「アラムじんがわたしよりつよければ、こちらをたすけてくれ。アンモンじんがおまえよりつよければ、そちらをたすけにく。12われらのたみのため、われらのかみまちまちのため、しくたたかおう。しゅいとおもわれることをおこなってくださるように。」

13ヨアブとかれしたがへいたちがたたかおうとせまると、アラムぐんはヨアブのまえからった。14アラムぐんげるのをると、アンモンじんも、アビシャイのまえからし、まちなかはいった。ヨアブはアンモンじんをそのままにしてげ、エルサレムにかえった。

15イスラエルにかされたとると、アラムはだんけつし、16ハダドエゼルはひとつかわして、ユーフラテスのこうにいたアラムぐんしゅつどうさせた。かれらは、ハダドエゼルのぐんれいかんショバクにひきいられてヘラムにいた。17ほうこくけたダビデもイスラエルのぜんぐんしゅうけつさせ、ヨルダンがわわたってヘラムにかった。アラムぐんせんれつととのえてダビデをむかち、たたかったが、18かれらはイスラエルのまえからった。ダビデはアラムのせんしゃへい七百、へいまんころし、ぐんれいかんショバクもそのころした。19ハダドエゼルにれいぞくしていたおうたちはみな、イスラエルにはいぼくしたことをみとめてい、イスラエルにれいぞくした。アラムじんおそれて、二とアンモンじんえんしなかった。

ウリヤのつまバト・シェバ

11

1としあらたまり、おうたちがしゅつじんするになった。ダビデは、ヨアブとそのにおいたぶんしん、そしてイスラエルのぜんぐんおくした。かれらはアンモンじんほろぼし、ラバをほうした。しかしダビデしんはエルサレムにとどまっていた。

2あるゆうれに、ダビデはすいからきて、おうきゅうおくじょうさんしていた。かれおくじょうから、ひとおんなみずびているのをめた。おんなたいそううつくしかった。3ダビデはひとをやっておんなのことをたずねさせた。それはエリアムのむすめバト・シェバで、ヘトじんウリヤのつまだということであった。4ダビデは使つかいのものをやってかのじょれ、かのじょかれのもとにると、とこともにした。かのじょけがれからきよめたところであった。おんないえかえったが、5宿やどしたので、ダビデに使つかいをおくり、「宿やどしました」とらせた。

6ダビデはヨアブに、ヘトじんウリヤをおくかえすようにめいれいし、ヨアブはウリヤをダビデのもとにおくった。7ウリヤがると、ダビデはヨアブのあんへいあんい、またせんきょうについてたずねた。8それからダビデはウリヤにった。「いえかえってあしあらうがよい。」

ウリヤがおうきゅう退たいしゅつすると、おうおくものあとつづいた。9しかしウリヤはおうきゅうぐちしゅくんしんともねむり、いえかえらなかった。10ウリヤがぶんいえかえらなかったとらされたダビデは、ウリヤにたずねた。「えんせいからかえってたのではないか。なぜいえかえらないのか。」11ウリヤはダビデにこたえた。「かみはこも、イスラエルもユダもかり宿やどり、わたしのしゅじんヨアブもしゅくんしんたちもえいしていますのに、わたしだけがいえかえっていしたり、つまとこともにしたりできるでしょうか。あなたはたしかにきておられます。わたしには、そのようなことはできません。」12ダビデはウリヤにった。「きょもここにとどまるがよい。、おまえおくすとしよう。」ウリヤはそのつぎ、エルサレムにとどまった。13ダビデはウリヤをまねき、しょくともにしてわせたが、ゆうれになるとウリヤは退たいしゅつし、しゅくんしんたちとともねむり、いえにはかえらなかった。

14よくあさ、ダビデはヨアブにあててしょじょうをしたため、ウリヤにたくした。15しょじょうには、「ウリヤをはげしいたたかいのさいぜんせんし、かれのこして退たいきゃくし、せんさせよ」とかれていた。16まちようっていたヨアブは、きょうりょくせんがいるとはんだんしたあたりにウリヤをはいした。17まちものたちはしゅつげきしてヨアブのぐんたたかい、ダビデのしんへいからせんしゃた。ヘトじんウリヤもんだ。

18ヨアブはダビデにこのたたかいのいちじゅうについてほうこくおくり、19使しゃめいじた。「たたかいのいちじゅうおうほうこくえたとき、20もしおういかって、『なぜそんなにまちせっきんしてたたかったのか。じょうへきうえからかけてくるとかっていたはずだ。21むかし、エルベシェトのアビメレクをったのはだれだったか。あのおとこがテベツでんだのは、おんなじょうへきうえからいしうすげつけたからではないか。なぜそんなにじょうへきせっきんしたのだ』とわれたなら、『おうしもべヘトじんウリヤもにました』とうがよい。」

22使しゃしゅっぱつし、ダビデのもとにとうちゃくしてヨアブのでんごんをすべてつたえた。23使しゃはダビデにった。「てきわれわれよりゆうせいで、せんいどんでました。われわれじょうもんぐちまでかえすと、24じょうへきうえからしもべらにかけ、おうしんからもんだものおうしもべヘトじんウリヤもにました。」25ダビデは使しゃった。「ヨアブにこうつたえよ。『そのことをわるかったとなすひつようはない。つるぎがあればだれかがじきになる。ふんせんしてまちほろぼせ。』そうってかれはげませ。」

26ウリヤのつまおっとウリヤがんだとくと、おっとのためになげいた。27けると、ダビデはひとをやってかのじょおうきゅうり、つまにした。かのじょおとこんだ。ダビデのしたことはしゅこころかなわなかった。

ナタンの𠮟しっせき

12

1しゅはナタンをダビデのもとにつかわされた。ナタンはて、つぎのようにかたった。

ふたおとこがあるまちにいた。

ひとゆたかで、ひとまずしかった。

2ゆたかなおとこじょうおおくのひつじうしっていた。

3まずしいおとこぶんった一ぴきめすひつじのほかに

なにひとっていなかった。

かれはそのひつじやしな

ひつじかれのもとでそだち、むすたちといっしょにいて

かれさらからべ、かれわんから

かれのふところでねむり、かれにとってはむすめのようだった。

4あるゆたかなおとこひときゃくがあった。

かれおとずれてたびびとをもてなすのに

ぶんひつじうししみ

まずしいおとこひつじげて

ぶんきゃくった。」

5ダビデはそのおとこげきし、ナタンにった。「しゅきておられる。そんなことをしたおとこざいだ。6ひつじつぐないに四ばいあたいはらうべきだ。そんななことをしたのだから。」7ナタンはダビデにかってった。「そのおとこはあなただ。イスラエルのかみしゅはこうわれる。『あなたにあぶらそそいでイスラエルのおうとしたのはわたしである。わたしがあなたをサウルのからすくし、8あなたのしゅくんであったものいえをあなたにあたえ、そのつまたちをあなたのふところにき、イスラエルとユダのいえをあなたにあたえたのだ。そくなら、なんであれくわえたであろう。9なぜしゅことあなどり、わたしのそむくことをしたのか。あなたはヘトじんウリヤをつるぎにかけ、そのつまうばってぶんつまとした。ウリヤをアンモンじんつるぎころしたのはあなただ。10それゆえ、つるぎはとこしえにあなたのいえかららないであろう。あなたがわたしをあなどり、ヘトじんウリヤのつまうばってぶんつまとしたからだ。』11しゅはこうわれる。『よ、わたしはあなたのいえものなかからあなたにたいしてあくはたらものこそう。あなたのまえつまたちをげ、あなたのりんじんあたえる。かれはこのたいようもとであなたのつまたちととこともにするであろう。12あなたはかくれておこなったが、わたしはこれをぜんイスラエルのまえで、たいようもとおこなう。』」

13ダビデはナタンにった。「わたしはしゅつみおかした。」ナタンはダビデにった。「そのしゅがあなたのつみのぞかれる。あなたはばつまぬかれる。14しかし、このようなことをしてしゅはなはだしくかろんじたのだから、まれてくるあなたのかならぬ。」15ナタンはぶんいえかえってった。

しゅはウリヤのつまんだダビデのたれ、そのよわっていった。16ダビデはそののためにかみねがもとめ、だんじきした。かれきこもり、めんよこたわってごした。17おうちょうろうたちはそのかたわらにって、おうめんからがらせようとしたが、ダビデはそれをのぞまず、かれらとともしょくをとろうともしなかった。

18なのにそのんだ。しんたちは、そのんだとダビデにげるのをおそれ、こうはなった。「おさまがまだきておられたときですら、なにもうげてもわたしたちのこえみみかたむけてくださらなかったのに、どうしてくなられたとおつたえできよう。なにかよくないことをなさりはしまいか。」19ダビデはしんがささやきっているのをて、んだとさとり、った。「あのんだのか。」かれらはこたえた。「おくなりになりました。」20ダビデはめんからがり、あらってこうり、ころもえ、しゅいえってれいはいした。おうきゅうもどると、めいじてものようさせ、しょくをした。21しんたずねた。「どうしてこのようにふるまわれるのですか。おさまきておられるときはだんじきしておきになり、おさまくなられるとがってしょくをなさいます。」22かれった。「がまだきているあいだは、しゅがわたしをあわれみ、かしてくださるかもしれないとおもったからこそ、だんじきしていたのだ。23だがんでしまった。だんじきしたところで、なにになろう。あのもどせようか。わたしはいずれあののところにく。しかし、あのがわたしのもとにかえってることはない。」

