詩 編
1
1いかに幸いなことか
神に逆らう者の計らいに従って歩まず
罪ある者の道にとどまらず
傲慢な者と共に座らず
2主の教えを愛し
その教えを昼も夜も口ずさむ人。
3その人は流れのほとりに植えられた木。
ときが巡り来れば実を結び
葉もしおれることがない。
その人のすることはすべて、繁栄をもたらす。
4神に逆らう者はそうではない。
彼は風に吹き飛ばされるもみ殻。
5神に逆らう者は裁きに堪えず
罪ある者は神に従う人の集いに堪えない。
6神に従う人の道を主は知っていてくださる。
神に逆らう者の道は滅びに至る。
2
1なにゆえ、国々は騒ぎ立ち
人々はむなしく声をあげるのか。
2なにゆえ、地上の王は構え、支配者は結束して
主に逆らい、主の油注がれた方に逆らうのか
3「我らは、枷をはずし
縄を切って投げ捨てよう」と。
4天を王座とする方は笑い
主は彼らを嘲り
5憤って、恐怖に落とし
怒って、彼らに宣言される。
6「聖なる山シオンで
わたしは自ら、王を即位させた。」
7主の定められたところに従ってわたしは述べよう。
主はわたしに告げられた。
「お前はわたしの子
今日、わたしはお前を生んだ。
8求めよ。わたしは国々をお前の嗣業とし
地の果てまで、お前の領土とする。
9お前は鉄の杖で彼らを打ち
陶工が器を砕くように砕く。」
10すべての王よ、今や目覚めよ。
地を治める者よ、諭しを受けよ。
11畏れ敬って、主に仕え
おののきつつ、喜び躍れ。
12子に口づけせよ
主の憤りを招き、道を失うことのないように。
主の怒りはまたたくまに燃え上がる。
いかに幸いなことか
主を避けどころとする人はすべて。
3
1賛歌。ダビデの詩。ダビデがその子
アブサロムを逃れたとき。
2主よ、わたしを苦しめる者は
どこまで増えるのでしょうか。
多くの者がわたしに立ち向かい
3多くの者がわたしに言います
「彼に神の救いなどあるものか」と。
〔セラ
4主よ、それでも
あなたはわたしの盾、わたしの栄え
わたしの頭を高くあげてくださる方。
5主に向かって声をあげれば
聖なる山から答えてくださいます。
〔セラ
6身を横たえて眠り
わたしはまた、目覚めます。
主が支えていてくださいます。
7いかに多くの民に包囲されても
決して恐れません。
8主よ、立ち上がってください。
わたしの神よ、お救いください。
すべての敵の顎を打ち
神に逆らう者の歯を砕いてください。
9救いは主のもとにあります。
あなたの祝福が
あなたの民の上にありますように。
〔セラ
4
1指揮者によって。伴奏付き。賛歌。
ダビデの詩。
2呼び求めるわたしに答えてください
わたしの正しさを認めてくださる神よ。
苦難から解き放ってください
憐れんで、祈りを聞いてください。
3人の子らよ
いつまでわたしの名誉を辱めにさらすのか
むなしさを愛し、偽りを求めるのか。
〔セラ
4主の慈しみに生きる人を主は見分けて
呼び求める声を聞いてくださると知れ。
5おののいて罪を離れよ。
横たわるときも自らの心と語り
そして沈黙に入れ。
〔セラ
6ふさわしい献げ物をささげて、主に依り頼め。
7恵みを示す者があろうかと、多くの人は問います。
主よ、わたしたちに御顔の光を向けてください。
8人々は麦とぶどうを豊かに取り入れて喜びます。
それにもまさる喜びを
わたしの心にお与えください。
9平和のうちに身を横たえ、わたしは眠ります。
主よ、あなただけが、確かに
わたしをここに住まわせてくださるのです。
5
1指揮者によって。笛に合わせて。
賛歌。ダビデの詩。
2主よ、わたしの言葉に耳を傾け
つぶやきを聞き分けてください。
3わたしの王、わたしの神よ
助けを求めて叫ぶ声を聞いてください。
あなたに向かって祈ります。
4主よ、朝ごとに、わたしの声を聞いてください。
朝ごとに、わたしは御前に訴え出て
あなたを仰ぎ望みます。
5あなたは、決して
逆らう者を喜ぶ神ではありません。
悪人は御もとに宿ることを許されず
6誇り高い者は御目に向かって立つことができず
悪を行う者はすべて憎まれます。
7主よ、あなたは偽って語る者を滅ぼし
流血の罪を犯す者、欺く者をいとわれます。
8しかしわたしは、深い慈しみをいただいて
あなたの家に入り、聖なる宮に向かってひれ伏し
あなたを畏れ敬います。
9主よ、恵みの御業のうちにわたしを導き
まっすぐにあなたの道を歩ませてください。
わたしを陥れようとする者がいます。
10彼らの口は正しいことを語らず、舌は滑らかで
喉は開いた墓、腹は滅びの淵。
11神よ、彼らを罪に定め
そのたくらみのゆえに打ち倒してください。
彼らは背きに背きを重ねる反逆の者。
彼らを追い落としてください。
12あなたを避けどころとする者は皆、喜び祝い
とこしえに喜び歌います。
御名を愛する者はあなたに守られ
あなたによって喜び誇ります。
13主よ、あなたは従う人を祝福し
御旨のままに、盾となってお守りくださいます。
6
1指揮者によって。伴奏付き。
第八調。賛歌。ダビデの詩。
2主よ、怒ってわたしを責めないでください
憤って懲らしめないでください。
3主よ、憐れんでください
わたしは嘆き悲しんでいます。
主よ、癒してください、わたしの骨は恐れ
4わたしの魂は恐れおののいています。
主よ、いつまでなのでしょう。
5主よ、立ち帰り
わたしの魂を助け出してください。
あなたの慈しみにふさわしく
わたしを救ってください。
6死の国へ行けば、だれもあなたの名を唱えず
陰府に入れば
だれもあなたに感謝をささげません。
7わたしは嘆き疲れました。
夜ごと涙は床に溢れ、寝床は漂うほどです。
8苦悩にわたしの目は衰えて行き
わたしを苦しめる者のゆえに
老いてしまいました。
9悪を行う者よ、皆わたしを離れよ。
主はわたしの泣く声を聞き
10主はわたしの嘆きを聞き
主はわたしの祈りを受け入れてくださる。
11敵は皆、恥に落とされて恐れおののき
たちまち退いて、恥に落とされる。
7
1シガヨン。ダビデの詩。ベニヤミン人クシュのことについてダビデが主に向かって歌ったもの。
2わたしの神、主よ、あなたを避けどころとします。
わたしを助け、追い迫る者から救ってください。
3獅子のようにわたしの魂を餌食とする者から
だれも奪い返し、助けてくれないのです。
4わたしの神、主よ
もしわたしがこのようなことをしたのなら
わたしの手に不正があり
5 仲間に災いをこうむらせ
敵をいたずらに見逃したなら
6敵がわたしの魂に追い迫り、追いつき
わたしの命を地に踏みにじり
わたしの誉れを塵に伏せさせても当然です。
〔セラ
7主よ、敵に対して怒りをもって立ち上がり
憤りをもって身を起こし
わたしに味方して奮い立ち
裁きを命じてください。
8諸国をあなたの周りに集わせ
彼らを超えて高い御座に再び就いてください。
9主よ、諸国の民を裁いてください。
主よ、裁きを行って宣言してください
お前は正しい、とがめるところはないと。
10あなたに逆らう者を災いに遭わせて滅ぼし
あなたに従う者を固く立たせてください。
心とはらわたを調べる方
神は正しくいます。
11心のまっすぐな人を救う方
神はわたしの盾。
12正しく裁く神
日ごとに憤りを表す神。
13立ち帰らない者に向かっては、剣を鋭くし
弓を引き絞って構え
14殺戮の武器を備え
炎の矢を射かけられます。
15御覧ください、彼らは悪をみごもり
災いをはらみ、偽りを生む者です。
16落とし穴を掘り、深くしています
仕掛けたその穴に自分が落ちますように。
17災いが頭上に帰り
不法な業が自分の頭にふりかかりますように。
18正しくいます主にわたしは感謝をささげ
いと高き神、主の御名をほめ歌います。
8
1指揮者によって。ギティトに
合わせて。賛歌。ダビデの詩。
2 主よ、わたしたちの主よ
あなたの御名は、いかに力強く
全地に満ちていることでしょう。
天に輝くあなたの威光をたたえます
3幼子、乳飲み子の口によって。
あなたは刃向かう者に向かって砦を築き
報復する敵を絶ち滅ぼされます。
4あなたの天を、あなたの指の業を
わたしは仰ぎます。
月も、星も、あなたが配置なさったもの。
5そのあなたが御心に留めてくださるとは
人間は何ものなのでしょう。
人の子は何ものなのでしょう
あなたが顧みてくださるとは。
6神に僅かに劣るものとして人を造り
なお、栄光と威光を冠としていただかせ
7御手によって造られたものをすべて治めるように
その足もとに置かれました。
8羊も牛も、野の獣も
9空の鳥、海の魚、海路を渡るものも。
10 主よ、わたしたちの主よ
あなたの御名は、いかに力強く
全地に満ちていることでしょう。
9
(アルファベットによる詩)
1指揮者によって。ムトラベンに
合わせて。賛歌。ダビデの詩。
2わたしは心を尽くして主に感謝をささげ
驚くべき御業をすべて語り伝えよう。
3いと高き神よ、わたしは喜び、誇り
御名をほめ歌おう。
4御顔を向けられて敵は退き
倒れて、滅び去った。
5あなたは御座に就き、正しく裁き
わたしの訴えを取り上げて裁いてくださる。
6異邦の民を𠮟咤し、逆らう者を滅ぼし
その名を世々限りなく消し去られる。
7敵はすべて滅び、永遠の廃虚が残り
あなたに滅ぼされた町々の記憶も消え去った。
8主は裁きのために御座を固く据え
とこしえに御座に着いておられる。
9御自ら世界を正しく治め
国々の民を公平に裁かれる。
10虐げられている人に
主が砦の塔となってくださるように
苦難の時の砦の塔となってくださるように。
11主よ、御名を知る人はあなたに依り頼む。
あなたを尋ね求める人は見捨てられることがない。
12シオンにいます主をほめ歌い
諸国の民に御業を告げ知らせよ。
13主は流された血に心を留めて
それに報いてくださる。
貧しい人の叫びをお忘れになることはない。
14憐れんでください、主よ
死の門からわたしを引き上げてくださる方よ。
御覧ください
わたしを憎む者がわたしを苦しめているのを。
15おとめシオンの城門で
あなたの賛美をひとつひとつ物語り
御救いに喜び躍ることができますように。
16異邦の民は自ら掘った穴に落ち
隠して張った網に足をとられる。
17主が現れて裁きをされるとき
逆らう者は
自分の手が仕掛けた罠にかかり
〔ヒガヨン・セラ
18神に逆らう者、神を忘れる者
異邦の民はことごとく、陰府に退く。
19乏しい人は永遠に忘れられることなく
貧しい人の希望は決して失われない。
20立ち上がってください、主よ。
人間が思い上がるのを許さず
御顔を向けて異邦の民を裁いてください。
21主よ、異邦の民を恐れさせ
思い知らせてください
彼らが人間にすぎないことを。
〔セラ
10
(アルファベットによる詩)
1主よ、なぜ遠く離れて立ち
苦難の時に隠れておられるのか。
2貧しい人が神に逆らう傲慢な者に責め立てられて
その策略に陥ろうとしているのに。
3神に逆らう者は自分の欲望を誇る。
貪欲であり、主をたたえながら、侮っている。
4神に逆らう者は高慢で神を求めず
何事も神を無視してたくらむ。
5あなたの裁きは彼にとってはあまりにも高い。
彼の道はどのようなときにも力をもち
自分に反対する者に自分を誇示し
6「わたしは揺らぐことなく、代々に幸せで
災いに遭うことはない」と心に思う。
7口に呪い、詐欺、搾取を満たし
舌に災いと悪を隠す。
8村はずれの物陰に待ち伏せし
不運な人に目を付け、罪もない人をひそかに殺す。
9茂みの陰の獅子のように隠れ、待ち伏せ
貧しい人を捕えようと待ち伏せ
貧しい人を網に捕えて引いて行く。
10不運な人はその手に陥り
倒れ、うずくまり
11心に思う
「神はわたしをお忘れになった。
御顔を隠し、永久に顧みてくださらない」と。
12立ち上がってください、主よ。
神よ、御手を上げてください。
貧しい人を忘れないでください。
13なぜ、逆らう者は神を侮り
罰などはない、と心に思うのでしょう。
14あなたは必ず御覧になって
御手に労苦と悩みをゆだねる人を
顧みてくださいます。
不運な人はあなたにすべてをおまかせします。
あなたはみなしごをお助けになります。
15逆らう者、悪事を働く者の腕を挫き
彼の反逆を余すところなく罰してください。
16主は世々限りなく王。
主の地から異邦の民は消え去るでしょう。
17主よ、あなたは貧しい人に耳を傾け
その願いを聞き、彼らの心を確かにし
18みなしごと虐げられている人のために
裁きをしてくださいます。
この地に住む人は
再び脅かされることがないでしょう。
11
1指揮者によって。ダビデの詩。
主を、わたしは避けどころとしている。
どうしてあなたたちはわたしの魂に言うのか
「鳥のように山へ逃れよ。
2見よ、主に逆らう者が弓を張り、弦に矢をつがえ
闇の中から心のまっすぐな人を射ようとしている。
3世の秩序が覆っているのに
主に従う人に何ができようか」と。
4主は聖なる宮にいます。
主は天に御座を置かれる。
御目は人の子らを見渡し
そのまぶたは人の子らを調べる。
5主は、主に従う人と逆らう者を調べ
不法を愛する者を憎み
6逆らう者に災いの火を降らせ、熱風を送り
燃える硫黄をその杯に注がれる。
7主は正しくいまし、恵みの業を愛し
御顔を心のまっすぐな人に向けてくださる。
12
1指揮者によって。第八調。賛歌。
ダビデの詩。
2主よ、お救いください。
主の慈しみに生きる人は絶え