ソロモンのたんじょう

24ダビデはつまバト・シェバをなぐさめ、かのじょのところにってとこともにした。バト・シェバはおとこみ、ダビデはそのをソロモンとけた。しゅはそのあいされ、25げんしゃナタンをとおしてそのことをしめされたので、しゅのゆえにそのをエディドヤ(しゅあいされたもの)ともけた。

ラバのせんりょう

26ヨアブはアンモンじんまちラバとたたかい、このおうまちおとしいれた。27ヨアブは使しゃをダビデにおくってわせた。「わたしはラバとたたかい、『みずまち』をおとしいれました。28ただちにのこりのへいしゅうけつさせ、このまちたいしてじんき、おとしいれてください。わたしがこのまちおとしいれると、このまちはわたしのばれてしまいます。」

29ダビデはへいぜんいんしゅうけつさせ、ラバにしゅつげきしてたたかい、これをおとしいれた。30ダビデはそのおうかんむりおうあたまからうばった。それは一キカルのきんつくられ、ほうせきかざられていた。これはダビデのあたまかざることになった。ダビデがこのまちからうばったせんひんはおびただしかった。31そこにいたひとびとし、のこぎり、てつのつるはし、てつおのたせてはたらかせ、れんがづくりをさせた。また、アンモンじんのほかのまちまちもすべてこのようにした。それからダビデとへいみな、エルサレムにがいせんした。

アムノンとタマル

13

1そののち、こういうことがあった。ダビデのアブサロムにタマルといううつくしいいもうとがいた。ダビデのアムノンはタマルをあいしていた。2しかしタマルはしょじょで、しをすることはおもいもよらなかったので、いもうとタマルへのおもいにアムノンはびょうになりそうであった。3アムノンにはヨナダブというゆうじんがいた。ヨナダブはダビデのきょうだいシムアのむすたいへんかしこおとこであった。4ヨナダブはアムノンにった。「おうよ、あさごとにきみはやつれていく。どうかしたのか。どうしてけないのだ。」アムノンはかれった。「きょうだいアブサロムのいもうとタマルをあいしているのだ。」

5ヨナダブはった。「びょうよそおってとこくとよい。ちちうえいにられたら、『いもうとタマルをよこしてください。なにものつくらせます。わたしにえるように、まえりょうをさせてください。タマルのからべたいのです』とったらよい。」

6アムノンはとこき、やまいよそおった。おういにると、アムノンはおうった。「どうかいもうとのタマルをよこしてください。まえでレビボット(『こころ』という)を二つつくらせます。タマルのからべたいのです。」

7ダビデはきゅう殿でんにいるタマルのもとにひとをやって、あにアムノンのいえき、りょうをするように、とつたえさせた。8タマルがあにアムノンのいえてみると、かれとこいていた。タマルはこなってこね、アムノンのまえでレビボットをつくってき、9なべってかれまえした。しかしアムノンはべようとせず、そばにいたものみなかせた。かれらがみなくと、10アムノンはタマルにった。「りょうをこちらっててくれ。おまえからべたいのだ。」タマルが、つくったレビボットをってあにアムノンのいるはいり、11かれべさせようとちかづくと、アムノンはタマルをらえてった。「いもうとよ、おいで。わたしとてくれ。」12タマルはった。「いけません、あにうえ。わたしをはずかしめないでください。イスラエルではゆるされないことです。おろかなことをなさらないでください。13わたしは、このようなはじをどこへもってけましょう。あなたも、イスラエルではおろものひとになってしまいます。どうぞまずおうにおはなしください。おうはあなたにわたしをあたえるのをこばまれないでしょう。」

14アムノンはかのじょうことをこうとせず、ちからずくではずかしめ、かのじょとこともにした。

15そして、アムノンははげしいにくしみをかのじょおぼえた。そのにくしみは、かのじょあいしたそのあいよりもはげしかった。アムノンはかのじょった。「て。け。」16タマルはった。「いいえ、わたしをすのは、いまなさったことよりもおおきなあくです。」だがアムノンはれようともせず、17ぶんつかえるじゅうしゃび、「このおんなをここからせ。したらじょうをおろせ」とめいじた。18タマルはこんおうじょのしきたりによってかざきのうわていたが、アムノンにつかえるじゅうしゃかのじょし、はいじょうをおろすと、19タマルははいあたまにかぶり、まとっていたうわき、あたまててなげきのさけびをあげながらあるいてった。

20あにアブサロムはかのじょった。「あにアムノンがおまえいっしょだったのか。いもうとよ、いまなにうな。かれはおまえあにだ。このことをこころにかけてはいけない。」タマルはぜつぼうしてあにアブサロムのいえいた。21ダビデおうこといちじゅうき、はげしくいかった。22アブサロムはアムノンにたいして、いいともわるいともいっさいかたらなかった。いもうとタマルをはずかしめられ、アブサロムはアムノンをぞうした。

アブサロムのふくしゅう

23それから二ねんたった。エフライムにせっするバアル・ハツォルにアブサロムのひつじものあつまった。アブサロムはおうぜんいんしょうたいし、24おうのもとにってねがった。「しもべひつじものあつめました。どうぞおうしんしんひきいて、しもべともにおかけください。」25おうはアブサロムにった。「いや、わがよ、ぜんいんくこともあるまい。おまえおもになってはいけない。」アブサロムはこんがんしたが、ダビデはかけることをのぞまず、ただしゅくふくあたえた。26アブサロムはった。「それなら、あにアムノンをわたしたちとともかせてください。」おうかれに、「なぜアムノンをどうこうさせるのか」とったが、27アブサロムがかさねてこんがんしたので、アムノンとおうぜんいんをアブサロムにどうこうさせた。

28アブサロムはぶんじゅうしゃたちにめいじてった。「いいか。アムノンがさけってじょうげんになったとき、わたしがアムノンをてとめいじたら、アムノンをころせ。おそれるな。これはわたしがめいれいするのだ。ゆうて。ゆうかんものとなれ。」

29じゅうしゃたちは、アブサロムのめいれいどおりアムノンにおそいかかった。おうぜんいんってそれぞれのらばにり、した。30おうがだれもかえかないうちに、アブサロムがおうひとのこらずころしたというらせがダビデにとどいた。31おうがると、ころもき、めんした。しんたちもみなころもいてかたわらにった。32ダビデのきょうだいシムアのむすヨナダブがだんげんした。「しゅくんよ、わかおうたちがみなごろしになったとおかんがえになりませんように。ころされたのはアムノンひとです。アブサロムは、いもうとタマルがはずかしめをけたあのらい、これをめていたのです。33しゅくんおうよ、おうぜんいんさつがいされたなどということこころめることはありません。くなったのはアムノンひとです。」34アブサロムはとうぼうした。

りのわかものげてながめると、おおぜいひとさんぷくのホロナイムのみちをやってるのがえた。35ヨナダブはおうった。「らんください。しもべもうげたとおり、おうたちがかえってられました。」36ヨナダブがこうえたとき、おうたちがとうちゃくした。かれらはこえをあげてき、おうしんみなはげしくいた。

37アブサロムは、ゲシュルのおうアミフドのタルマイのもとにげた。ダビデはアムノンをいたつづけた。38アブサロムはゲシュルにげ、三ねんかんそこにいた。39アムノンのをあきらめたおうこころは、アブサロムをもとめていた。

ダビデ、アブサロムをゆる

14

1ツェルヤのヨアブは、おうこころがアブサロムにかっていることをさとり、2テコアに使つかいをおくってひとのあるおんなせ、かのじょった。「よそおってほしい。ふくしょうもせず、ながあいだしゃのためにふくしているようによそおうのだ。3そしておうのもとにき、こうかたりなさい。」ヨアブはかたるべきことかのじょあたえた。

4テコアのおんなおうまえると、にひれしてれいをし、「おうさま、おすくいください」とった。5「どうしたのだ」とおうたずねると、かのじょった。「わたしはじつはやもめでございます。おっとくなりました。6はしためにはふたむすがおりました。ところがふたはたけでいさかいをこし、あいだはいってたすけてくれるものもなく、ひとがもうひところしてしまいました。7そのうえいちぞくものみな、このはしためをめて、『きょうだいごろしをわたせ。ころしたきょうだいいのちつぐないにかれころし、あとぎもとう』ともうすのです。はしためにのこされただねし、おっとあとぎもじょうのこさせまいとしています。」8おうおんなった。「いえかえるがよい。おまえのためにめいれいそう。」9テコアのおんなおうった。「しゅくんであるおうさまめは、わたしとわたしのちちいえにございます。おうさまおうめをってはなりません。」10おうった。「おまえにあれこれものがいたら、わたしのもとにれてなさい。そのものがおまえわずらわすことは二とない。」11かのじょった。「おうさま、どうかあなたのかみしゅこころをおめください。ふくしゅうをするものさつりくかえすことのありませんように。かれらがわたしのむすほろぼしてしまいませんように。」おうこたえた。「しゅきておられる。おまえむすかみぽんたりともちることはない。」

12おんなった。「しゅくんであるおうさま、はしためにもうひとこともうべさせてください。」おうった。「かたるがよい。」13おんなった。「しゅくんであるおうさま、それではなぜ、かみたみたいしてあなたはこのようにふるまわれるのでしょう。おうさましんついほうされたかたもどそうとなさいません。おうさまこんかいはんだんによるなら、おうさまめられることになります。14わたしたちはみなぬべきもの、ながされれば、ふたたあつめることのできないみずのようなものでございます。かみは、ついほうされたものかみからもついほうされたままになることをおのぞみになりません。そうならないようにはからってくださいます。15おうさまのもとにまいりまして、このようなことをもうげますのは、たみがわたしにきょうあたえるからでございます。おうさまもうげれば、かならずはしためのねがいをかなえてくださるとおもいました。16おうさまとどけてくださいました。かみからいただいたぎょうからわたしとむすほろぼそうとするものから、はしためをすくってくださいます。17はしためは、しゅくんであるおうさまのおことなぐさめになるとしんじてまいりました。しゅくんであるおうさまは、かみ使つかいのようにぜんあくけられます。あなたのかみしゅがどうかあなたとともにおられますように。」

18おうおんなった。「わたしがこれからうことに、かくてをしないように。」おんなこたえた。「おうさま、どうぞおっしゃってください。」19おうった。「これはすべて、ヨアブのさしであろう。」おんなこたえてった。「おうさま、あなたはきておられます。なにもかもおうさまおおせのとおりでございます。みぎにもひだりにもそらすことはできません。おうさましんヨアブがわたしにこれをめいじ、もうげるべきことをすべて、はしためのくちさずけたのでございます。20しんヨアブがたいえるためにこのようなことをしたのです。おうさまかみ使つかいののようなをおちで、じょうこることをすべてごぞんじです。」

21おうはヨアブにった。「よかろう、そうしよう。あのわかもの、アブサロムをもどすがよい。」22ヨアブはにひれしてれいをし、おうしゅくふくことべた。ヨアブはった。「おうよ、きょしもべは、しゅくんおうこうにあずかっているとさとりました。しもべことじっこうしてくださるからです。」23ヨアブはってゲシュルにかい、アブサロムをエルサレムにかえった。24だが、おうった。「ぶんいえかわせよ。わたしのまえてはならない。」アブサロムはぶんいえかい、おうまえにはなかった。

25イスラエルのなかでアブサロムほど、そのうつくしさをたたえられたおとこはなかった。あしうらからあたまのてっぺんまで、のうちどころがなかった。26まいねんわりにかみることにしていたが、それはかみおもくなりすぎるからで、としたおうおもりで二百シェケルもあった。27アブサロムには三にんむすひとむすめまれた。むすめはタマルというで、たいへんうつくしかった。

28アブサロムはエルサレムで二ねんかんごしたが、おうまえられなかった。29アブサロムは、ヨアブをおうのもとへの使しゃたのもうとしてひとをやったが、ヨアブはようとせず、二使つかいにもようとしなかった。30アブサロムはめいじた。「よ、ヨアブのしょはわたしのしょとなりで、そこにおおむぎはたけがある。ってそこにはなて。」アブサロムのはそのしょはなった。

31ヨアブはってアブサロムのいえた。「あなたのがわたしのしょはなつとはなにごとです」とかれうと、32アブサロムはヨアブにった。「わたしはおまえてもらおうと使つかいをやった。おまえおうのもとにおくって、『なんのためにわたしはゲシュルからかえってたのでしょうか、これではゲシュルにいたほうがよかったのです』とつたえてもらいたかったのだ。おういたい。わたしにつみがあるなら、けいにするがよい。」

33ヨアブはおうのもとにってほうこくした。おうはアブサロムをせ、アブサロムはおうまえて、ひれしてれいをした。おうはアブサロムにくちづけした。

アブサロムのはんぎゃく

15

1そののち、アブサロムはせんしゃうま、ならびに五十にんえいへいぶんのためにととのえた。2アブサロムはあさはやき、じょうもんへのみちかたわらにった。あらそいがあり、おうさいていもとめにものをだれかれなくめて、そのしゅっしんたずね、「しもべはイスラエルしょぞくの一つにぞくしています」とこたえると、3アブサロムはそのひとかってこうことにしていた。「いいか。おまえうったえはただしいし、べんできる。だがあのおうもとではいてくれるものはいない。」4アブサロムは、こうもった。「わたしがこのさばびとであれば、あらそごともうてのあるものみなせいとうさばいてやれるのに。」5また、かれちかづいてれいをするものがあれば、べてかれき、くちづけした。6アブサロムは、おうさいていもとめてやってるイスラエルじんすべてにこのようにふるまい、イスラエルのひとびとこころぬすった。

7四十さいになったとしわりにアブサロムはおうねがった。「しゅへのせいがんたすため、ヘブロンにかせてください。8しもべはアラムのゲシュルにたいざいしていたとき、もししゅがわたしをエルサレムにもどしてくださるならしゅつかえる、とちかいました。」9おうが「へいってるように」とったので、アブサロムはってヘブロンにかった。

10アブサロムはイスラエルのぜんぞくみっ使おくり、つのぶえおとあいに、「アブサロムがヘブロンでおうとなった」とうようにめいじた。11このときエルサレムから二百にんものがアブサロムとともかけたが、まねきにおうじてどうこうしただけで、なにらされてはいなかった。12いけにえをささげるにあたって、アブサロムは使つかいをおくり、ダビデのもんであるギロじんアヒトフェルをかれまちギロからむかえた。いんぼうかためられてゆき、アブサロムのもとにあつまるたみだいかずした。

13イスラエルじんこころはアブサロムにうつっているというらせが、ダビデにとどいた。14ダビデは、ぶんともにエルサレムにいるしんぜんいんった。「ただちにのがれよう。アブサロムをけられなくなってはいけない。われわれいそがなければ、アブサロムがすぐにわれわれいつき、がいあたえ、このみやこつるぎにかけるだろう。」15おうしんたちはった。「しゅくんおうよ、しもべたちはすべてはんだんのとおりにいたします。」16こうしておうしゅっぱつし、おうきゅうものみな、そのあとしたがった。おうおうきゅうまもらせるために十にんそばのこした。

ダビデとイタイ

17おうしゅっぱつし、ひとびとみな、そのあとしたがった。いっこうは、まずきゅうのところであゆみをめた。18しんがまずおうかたわらをとおり、いでクレタじんぜんいんとペレティじんぜんいん、それにつづいてガトからダビデにしたがってた六百にんのガトじんおうまえとおった。19おうはガトじんイタイにった。「なぜあなたまでが、われわれこうどうともにするのか。もどってあのおうのもとにとどまりなさい。あなたはがいこくじんだ。しかもこのくにではぼうめいしゃぶんだ。20きのたばかりのあなたを、きょわれわれともほうろうしゃにすることはできない。わたしはけるところへくだけだ。きょうだいたちととももどりなさい。しゅがあなたにいつくしみとまことをしめされるように。」21イタイはおうこたえてった。「しゅきておられ、わがしゅくんおうきておられる。きるもぬも、しゅくんおうのおいでになるところがしもべのいるべきところです。」22ダビデは、「よろしい、とおってきなさい」とい、ガトじんイタイはおとどもも、ともにいたものぜんいんひきいてとおった。23そのぜんたいおおごえをあげてなかを、へいぜんいんとおってった。おうはキドロンのたにわたり、へいぜんいんかうみちすすんだ。

ツァドク、アビアタルとかみはこ

24ツァドクをはじめレビびとぜんいんかみけいやくはこかついでており、へいぜんいんみやこるまでかみはころしていた。アビアタルもていた。25おうはツァドクにった。「かみはこみやこもどしなさい。わたしがしゅこころかなうのであれば、しゅはわたしをもどし、かみはことそのところとをせてくださるだろう。26しゅがわたしをあいさないとわれるときは、どうかそのいとおもわれることをわたしにたいしてなさるように。」27おうさいツァドクにかってことつづけた。「かったか。へいにエルサレムにもどってもらいたい。むすのアヒマアツとアビアタルのヨナタン、このふたわかものれてかえりなさい。28かったか。わたしはあなたたちからのらせをけるまで、わたっている。」29ツァドクとアビアタルはかみはこともにエルサレムにもどり、そこにとどまった。