人の子らの中から
信仰のある人は消え去りました。
3人は友に向かって偽りを言い
滑らかな唇、二心をもって話します。
4主よ、すべて滅ぼしてください
滑らかな唇と威張って語る舌を。
5彼らは言います。
「舌によって力を振るおう。
自分の唇は自分のためだ。
わたしたちに主人などはない。」
6主は言われます。
「虐げに苦しむ者と
呻いている貧しい者のために
今、わたしは立ち上がり
彼らがあえぎ望む救いを与えよう。」
7主の仰せは清い。
土の炉で七たび練り清めた銀。
8主よ、あなたはその仰せを守り
この代からとこしえに至るまで
わたしたちを見守ってくださいます。
9主に逆らう者は勝手にふるまいます
人の子らの中に
卑しむべきことがもてはやされるこのとき。
13
1指揮者によって。賛歌。
ダビデの詩。
2いつまで、主よ
わたしを忘れておられるのか。
いつまで、御顔をわたしから隠しておられるのか。
3いつまで、わたしの魂は思い煩い
日々の嘆きが心を去らないのか。
いつまで、敵はわたしに向かって誇るのか。
4わたしの神、主よ、顧みてわたしに答え
わたしの目に光を与えてください
死の眠りに就くことのないように
5敵が勝ったと思うことのないように
わたしを苦しめる者が
動揺するわたしを見て喜ぶことのないように。
6あなたの慈しみに依り頼みます。
わたしの心は御救いに喜び躍り
主に向かって歌います
「主はわたしに報いてくださった」と。
14
1指揮者によって。ダビデの詩。
神を知らぬ者は心に言う
「神などない」と。
人々は腐敗している。
忌むべき行いをする。
善を行う者はいない。
2主は天から人の子らを見渡し、探される
目覚めた人、神を求める人はいないか、と。
3だれもかれも背き去った。
皆ともに、汚れている。
善を行う者はいない。ひとりもいない。
4悪を行う者は知っているはずではないか。
パンを食らうかのようにわたしの民を食らい
主を呼び求めることをしない者よ。
5そのゆえにこそ、大いに恐れるがよい。
神は従う人々の群れにいます。
6貧しい人の計らいをお前たちが挫折させても
主は必ず、避けどころとなってくださる。
7どうか、イスラエルの救いが
シオンから起こるように。
主が御自分の民、捕われ人を連れ帰られるとき
ヤコブは喜び躍り
イスラエルは喜び祝うであろう。
15
1賛歌。ダビデの詩。
主よ、どのような人が、あなたの幕屋に宿り
聖なる山に住むことができるのでしょうか。
2それは、完全な道を歩き、正しいことを行う人。
心には真実の言葉があり
3舌には中傷をもたない人。
友に災いをもたらさず、親しい人を嘲らない人。
4主の目にかなわないものは退け
主を畏れる人を尊び
悪事をしないとの誓いを守る人。
5金を貸しても利息を取らず
賄賂を受けて無実の人を陥れたりしない人。
これらのことを守る人は
とこしえに揺らぐことがないでしょう。
16
1ミクタム。ダビデの詩。
神よ、守ってください
あなたを避けどころとするわたしを。
2主に申します。
「あなたはわたしの主。
あなたのほかにわたしの幸いはありません。」
3この地の聖なる人々
わたしの愛する尊い人々に申します。
4「ほかの神の後を追う者には苦しみが加わる。
わたしは血を注ぐ彼らの祭りを行わず
彼らの神の名を唇に上らせません。」
5主はわたしに与えられた分、わたしの杯。
主はわたしの運命を支える方。
6測り縄は麗しい地を示し
わたしは輝かしい嗣業を受けました。
7わたしは主をたたえます。
主はわたしの思いを励まし
わたしの心を夜ごと諭してくださいます。
8わたしは絶えず主に相対しています。
主は右にいまし
わたしは揺らぐことがありません。
9わたしの心は喜び、魂は躍ります。
からだは安心して憩います。
10あなたはわたしの魂を陰府に渡すことなく
あなたの慈しみに生きる者に墓穴を見させず
11命の道を教えてくださいます。
わたしは御顔を仰いで満ち足り、喜び祝い
右の御手から永遠の喜びをいただきます。
17
1祈り。ダビデの詩。
主よ、正しい訴えを聞き
わたしの叫びに耳を傾け
祈りに耳を向けてください。
わたしの唇に欺きはありません。
2御前からわたしのために裁きを送り出し
あなた御自身の目をもって公平に御覧ください。
3―4あなたはわたしの心を調べ、夜なお尋ね
火をもってわたしを試されますが
汚れた思いは何ひとつ御覧にならないでしょう。
わたしの口は人の習いに従うことなく
あなたの唇の言葉を守ります。
暴力の道を避けて
5あなたの道をたどり
一歩一歩、揺らぐことなく進みます。
6あなたを呼び求めます
神よ、わたしに答えてください。
わたしに耳を向け、この訴えを聞いてください。
7慈しみの御業を示してください。
あなたを避けどころとする人を
立ち向かう者から
右の御手をもって救ってください。
8瞳のようにわたしを守り
あなたの翼の陰に隠してください。
9あなたに逆らう者がわたしを虐げ
貪欲な敵がわたしを包囲しています。
10彼らは自分の肥え太った心のとりことなり
口々に傲慢なことを言います。
11わたしに攻め寄せ、わたしを包囲し
地に打ち倒そうとねらっています。
12そのさまは獲物を求めてあえぐ獅子
待ち伏せる若い獅子のようです。
13主よ、立ち上がってください。
御顔を向けて彼らに迫り、屈服させてください。
あなたの剣をもって逆らう者を撃ち
わたしの魂を助け出してください。
14主よ、御手をもって彼らを絶ち、この世から絶ち
命ある者の中から彼らの分を絶ってください。
しかし、御もとに隠れる人には
豊かに食べ物をお与えください。
子らも食べて飽き、子孫にも豊かに残すように。
15わたしは正しさを認められ、御顔を仰ぎ望み
目覚めるときには御姿を拝して
満ち足りることができるでしょう。
18
1指揮者によって。主の僕の詩。ダビデの詩。主がダビデをすべての敵の手、また、サウルの手から救い出されたとき、彼はこの歌の言葉を主に述べた。
2主よ、わたしの力よ、わたしはあなたを慕う。
3主はわたしの岩、砦、逃れ場
わたしの神、大岩、避けどころ
わたしの盾、救いの角、砦の塔。
4ほむべき方、主をわたしは呼び求め
敵から救われる。
5死の縄がからみつき
奈落の激流がわたしをおののかせ
6陰府の縄がめぐり
死の網が仕掛けられている。
7苦難の中から主を呼び求め
わたしの神に向かって叫ぶと
その声は神殿に響き
叫びは御前に至り、御耳に届く。
8主の怒りは燃え上がり、地は揺れ動く。
山々の基は震え、揺らぐ。
9御怒りに煙は噴き上がり
御口の火は焼き尽くし、炎となって燃えさかる。
10主は天を傾けて降り
密雲を足もとに従え
11ケルブを駆って飛び
風の翼に乗って行かれる。
12周りに闇を置いて隠れがとし
暗い雨雲、立ちこめる霧を幕屋とされる。
13御前にひらめく光に雲は従い
雹と火の雨が続く。
14主は天から雷鳴をとどろかせ
いと高き神は御声をあげられ
雹と火の雨が続く。
15主の矢は飛び交い
稲妻は散乱する。
16主よ、あなたの𠮟咤に海の底は姿を現し
あなたの怒りの息に世界はその基を示す。
17主は高い天から御手を遣わしてわたしをとらえ
大水の中から引き上げてくださる。
18敵は力があり
わたしを憎む者は勝ち誇っているが
なお、主はわたしを救い出される。
19彼らが攻め寄せる災いの日
主はわたしの支えとなり
20わたしを広い所に導き出し、助けとなり
喜び迎えてくださる。
21主はわたしの正しさに報いてくださる。
わたしの手の清さに応じて返してくださる。
22わたしは主の道を守り
わたしの神に背かない。
23わたしは主の裁きをすべて前に置き
主の掟を遠ざけない。
24わたしは主に対して無垢であろうとし
罪から身を守る。
25主はわたしの正しさに応じて返してくださる。
御目に対してわたしの手は清い。
26あなたの慈しみに生きる人に
あなたは慈しみを示し
無垢な人には無垢に
27清い人には清くふるまい
心の曲がった者には背を向けられる。
28あなたは貧しい民を救い上げ
高ぶる目を引き下ろされる。
29主よ、あなたはわたしの灯を輝かし
神よ、あなたはわたしの闇を照らしてくださる。
30あなたによって、わたしは敵軍を追い散らし
わたしの神によって、城壁を越える。
31神の道は完全
主の仰せは火で練り清められている。
すべて御もとに身を寄せる人に
主は盾となってくださる。
32主のほかに神はない。
神のほかに我らの岩はない。
33神はわたしに力を帯びさせ
わたしの道を完全にし
34わたしの足を鹿のように速くし
高い所に立たせ
35手に戦いの技を教え
腕に青銅の弓を引く力を帯びさせてくださる。
36あなたは救いの盾をわたしに授け
右の御手で支えてくださる。
あなたは、自ら降り
わたしを強い者としてくださる。
37わたしの足は大きく踏み出し
くるぶしはよろめくことがない。
38敵を追い、敵に追いつき
滅ぼすまで引き返さず
39彼らを打ち、再び立つことを許さない。
彼らはわたしの足もとに倒れ伏す。
40あなたは戦う力をわたしの身に帯びさせ
刃向かう者を屈服させ
41敵の首筋を踏ませてくださる。
わたしを憎む者をわたしは滅ぼす。
42彼らは叫ぶが、助ける者は現れず
主に向かって叫んでも答えはない。
43わたしは彼らを風の前の塵と見なし
野の土くれのようにむなしいものとする。
44あなたはわたしを民の争いから解き放ち
国々の頭としてくださる。
わたしの知らぬ民もわたしに仕え
45わたしのことを耳にしてわたしに聞き従い
敵の民は憐れみを乞う。
46敵の民は力を失い、おののいて砦を出る。
47主は命の神。
わたしの岩をたたえよ。
わたしの救いの神をあがめよ。
48わたしのために報復してくださる神よ
諸国の民をわたしに従わせてください。
49敵からわたしを救い
刃向かう者よりも高く上げ
不法の者から助け出してください。
50主よ、国々の中で
わたしはあなたに感謝をささげ
御名をほめ歌う。
51主は勝利を与えて王を大いなる者とし
油注がれた人を、ダビデとその子孫を
とこしえまで
慈しみのうちにおかれる。
19
1指揮者によって。賛歌。
ダビデの詩。
2天は神の栄光を物語り
大空は御手の業を示す。
3昼は昼に語り伝え
夜は夜に知識を送る。
4話すことも、語ることもなく
声は聞こえなくても
5その響きは全地に
その言葉は世界の果てに向かう。
そこに、神は太陽の幕屋を設けられた。
6太陽は、花婿が天蓋から出るように
勇士が喜び勇んで道を走るように
7天の果てを出で立ち
天の果てを目指して行く。
その熱から隠れうるものはない。
8主の律法は完全で、魂を生き返らせ
主の定めは真実で、無知な人に知恵を与える。
9主の命令はまっすぐで、心に喜びを与え
主の戒めは清らかで、目に光を与える。
10主への畏れは清く、いつまでも続き
主の裁きはまことで、ことごとく正しい。
11金にまさり、多くの純金にまさって望ましく
蜜よりも、蜂の巣の滴りよりも甘い。
12あなたの僕はそれらのことを熟慮し
それらを守って大きな報いを受けます。
13知らずに犯した過ち、隠れた罪から
どうかわたしを清めてください。
14あなたの僕を驕りから引き離し
支配されないようにしてください。
そうすれば、重い背きの罪から清められ
わたしは完全になるでしょう。
15どうか、わたしの口の言葉が御旨にかない
心の思いが御前に置かれますように。
主よ、わたしの岩、わたしの贖い主よ。
20
1指揮者によって。賛歌。
ダビデの詩。
2苦難の日に主があなたに答え
ヤコブの神の御名があなたを高く上げ
3聖所から助けを遣わし
シオンからあなたを支えてくださるように。
4あなたの供え物をことごとく心に留め
あなたのいけにえを快く受け入れ
〔セラ
5あなたの心の願いをかなえ
あなたの計らいを実現させてくださるように。
6我らがあなたの勝利に喜びの声をあげ
我らの神の御名によって
旗を掲げることができるように。
主が、あなたの求めるところを
すべて実現させてくださるように。
7今、わたしは知った
主は油注がれた方に勝利を授け
聖なる天から彼に答えて
右の御手による救いの力を示されることを。
8戦車を誇る者もあり、馬を誇る者もあるが
我らは、我らの神、主の御名を唱える。
9彼らは力を失って倒れるが
我らは力に満ちて立ち上がる。
10主よ、王に勝利を与え
呼び求める我らに答えてください。
21
1指揮者によって。賛歌。
ダビデの詩。
2主よ、王はあなたの御力を喜び祝い
御救いのゆえに喜び躍る。
3あなたは王の心の望みをかなえ
唇の願い求めるところを拒まず
〔セラ
4彼を迎えて豊かな祝福を与え
黄金の冠をその頭におかれた。
5願いを聞き入れて命を得させ
生涯の日々を世々限りなく加えられた。
6御救いによって王の栄光は大いなるものになる。
あなたは彼に栄えと輝きを賜る。
7永遠の祝福を授け、御顔を向けられると
彼は喜び祝う。
8王は主に依り頼む。
いと高き神の慈しみに支えられ
決して揺らぐことがない。
9あなたの御手は敵のすべてに及び
右の御手はあなたを憎む者に及ぶ。
10主よ、あなたが怒りを表されるとき
彼らは燃える炉に投げ込まれた者となり
怒りに呑み込まれ、炎になめ尽くされ
11その子らは地から
子孫は人の子らの中から断たれる。
12彼らはあなたに向かって悪事をたくらみ
陰謀をめぐらすが、決して成功しない。
13かえって、あなたは彼らを引き倒し
彼らに向かって弓を引き絞られる。
14御力を表される主をあがめよ。
力ある御業をたたえて、我らは賛美の歌をうたう。
22
1指揮者によって。「暁の雌鹿」に合わせて。賛歌。ダビデの詩。
2わたしの神よ、わたしの神よ
なぜわたしをお見捨てになるのか。
なぜわたしを遠く離れ、救おうとせず
呻きも言葉も聞いてくださらないのか。
3わたしの神よ
昼は、呼び求めても答えてくださらない。
夜も、黙ることをお許しにならない。
4だがあなたは、聖所にいまし
イスラエルの賛美を受ける方。
5わたしたちの先祖はあなたに依り頼み
依り頼んで、救われて来た。
6助けを求めてあなたに叫び、救い出され
あなたに依り頼んで、裏切られたことはない。
7わたしは虫けら、とても人とはいえない。
人間の屑、民の恥。
8わたしを見る人は皆、わたしを嘲笑い
唇を突き出し、頭を振る。
9「主に頼んで救ってもらうがよい。
主が愛しておられるなら
助けてくださるだろう。」
10わたしを母の胎から取り出し
その乳房にゆだねてくださったのはあなたです。
11母がわたしをみごもったときから
わたしはあなたにすがってきました。
母の胎にあるときから、あなたはわたしの神。
12わたしを遠く離れないでください
苦難が近づき、助けてくれる者はいないのです。
13雄牛が群がってわたしを囲み
バシャンの猛牛がわたしに迫る。
14餌食を前にした獅子のようにうなり
牙をむいてわたしに襲いかかる者がいる。
15わたしは水となって注ぎ出され
骨はことごとくはずれ
心は胸の中で蠟のように溶ける。
16口は渇いて素焼きのかけらとなり
舌は上顎にはり付く。
あなたはわたしを塵と死の中に打ち捨てられる。
17犬どもがわたしを取り囲み
さいなむ者が群がってわたしを囲み
獅子のようにわたしの手足を砕く。
18骨が数えられる程になったわたしのからだを
彼らはさらしものにして眺め
19わたしの着物を分け
衣を取ろうとしてくじを引く。
20主よ、あなただけは
わたしを遠く離れないでください。
わたしの力の神よ
今すぐにわたしを助けてください。
21わたしの魂を剣から救い出し
わたしの身を犬どもから救い出してください。
22獅子の口、雄牛の角からわたしを救い
わたしに答えてください。
23わたしは兄弟たちに御名を語り伝え
集会の中であなたを賛美します。
24主を畏れる人々よ、主を賛美せよ。
ヤコブの子孫は皆、主に栄光を帰せよ。
イスラエルの子孫は皆、主を恐れよ。
25主は貧しい人の苦しみを
決して侮らず、さげすまれません。
御顔を隠すことなく
助けを求める叫びを聞いてくださいます。
26それゆえ、わたしは大いなる集会で
あなたに賛美をささげ
神を畏れる人々の前で満願の献げ物をささげます。
27貧しい人は食べて満ち足り
主を尋ね求める人は主を賛美します。
いつまでも健やかな命が与えられますように。
28地の果てまで
すべての人が主を認め、御もとに立ち帰り
国々の民が御前にひれ伏しますように。
29王権は主にあり、主は国々を治められます。
30命に溢れてこの地に住む者はことごとく
主にひれ伏し
塵に下った者もすべて御前に身を屈めます。
わたしの魂は必ず命を得
31―32子孫は神に仕え
主のことを来るべき代に語り伝え
成し遂げてくださった恵みの御業を
民の末に告げ知らせるでしょう。
23
1賛歌。ダビデの詩。
主は羊飼い、わたしには何も欠けることがない。
2主はわたしを青草の原に休ませ
憩いの水のほとりに伴い
3魂を生き返らせてくださる。
主は御名にふさわしく
わたしを正しい道に導かれる。
4死の陰の谷を行くときも
わたしは災いを恐れない。
あなたがわたしと共にいてくださる。
あなたの鞭、あなたの杖
それがわたしを力づける。
5わたしを苦しめる者を前にしても
あなたはわたしに食卓を整えてくださる。
わたしの頭に香油を注ぎ
わたしの杯を溢れさせてくださる。
6命のある限り
恵みと慈しみはいつもわたしを追う。
主の家にわたしは帰り
生涯、そこにとどまるであろう。
24
1ダビデの詩。賛歌。
地とそこに満ちるもの
世界とそこに住むものは、主のもの。
2主は、大海の上に地の基を置き
潮の流れの上に世界を築かれた。
3どのような人が、主の山に上り
聖所に立つことができるのか。
4それは、潔白な手と清い心をもつ人。
むなしいものに魂を奪われることなく
欺くものによって誓うことをしない人。
5主はそのような人を祝福し
救いの神は恵みをお与えになる。
6それは主を求める人
ヤコブの神よ、御顔を尋ね求める人。
〔セラ
7城門よ、頭を上げよ
とこしえの門よ、身を起こせ。
栄光に輝く王が来られる。
8栄光に輝く王とは誰か。
強く雄々しい主、雄々しく戦われる主。
9城門よ、頭を上げよ
とこしえの門よ、身を起こせ。
栄光に輝く王が来られる。
10栄光に輝く王とは誰か。
万軍の主、主こそ栄光に輝く王。
〔セラ
25
(アルファベットによる詩)
1ダビデの詩。
主よ、わたしの魂はあなたを仰ぎ望み
2わたしの神よ、あなたに依り頼みます。
どうか、わたしが恥を受けることのないように
敵が誇ることのないようにしてください。
3あなたに望みをおく者はだれも
決して恥を受けることはありません。
いたずらに人を欺く者が恥を受けるのです。
4主よ、あなたの道をわたしに示し
あなたに従う道を教えてください。
5あなたのまことにわたしを導いてください。
教えてください
あなたはわたしを救ってくださる神。
絶えることなくあなたに望みをおいています。
6主よ思い起こしてください
あなたのとこしえの憐れみと慈しみを。
7わたしの若いときの罪と背きは思い起こさず
慈しみ深く、御恵みのために
主よ、わたしを御心に留めてください。
8主は恵み深く正しくいまし
罪人に道を示してくださいます。
9裁きをして貧しい人を導き
主の道を貧しい人に教えてくださいます。
10その契約と定めを守る人にとって
主の道はすべて、慈しみとまこと。
11主よ、あなたの御名のために
罪深いわたしをお赦しください。
12主を畏れる人は誰か。
主はその人に選ぶべき道を示されるであろう。
13その人は恵みに満たされて宿り
子孫は地を継ぐであろう。
14主を畏れる人に
主は契約の奥義を悟らせてくださる。
15わたしはいつも主に目を注いでいます。
わたしの足を網から引き出してくださる方に。
16御顔を向けて、わたしを憐れんでください。
わたしは貧しく、孤独です。
17悩む心を解き放ち
痛みからわたしを引き出してください。
18御覧ください、わたしの貧しさと労苦を。
どうかわたしの罪を取り除いてください。
19御覧ください、敵は増えて行くばかりです。
わたしを憎み、不法を仕掛けます。
20御もとに身を寄せます。
わたしの魂を守り、わたしを助け出し
恥を受けることのないようにしてください。
21あなたに望みをおき、無垢でまっすぐなら
そのことがわたしを守ってくれるでしょう。
22神よ、イスラエルを
すべての苦難から贖ってください。
26
1ダビデの詩。
主よ、あなたの裁きを望みます。
わたしは完全な道を歩いてきました。
主に信頼して、よろめいたことはありません。
2主よ、わたしを調べ、試み
はらわたと心を火をもって試してください。
3あなたの慈しみはわたしの目の前にあり
あなたのまことに従って歩き続けています。
4偽る者と共に座らず
欺く者の仲間に入らず
5悪事を謀る者の集いを憎み
主に逆らう者と共に座ることをしません。
6主よ、わたしは手を洗って潔白を示し
あなたの祭壇を廻り
7感謝の歌声を響かせ
驚くべき御業をことごとく語り伝えます。
8主よ、あなたのいます家
あなたの栄光の宿るところをわたしは慕います。
9わたしの魂を罪ある者の魂と共に
わたしの命を流血を犯す者の命と共に
取り上げないでください。
10彼らの手は汚れた行いに馴れ
その右の手には奪った物が満ちています。
11わたしは完全な道を歩きます。
わたしを憐れみ、贖ってください。
12わたしの足はまっすぐな道に立っています。
聖歌隊と共にわたしは主をたたえます。
27
1ダビデの詩。
主はわたしの光、わたしの救い
わたしは誰を恐れよう。
主はわたしの命の砦
わたしは誰の前におののくことがあろう。
2さいなむ者が迫り
わたしの肉を食い尽くそうとするが
わたしを苦しめるその敵こそ、かえって
よろめき倒れるであろう。
3彼らがわたしに対して陣を敷いても
わたしの心は恐れない。
わたしに向かって戦いを挑んで来ても
わたしには確信がある。
4ひとつのことを主に願い、それだけを求めよう。
命のある限り、主の家に宿り
主を仰ぎ望んで喜びを得
その宮で朝を迎えることを。
5災いの日には必ず、主はわたしを仮庵にひそませ
幕屋の奥深くに隠してくださる。
岩の上に立たせ
6群がる敵の上に頭を高く上げさせてくださる。
わたしは主の幕屋でいけにえをささげ、歓声をあげ
主に向かって賛美の歌をうたう。
7主よ、呼び求めるわたしの声を聞き
憐れんで、わたしに答えてください。
8心よ、主はお前に言われる
「わたしの顔を尋ね求めよ」と。
主よ、わたしは御顔を尋ね求めます。
9御顔を隠すことなく、怒ることなく
あなたの僕を退けないでください。
あなたはわたしの助け。
救いの神よ、わたしを離れないでください
見捨てないでください。
10父母はわたしを見捨てようとも
主は必ず、わたしを引き寄せてくださいます。
11主よ、あなたの道を示し
平らな道に導いてください。
わたしを陥れようとする者がいるのです。
12貪欲な敵にわたしを渡さないでください。
偽りの証人、不法を言い広める者が
わたしに逆らって立ちました。
13わたしは信じます
命あるものの地で主の恵みを見ることを。
14主を待ち望め
雄々しくあれ、心を強くせよ。
主を待ち望め。
28
1ダビデの詩。
主よ、あなたを呼び求めます。
わたしの岩よ
わたしに対して沈黙しないでください。
あなたが黙しておられるなら
わたしは墓に下る者とされてしまいます。
2嘆き祈るわたしの声を聞いてください。
至聖所に向かって手を上げ
あなたに救いを求めて叫びます。
3神に逆らう者、悪を行う者と共に
わたしを引いて行かないでください。
彼らは仲間に向かって平和を口にしますが
心には悪意を抱いています。
4その仕業、悪事に応じて彼らに報いてください。
その手のなすところに応じて
彼らに報い、罰してください。
5主の御業、御手の業を彼らは悟ろうとしません。
彼らを滅ぼし、再び興さないでください。
6主をたたえよ。
嘆き祈るわたしの声を聞いてくださいました。
7主はわたしの力、わたしの盾
わたしの心は主に依り頼みます。
主の助けを得てわたしの心は喜び躍ります。
歌をささげて感謝いたします。
8主は油注がれた者の力、その砦、救い。
9お救いください、あなたの民を。
祝福してください、あなたの嗣業の民を。
とこしえに彼らを導き養ってください。
29
1賛歌。ダビデの詩。
神の子らよ、主に帰せよ
栄光と力を主に帰せよ
2御名の栄光を主に帰せよ。
聖なる輝きに満ちる主にひれ伏せ。
3主の御声は水の上に響く。
栄光の神の雷鳴はとどろく。
主は大水の上にいます。
4主の御声は力をもって響き
主の御声は輝きをもって響く。
5主の御声は杉の木を砕き
主はレバノンの杉の木を砕き
6レバノンを子牛のように
シルヨンを野牛の子のように躍らせる。
7主の御声は炎を裂いて走らせる。
8主の御声は荒れ野をもだえさせ
主はカデシュの荒れ野をもだえさせる。
9主の御声は雌鹿をもだえさせ
月満ちぬうちに子を産ませる。
神殿のものみなは唱える
「栄光あれ」と。
10主は洪水の上に御座をおく。
とこしえの王として、主は御座をおく。
11どうか主が民に力をお与えになるように。
主が民を祝福して平和をお与えになるように。
30
1賛歌。神殿奉献の歌。ダビデの詩。
2主よ、あなたをあがめます。
あなたは敵を喜ばせることなく
わたしを引き上げてくださいました。
3わたしの神、主よ、叫び求めるわたしを
あなたは癒してくださいました。
4主よ、あなたはわたしの魂を陰府から引き上げ
墓穴に下ることを免れさせ
わたしに命を得させてくださいました。
5主の慈しみに生きる人々よ
主に賛美の歌をうたい
聖なる御名を唱え、感謝をささげよ。
6ひととき、お怒りになっても
命を得させることを御旨としてくださる。
泣きながら夜を過ごす人にも
喜びの歌と共に朝を迎えさせてくださる。
7平穏なときには、申しました
「わたしはとこしえに揺らぐことがない」と。
8主よ、あなたが御旨によって
砦の山に立たせてくださったからです。
しかし、御顔を隠されると
わたしはたちまち恐怖に陥りました。
9主よ、わたしはあなたを呼びます。
主に憐れみを乞います。
10わたしが死んで墓に下ることに
何の益があるでしょう。
塵があなたに感謝をささげ
あなたのまことを告げ知らせるでしょうか。
11主よ、耳を傾け、憐れんでください。
主よ、わたしの助けとなってください。
12あなたはわたしの嘆きを踊りに変え
粗布を脱がせ、喜びを帯としてくださいました。
13わたしの魂があなたをほめ歌い
沈黙することのないようにしてくださいました。