ダビデとフシャイ

30ダビデはあたまおおい、はだしでオリーブやまさかみちきながらのぼってった。どうこうしたへいたちもみな、それぞれあたまおおい、きながらのぼってった。31アヒトフェルがアブサロムのいんぼうくわわったというらせをけて、ダビデは、「しゅよ、アヒトフェルのじょげんおろかなものにしてください」といのった。32かみれいはいするちょうじょうしょくと、アルキじんフシャイがダビデをむかえた。うわけ、あたまつちをかぶっていた。33ダビデはかれった。「わたしといっしょてくれてもわたしのおもになるだけだ。34みやこもどって、アブサロムにこうってくれ。『おうよ、わたしはあなたのしもべです。ぜん、あなたのちちうえしもべでしたが、いまからはあなたのしもべです』と。おまえはわたしのためにアヒトフェルのじょげんくつがえすことができる。35みやこにはさいツァドクとアビアタルもいて、おまえともこうどうする。おうきゅうみみにすることはすべてさいのツァドクとアビアタルにつたえてほしい。36また、そこにはかれらのふたむすともにいる。ツァドクのむすアヒマアツ、アビアタルのむすヨナタンだ。みみにすることはなんでもこのふたとおしてわたしのもとにつたえるようにしてくれ。」

37こうしてダビデのともフシャイはみやこはいった。アブサロムもエルサレムににゅうじょうした。

ダビデとツィバ

16

1ダビデがさんちょうすこくだったときに、メフィボシェトのじゅうしゃツィバが、ダビデをむかえた。かれは二とうくらいたろばに、二百のパン、百ふさしぶどう、百なつくだもの、ぶどうしゅひとふくろんでいた。2おうが、「おまえはこれらのものをどうするのか」とたずねると、ツィバは、「ろばはおうさまぞくじょうように、パンとなつくだものじゅうしゃしょくように、ぶどうしゅつかれたものいんりょうさんいたしました」とこたえた。3おうがツィバに、「おまえしゅじんむすはどこにいるのか」とたずねると、ツィバはおうに、「エルサレムにとどまっています。『イスラエルのいえきょちちおうをわたしにかえす』ともうしていました」とこたえた。4おうはツィバに、「それなら、メフィボシェトにぞくするものはすべておまえのものにしてよろしい」とった。ツィバは、「おれいもうげます。しゅくんであるおうさまこうにあずかることができますように」とった。

ダビデとシムイ

5ダビデおうがバフリムにさしかかると、そこからサウルいちぞくで、ゲラのをシムイというおとこのろいながらて、6へいゆうおうゆうをすべてかためているにもかかわらず、ダビデしんとダビデおうしんたちみないしげつけた。7シムイはのろってこうった。「け、け。りゅうけつつみおかしたおとこ、ならずもの8サウルのすべてのながしておううばったおまえに、しゅほうふくなさる。しゅがおまえむすアブサロムにおうわたされたのだ。おまえさいなんけている。おまえりゅうけつつみおかしたおとこだからだ。」

9ツェルヤのアビシャイがおうった。「なぜあのんだいぬしゅくんおうのろわせておかれるのですか。かせてください。くびとしてやります。」10おうた。「ツェルヤのむすたちよ、ほうっておいてくれ。しゅがダビデをのろえとおめいじになったのであのおとこのろっているのだろうから、『どうしてそんなことをするのか』とだれえよう。」11ダビデはさらにアビシャイとしんぜんいんった。「わたしのからがわたしのいのちをねらっている。ましてこれはベニヤミンじんだ。かっにさせておけ。しゅめいれいのろっているのだ。12しゅがわたしのくるしみをらんになり、きょかれのろいにえてさいわいをかえしてくださるかもしれない。」

13ダビデといっこうみちすすんだ。シムイはダビデとへいこうしてさんぷくすすみ、のろってはいしげ、ちりびせかけた。14おうどうこうへいみなつかれてとうちゃくし、そこでひといきついた。

アヒトフェルとフシャイ

15アブサロムはイスラエルじんへいぜんいんひきいてエルサレムににゅうじょうし、アヒトフェルもともにいた。

16ダビデのとも、アルキじんフシャイはアブサロムのもとにて、アブサロムにかってった。「おうさまばんざいおうさまばんざい。」17アブサロムはフシャイにった。「おまえともたいするちゅうじつはそのようなものか。なぜ、おまえともについてかなかったのか。」18フシャイはアブサロムにこたえた。「いいえ。しゅとここにいるへいとイスラエルのぜんいんえらんだかたにわたしはしたがい、そのかたともにとどまります。19それでは、わたしはだれつかえればよいのでしょう。そくがいにありえましょうか。おちちうえにおつかえしたようにあなたにおつかえします。」

20アブサロムはアヒトフェルに、「どのようにすべきか、おまえたちでさくってくれ」とめいじた。21アヒトフェルはアブサロムにった。「おちちうえそばたちのところにおはいりになるのがよいでしょう。おちちうえおうきゅうまもらせるためそばたちをのこしておられます。あなたがあえておちちうえぞうまととなられたとぜんイスラエルがけば、あなたについているものはすべて、ふるつでしょう。」22アブサロムのためにおくじょうてんまくられ、ぜんイスラエルのちゅうもくなかで、アブサロムはちちそばたちのところにはいった。23そのころ、アヒトフェルのていあんは、しんたくのようにられていた。ダビデにとっても、アブサロムにとっても、アヒトフェルのていあんはそのようなものであった。

17

1アヒトフェルはアブサロムにった。「一まん二千のへいをわたしにえらばせてください。こんのうちにしゅっぱつしてダビデをついせきします。2つかれてちからうしなっているところをきゅうしゅうすれば、かれおそれ、かれしたがっているへいぜんいんすでしょう。わたしはおうひとります。3へいぜんいんをあなたのもとにもどします。あなたのねらっておられるひとのもとに、かつてすべてのものかえったように。そうすれば、たみぜんたいへいになります。」4このことはアブサロムにも、イスラエルのちょうろうぜんいんにもただしいものとうつった。

5アブサロムは、「アルキじんフシャイもべ。かれうこともいてみよう」とい、6フシャイがアブサロムのもとにされた。アブサロムはった。「これこれのことをアヒトフェルはていげんしたが、そうすべきだとおもうか。はんたいなら、おまえていげんしてみよ。」

7フシャイはアブサロムに、「こんかいアヒトフェルがていあんしたことはいとはおもえません」とい、8こうつづけた。「ちちうえとそのぐんがどれほどゆうかんかはごぞんじのとおりです。そのうえかれらはうばわれたにいるくまのようにあらくなっています。ちちうえせんじゅつひいでたかたですから、へいともにはおやすみにならず、9いまごろは、ほらあなかどこかをつけてかくしておられることでしょう。さいしょこうげきしっぱいすれば、それをいたものは、アブサロムにしたがへいかされた、とかんがえ、10のようなこころせんであっても、よわになります。ちちうえかれしたがせんたちもゆうしゃであることは、ぜんイスラエルがよくっているからです。

11わたしはこうていあんいたします。まずおうもとぜんイスラエルをしゅうけつさせることです。ダンからベエル・シェバにいたぜんこくから、うみすなのようにおおくのへいしゅうけつさせ、しんひきいてせんとうられることです。12かくの一つにいるちちうえおそいましょう。つゆつちりるようにわれわれかれおそいかかれば、かれしたがへいおおくても、ひとのこることはないでしょう。13ちちうえがどこかのまちせるなら、ぜんイスラエルでそのまちなわをかけ、いてってかわにほうりみ、いし一つのこらなくしようではありませんか。」

14アブサロムも、どのイスラエルじんも、アルキじんフシャイのていあんがアヒトフェルのていあんにまさるとおもった。アヒトフェルのすぐれたていあんてられ、アブサロムにわざわいがくだることをしゅさだめられたからである。

15フシャイはさいツァドクとアビアタルにった。「アヒトフェルはアブサロムとイスラエルのちょうろうたちにこれこれのていあんをしたが、わたしはこれこれのていあんをした。16いそいで、使しゃをダビデにおくり、こうげなさい。わたよるごさず、わたってしまわなければなりません。おうおうしたがへいぜんめつすることのないように。」

17ヨナタンとアヒマアツは、みやこはいってつかってはならない、とエン・ロゲルにとどまっていた。使つかいのおんなってふたらせ、かれらがダビデおうつたえにくことにしたのである。18ところがひとわかものかれらをてアブサロムにらせたので、かれらはいそいでり、バフリムのあるおとこいえはいった。そのいえうちにわがあったのでふたはそのなかり、19そのいえつまうえおおいをかけ、そのうえだっこくしたむぎひろげた。なにづかれることはなかった。

20アブサロムのがそのいえつまのところにて、「アヒマアツとヨナタンはどこにいる」とった。おんなが、「ここをとおぎてかわほうきました」とうと、かれらはさがしにき、はっけんできずにエルサレムへもどった。21かれらがったのちふたからのぼっててダビデおうのもとにき、こうらせた。「ただちにかわわたってください。アヒトフェルはあなたたちをつためにこういうていあんをしました。」22おうどうこうしていたへいぜんいんともに、ただちにヨルダンをわたった。けのひかりすころには、ヨルダンをわたれずにのこされたものひともいなかった。

23アヒトフェルはぶんていあんじっこうされなかったことをると、ろばにくらき、っていえかえろうとぶんまちかった。かれいえなかととのえ、くびをつってに、せんはかほうむられた。