わたしの神、主よ
とこしえにあなたに感謝をささげます。
31
1指揮者によって。賛歌。
ダビデの詩。
2主よ、御もとに身を寄せます。
とこしえに恥に落とすことなく
恵みの御業によってわたしを助けてください。
3あなたの耳をわたしに傾け
急いでわたしを救い出してください。
砦の岩、城塞となってお救いください。
4あなたはわたしの大岩、わたしの砦。
御名にふさわしく、わたしを守り導き
5隠された網に落ちたわたしを引き出してください。
あなたはわたしの砦。
6まことの神、主よ、御手にわたしの霊をゆだねます。
わたしを贖ってください。
7わたしは空しい偶像に頼る者を憎み
主に、信頼します。
8慈しみをいただいて、わたしは喜び躍ります。
あなたはわたしの苦しみを御覧になり
わたしの魂の悩みを知ってくださいました。
9わたしを敵の手に渡すことなく
わたしの足を
広い所に立たせてくださいました。
10主よ、憐れんでください
わたしは苦しんでいます。
目も、魂も、はらわたも
苦悩のゆえに衰えていきます。
11命は嘆きのうちに
年月は呻きのうちに尽きていきます。
罪のゆえに力はうせ
骨は衰えていきます。
12わたしの敵は皆、わたしを嘲り
隣人も、激しく嘲ります。
親しい人々はわたしを見て恐れを抱き
外で会えば避けて通ります。
13人の心はわたしを死者のように葬り去り
壊れた器と見なします。
14ひそかな声が周囲に聞こえ
脅かすものが取り囲んでいます。
人々がわたしに対して陰謀をめぐらし
命を奪おうとたくらんでいます。
15主よ、わたしはなお、あなたに信頼し
「あなたこそわたしの神」と申します。
16わたしにふさわしいときに、御手をもって
追い迫る者、敵の手から助け出してください。
17あなたの僕に御顔の光を注ぎ
慈しみ深く、わたしをお救いください。
18主よ、あなたを呼びます。
わたしを恥に落とすことなく
神に逆らう者をこそ恥に落とし
陰府に落とし、黙らせてください。
19偽って語る唇を封じてください
正しい人を侮り、驕り高ぶって語る唇を。
20御恵みはいかに豊かなことでしょう。
あなたを畏れる人のためにそれを蓄え
人の子らの目の前で
あなたに身を寄せる人に、お与えになります。
21御もとに彼らをかくまって
人間の謀から守ってくださいます。
仮庵の中に隠し
争いを挑む舌を免れさせてくださいます。
22主をたたえよ。
主は驚くべき慈しみの御業を
都が包囲されたとき、示してくださいました。
23恐怖に襲われて、わたしは言いました
「御目の前から断たれた」と。
それでもなお、あなたに向かうわたしの叫びを
嘆き祈るわたしの声を
あなたは聞いてくださいました。
24主の慈しみに生きる人はすべて、主を愛せよ。
主は信仰ある人を守り
傲慢な者には厳しく報いられる。
25雄々しくあれ、心を強くせよ
主を待ち望む人はすべて。
32
1ダビデの詩。マスキール。
いかに幸いなことでしょう
背きを赦され、罪を覆っていただいた者は。
2いかに幸いなことでしょう
主に咎を数えられず、心に欺きのない人は。
3わたしは黙し続けて
絶え間ない呻きに骨まで朽ち果てました。
4御手は昼も夜もわたしの上に重く
わたしの力は
夏の日照りにあって衰え果てました。
〔セラ
5わたしは罪をあなたに示し
咎を隠しませんでした。
わたしは言いました
「主にわたしの背きを告白しよう」と。
そのとき、あなたはわたしの罪と過ちを
赦してくださいました。
〔セラ
6あなたの慈しみに生きる人は皆
あなたを見いだしうる間にあなたに祈ります。
大水が溢れ流れるときにも
その人に及ぶことは決してありません。
7あなたはわたしの隠れが。
苦難から守ってくださる方。
救いの喜びをもって
わたしを囲んでくださる方。
〔セラ
8わたしはあなたを目覚めさせ
行くべき道を教えよう。
あなたの上に目を注ぎ、勧めを与えよう。
9分別のない馬やらばのようにふるまうな。
それはくつわと手綱で動きを抑えねばならない。
そのようなものをあなたに近づけるな。
10神に逆らう者は悩みが多く
主に信頼する者は慈しみに囲まれる。
11神に従う人よ、主によって喜び躍れ。
すべて心の正しい人よ、喜びの声をあげよ。
33
1主に従う人よ、主によって喜び歌え。
主を賛美することは正しい人にふさわしい。
2琴を奏でて主に感謝をささげ
十弦の琴を奏でてほめ歌をうたえ。
3新しい歌を主に向かってうたい
美しい調べと共に喜びの叫びをあげよ。
4主の御言葉は正しく
御業はすべて真実。
5主は恵みの業と裁きを愛し
地は主の慈しみに満ちている。
6御言葉によって天は造られ
主の口の息吹によって天の万象は造られた。
7主は大海の水をせき止め
深淵の水を倉に納められた。
8全地は主を畏れ
世界に住むものは皆、主におののく。
9主が仰せになると、そのように成り
主が命じられると、そのように立つ。
10主は国々の計らいを砕き
諸国の民の企てを挫かれる。
11主の企てはとこしえに立ち
御心の計らいは代々に続く。
12いかに幸いなことか
主を神とする国
主が嗣業として選ばれた民は。
13主は天から見渡し
人の子らをひとりひとり御覧になり
14御座を置かれた所から
地に住むすべての人に目を留められる。
15人の心をすべて造られた主は
彼らの業をことごとく見分けられる。
16王の勝利は兵の数によらず
勇士を救うのも力の強さではない。
17馬は勝利をもたらすものとはならず
兵の数によって救われるのでもない。
18見よ、主は御目を注がれる
主を畏れる人、主の慈しみを待ち望む人に。
19彼らの魂を死から救い
飢えから救い、命を得させてくださる。
20我らの魂は主を待つ。
主は我らの助け、我らの盾。
21我らの心は喜び
聖なる御名に依り頼む。
22主よ、あなたの慈しみが
我らの上にあるように
主を待ち望む我らの上に。
34
(アルファベットによる詩)
1ダビデの詩。ダビデがアビメレクの前で狂気の人を装い、追放されたときに。
2どのようなときも、わたしは主をたたえ
わたしの口は絶えることなく賛美を歌う。
3わたしの魂は主を賛美する。
貧しい人よ、それを聞いて喜び祝え。
4わたしと共に主をたたえよ。
ひとつになって御名をあがめよう。
5わたしは主に求め
主は答えてくださった。
脅かすものから常に救い出してくださった。
6主を仰ぎ見る人は光と輝き
辱めに顔を伏せることはない。
7この貧しい人が呼び求める声を主は聞き
苦難から常に救ってくださった。
8主の使いはその周りに陣を敷き
主を畏れる人を守り助けてくださった。
9味わい、見よ、主の恵み深さを。
いかに幸いなことか、御もとに身を寄せる人は。
10主の聖なる人々よ、主を畏れ敬え。
主を畏れる人には何も欠けることがない。
11若獅子は獲物がなくて飢えても
主に求める人には良いものの欠けることがない。
12子らよ、わたしに聞き従え。
主を畏れることを教えよう。
13喜びをもって生き
長生きして幸いを見ようと望む者は
14舌を悪から
唇を偽りの言葉から遠ざけ
15悪を避け、善を行い
平和を尋ね求め、追い求めよ。
16主は、従う人に目を注ぎ
助けを求める叫びに耳を傾けてくださる。
17主は悪を行う者に御顔を向け
その名の記念を地上から絶たれる。
18主は助けを求める人の叫びを聞き
苦難から常に彼らを助け出される。
19主は打ち砕かれた心に近くいまし
悔いる霊を救ってくださる。
20主に従う人には災いが重なるが
主はそのすべてから救い出し
21骨の一本も損なわれることのないように
彼を守ってくださる。
22主に逆らう者は災いに遭えば命を失い
主に従う人を憎む者は罪に定められる。
23主はその僕の魂を贖ってくださる。
主を避けどころとする人は
罪に定められることがない。
35
1ダビデの詩。
主よ、わたしと争う者と争い
わたしと戦う者と戦ってください。
2大盾と盾を取り
立ち上がってわたしを助けてください。
3わたしに追い迫る者の前に
槍を構えて立ちふさがってください。
どうか、わたしの魂に言ってください
「お前を救おう」と。
4わたしの命を奪おうとする者は
恥に落とされ、嘲りを受けますように。
わたしに災いを謀る者は
辱めを受けて退きますように。
5風に飛ぶもみ殻となった彼らが
主の使いに追い払われますように。
6道を暗闇に閉ざされ、足を滑らせる彼らに
主の使いが追い迫りますように。
7彼らは無実なわたしを滅ぼそうと網を張り
わたしの魂を滅ぼそうと落とし穴を掘りました。
8どうか、思わぬ時に破滅が臨み
彼らが自ら張った網に掛かり
破滅に落ちますように。
9わたしの魂は主によって喜び躍り
御救いを喜び楽しみます。
10わたしの骨はことごとく叫びます。
「主よ、あなたに並ぶものはありません。
貧しい人を強い者から
貧しく乏しい人を搾取する者から
助け出してくださいます。」
11不法の証人が数多く立ち、わたしを追及しますが
わたしの知らないことばかりです。
12彼らはわたしの善意に悪意をもってこたえます。
わたしの魂を滅ぼそうとして、子供を奪いました。
13彼らが病にかかっていたとき
わたしは粗布をまとって断食し、魂を苦しめ
胸の内に祈りを繰り返し
14彼らの友、彼らの兄弟となり
母の死を悼む子のように嘆きの衣をまとい
うなだれて行き来したのに
15わたしが倒れれば彼らは喜び、押し寄せます。
わたしに向かって押し寄せ
わたしの知らないことについてわたしを打ち
とめどもなく引き裂きます。
16神を無視する者がわたしを囲んで嘲笑い
わたしに向かって歯をむき出します。
17主よ、いつまで見ておられるのですか。
彼らの謀る破滅から
わたしの魂を取り返してください。
多くの若い獅子からわたしの身を救ってください。
18優れた会衆の中であなたに感謝をささげ
偉大な民の中であなたを賛美できますように。
19敵が不当に喜ぶことがありませんように。
無実なわたしを憎む者が
侮りの目で見ることがありませんように。
20彼らは平和を語ることなく
この地の穏やかな人々を欺こうとしています。
21わたしに向かえば、大口を開けて嘲笑い
「この目で見た」と言います。
22主よ、あなたは御覧になっています。
沈黙なさらないでください。
わたしの主よ、遠く離れないでください。
23わたしの神、わたしの主よ、目を覚まし
起き上がり、わたしのために裁きに臨み
わたしに代わって争ってください。
24主よ、わたしの神よ
あなたの正しさによって裁いてください。
敵が喜んで
25「うまく行った」と心の中で言いませんように。
「ひと呑みにした」と言いませんように。
26苦難の中にいるわたしを嘲笑う者が
共に恥と嘲りを受け
わたしに対して尊大にふるまう者が
恥と辱めを衣としますように。
27わたしが正しいとされることを望む人々が
喜び歌い、喜び祝い
絶えることなく唱えますように
「主をあがめよ
御自分の僕の平和を望む方を」と。
28わたしの舌があなたの正しさを歌い
絶えることなくあなたを賛美しますように。
36
1指揮者によって。主の僕の詩。
ダビデの詩。
2神に逆らう者に罪が語りかけるのが
わたしの心の奥に聞こえる。
彼の前に、神への恐れはない。
3自分の目に自分を偽っているから
自分の悪を認めることも
それを憎むこともできない。
4彼の口が語ることは悪事、欺き。
決して目覚めようとも、善を行おうともしない。
5床の上でも悪事を謀り
常にその身を不正な道に置き
悪を退けようとしない。
6主よ、あなたの慈しみは天に
あなたの真実は大空に満ちている。
7恵みの御業は神の山々のよう
あなたの裁きは大いなる深淵。
主よ、あなたは人をも獣をも救われる。
8神よ、慈しみはいかに貴いことか。
あなたの翼の陰に人の子らは身を寄せ
9あなたの家に滴る恵みに潤い
あなたの甘美な流れに渇きを癒す。
10命の泉はあなたにあり
あなたの光に、わたしたちは光を見る。
11あなたを知る人の上に
慈しみが常にありますように。
心のまっすぐな人の上に
恵みの御業が常にありますように。
12神に逆らう者の手が
わたしを追い立てることを許さず
驕る者の足が
わたしに迫ることを許さないでください。
13悪事を働く者は必ず倒れる。
彼らは打ち倒され
再び立ち上がることはない。
37
(アルファベットによる詩)
1ダビデの詩。
悪事を謀る者のことでいら立つな。
不正を行う者をうらやむな。
2彼らは草のように瞬く間に枯れる。
青草のようにすぐにしおれる。
3主に信頼し、善を行え。
この地に住み着き、信仰を糧とせよ。
4主に自らをゆだねよ
主はあなたの心の願いをかなえてくださる。
5あなたの道を主にまかせよ。
信頼せよ、主は計らい
6あなたの正しさを光のように
あなたのための裁きを
真昼の光のように輝かせてくださる。
7沈黙して主に向かい、主を待ち焦がれよ。
繁栄の道を行く者や
悪だくみをする者のことでいら立つな。
8怒りを解き、憤りを捨てよ。
自分も悪事を謀ろうと、いら立ってはならない。
9悪事を謀る者は断たれ
主に望みをおく人は、地を継ぐ。
10しばらくすれば、主に逆らう者は消え去る。
彼のいた所を調べてみよ、彼は消え去っている。
11貧しい人は地を継ぎ
豊かな平和に自らをゆだねるであろう。
12主に従う人に向かって
主に逆らう者はたくらみ、牙をむくが
13主は彼を笑われる。
彼に定めの日が来るのを見ておられるから。
14主に逆らう者は剣を抜き、弓を引き絞り
貧しい人、乏しい人を倒そうとし
まっすぐに歩む人を屠ろうとするが
15その剣はかえって自分の胸を貫き
弓は折れるであろう。
16主に従う人が持っている物は僅かでも
主に逆らう者、権力ある者の富にまさる。
17主は御自分に逆らう者の腕を折り
従う人を支えてくださる。
18無垢な人の生涯を
主は知っていてくださる。
彼らはとこしえに嗣業を持つであろう。
19災いがふりかかっても、うろたえることなく
飢饉が起こっても飽き足りていられる。
20しかし、主に逆らい敵対する者は必ず滅びる
献げ物の小羊が焼き尽くされて煙となるように。
21主に逆らう者は、借りたものも返さない。
主に従う人は憐れんで施す。
22神の祝福を受けた人は地を継ぐ。
神の呪いを受けた者は断たれる。
23主は人の一歩一歩を定め
御旨にかなう道を備えてくださる。
24人は倒れても、打ち捨てられるのではない。
主がその手をとらえていてくださる。
25若いときにも老いた今も、わたしは見ていない
主に従う人が捨てられ
子孫がパンを乞うのを。
26生涯、憐れんで貸し与えた人には
祝福がその子孫に及ぶ。
27悪を避け、善を行えば
とこしえに、住み続けることができる。
28主は正義を愛される。
主の慈しみに生きる人を見捨てることなく
とこしえに見守り
主に逆らう者の子孫を断たれる。
29主に従う人は地を継ぎ
いつまでも、そこに住み続ける。
30主に従う人は、口に知恵の言葉があり
その舌は正義を語る。
31神の教えを心に抱き
よろめくことなく歩む。
32主に逆らう者は待ち構えて
主に従う人を殺そうとする。
33主は御自分に従う人がその手中に陥って裁かれ
罪に定められることをお許しにならない。
34主に望みをおき、主の道を守れ。
主はあなたを高く上げて
地を継がせてくださる。
あなたは逆らう者が断たれるのを見るであろう。
35主に逆らう者が横暴を極め
野生の木のように勢いよくはびこるのを
わたしは見た。
36しかし、時がたてば彼は消えうせ
探しても、見いだすことはできないであろう。
37無垢であろうと努め、まっすぐに見ようとせよ。
平和な人には未来がある。
38背く者はことごとく滅ぼされ
主に逆らう者の未来は断たれる。
39主に従う人の救いは主のもとから来る
災いがふりかかるとき
砦となってくださる方のもとから。
40主は彼を助け、逃れさせてくださる
主に逆らう者から逃れさせてくださる。
主を避けどころとする人を、主は救ってくださる。
38
1賛歌。ダビデの詩。記念。
2主よ、怒ってわたしを責めないでください。
憤って懲らしめないでください。
3あなたの矢はわたしを射抜き
御手はわたしを押さえつけています。
4わたしの肉にはまともなところもありません
あなたが激しく憤られたからです。
骨にも安らぎがありません
わたしが過ちを犯したからです。
5わたしの罪悪は頭を越えるほどになり
耐え難い重荷となっています。
6負わされた傷は膿んで悪臭を放ちます
わたしが愚かな行いをしたからです。
7わたしは身を屈め、深くうなだれ
一日中、嘆きつつ歩きます。
8腰はただれに覆われています。
わたしの肉にはまともなところもありません。
9もう立てないほど打ち砕かれ
心は呻き、うなり声をあげるだけです。
10わたしの主よ、わたしの願いはすべて御前にあり
嘆きもあなたには隠されていません。
11心は動転し、力はわたしを見捨て
目の光もまた、去りました。
12疫病にかかったわたしを
愛する者も友も避けて立ち
わたしに近い者も、遠く離れて立ちます。
13わたしの命をねらう者は罠を仕掛けます。
わたしに災いを望む者は
欺こう、破滅させよう、と決めて
一日中それを口にしています。
14わたしの耳は聞こえないかのように
聞こうとしません。
口は話せないかのように、開こうとしません。
15わたしは聞くことのできない者
口に抗議する力もない者となりました。
16主よ、わたしはなお、あなたを待ち望みます。
わたしの主よ、わたしの神よ
御自身でわたしに答えてください。
17わたしは願いました
「わたしの足がよろめくことのないように
彼らがそれを喜んで
尊大にふるまうことがないように」と。
18わたしは今や、倒れそうになっています。
苦痛を与えるものが常にわたしの前にあり
19わたしは自分の罪悪を言い表そうとして
犯した過ちのゆえに苦悩しています。
20わたしの敵は強大になり
わたしを憎む者らは偽りを重ね
21善意に悪意をもってこたえます。
わたしは彼らの幸いを願うのに
彼らは敵対するのです。
22主よ、わたしを見捨てないでください。
わたしの神よ、遠く離れないでください。
23わたしの救い、わたしの主よ
すぐにわたしを助けてください。
39
1指揮者によって。エドトンの詩。
賛歌。ダビデの詩。
2わたしは言いました。
「わたしの道を守ろう、舌で過ちを犯さぬように。
神に逆らう者が目の前にいる。
わたしの口にくつわをはめておこう。」
3わたしは口を閉ざして沈黙し
あまりに黙していたので苦しみがつのり
4心は内に熱し、呻いて火と燃えた。
わたしは舌を動かして話し始めた。
5「教えてください、主よ、わたしの行く末を
わたしの生涯はどれ程のものか
いかにわたしがはかないものか、悟るように。」
6御覧ください、与えられたこの生涯は
僅か、手の幅ほどのもの。
御前には、この人生も無に等しいのです。
ああ、人は確かに立っているようでも
すべて空しいもの。
〔セラ
7ああ、人はただ影のように移ろうもの。
ああ、人は空しくあくせくし
だれの手に渡るとも知らずに積み上げる。
8主よ、それなら
何に望みをかけたらよいのでしょう。
わたしはあなたを待ち望みます。
9あなたに背いたすべての罪からわたしを救い
神を知らぬ者というそしりを
受けないようにしてください。
10わたしは黙し、口を開きません。
あなたが計らってくださるでしょう。
11わたしをさいなむその御手を放してください。
御手に撃たれてわたしは衰え果てました。
12あなたに罪を責められ、懲らしめられて
人の欲望など虫けらのようについえます。
ああ、人は皆、空しい。
〔セラ
13主よ、わたしの祈りを聞き
助けを求める叫びに耳を傾けてください。
わたしの涙に沈黙していないでください。
わたしは御もとに身を寄せる者
先祖と同じ宿り人。
14あなたの目をわたしからそらせ
立ち直らせてください
わたしが去り、失われる前に。
40
1指揮者によって。ダビデの詩。
賛歌。
2主にのみ、わたしは望みをおいていた。
主は耳を傾けて、叫びを聞いてくださった。
3滅びの穴、泥沼からわたしを引き上げ
わたしの足を岩の上に立たせ
しっかりと歩ませ
4わたしの口に新しい歌を
わたしたちの神への賛美を授けてくださった。
人はこぞって主を仰ぎ見
主を畏れ敬い、主に依り頼む。
5いかに幸いなことか、主に信頼をおく人
ラハブを信ずる者にくみせず
欺きの教えに従わない人は。
6わたしの神、主よ
あなたは多くの不思議な業を成し遂げられます。
あなたに並ぶものはありません。
わたしたちに対する数知れない御計らいを
わたしは語り伝えて行きます。
7あなたはいけにえも、穀物の供え物も望まず
焼き尽くす供え物も
罪の代償の供え物も求めず
ただ、わたしの耳を開いてくださいました。
8そこでわたしは申します。
御覧ください、わたしは来ております。
わたしのことは
巻物に記されております。
9わたしの神よ、御旨を行うことをわたしは望み
あなたの教えを胸に刻み
10大いなる集会で正しく良い知らせを伝え
決して唇を閉じません。
主よ、あなたはそれをご存じです。
11恵みの御業を心に秘めておくことなく
大いなる集会であなたの真実と救いを語り
慈しみとまことを隠さずに語りました。
12主よ、あなたも憐れみの心を閉ざすことなく
慈しみとまことによって
いつもわたしをお守りください。
13悪はわたしにからみつき、数えきれません。
わたしは自分の罪に捕えられ
何も見えなくなりました。
その数は髪の毛よりも多く
わたしは心挫けています。
14主よ、走り寄ってわたしを救ってください。
主よ、急いでわたしを助けてください。
15わたしの命を奪おうとねらっている者が
恥を受け、嘲られ
わたしを災いに遭わせようと望む者が
侮られて退き
16わたしに向かってはやし立てる者が
恥を受けて破滅しますように。
17あなたを尋ね求める人が
あなたによって喜び祝い、楽しみ
御救いを愛する人が
主をあがめよといつも歌いますように。
18主よ、わたしは貧しく身を屈めています。
わたしのためにお計らいください。
あなたはわたしの助け、わたしの逃れ場。
わたしの神よ、速やかに来てください。
41
1指揮者によって。賛歌。
ダビデの詩。
2いかに幸いなことでしょう
弱いものに思いやりのある人は。
災いのふりかかるとき
主はその人を逃れさせてくださいます。
3主よ、その人を守って命を得させ
この地で幸せにしてください。
貪欲な敵に引き渡さないでください。
4主よ、その人が病の床にあるとき、支え
力を失って伏すとき、立ち直らせてください。
5わたしは申します。
「主よ、憐れんでください。
あなたに罪を犯したわたしを癒してください。」
6敵はわたしを苦しめようとして言います。
「早く死んでその名も消えうせるがよい。」
7見舞いに来れば、むなしいことを言いますが
心に悪意を満たし、外に出ればそれを口にします。
8わたしを憎む者は皆、集まってささやき
わたしに災いを謀っています。
9「呪いに取りつかれて床に就いた。
二度と起き上がれまい。」
10わたしの信頼していた仲間
わたしのパンを食べる者が
威張ってわたしを足げにします。
11主よ、どうかわたしを憐れみ
再びわたしを起き上がらせてください。
そうしてくだされば
彼らを見返すことができます。
12そしてわたしは知るでしょう
わたしはあなたの御旨にかなうのだと
敵がわたしに対して勝ち誇ることはないと。
13どうか、無垢なわたしを支え
とこしえに、御前に立たせてください。
14 主をたたえよ、イスラエルの神を
世々とこしえに。
アーメン、アーメン。
42(―43)
1指揮者によって。マスキール。
コラの子の詩。
2涸れた谷に鹿が水を求めるように
神よ、わたしの魂はあなたを求める。
3神に、命の神に、わたしの魂は渇く。
いつ御前に出て
神の御顔を仰ぐことができるのか。
4昼も夜も、わたしの糧は涙ばかり。
人は絶え間なく言う
「お前の神はどこにいる」と。
5わたしは魂を注ぎ出し、思い起こす
喜び歌い感謝をささげる声の中を
祭りに集う人の群れと共に進み
神の家に入り、ひれ伏したことを。
6 なぜうなだれるのか、わたしの魂よ
なぜ呻くのか。
神を待ち望め。
わたしはなお、告白しよう
「御顔こそ、わたしの救い」と。
7 わたしの神よ。
わたしの魂はうなだれて、あなたを思い起こす。
ヨルダンの地から、ヘルモンとミザルの山から
8あなたの注ぐ激流のとどろきにこたえて
深淵は深淵に呼ばわり
砕け散るあなたの波はわたしを越えて行く。
9昼、主は命じて慈しみをわたしに送り
夜、主の歌がわたしと共にある
わたしの命の神への祈りが。
10わたしの岩、わたしの神に言おう。
「なぜ、わたしをお忘れになったのか。
なぜ、わたしは敵に虐げられ
嘆きつつ歩くのか。」
11わたしを苦しめる者はわたしの骨を砕き
絶え間なく嘲って言う
「お前の神はどこにいる」と。
12 なぜうなだれるのか、わたしの魂よ
なぜ呻くのか。
神を待ち望め。
わたしはなお、告白しよう
「御顔こそ、わたしの救い」と。
わたしの神よ。
43
1神よ、あなたの裁きを望みます。
わたしに代わって争ってください。
あなたの慈しみを知らぬ民、欺く者
よこしまな者から救ってください。
2あなたはわたしの神、わたしの砦。
なぜ、わたしを見放されたのか。
なぜ、わたしは敵に虐げられ
嘆きつつ行き来するのか。
3あなたの光とまことを遣わしてください。
彼らはわたしを導き
聖なる山、あなたのいますところに
わたしを伴ってくれるでしょう。
4神の祭壇にわたしは近づき
わたしの神を喜び祝い
琴を奏でて感謝の歌をうたいます。
神よ、わたしの神よ。
5 なぜうなだれるのか、わたしの魂よ
なぜ呻くのか。
神を待ち望め。
わたしはなお、告白しよう
「御顔こそ、わたしの救い」と。
わたしの神よ。
44
1指揮者によって。コラの子の詩。
マスキール。
2神よ、我らはこの耳で聞いています
先祖が我らに語り伝えたことを
先祖の時代、いにしえの日に
あなたが成し遂げられた御業を。
3我らの先祖を植え付けるために
御手をもって国々の領土を取り上げ
その枝が伸びるために
国々の民を災いに落としたのはあなたでした。
4先祖が自分の剣によって領土を取ったのでも
自分の腕の力によって勝利を得たのでもなく
あなたの右の御手、あなたの御腕
あなたの御顔の光によるものでした。
これがあなたのお望みでした。
5神よ、あなたこそわたしの王。
ヤコブが勝利を得るように定めてください。
6あなたに頼って敵を攻め
我らに立ち向かう者を
御名に頼って踏みにじらせてください。
7わたしが依り頼むのは自分の弓ではありません。