かいせんじゅん

24ダビデがマハナイムにいたころ、アブサロムとかれしたがうイスラエルのへいみなともにヨルダンをわたった。25アブサロムはヨアブのわりにアマサをぐんれいかんにんめいした。アマサはイトラというイスラエルじんで、イトラのつまはナハシュのむすめアビガル、ヨアブのははツェルヤのまいだった。26イスラエルぐんは、アブサロムにしたがってギレアドのじんいた。

27ダビデがマハナイムにくと、ラバしゅっしんのアンモンじんナハシュのショビ、ロ・デバルしゅっしんのアミエルのマキル、ロゲリムしゅっしんのギレアドじんバルジライとが、28しん、たらい、とうむぎおおむぎむぎむぎまめ、レンズまめむぎ29はちみつぎょうにゅうひつじ、チーズをしょくりょうとしてダビデとかれひきいるへいした。へいえ、つかれ、かわいているにちがいないとおもったからである。

18

1ダビデはかれしたがへい調しらべ、せんにんたいちょうひゃくにんたいちょうにんめいした。2いでダビデはへいを三たいけ、三ぶんの一をヨアブのに、三ぶんの一をツェルヤの、ヨアブのおとうとアビシャイのに、三ぶんの一をガトじんイタイのにおいた。ダビデおうへいった。「わたしもおまえたちとともしゅつじんする。」

3へいった。「しゅつじんなさってはいけません。われわれしたとしてもかれらはにもめないでしょうし、われわれはんすうせんしてもにもめないでしょう。しかしあなたはわれわれの一まんにんにもひとしいかたです。いままちにとどまり、まちからわれわれたすけてくださるほうがよいのです。」4「わたしはおまえたちのいとうつることをしよう」とおうって、まちじょうもんかたわらにち、へいみなひゃくにんたいせんにんたいとなってった。5おうはヨアブ、アビシャイ、イタイにめいじた。「わかものアブサロムをあらにはあつかわないでくれ。」へいみな、アブサロムについておうしょうぐんたちぜんいんめいじるのをいていた。

せんとうとアブサロムの

6へいたちはイスラエルぐんたたかうためにった。たたかいはエフライムのもりこり、7イスラエルぐんはそこでダビデのしんやぶれた。だいはいぼくで、その、二まんにんうしなった。8たたかいはそのぜんめんひろがり、そのみつりんじきになったものつるぎじきにしたものよりもおおかった。

9アブサロムがダビデのしんったとき、かれはらばにっていたが、らばがかしたいぼくのからまりあったえだしたとおったので、あたまがそのにひっかかり、かれてんあいだちゅうづりになった。っていたらばはそのままはしぎてしまった。

10へいひとがこれをて、ヨアブにらせた。「アブサロムがかしちゅうづりになっているのをました。」11ヨアブはらせにものった。「たなら、なぜそのとさなかったのか。ぎんまいかわおびぽんあたえただろうに。」12そのへいはヨアブにった。「たとえこののひらにぎんまいおもみをかんじるとしても、おうをこのにかけたりはしません。おうがあなたとアビシャイ、イタイに、わかものアブサロムをまもれ、とめいじられたのをわれわれみみにしました。13かりに、わたしがかれいのちうばってそれをいつわろうとしても、おうにはなにひとかくせません。あなたもわたしをとするがわつでしょう。」

14「それなら、おまえたいはしない」とヨアブはった。アブサロムはかしにひっかかったまま、まだきていた。ヨアブはぼうを三ぼんり、アブサロムのしんぞうした。15ヨアブのじゅうそつにんかこんでアブサロムをち、とどめをした。16ヨアブはつのぶえいてへいめたので、かれらはイスラエルぐんついせきをやめてもどってた。17かれらはアブサロムをろし、もりなかおおあなみ、そのうえいしげてじょうおおきなつかつくった。イスラエルのぜんぐんはそれぞれのてんまくかえった。

18アブサロムはせいぜんおうたにぶんのためのせきちゅうてていた。あとぎのむすがなく、えるとおもったからで、このせきちゅうぶんけていた。こんにちもアブサロムのばれている。

ふたきゅう使

19ツァドクのアヒマアツはった。「はしってって、しゅおうてきからすくってくださったというらせをおうつたえます。」20ヨアブはかれに、「きょ、おまえらせるのはよくない。あらためてほうこくするがよい。きょらせないでおこう。おうむすんだのだ」とい、21クシュじんめいじた。「って、おまえたとおりにおうほうこくせよ。」クシュじんはヨアブにいちれいしてはしった。22ツァドクのアヒマアツはふたたびヨアブに、「どんなことになろうと、わたしもクシュじんってはしりたいのです」とねがった。「よ、おまえはどうしてそんなにはしりたいのだ。おまえってらせるほどのらせではない」とヨアブはったが、23どんなことになろうときたいとうので、ヨアブは「はしるがよい」とこたえた。アヒマアツはていみちをとり、クシュじんした。

24ダビデは二つのじょうもんあいだすわっていた。じょうへき沿ったじょうもんには、りがのぼってげ、おとこがただひとはしってるのをた。25りはおうびかけてらせた。おうは、「ひとだけならばらせをもたらすだろう」とった。そのおとこちかづいてたとき、26りはもうひとおとこはしってるのにがつき、もんえいびかけてった。「またひとはしってものがいます。」おうは、「これもまたらせだ」とった。27りは、「さいしょひとはしかたはツァドクのアヒマアツのはしかたのようにえます」とった。おうは、「おとこだ。らせなのでたのだろう」とった。

28アヒマアツは「おうへい」とさけび、にひれしてれいをし、った。「あなたのかみしゅはほめたたえられますように。しゅしゅくんおうげるものどもをわたしてくださいました。」29おうが、「わかものアブサロムはか」とたずねると、アヒマアツはこたえた。「ヨアブが、おうさましもべとこのしもべとをつかわそうとしたとき、おおさわぎがこっているのをましたが、なにりません。」30おうが、「わきって、っていなさい」とめいじたので、アヒマアツはわきり、そこにった。

31そこへクシュじんとうちゃくした。かれった。「しゅくんおうよ、らせをおきください。しゅは、きょあなたにさからってったものどものからあなたをすくってくださいました。」32おうはクシュじんに、「わかものアブサロムはか」とたずねた。クシュじんこたえた。「しゅくんおうてき、あなたにがいあたえようとさからってったものはことごとく、あわかもののようになりますように。」

19

1ダビデはふるわせ、じょうもんうえのぼっていた。かれのぼりながらこうった。「わたしのむすアブサロムよ、わたしのむすよ。わたしのむすアブサロムよ、わたしがおまえわってねばよかった。アブサロム、わたしのむすよ、わたしのむすよ。」

ヨアブ、ダビデをなんする

2おうがアブサロムをいたんでいているとのらせがヨアブにとどいた。3そのへいたちは、おうむすおもってかなしんでいることをった。すべてのへいにとって、そのしょうわった。4そのへいたちは、せんじょうだっそうしてたことをじるへいしのむようにして、こっそりとまちはいった。5おうかおおおい、おおごえさけんでいた。「わたしのむすアブサロム、アブサロム。わたしのむす、わたしのむすよ。」

6ヨアブはおくないおうのもとにき、った。「おうきょおうのおいのちおうおうじょたちのいのちおうそばたちのいのちすくったあなたのしんぜんいんかおはじにさらされました。7あなたをにくものあいし、あなたをあいするものにくまれるのですか。わたしはきょしょうぐんへいもあなたにとってはひとしいとらされました。この、アブサロムがきていて、われわれぜんいんんでいたら、あなたのただしいとうつったのでしょう。8とにかくってそとしんこころかたりかけてください。しゅちかっていますが、られなければ、こんあなたとともごすものひともいないでしょう。それはあなたにとって、わかいときからいまいたるまでにけたどのようなわざわいにもまして、おおきなわざわいとなるでしょう。」

9おうがり、じょうもんせきいた。へいみなおうじょうもんせきいたといて、おうまえあつまった。

エルサレムへのかん

イスラエルぐんはそれぞれぶんてんまくかえった。10イスラエルしょぞくあいだろんこった。「ダビデおうてきからわれわれすくし、ペリシテのからもたすしてくださった。だがいまは、アブサロムのためにこくがいげておられる。11われわれあぶらそそいでおうとしたアブサロムはたたかいでんでしまった。それなのに、なぜあなたたちはだまっているばかりで、おうもどそうとしないのか。」

12イスラエルのすべてのひとびとこえはダビデおういえにまでとどいた。おうは、さいツァドクとアビアタルのもとにひとつかわしてこうった。

「ユダのちょうろうたちにこうってくれ。あなたたちはおうおうきゅうもどすのにおくれをとるのか。13あなたたちはわたしのきょうだい、わたしのこつにくではないか。おうもどすのにおくれをとるのか。14アマサにたいしてはこうってくれ。おまえはわたしのこつにくではないか。ヨアブにえてこれからさきずっと、おまえをわがぐんれいかんにんじないなら、かみいくにもわたしをばっしてくださるように。」