自分の剣によって勝利を得ようともしていません。
8我らを敵に勝たせ
我らを憎む者を恥に落とすのは、あなたです。
9我らは絶えることなく神を賛美し
とこしえに、御名に感謝をささげます。
〔セラ
10しかし、あなたは我らを見放されました。
我らを辱めに遭わせ、もはや共に出陣なさらず
11我らが敵から敗走するままになさったので
我らを憎む者は略奪をほしいままにしたのです。
12あなたは我らを食い尽くされる羊として
国々の中に散らされました。
13御自分の民を、僅かの値で売り渡し
その価を高くしようともなさいませんでした。
14我らを隣の国々の嘲りの的とし
周囲の民が嘲笑い、そしるにまかせ
15我らを国々の嘲りの歌とし
多くの民が頭を振って侮るにまかせられました。
16辱めは絶えることなくわたしの前にあり
わたしの顔は恥に覆われています。
17嘲る声、ののしる声がします。
報復しようとする敵がいます。
18これらのことがすべてふりかかっても
なお、我らは決してあなたを忘れることなく
あなたとの契約をむなしいものとせず
19我らの心はあなたを裏切らず
あなたの道をそれて歩もうとはしませんでした。
20あなたはそれでも我らを打ちのめし
山犬の住みかに捨て
死の陰で覆ってしまわれました。
21このような我らが、我らの神の御名を忘れ去り
異教の神に向かって
手を広げるようなことがあれば
22神はなお、それを探り出されます。
心に隠していることを神は必ず知られます。
23我らはあなたゆえに、絶えることなく
殺される者となり
屠るための羊と見なされています。
24主よ、奮い立ってください。
なぜ、眠っておられるのですか。
永久に我らを突き放しておくことなく
目覚めてください。
25なぜ、御顔を隠しておられるのですか。
我らが貧しく、虐げられていることを
忘れてしまわれたのですか。
26我らの魂は塵に伏し
腹は地に着いたままです。
27立ち上がって、我らをお助けください。
我らを贖い、あなたの慈しみを表してください。
45
1指揮者によって。「ゆり」に合わせて。コラの子の詩。マスキール。愛の歌。
2心に湧き出る美しい言葉
わたしの作る詩を、王の前で歌おう。
わたしの舌を速やかに物書く人の筆として。
3あなたは人の子らのだれよりも美しく
あなたの唇は優雅に語る。
あなたはとこしえに神の祝福を受ける方。
4勇士よ、腰に剣を帯びよ。
それはあなたの栄えと輝き。
5輝きを帯びて進め
真実と謙虚と正義を駆って。
右の手があなたに恐るべき力をもたらすように。
6あなたの矢は鋭く、王の敵のただ中に飛び
諸国の民はあなたの足もとに倒れる。
7 神よ、あなたの王座は世々限りなく
あなたの王権の笏は公平の笏。
8神に従うことを愛し、逆らうことを憎むあなたに
神、あなたの神は油を注がれた
喜びの油を、あなたに結ばれた人々の前で。
9あなたの衣はすべて
ミルラ、アロエ、シナモンの香りを放ち
象牙の宮殿に響く弦の調べはあなたを祝う。
10諸国の王女、あなたがめでる女たちの中から
オフィルの金で身を飾った王妃が
あなたの右に立てられる。
11「娘よ、聞け。
耳を傾けて聞き、そしてよく見よ。
あなたの民とあなたの父の家を忘れよ。
12王はあなたの美しさを慕う。
王はあなたの主。彼の前にひれ伏すがよい。
13ティルスの娘よ、民の豪族は贈り物を携え
あなたが顔を向けるのを待っている。」
14王妃は栄光に輝き、進み入る。
晴れ着は金糸の織り
15色糸の縫い取り。
彼女は王のもとに導かれて行く
おとめらを伴い、多くの侍女を従えて。
16彼女らは喜び躍りながら導かれて行き
王の宮殿に進み入る。
17あなたには父祖を継ぐ子らが生まれ
あなたは彼らを立ててこの地の君とする。
18 わたしはあなたの名を代々に語り伝えよう。
諸国の民は世々限りなく
あなたに感謝をささげるであろう。
46
1指揮者に合わせて。コラの子の詩。
アラモト調。歌。
2神はわたしたちの避けどころ、わたしたちの砦。
苦難のとき、必ずそこにいまして助けてくださる。
3わたしたちは決して恐れない
地が姿を変え
山々が揺らいで海の中に移るとも
4海の水が騒ぎ、沸き返り
その高ぶるさまに山々が震えるとも。
〔セラ
5大河とその流れは、神の都に喜びを与える
いと高き神のいます聖所に。
6神はその中にいまし、都は揺らぐことがない。
夜明けとともに、神は助けをお与えになる。
7すべての民は騒ぎ、国々は揺らぐ。
神が御声を出されると、地は溶け去る。
8 万軍の主はわたしたちと共にいます。
ヤコブの神はわたしたちの砦の塔。
〔セラ
9主の成し遂げられることを仰ぎ見よう。
主はこの地を圧倒される。
10地の果てまで、戦いを断ち
弓を砕き槍を折り、盾を焼き払われる。
11「力を捨てよ、知れ
わたしは神。
国々にあがめられ、この地であがめられる。」
12 万軍の主はわたしたちと共にいます。
ヤコブの神はわたしたちの砦の塔。
〔セラ
47
1指揮者によって。コラの子の詩。
賛歌。
2すべての民よ、手を打ち鳴らせ。
神に向かって喜び歌い、叫びをあげよ。
3主はいと高き神、畏るべき方
全地に君臨される偉大な王。
4諸国の民を我らに従わせると宣言し
国々を我らの足もとに置かれた。
5我らのために嗣業を選び
愛するヤコブの誇りとされた。
〔セラ
6神は歓呼の中を上られる。
主は角笛の響きと共に上られる。
7歌え、神に向かって歌え。
歌え、我らの王に向かって歌え。
8神は、全地の王
ほめ歌をうたって、告げ知らせよ。
9神は諸国の上に王として君臨される。
神は聖なる王座に着いておられる。
10諸国の民から自由な人々が集められ
アブラハムの神の民となる。
地の盾となる人々は神のもの。
神は大いにあがめられる。
48
1歌。賛歌。コラの子の詩。
2大いなる主、限りなく賛美される主。
わたしたちの神の都にある聖なる山は
3高く美しく、全地の喜び。
北の果ての山、それはシオンの山、力ある王の都。
4その城郭に、砦の塔に、神は御自らを示される。
5見よ、王たちは時を定め、共に進んで来た。
6彼らは見て、ひるみ、恐怖に陥って逃げ去った。
7そのとき彼らを捕えたおののきは
産みの苦しみをする女のもだえ
8東風に砕かれるタルシシュの船。
9聞いていたことをそのまま、わたしたちは見た
万軍の主の都、わたしたちの神の都で。
神はこの都をとこしえに固く立てられる。
〔セラ
10神よ、神殿にあってわたしたちは
あなたの慈しみを思い描く。
11神よ、賛美は御名と共に地の果てに及ぶ。
右の御手には正しさが溢れている。
12あなたの裁きのゆえに
シオンの山は喜び祝い
ユダのおとめらは喜び躍る。
13シオンの周りをひと巡りして見よ。
塔の数をかぞえ
14城壁に心を向け、城郭に分け入って見よ。
後の代に語り伝えよ
15この神は世々限りなくわたしたちの神
死を越えて、わたしたちを導いて行かれる、と。
49
1指揮者によって。コラの子の詩。
賛歌。
2諸国の民よ、これを聞け
この世に住む者は皆、耳を傾けよ
3人の子らはすべて
豊かな人も貧しい人も。
4わたしの口は知恵を語り
わたしの心は英知を思う。
5わたしは格言に耳を傾け
竪琴を奏でて謎を解く。
6災いのふりかかる日
わたしを追う者の悪意に囲まれるときにも
どうして恐れることがあろうか
7財宝を頼みとし、富の力を誇る者を。
8神に対して、人は兄弟をも贖いえない。
神に身代金を払うことはできない。
9魂を贖う値は高く
とこしえに、払い終えることはない。
10人は永遠に生きようか。
墓穴を見ずにすむであろうか。
11人が見ることは
知恵ある者も死に
無知な者、愚かな者と共に滅び
財宝を他人に遺さねばならないということ。
12自分の名を付けた地所を持っていても
その土の底だけが彼らのとこしえの家
代々に、彼らが住まう所。
13 人間は栄華のうちにとどまることはできない。
屠られる獣に等しい。
14これが自分の力に頼る者の道
自分の口の言葉に満足する者の行く末。
〔セラ
15陰府に置かれた羊の群れ
死が彼らを飼う。
朝になれば正しい人がその上を踏んで行き
誇り高かったその姿を陰府がむしばむ。
16しかし、神はわたしの魂を贖い
陰府の手から取り上げてくださる。
〔セラ
17人に富が増し、その家に名誉が加わるときも
あなたは恐れることはない。
18死ぬときは、何ひとつ携えて行くことができず
名誉が彼の後を追って墓に下るわけでもない。
19命のある間に、その魂が祝福され
幸福を人がたたえても
20彼は父祖の列に帰り
永遠に光を見ることはない。
21 人間は栄華のうちに悟りを得ることはない。
屠られる獣に等しい。
50
1賛歌。アサフの詩。
神々の神、主は、御言葉を発し
日の出るところから日の入るところまで
地を呼び集められる。
2麗しさの極みシオンから、神は顕現される。
3わたしたちの神は来られる
黙してはおられない。
御前を火が焼き尽くして行き
御もとには嵐が吹き荒れている。
4神は御自分の民を裁くために
上から天に呼びかけ、また、地に呼びかけられる。
5「わたしの前に集めよ
わたしの慈しみに生きる者を
いけにえを供えてわたしと契約を結んだ者を。」
6天は神の正しいことを告げ知らせる。
神は御自ら裁きを行われる。
〔セラ
7「わたしの民よ、聞け、わたしは語る。
イスラエルよ、わたしはお前を告発する。
わたしは神、わたしはお前の神。
8献げ物についてお前を責めはしない。
お前の焼き尽くす献げ物は
常にわたしの前に置かれている。
9わたしはお前の家から雄牛を取らず
囲いの中から雄山羊を取ることもしない。
10森の生き物は、すべてわたしのもの
山々に群がる獣も、わたしのもの。
11山々の鳥をわたしはすべて知っている。
獣はわたしの野に、わたしのもとにいる。
12たとえ飢えることがあろうとも
お前に言いはしない。
世界とそこに満ちているものは
すべてわたしのものだ。
13わたしが雄牛の肉を食べ
雄山羊の血を飲むとでも言うのか。
14告白を神へのいけにえとしてささげ
いと高き神に満願の献げ物をせよ。
15それから、わたしを呼ぶがよい。
苦難の日、わたしはお前を救おう。
そのことによって
お前はわたしの栄光を輝かすであろう。」
16神は背く者に言われる。
「お前はわたしの掟を片端から唱え
わたしの契約を口にする。
どういうつもりか。
17お前はわたしの諭しを憎み
わたしの言葉を捨てて顧みないではないか。
18盗人と見ればこれにくみし
姦淫を行う者の仲間になる。
19悪事は口に親しみ
欺きが舌を御している。
20座しては兄弟をそしり
同じ母の子を中傷する。
21お前はこのようなことをしている。
わたしが黙していると思うのか。
わたしをお前に似たものと見なすのか。
罪状をお前の目の前に並べて
わたしはお前を責める。
22神を忘れる者よ、わきまえよ。
さもなくば、わたしはお前を裂く。
お前を救える者はいない。
23告白をいけにえとしてささげる人は
わたしを栄光に輝かすであろう。
道を正す人に
わたしは神の救いを示そう。」
51
1指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。2ダビデがバト・シェバと通じたので預言者ナタンがダビデのもとに来たとき。
3神よ、わたしを憐れんでください
御慈しみをもって。
深い御憐れみをもって
背きの罪をぬぐってください。
4わたしの咎をことごとく洗い
罪から清めてください。
5あなたに背いたことをわたしは知っています。
わたしの罪は常にわたしの前に置かれています。
6あなたに、あなたのみにわたしは罪を犯し
御目に悪事と見られることをしました。
あなたの言われることは正しく
あなたの裁きに誤りはありません。
7わたしは咎のうちに産み落とされ
母がわたしを身ごもったときも
わたしは罪のうちにあったのです。
8あなたは秘儀ではなくまことを望み
秘術を排して知恵を悟らせてくださいます。
9ヒソプの枝でわたしの罪を払ってください
わたしが清くなるように。
わたしを洗ってください
雪よりも白くなるように。
10喜び祝う声を聞かせてください
あなたによって砕かれたこの骨が喜び躍るように。
11わたしの罪に御顔を向けず
咎をことごとくぬぐってください。
12神よ、わたしの内に清い心を創造し
新しく確かな霊を授けてください。
13御前からわたしを退けず
あなたの聖なる霊を取り上げないでください。
14御救いの喜びを再びわたしに味わわせ
自由の霊によって支えてください。
15わたしはあなたの道を教えます
あなたに背いている者に
罪人が御もとに立ち帰るように。
16神よ、わたしの救いの神よ
流血の災いからわたしを救い出してください。
恵みの御業をこの舌は喜び歌います。
17主よ、わたしの唇を開いてください
この口はあなたの賛美を歌います。
18もしいけにえがあなたに喜ばれ
焼き尽くす献げ物が御旨にかなうのなら
わたしはそれをささげます。
19しかし、神の求めるいけにえは打ち砕かれた霊。
打ち砕かれ悔いる心を
神よ、あなたは侮られません。
20御旨のままにシオンを恵み
エルサレムの城壁を築いてください。
21そのときには、正しいいけにえも
焼き尽くす完全な献げ物も、あなたに喜ばれ
そのときには、あなたの祭壇に
雄牛がささげられるでしょう。
52
1指揮者によって。マスキール。ダビデの詩。2エドム人ドエグがサウルのもとに来て、「ダビデがアヒメレクの家に来た」と告げたとき。
3力ある者よ、なぜ悪事を誇るのか。
神の慈しみの絶えることはないが
4お前の考えることは破滅をもたらす。
舌は刃物のように鋭く、人を欺く。
5お前は善よりも悪を
正しい言葉よりもうそを好み
〔セラ
6人を破滅に落とす言葉、欺く舌を好む。
7神はお前を打ち倒し、永久に滅ぼされる。
お前を天幕から引き抜き
命ある者の地から根こそぎにされる。
〔セラ
8これを見て、神に従う人は神を畏れる。
彼らはこの男を笑って言う。
9「見よ、この男は神を力と頼まず
自分の莫大な富に依り頼み
自分を滅ぼすものを力と頼んでいた。」
10わたしは生い茂るオリーブの木。
神の家にとどまります。
世々限りなく、神の慈しみに依り頼みます。
11あなたが計らってくださいますから
とこしえに、感謝をささげます。
御名に望みをおきます
あなたの慈しみに生きる人に対して恵み深い
あなたの御名に。
53
1指揮者によって。マハラトに合わせて。マスキール。ダビデの詩。
2神を知らぬ者は心に言う
「神などない」と。
人々は腐敗している。
忌むべき行いをする。
善を行う者はいない。
3神は天から人の子らを見渡し、探される
目覚めた人、神を求める人はいないか、と。
4だれもかれも背き去った。
皆ともに、汚れている。
善を行う者はいない。ひとりもいない。
5悪を行う者は知っているはずではないか
パンを食らうかのようにわたしの民を食らい
神を呼び求めることをしない者よ。
6それゆえにこそ、大いに恐れるがよい
かつて、恐れたこともなかった者よ。
あなたに対して陣を敷いた者の骨を
神はまき散らされた。
神は彼らを退けられ、あなたは彼らを辱めた。
7どうか、イスラエルの救いが
シオンから起こるように。
神が御自分の民、捕われ人を連れ帰られるとき
ヤコブは喜び躍り
イスラエルは喜び祝うであろう。
54
1指揮者によって。伴奏付き。マスキール。ダビデの詩。2ジフ人が来て、サウルに「ダビデがわたしたちのもとに隠れている」と話したとき。
3神よ、御名によってわたしを救い
力強い御業によって、わたしを裁いてください。
4神よ、わたしの祈りを聞き
この口にのぼる願いに耳を傾けてください。
5異邦の者がわたしに逆らって立ち
暴虐な者がわたしの命をねらっています。
彼らは自分の前に神を置こうとしないのです。
〔セラ
6見よ、神はわたしを助けてくださる。
主はわたしの魂を支えてくださる。
7わたしを陥れようとする者に災いを報い
あなたのまことに従って
彼らを絶やしてください。
8主よ、わたしは自ら進んでいけにえをささげ
恵み深いあなたの御名に感謝します。
9主は苦難から常に救い出してくださいます。
わたしの目が敵を支配しますように。
55
1指揮者によって。伴奏付き。
マスキール。ダビデの詩。
2神よ、わたしの祈りに耳を向けてください。
嘆き求めるわたしから隠れないでください。
3わたしに耳を傾け、答えてください。
わたしは悩みの中にあってうろたえています。
わたしは不安です。
4敵が声をあげ、神に逆らう者が迫ります。
彼らはわたしに災いをふりかからせようとし
憤って襲いかかります。
5胸の中で心はもだえ
わたしは死の恐怖に襲われています。
6恐れとわななきが湧き起こり
戦慄がわたしを覆い
7わたしは言います。
「鳩の翼がわたしにあれば
飛び去って、宿を求め
8はるかに遠く逃れて
荒れ野で夜を過ごすことができるのに。
〔セラ
9烈しい風と嵐を避け
急いで身を隠すことができるのに。」
10主よ、彼らを絶やしてください。
彼らの舌は分裂を引き起こしています。
わたしには確かに見えます
都に不法と争いのあることが。
11それらは昼も夜も、都の城壁の上を巡り
町中には災いと労苦が
12町中には滅びがあります。
広場からは搾取と詐欺が去りません。
13わたしを嘲る者が敵であれば
それに耐えもしよう。
わたしを憎む者が尊大にふるまうのであれば
彼を避けて隠れもしよう。
14だが、それはお前なのだ。
わたしと同じ人間、わたしの友、知り合った仲。
15楽しく、親しく交わり
神殿の群衆の中を共に行き来したものだった。
16死に襲われるがよい
生きながら陰府に下ればよい
住まいに、胸に、悪を蓄えている者は。
17わたしは神を呼ぶ。
主はわたしを救ってくださる。
18夕べも朝も、そして昼も、わたしは悩んで呻く。
神はわたしの声を聞いてくださる。
19闘いを挑む多くの者のただ中から
わたしの魂を贖い出し、平和に守ってくださる。
20神はわたしの声を聞き、彼らを低くされる。
神はいにしえからいまし
〔セラ
変わることはない。
その神を畏れることなく
21彼らは自分の仲間に手を下し、契約を汚す。
22口は脂肪よりも滑らかに語るが
心には闘いの思いを抱き
言葉は香油よりも優しいが、抜き身の剣に等しい。
23あなたの重荷を主にゆだねよ
主はあなたを支えてくださる。
主は従う者を支え
とこしえに動揺しないように計らってくださる。
24神よ、あなた御自身で
滅びの穴に追い落としてください
欺く者、流血の罪を犯す者を。
彼らが人生の半ばにも達しませんように。
わたしはあなたに依り頼みます。
56
1指揮者によって。「はるかな沈黙の鳩」に合わせて。ダビデの詩。ミクタム。ダビデがガトでペリシテ人に捕えられたとき。
2神よ、わたしを憐れんでください。
わたしは人に踏みにじられています。
戦いを挑む者が絶えることなくわたしを虐げ
3陥れようとする者が
絶えることなくわたしを踏みにじります。
高くいます方よ
多くの者がわたしに戦いを挑みます。
4恐れをいだくとき
わたしはあなたに依り頼みます。
5 神の御言葉を賛美します。
神に依り頼めば恐れはありません。
肉にすぎない者が
わたしに何をなしえましょう。
6わたしの言葉はいつも苦痛となります。
人々はわたしに対して災いを謀り
7待ち構えて争いを起こし
命を奪おうとして後をうかがいます。
8彼らの逃れ場は偶像にすぎません。
神よ、怒りを発し
諸国の民を屈服させてください。
9あなたはわたしの嘆きを数えられたはずです。
あなたの記録に
それが載っているではありませんか。
あなたの革袋にわたしの涙を蓄えてください。
10神を呼べば、敵は必ず退き
神はわたしの味方だとわたしは悟るでしょう。
11 神の御言葉を賛美します。
主の御言葉を賛美します。
12 神に依り頼めば恐れはありません。
人間がわたしに何をなしえましょう。
13神よ、あなたに誓ったとおり
感謝の献げ物をささげます。
14あなたは死からわたしの魂を救い
突き落とされようとしたわたしの足を救い
命の光の中に
神の御前を歩かせてくださいます。
57
1指揮者によって。「滅ぼさないでください」に合わせて。ダビデの詩。ミクタム。ダビデがサウルを逃れて洞窟にいたとき。
2憐れんでください
神よ、わたしを憐れんでください。
わたしの魂はあなたを避けどころとし
災いの過ぎ去るまで
あなたの翼の陰を避けどころとします。
3いと高き神を呼びます
わたしのために何事も成し遂げてくださる神を。
4天から遣わしてください
神よ、遣わしてください、慈しみとまことを。
わたしを踏みにじる者の嘲りから
わたしを救ってください。
〔セラ
5わたしの魂は獅子の中に
火を吐く人の子らの中に伏しています。
彼らの歯は槍のように、矢のように
舌は剣のように、鋭いのです。
6 神よ、天の上に高くいまし
栄光を全地に輝かせてください。
7わたしの魂は屈み込んでいました。
彼らはわたしの足もとに網を仕掛け
わたしの前に落とし穴を掘りましたが
その中に落ち込んだのは彼ら自身でした。
〔セラ
8わたしは心を確かにします。
神よ、わたしは心を確かにして
あなたに賛美の歌をうたいます。
9目覚めよ、わたしの誉れよ
目覚めよ、竪琴よ、琴よ。
わたしは曙を呼び覚まそう。
10主よ、諸国の民の中でわたしはあなたに感謝し
国々の中でほめ歌をうたいます。
11あなたの慈しみは大きく、天に満ち
あなたのまことは大きく、雲を覆います。
12 神よ、天の上に高くいまし
栄光を全地に輝かせてください。
58
1指揮者によって。「滅ぼさないでください」に合わせて。ダビデの詩。ミクタム。
2しかし、お前たちは正しく語り
公平な裁きを行っているというのか
人の子らよ。
3いや、お前たちはこの地で
不正に満ちた心をもってふるまい
お前たちの手は不法を量り売りしている。
4神に逆らう者は
母の胎にあるときから汚らわしく
欺いて語る者は
母の腹にあるときから迷いに陥っている。
5蛇の毒にも似た毒を持ち
耳の聞こえないコブラのように耳をふさいで
6蛇使いの声にも
巧みに呪文を唱える者の呪文にも従おうとしない。
7神が彼らの口から歯を抜き去ってくださるように。
主が獅子の牙を折ってくださるように。
8彼らは水のように捨てられ、流れ去るがよい。
神の矢に射られて衰え果て
9なめくじのように溶け
太陽を仰ぐことのない流産の子となるがよい。
10鍋が柴の炎に焼けるよりも速く
生きながら、怒りの炎に巻き込まれるがよい。
11神に従う人はこの報復を見て喜び
神に逆らう者の血で足を洗うであろう。
12人は言う。
「神に従う人は必ず実を結ぶ。
神はいます。
神はこの地を裁かれる。」
59
1指揮者によって。「滅ぼさないでください」に合わせて。ダビデの詩。ミクタム。サウルがダビデを殺そうと、人を遣わして家を見張らせたとき。
2わたしの神よ、わたしを敵から助け出し
立ち向かう者からはるかに高く置いてください。
3悪を行う者から助け出し
流血の罪を犯す者から救ってください。
4御覧ください、主よ
力ある者がわたしの命をねらって待ち伏せし
争いを仕掛けて来ます。
罪もなく過ちもなく
5悪事をはたらいたこともないわたしを
打ち破ろうとして身構えています。
目覚めてわたしに向かい、御覧ください。
6あなたは主、万軍の神、イスラエルの神。
目を覚まし、国々を罰してください。
悪を行う者、欺く者を容赦しないでください。
〔セラ
7 夕べになると彼らは戻って来て
犬のようにほえ、町を巡ります。
8御覧ください、彼らの口は剣を吐きます。
その唇の言葉を誰が聞くに堪えるでしょう。
9しかし主よ、あなたは彼らを笑い
国々をすべて嘲笑っておられます。
10わたしの力よ、あなたを見張って待ちます。
まことに神はわたしの砦の塔。
11神はわたしに慈しみ深く、先立って進まれます。
わたしを陥れようとする者を
神はわたしに支配させてくださいます。
12彼らを殺してしまわないでください
御力が彼らを動揺させ屈服させることを
わたしの民が忘れることのないように。
わたしたちの盾、主よ。
13口をもって犯す過ち、唇の言葉、傲慢の罠に
自分の唱える呪いや欺く言葉の罠に
彼らが捕えられますように。
14御怒りによって彼らを絶やし
絶やして、ひとりも残さないでください。
そのとき、人は知るでしょう
神はヤコブを支配する方
地の果てまでも支配する方であることを。
〔セラ
15 夕べになると彼らは戻って来て
犬のようにほえ、町を巡ります。
16 彼らは餌食を求めてさまよい
食べ飽きるまでは眠ろうとしません。
17わたしは御力をたたえて歌をささげ
朝には、あなたの慈しみを喜び歌います。
あなたはわたしの砦の塔、苦難の日の逃れ場。
18わたしの力と頼む神よ
あなたにほめ歌をうたいます。
神はわたしの砦の塔。
慈しみ深いわたしの神よ。
60
1指揮者によって。「ゆり」に合わせて。定め。ミクタム。ダビデの詩。教え。2ダビデがアラム・ナハライムおよびツォバのアラムと戦い、ヨアブが帰って来て塩の谷で一万二千人のエドム人を討ち取ったとき。
3神よ、あなたは我らを突き放し
怒って我らを散らされた。
どうか我らを立ち帰らせてください。
4あなたは大地を揺るがせ、打ち砕かれた。
どうか砕かれたところを癒してください
大地は動揺しています。
5あなたは御自分の民に辛苦を思い知らせ
よろめき倒れるほど、辛苦の酒を飲ませられた。
6あなたを畏れる人に対してそれを警告とし
真理を前にして
その警告を受け入れるようにされた。
〔セラ
7あなたの愛する人々が助け出されるように
右の御手でお救いください。
それを我らへの答えとしてください。
8神は聖所から宣言された。
「わたしは喜び勇んでシケムを分配しよう。
スコトの野を測量しよう。
9ギレアドはわたしのもの
マナセもわたしのもの
エフライムはわたしの頭の兜
ユダはわたしの采配
10モアブはわたしのたらい。
エドムにわたしの履物を投げ
ペリシテにわたしの叫びを響かせよう。」
11包囲された町に
誰がわたしを導いてくれるのか。
エドムに、誰がわたしを先導してくれるのか。
12神よ、あなたは我らを突き放されたのか。
神よ、あなたは
我らと共に出陣してくださらないのか。
13どうか我らを助け、敵からお救いください。
人間の与える救いはむなしいものです。
14神と共に我らは力を振るいます。
神が敵を踏みにじってくださいます。
61
1指揮者によって。伴奏付き。
ダビデの詩。
2神よ、わたしの叫びを聞き
わたしの祈りに耳を傾けてください。
3心が挫けるとき
地の果てからあなたを呼びます。