15ダビデはユダのすべてのひとびとこころうごかしてひとひとこころのようにした。ユダのひとびとおう使しゃつかわし、「しんぜんいんともかんしてください」とった。

ヨルダンがわわた

16おうにつき、ヨルダンがわまでた。ユダのひとびとおうむかえ、ヨルダンがわわたるのをたすけようとして、ギルガルまでていた。17バフリムしゅっしんのあのベニヤミンじん、ゲラのシムイもユダのひとびとともにダビデおうむかえようといそいでくだってた。18シムイはベニヤミンぞくの千にんひきいていた。サウルじゅうしゃであったツィバは、十五にんむすと二十にん使つかいをひきい、ヨルダンがわわたって、おうまえた。19かれわたわたったのは、おうにかなうよう、わたるときにおうひとびとたすけてかわわたらせるためであった。ゲラのシムイは、おうがヨルダンがわわたろうとするとき、おうまえにひれし、20おうった。「どうか、しゅくんがわたしをゆうざいとおかんがえにならず、しゅくんおうがエルサレムをられたにこのしもべおかしたあくをおわすれください。こころにおめになりませんように。21わたしはぶんおかしたつみをよくぞんじています。ですから、ほんじつヨセフのいえのだれよりもはやしゅくんおうをおむかえしようとくだってまいりました。」22ツェルヤのアビシャイがこたえた。「シムイがなずにむものでしょうか。しゅあぶらそそがれたかたをののしったのです。」

23だがダビデはった。「ツェルヤのむすたちよ、ほうっておいてくれ。おまえたちはきょわたしにてきたいするつもりか。きょ、イスラエルじんけいにされてよいものだろうか。きょわたしがイスラエルのおうであることを、わたししんらないとおもうのか。」24それからシムイにかって、「おまえけいにすることはない」とちかった。

25サウルのまごメフィボシェトもおうむかえにくだってた。かれは、おうったからにエルサレムにかんするまで、あしあらわず、ひげもそらず、ふくあらわなかった。26かれおうむかえにると、おうは、「メフィボシェトよ、なぜおまえはわたしにしたがってなかったのか」とたずねた。27かれった。「しゅくんおうよ、しもべあざむかれたのです。わたしはあしゆうですから、ろばにくらき、それにっておうさましたがってこうとかんがえておりました。28ところがあのしもべしゅくんおうにわたしのことをちゅうしょうしたのです。しかし、しゅくんおうかみ使つかいのようなかたです。おういとうつることをなさってください。29ちちいえものみなしゅくんおうにとってあたいするものばかりですのに、このしもべおうしょくたくならばせてくださったのです。このうえ、どのようなけんがあっておうたすけをもとめることができましょうか。」30おうった。「もうぶんのことをはなひつようはない。わたしはめいじる。おまえとツィバでしょいなさい。」31メフィボシェトはおうった。「しゅくんおうおうきゅうにおかえりになったのですから、すべてツィバのものとなってもかまいません。」

おうとバルジライ

32ギレアドじんバルジライはヨルダンがわおうおくるためにロゲリムからくだり、おうともにヨルダンがわまでていた。33バルジライはこうれいで八十さいになっていた。かれたいそうゆうふくで、マハナイムたいざいちゅうおうせいかつささえていた。34おうはバルジライにった。「わたしとともてくれないか。エルサレムのわたしのもとであなたのめんどうよう。」

35バルジライはおうこたえた。「おうのおともをしてエルサレムにのぼりましても、わたしはあとなんねんきられましょう。36わたしはもう八十さいになります。ぜんあくべつりません。このしもべなになにんでもあじがなく、だんじょうたこえこえないのです。どうしてこのうえしゅくんおうおもになれましょう。37わたしにはおともをしてヨルダンがわわたることさえほとんどできません。おうはそれほどにおむくいくださることはございません。38どうかしもべかえってくのをおゆるしください。ちちはははかのあるわたしのまちにたいのです。ここにあなたのしもべキムハムがおります。これにしゅくんおうのおともをさせますから、どうかあなたのいとうつるままにお使つかいください。」39おうった。「キムハムにわたしとともてもらおう。キムハムには、おまえいとうつるとおりにしよう。おまえにはおまええらぶとおりにしよう。」

40へいぜんたいがヨルダンがわわたり、おうわたった。おうはバルジライにくちづけしてかれしゅくふくした。バルジライはぶんまちかえってった。

イスラエルとユダ

41おうはギルガルへすすんだ。キムハムもともき、ユダのぜんへいもイスラエルのへいはんぶんおうともすすんだ。42イスラエルのひとびとみなおうのもとにて、おうった。「なぜわれわれきょうだいのユダのひとびとがあなたをうばり、おうぞくちょくぞくへいともにヨルダンがわわたるのをたすけたのですか。」43ユダのひとびとはイスラエルのひとびとこたえた。「おうはわたしたちのきんしんだからだ。なぜこのことはらてるのだ。われわれおうしょくもつべ、おくものをもらっているとでもうのか。」44イスラエルのひとびとはユダのひとびとかえした。「おうのことにかんして、わたしたちには十のぶんがある。ダビデおうたいしてもおまえたちよりおおくのぶんがある。なぜわたしたちをないがしろにするのだ。わたしたちのおうもどそうとったのはわたしたちがさきではないか。」しかし、ユダのひとびとことはイスラエルのひとびとことよりもはげしかった。

シェバのはんぎゃく

20

1そこにベニヤミンじんビクリのむすでシェバというのならずものわせた。かれつのぶえらしてった。

われわれにはダビデとうものはない。

エッサイのともにするぎょうはない。

イスラエルよ、ぶんてんまくかえれ。」

2イスラエルのひとびとみなダビデをはなれ、ビクリのむすシェバにしたがった。しかし、ユダのひとびとはヨルダンがわからエルサレムまでかれらのおうにつきしたがった。3ダビデはエルサレムのおうきゅうもどると、いえまもるためにのこした十にんそばあつめ、かんきのいえれた。かれそばたちのめんどうたが、かのじょたちのところにはいることはなかった。かのじょたちはぬまでめられ、やもめのようなしょうがいおくった。

4おうはアマサにめいじた。「ユダのひとびとみっのうちにどういんしてここになさい。」5アマサはユダのひとびとどういんするためにったが、さだめられたじつもどらなかった。6ダビデはアビシャイにった。「われわれにとってビクリのシェバはアブサロムじょうけんだ。シェバがとりでまちまちつけてわれわれからかくれることがないように、おまえしゅくんしんひきいてかれついせきしなさい。」7ヨアブのへい、クレタじんとペレティじん、およびゆうぜんいんかれしたがってエルサレムをしゅっぱつし、ビクリのむすシェバをついせきした。

8かれらがギブオンのおおいしのところにさしかかったとき、アマサがかれらのまえあらわれた。ヨアブはそうして、さやにおさめたつるぎこしびていたが、ヨアブがまえると、つるぎけた。9ヨアブはアマサに、「きょうだいか」とこえをかけ、くちづけしようとみぎでアマサのひげをつかんだ。10アマサはヨアブのにあるつるぎづかなかった。ヨアブはつるぎでアマサのしたはらした。はらわたがながて、二くまでもなくアマサはんだ。ヨアブとおとうとアビシャイはビクリのむすシェバのついせきつづけた。11ヨアブのじゅうしゃひとかたわらにってった。「ヨアブをあいするもの、ダビデにかたするものはヨアブにつづけ。」12だが、アマサがみちなかにまみれてころがっていたので、へいたちはみなまった。このおとこはそれをてアマサをみちからはたけうつし、そこまでものがそれをまることのないように、そのうえころもをかぶせた。13アマサがみちからのぞかれると、へいみな、ヨアブのあとについてビクリのむすシェバをついせきした。

14シェバはイスラエルのぜんぞくとおってって、ベト・マアカのアベルまでていた。えらかれたへいあつまりかれしたがった。15ヨアブにしたがへいぜんいんがベト・マアカのアベルにとうちゃくしシェバをほうした。まちけてがいへきたかさほどのるいきずき、じょうへきくずそうとこころみていると、16のあるおんなまちからばわった。「いてください。いてください。『ここにちかってください。もうげたいことがあります』とヨアブさまにつたえてください。」17ヨアブがちかるとおんなった。「あなたがヨアブさまですか。」「そうだ」とかれこたえた。かのじょった。「はしためのこといてください。」「こう」とヨアブがこたえると、18おんなった。「むかしから、『アベルでたずねよ』とえば、ことかたづいたのです。19わたしはイスラエルのなかへいのぞちゅうじつものひとです。あなたはイスラエルのははなるまちほろぼそうとしておられます。なにゆえ、あなたはしゅぎょうくそうとなさるのですか。」20ヨアブはこたえた。「けっしてそのようなことはない。くしたり、ほろぼしたりすることなどかんがえてもいない。21そうではない。エフライムさんしゅっしんで、をビクリのシェバというものがダビデおうかってげたのだ。そのおとこひとわたしてくれれば、このまちからげよう。」おんなはヨアブにった。「そのおとこくびじょうへきうえからあなたのもとへとします。」

22おんなもちいてすべてのたみのもとにき、ビクリのシェバのくびとさせ、ヨアブにけてそれをとした。ヨアブはつのぶえらし、へいはこのまちからそれぞれのてんまくってった。ヨアブはエルサレムのおうのもとへもどった。

ダビデのじゅうしんたち

23ヨアブはイスラエルぜんぐんれいかん。ヨヤダのベナヤはクレタじんとペレティじんかんとくかん24アドラムはろうえきかんとくかん。アヒルドのヨシャファトはかん25シェワはしょかん。ツァドクとアビアタルはさい26ヤイルじんイラもダビデのさい

きんとサウルのそん

21

1ダビデのに、三ねんつづいてきんおそった。ダビデはしゅたくせんもとめた。しゅわれた。「ギブオンじんさつがいし、ながしたサウルとそのいえせきにんがある。」2おうはギブオじんまねいてった。──ギブオンじんはアモリじんのこりで、イスラエルのひとびとぞくするものではないが、イスラエルのひとびとかれらとせいやくわしていた。ところがサウルは、イスラエルとユダのひとびとへのねつじょうあまり、ギブオンじんとうとしたことがあった。

3ダビデはギブオンじんった。「あなたたちになにをしたらよいのだろう。どのようにつぐなえばしゅぎょうしゅくふくしてもらえるだろうか。」4ギブオンじんはダビデにこたえた。「サウルとそのいえのことでもんだいなのはきんぎんではありません。イスラエルのひとびとをだれかれなくころすというのでもありません。」ダビデはった。「ってくれればなんでもそのとおりにしよう。」5かれらはおうこたえた。「わたしたちをほろぼしくし、わたしたちがイスラエルのりょうのどこにもていちゃくできないようにめつぼうはかったおとこ6あのおとこそんなかから七にんをわたしたちにわたしてください。わたしたちはしゅがおえらびになったものサウルのまちギブアで、しゅまえかれらをさらしものにします。」おうは、「わたそう」とった。

7しかし、おうはサウルのヨナタンのむすメフィボシェトをしんだ。ダビデとサウルのヨナタンとのあいだにはしゅをさしててたちかいがあったからである。8おうはアヤのむすめリツパとサウルのあいだまれたふたむす、アルモニとメフィボシェトと、サウルのむすめミカルとメホラじんバルジライのアドリエルとのあいだまれた五にんむすらえ、9ギブオンじんわたした。ギブオンのひとびとかれらをやましゅまえにさらした。にんは一しょけいされた。かれらがころされたのはれのはじめ、おおむぎしゅうかくはじまるころであった。

10アヤのむすめリツパはあらぬのっていわうえひろげた。しゅうかくはじめのころから、しゃたちにあめてんからそそぐころまで、リツパはひるそらとりしゃうえにとまることを、よるけものおそうことをふせいだ。11サウルのそば、アヤのリツパのこのおこないはおうほうこくされた。12ダビデはギレアドのヤベシュのひとびとのところへって、サウルのほねとそのヨナタンのほねった。そのこつはギレアドのヤベシュのひとびとがベト・シャンのひろからうばってたもので、ペリシテじんがギルボアでサウルをったに、そこにさらしたものであった。13ダビデはそこからサウルのほねとそのヨナタンのほねはこび、ひとびとこんかいさらされたものたちのほねあつめ、14サウルとそのヨナタンのほねともにベニヤミンのツェラにあるサウルのちちキシュのはかほうむった。ひとびとおうめいれいをすべてたした。こののちかみはこのくにいのりにこたえられた。

たいペリシテせんにおけるくん

15ペリシテじんふたたびイスラエルとたたかった。ダビデはしんひきいてしゅつじんし、ペリシテとたたかったが、ダビデはつかれていた。16ラファのそんひとイシュビ・ベノブは、三百シェケルのおもさのせいどうやりち、あたらしいおびけて、ダビデをつ、とった。17しかし、ツェルヤのアビシャイは、ダビデをたすけてこのペリシテじんころした。それらい、ダビデのらいたちはダビデにちかわせた。「われわれともたたかいにてはなりません。イスラエルのさぬようこころけてください。」

18そののち、ゴブので、ふたたびペリシテじんとのたたかいがあった。このときは、フシャじんシベカイがラファのそんひとサフをころした。19ゴブで、またペリシテじんとのたたかいがあったとき、ベツレヘムしゅっしんのヤアレ・オルギムのエルハナンが、ガトじんゴリアトをころした。ゴリアトのやりはたりのぼうほどもあった。20べつたたかいがガトでもあった。ラファのそんで、あしゆびが六ぽんずつ、わせて二十四ほんあるきょじんて、21イスラエルをはずかしめたが、ダビデのきょうだいシムアのヨナタンがかれった。

22これら四にんはガトにいたラファのそんで、ダビデとそのしんによってたおされた。

ダビデのかんしゃうた

22

1ダビデは、しゅがすべてのてきから、またサウルのからかれすくされたに、つぎことをもってしゅうたをささげた。

2しゅはわたしのいわとりでのが

3わたしのかみおおいわけどころ

わたしのたてすくいのつのとりでとう

わたしをのがれさせ、わたしにしょうあた

ほうからすくってくださるかた

4ほむべきかたしゅをわたしはもと

てきからすくわれる。

5なみがわたしをかこ

らくげきりゅうがわたしをおののかせ

6なわがめぐり

あみけられている。

7なんなかからしゅもと

わたしのかみもとめると

そのこえしん殿でんひび

さけびはおんみみとどく。

8しゅいかりにうご

てんもといふるえ、らぐ。

9いかりにけむりがり

くちくし、すみとなってえさかる。

10しゅてんかたむけてくだ

みつうんあしもとにしたが

11ケルビムをって

かぜつばさってあらわれる。

12まわりにやみ

くらあまぐもめるきりまくとされる。

13まえかがやきのなかからすみがる。

14しゅてんかららいめいをとどろかせ

いとたかかみこえをあげられる。

15しゅ

いなずまさんらんする。

16しゅ𠮟しっうみそこ姿すがたあらわ

しゅいかりのいきかいはそのもといしめす。

17しゅたかてんからばしてわたしをとらえ

おおみずなかからげてくださる。

18てきちからがあり

わたしをにくものほこっているが

なお、しゅはわたしをすくされる。

19かれらがせるわざわいの

しゅはわたしのささえとなり

20わたしをひろところみちびし、たすけとなり

よろこむかえてくださる。

21しゅはわたしのただしさにむくいてくださる。

わたしのきよさにおうじてかえしてくださる。

22わたしはしゅみちまも

わたしのかみそむかない。

23わたしはしゅさばきをすべてまえ

しゅおきてとおざけない。

24わたしはしゅたいしてであろうとし

つみからまもる。

25しゅはわたしのただしさにおうじてかえしてくださる。

おんまえにわたしはきよい。

26あなたのいつくしみにきるひと

あなたはいつくしみをしめ

ひとには

27きよひとにはきよくふるまい

こころがったものにはさくりゃくもちいられる。

28あなたはまずしいたみすく

おんおごものろされる。

29しゅよ、あなたはわたしのともし

しゅはわたしのやみらしてくださる。

30あなたによって、わたしはてきぐんらし

わたしのかみによって、じょうへきえる。

31かみみちかんぜん

しゅおおせはきよめられている。

すべてもとにせるひと

しゅたてとなってくださる。

32しゅのほかにかみはない。

かみのほかにわれらのいわはない。

33かみはわたしのちからあるとりで

わたしのみちかんぜんにし

34わたしのあし鹿しかのようにはやくし

たかところたせ

35たたかいのわざおし

うでせいどうゆみちからびさせてくださる。

36あなたはすくいのたてをわたしにさず

みずかくだり、わたしをつよものとしてくださる。

37わたしのあしおおきく

くるぶしはよろめくことがない。

38てきい、てきやし

ほろぼすまでかえさず

39かれらをじきとし、ち、ふたたつことをゆるさない。

かれらはわたしのあしもとにたおす。

40あなたはたたかちからをわたしのびさせ

かうものくっぷくさせ

41てきくびすじませてくださる。

わたしをにくものをわたしはほろぼす。

42かれらはまわすが、たすけるものあらわれず

しゅかってさけんでもこたえはない。

43わたしはかれらをちりのようにくだ

つちくれのようにみにじる。

44あなたはわたしをたみあらそいからはな

くにぐにかしらとしてくださる。

わたしのらぬたみもわたしにつか

45わたしのことをみみにしてわたしにしたが

てきたみあわれみをう。

46てきたみちからうしない、おののいてとりでる。

47しゅいのちかみ

わたしのいわをたたえよ。

わたしのすくいのいわなるかみをあがめよ。

48わたしのためにほうふくしてくださるかみ

しょこくたみをわたしのしたにおいてください。

49てきからわたしをすく

かうものよりもたか

ほうものからたすしてください。

50しゅよ、くにぐになか

わたしはあなたにかんしゃをささげ

をほめうたう。

51しょうあたえておうおおいなるものとし

あぶらそそがれたひとを、ダビデとそのそん

とこしえまで

いつくしみのうちにおかれる。

ダビデのさいこと

23

1はダビデのさいことである。

エッサイのダビデのかたったこと。

たかげられたもの

ヤコブのかみあぶらそそがれたものかたったこと。

イスラエルのうるわしいうた

2しゅれいはわたしのうちにかた

しゅことはわたしのしたうえにある。

3イスラエルのかみかた

イスラエルのいわはわたしにげられる。

かみしたがってひとおさめるもの

かみおそれておさめるもの

4たいようかがやあさひかり

くももないあさひかり

あめのちからわかくささせるひかり

5かみともにあってわたしのいえたしかにつ。

かみえいえんけいやくをわたしにたまわ

すべてにととのい、まもられるべきけいやくを。

わたしのすくい、わたしのよろこびを

すべてかみえさせてくださる。

6あくにんいばらのようにすべてられる。

ろうとするな

7れるものやりてつまんしんける。

がそのかれらをくすであろう。

ダビデのゆうたち

8はダビデのゆうたちのである。

ハクモニじんイシュバアル。さんゆうかしらやりるって一に八百にんころした。

9つぎにアホアじんドドのエルアザル。さんゆうひと。ダビデにどうこうしてペリシテじんくつじょくあたえたとき、ペリシテじんしゅうけつしてたたかいをいどんでた。イスラエルのへい退しりぞいたが、10エルアザルはペリシテじんかってち、つかれ、つるぎにはりいてはなれなくなるまでかれらをった。しゅはそのだいしょうをもたらされ、かれあともどってへいにはりゃくだつすることのみがのこった。

11つぎにハラリじんアゲのシャンマ。ペリシテじんがレヒにしゅうけつしたとき、そこにはレンズまめゆたかにみのったはたけがあった。たみはペリシテじんまえにしてとうそうしたが、12シャンマははたけにとどまってこれをすくい、ペリシテじんった。しゅだいしょうをもたらされた。

13三十にんかしらなかの三にんが、どきにアドラムのどうくつにいるダビデをたずねてたことがあった。ペリシテじんいったいがレファイムのたにじんっていた。14ダビデはようがいにおり、ペリシテじんぜんしょうたいはベツレヘムにいた。15ダビデは、「ベツレヘムのじょうもんかたわらにある、あのみずませてくれるものがあればよいのに」とせつぼうした。16にんゆうはペリシテのじんとっし、ベツレヘムのじょうもんかたわらにあるからみずをくみ、ダビデのもとにかえった。ダビデはこのみずむことをのぞまず、そそいでしゅにささげ、17こうった。「しゅよ、わたしはこのようなことをけっしてすべきではありません。これはいのちをかけてったものたちのそのものです。」ダビデはそのみずもうとしなかった。じょうさんゆうくんである。

18ツェルヤの、ヨアブのきょうだいアビシャイ。さんゆうかしらやりるって三百にんころし、さんゆうともをあげた。19さんゆうなかもっとおもんじられ、かれらのちょうでもあったが、くんさんゆうおよばなかった。

20ヨヤダのベナヤ。ゆう。カブツェエルのしゅっしんおおくのこうてた。モアブのアリエルのふたむすり、ゆきに、ほらあなってくだり、それをころした。21またかれは、くっきょうのエジプトじんをもころした。エジプトじんやりにしていたが、ベナヤはぼうっておそいかかり、エジプトじんからやりうばい、そのやりでエジプトじんころした。22じょうがヨヤダのベナヤのくんであり、さんゆうともをあげ、23三十にんなかでもおもんじられたが、くんさんゆうおよばなかった。ダビデはかれえいへいちょうにんじた。

24三十にんつらねたもののとおりである。

ヨアブのきょうだいアサエル。ドドのエルハナン、ベツレヘムしゅっしん25ハロドじんシャンマ。ハロドじんエリカ。26パルティじんヘレツ。イケシュのイラ、テコアじん27アナトトじんアビエゼル。フシャじんメブナイ。28アホアじんツァルモン。ネトファじんマフライ。29バアナのヘレブ、ネトファじん。リバイのイタイ、ベニヤミンのギブアしゅっしん30ピルアトンじんベナヤ。ヒダイ、ガアシュがわしゅっしん31アルバトじんアビ・アルボン。バフリムじんアズマベト。32シャアルボンじんエルヤフバ。ベネヤシェン。ヨナタン。33ハラリじんシャンマ。シャラルのアヒアム、アラルじん34アハスバイのエリフェレト、マアカじんそん。アヒトフェルのエリアム、ギロじん35カルメルじんヘツライ。アラブじんパアライ。36ナタンのイグアル、ツォバしゅっしん。ガディじんバニ。37アンモンじんツェレク。ベエロトじんナフライ、ツェルヤのヨアブのもの38イエテルじんイラ。イエテルじんガレブ。39ヘトじんウリヤ。そういん三十七めい

ダビデのじんこう調ちょう

24

1しゅいかりがふたたびイスラエルにたいしてがった。しゅは、「イスラエルとユダのじんこうかぞえよ」とダビデをさそわれた。2おうちょくぞくぐんれいかんヨアブにめいじた。「ダンからベエル・シェバにおよぶイスラエルのぜんぞくあいだめぐってたみかず調しらべよ。たみかずりたい。」3ヨアブはおうった。「あなたのかみしゅがこのたみを百ばいにもやしてくださいますように。しゅくんおうしんがそれをちょくせつにされますように。しゅくんおうはなぜ、このようなことをのぞまれるのですか。」

4しかし、ヨアブとぐんちょうたちにたいするおうめいれいきびしかったので、ヨアブとぐんちょうたちはダビデのまえし、イスラエルのたみかぞえるためにしゅっぱつした。5かれらはヨルダンがわわたって、アロエルとガドのたにまちからはじめ、さらにヤゼルをし、6ギレアドにはいって、ヘトじんカデシュにいたり、ダン・ヤアンからシドンにまわった。7かれらはティルスのようさいはいり、ヒビじん、カナンじんまちをことごとくめぐってユダのネゲブの、ベエル・シェバにいたった。8かれらは九かげつをかけてぜんこくめぐったのち、エルサレムにかんした。9ヨアブは調しらべたたみかずおうほうこくした。つるぎりうるせんはイスラエルに八十まん、ユダに五十まんであった。

10たみかぞえたことはダビデのこころしゃくとなった。ダビデはしゅった。「わたしはおもつみおかしました。しゅよ、どうかしもべあくをおのがしください。たいへんおろかなことをしました。」11ダビデがあさきると、かみことがダビデのげんしゃでありせんけんしゃであるガドにのぞんでいた。12ってダビデにげよ。しゅはこうわれる。『わたしはあなたに三つのことしめす。その一つをえらぶがよい。わたしはそれをじっこうする』と。」

13ガドはダビデのもとにげた。「七ねんかんきんがあなたのくにおそうことか、あなたが三かげつかんてきわれてげることか、みっかんあなたのくにえきびょうこることか。よくかんがえて、わたしをつかわされたかたにどうおこたえすべきか、めてください。」14ダビデはガドにった。「たいへんくるしみだ。しゅにかかってたおれよう。しゅおおきい。にんげんにはかかりたくない。」

15しゅは、そのあさからさだめられたにっすうあいだ、イスラエルにえきびょうをもたらされた。ダンからベエル・シェバまでのたみのうち七まんにんんだ。16使つかいはそのをエルサレムにばして、これをほろぼそうとしたが、しゅはこのわざわいをおもかえされ、たみほろぼそうとする使つかいにわれた。「もうじゅうぶんだ。そのろせ。」しゅ使つかいはエブスじんアラウナのむぎかたわらにいた。17ダビデは、使つかいがたみつのをて、しゅった。「らんください、つみおかしたのはわたしです。わたしがわるかったのです。このひつじれがなにをしたのでしょうか。どうかがわたしとわたしのちちいえくだりますように。」

18そのガドがて、ダビデにげた。「エブスじんアラウナのむぎのぼり、そこにしゅのためのさいだんきずきなさい。」19ダビデはしゅめいじられたガドのことしたがのぼってった。20アラウナがると、おうしんかれほうるのがえた。アラウナはき、おうまえにひれして、21った。「どのようなゆうしゅくんおうしもべのところにおいでになったのですか。」ダビデはった。「おまえむぎゆずってもらいたい。しゅのためにさいだんきずき、たみからえきびょうのぞきたい。」22アラウナは、「おりください。しゅくんおういとうつるままにいけにえをおささげください。らんください。くしてささげるうしもおりますし、たきぎにするこっも、うしくびきもございます」とって、23なにもかもおうていきょうし、「あなたのかみしゅおうよろこばれますように」とった。24おうはアラウナにった。「いや、わたしはだいはらって、おまえかららなければならない。しょうくすささものをわたしのかみしゅにささげることはできない。」ダビデはむぎうしぎん五十シェケルでり、25そこにしゅのためのさいだんきずき、くすささものかいささものをささげた。しゅはこのくにのためにいのりにこたえられ、イスラエルにくだったえきびょうはやんだ。

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