高くそびえる岩山の上に
わたしを導いてください。
4あなたは常にわたしの避けどころ
敵に対する力強い塔となってくださいます。
5あなたの幕屋にわたしはとこしえに宿り
あなたの翼を避けどころとして隠れます。
〔セラ
6神よ、あなたは必ずわたしの誓願を聞き取り
御名を畏れる人に
継ぐべきものをお与えになります。
7王の日々になお日々を加え
その年月を代々に永らえさせてください。
8王が神の前にあってとこしえの王座につき
慈しみとまことに守られますように。
9わたしは永遠にあなたの御名をほめ歌い
日ごとに満願の献げ物をささげます。
62
1指揮者によって。エドトンに合わせて。賛歌。ダビデの詩。
2 わたしの魂は沈黙して、ただ神に向かう。
神にわたしの救いはある。
3 神こそ、わたしの岩、わたしの救い、砦の塔。
わたしは決して動揺しない。
4お前たちはいつまで人に襲いかかるのか。
亡きものにしようとして一団となり
人を倒れる壁、崩れる石垣とし
5人が身を起こせば、押し倒そうと謀る。
常に欺こうとして
口先で祝福し、腹の底で呪う。
〔セラ
6 わたしの魂よ、沈黙して、ただ神に向かえ。
神にのみ、わたしは希望をおいている。
7 神はわたしの岩、わたしの救い、砦の塔。
わたしは動揺しない。
8わたしの救いと栄えは神にかかっている。
力と頼み、避けどころとする岩は神のもとにある。
9民よ、どのような時にも神に信頼し
御前に心を注ぎ出せ。
神はわたしたちの避けどころ。
〔セラ
10人の子らは空しいもの。
人の子らは欺くもの。
共に秤にかけても、息よりも軽い。
11暴力に依存するな。
搾取を空しく誇るな。
力が力を生むことに心を奪われるな。
12ひとつのことを神は語り
ふたつのことをわたしは聞いた
力は神のものであり
13慈しみは、わたしの主よ、あなたのものである、と
ひとりひとりに、その業に従って
あなたは人間に報いをお与えになる、と。
63
1賛歌。ダビデの詩。ダビデがユダの荒れ野にいたとき。
2神よ、あなたはわたしの神。
わたしはあなたを捜し求め
わたしの魂はあなたを渇き求めます。
あなたを待って、わたしのからだは
乾ききった大地のように衰え
水のない地のように渇き果てています。
3今、わたしは聖所であなたを仰ぎ望み
あなたの力と栄えを見ています。
4あなたの慈しみは命にもまさる恵み。
わたしの唇はあなたをほめたたえます。
5命のある限り、あなたをたたえ
手を高く上げ、御名によって祈ります。
6わたしの魂は満ち足りました
乳と髄のもてなしを受けたように。
わたしの唇は喜びの歌をうたい
わたしの口は賛美の声をあげます。
7床に就くときにも御名を唱え
あなたへの祈りを口ずさんで夜を過ごします。
8あなたは必ずわたしを助けてくださいます。
あなたの翼の陰でわたしは喜び歌います。
9わたしの魂はあなたに付き従い
あなたは右の御手でわたしを支えてくださいます。
10わたしの命を奪おうとする者は必ず滅ぼされ
陰府の深みに追いやられますように。
11剣にかかり、山犬の餌食となりますように。
12神によって、王は喜び祝い
誓いを立てた者は誇りますように。
偽って語る口は、必ず閉ざされますように。
64
1指揮者によって。賛歌。
ダビデの詩。
2神よ、悩み訴えるわたしの声をお聞きください。
敵の脅威からわたしの命をお守りください。
3わたしを隠してください
さいなむ者の集いから、悪を行う者の騒ぎから。
4彼らは舌を鋭い剣とし
毒を含む言葉を矢としてつがえ
5隠れた所から無垢な人を射ようと構え
突然射かけて、恐れもしません。
6彼らは悪事にたけ、共謀して罠を仕掛け
「見抜かれることはない」と言います。
7巧妙に悪を謀り
「我らの謀は巧妙で完全だ。
人は胸に深慮を隠す」と言います。
8神は彼らに矢を射かけ
突然、彼らは討たれるでしょう。
9自分の舌がつまずきのもとになり
見る人は皆、頭を振って侮るでしょう。
10人は皆、恐れて神の働きを認め
御業に目覚めるでしょう。
11主に従う人は主を避けどころとし、喜び祝い
心のまっすぐな人は皆、主によって誇ります。
65
1指揮者によって。賛歌。
ダビデの詩。歌。
2沈黙してあなたに向かい、賛美をささげます。
シオンにいます神よ。
あなたに満願の献げ物をささげます。
3祈りを聞いてくださる神よ
すべて肉なるものはあなたのもとに来ます。
4罪の数々がわたしを圧倒します。
背いたわたしたちを
あなたは贖ってくださいます。
5いかに幸いなことでしょう
あなたに選ばれ、近づけられ
あなたの庭に宿る人は。
恵みの溢れるあなたの家、聖なる神殿によって
わたしたちが満ち足りますように。
6わたしたちの救いの神よ
あなたの恐るべき御業が
わたしたちへのふさわしい答えでありますように。
遠い海、地の果てに至るまで
すべてのものがあなたに依り頼みます。
7御力をもって山々を固く据え
雄々しさを身に帯びておられる方。
8大海のどよめき、波のどよめき
諸国の民の騒ぎを鎮める方。
9お与えになる多くのしるしを見て
地の果てに住む民は畏れ敬い
朝と夕べの出で立つところには
喜びの歌が響きます。
10あなたは地に臨んで水を与え
豊かさを加えられます。
神の水路は水をたたえ、地は穀物を備えます。
あなたがそのように地を備え
11畝を潤し、土をならし
豊かな雨を注いで柔らかにし
芽生えたものを祝福してくださるからです。
12あなたは豊作の年を冠として地に授けられます。
あなたの過ぎ行かれる跡には油が滴っています。
13荒れ野の原にも滴り
どの丘も喜びを帯とし
14牧場は羊の群れに装われ
谷は麦に覆われています。
ものみな歌い、喜びの叫びをあげています。
66
1指揮者によって。歌。賛歌。
全地よ、神に向かって喜びの叫びをあげよ。
2御名の栄光をほめ歌え。
栄光に賛美を添えよ。
3神に向かって歌え
「御業はいかに恐るべきものでしょう。
御力は強く、敵はあなたに服します。
4全地はあなたに向かってひれ伏し
あなたをほめ歌い
御名をほめ歌います」と。
〔セラ
5来て、神の御業を仰げ
人の子らになされた恐るべき御業を。
6神は海を変えて乾いた地とされた。
人は大河であったところを歩いて渡った。
それゆえ、我らは神を喜び祝った。
7神はとこしえに力強く支配し
御目は国々を見渡す。
背く者は驕ることを許されない。
〔セラ
8諸国の民よ、我らの神を祝し
賛美の歌声を響かせよ。
9神は我らの魂に命を得させてくださる。
我らの足がよろめくのを許されない。
10神よ、あなたは我らを試みられた。
銀を火で練るように我らを試された。
11あなたは我らを網に追い込み
我らの腰に枷をはめ
12人が我らを駆り立てることを許された。
我らは火の中、水の中を通ったが
あなたは我らを導き出して
豊かな所に置かれた。
13わたしは献げ物を携えて神殿に入り
満願の献げ物をささげます。
14わたしが苦難の中で唇を開き
この口をもって誓ったように
15肥えた獣をささげ、香りと共に雄羊を
雄山羊と共に雄牛を焼き尽くしてささげます。
〔セラ
16神を畏れる人は皆、聞くがよい
わたしに成し遂げてくださったことを物語ろう。
17神に向かってわたしの口は声をあげ
わたしは舌をもってあがめます。
18わたしが心に悪事を見ているなら
主は聞いてくださらないでしょう。
19しかし、神はわたしの祈る声に耳を傾け
聞き入れてくださいました。
20神をたたえよ。
神はわたしの祈りを退けることなく
慈しみを拒まれませんでした。
67
1指揮者によって。伴奏付き。賛歌。歌。
2神がわたしたちを憐れみ、祝福し
御顔の輝きを
わたしたちに向けてくださいますように
〔セラ
3あなたの道をこの地が知り
御救いをすべての民が知るために。
4 神よ、すべての民が
あなたに感謝をささげますように。
すべての民が、こぞって
あなたに感謝をささげますように。
5諸国の民が喜び祝い、喜び歌いますように
あなたがすべての民を公平に裁き
この地において諸国の民を導かれることを。
〔セラ
6 神よ、すべての民が
あなたに感謝をささげますように。
すべての民が、こぞって
あなたに感謝をささげますように。
7大地は作物を実らせました。
神、わたしたちの神が
わたしたちを祝福してくださいますように。
8神がわたしたちを祝福してくださいますように。
地の果てに至るまで
すべてのものが神を畏れ敬いますように。
68
1指揮者によって。ダビデの詩。
賛歌。歌。
2神は立ち上がり、敵を散らされる。
神を憎む者は御前から逃げ去る。
3煙は必ず吹き払われ、蠟は火の前に溶ける。
神に逆らう者は必ず御前に滅び去る。
4神に従う人は誇らかに喜び祝い
御前に喜び祝って楽しむ。
5神に向かって歌え、御名をほめ歌え。
雲を駆って進む方に道を備えよ。
その名を主と呼ぶ方の御前に喜び勇め。
6神は聖なる宮にいます。
みなしごの父となり
やもめの訴えを取り上げてくださる。
7神は孤独な人に身を寄せる家を与え
捕われ人を導き出して清い所に住ませてくださる。
背く者は焼けつく地に住まねばならない。
8神よ、あなたが民を導き出し
荒れ果てた地を行進されたとき
〔セラ
9地は震え、天は雨を滴らせた
シナイにいます神の御前に
神、イスラエルの神の御前に。
10神よ、あなたは豊かに雨を賜り
あなたの衰えていた嗣業を固く立てて
11あなたの民の群れをその地に住ませてくださった。
恵み深い神よ
あなたは貧しい人にその地を備えられた。
12主は約束をお与えになり
大勢の女たちが良い知らせを告げる
13「王たちは軍勢と共に逃げ散る、逃げ散る」と。
家にいる美しい女も戦利品を分けている。
14あなたたちは二つの鞍袋の間に横たわるのか。
鳩の翼は銀に、羽は黄金に被われている。
15全能者が王たちを散らされるとき
ツァルモン山に雪が降るであろう。
16神々しい山、バシャンの山
峰を連ねた山、バシャンの山
17峰を連ねた山よ、なぜ、うかがうのか
神が愛して御自分の座と定められた山を
主が永遠にお住みになる所を。
18神の戦車は幾千、幾万
主はそのただ中にいます。
シナイの神は聖所にいます。
19主よ、神よ
あなたは高い天に上り、人々をとりことし
人々を貢ぎ物として取り、背く者も取られる。
彼らはそこに住み着かせられる。
20主をたたえよ
日々、わたしたちを担い、救われる神を。
〔セラ
21この神はわたしたちの神、救いの御業の神
主、死から解き放つ神。
22神は必ず御自分の敵の頭を打ち
咎のうちに歩み続ける者の
髪に覆われた頭を打たれる。
23主は言われる。
「バシャンの山からわたしは連れ帰ろう。
海の深い底から連れ帰ろう。
24あなたは敵を打って足をその血に浸し
あなたの犬も分け前として敵の血に舌を浸す。」
25神よ、あなたの行進が見える。
わたしの神、わたしの王は聖所に行進される。
26歌い手を先頭に、続いて楽を奏する者
おとめらの中には太鼓を打つ者。
27聖歌隊によって神をたたえよ
イスラエルの源からの主を。
28若いベニヤミンがそこで彼らを統率する。
ユダの君侯らは彼らの指導者
ゼブルンの君侯ら、ナフタリの君侯らもいる。
29あなたの神は命じられる
あなたが力を帯びることを。
神よ、力を振るってください
わたしたちのために行動を起こしてください。
30あなたの神殿からエルサレムの上に。
あなたのもとに王たちは献げ物を携えて来ます。
31𠮟咤してください、葦の茂みに住む獣を
諸国の民を子牛のように伴う猛牛の一群を
銀の品々を踏みにじるものを。
闘いを望む国々の民を散らしてください。
32エジプトから青銅の品々が到来し
クシュは、神に向かって手を伸べる。
33地の王国よ、共に神に向かって歌い
主にほめ歌をうたえ
〔セラ
34いにしえよりの高い天を駆って進む方に。
神は御声を、力強い御声を発せられる。
35力を神に帰せよ。
神の威光はイスラエルの上にあり
神の威力は雲の彼方にある。
36神よ、あなたは聖所にいまし、恐るべき方。
イスラエルの神は御自分の民に力と権威を賜る。
神をたたえよ。
69
1指揮者によって。「ゆり」に合わせて。ダビデの詩。
2神よ、わたしを救ってください。
大水が喉元に達しました。
3わたしは深い沼にはまり込み
足がかりもありません。
大水の深い底にまで沈み
奔流がわたしを押し流します。
4叫び続けて疲れ、喉は涸れ
わたしの神を待ち望むあまり
目は衰えてしまいました。
5理由もなくわたしを憎む者は
この頭の髪よりも数多く
いわれなくわたしに敵意を抱く者
滅ぼそうとする者は力を増して行きます。
わたしは自分が奪わなかったものすら
償わねばなりません。
6神よ、わたしの愚かさは、よくご存じです。
罪過もあなたには隠れもないことです。
7万軍の主、わたしの神よ
あなたに望みをおく人々が
わたしを恥としませんように。
イスラエルの神よ
あなたを求める人々が
わたしを屈辱としませんように。
8わたしはあなたゆえに嘲られ
顔は屈辱に覆われています。
9兄弟はわたしを失われた者とし
同じ母の子らはわたしを異邦人とします。
10あなたの神殿に対する熱情が
わたしを食い尽くしているので
あなたを嘲る者の嘲りが
わたしの上にふりかかっています。
11わたしが断食して泣けば
そうするからといって嘲られ
12粗布を衣とすれば
それもわたしへの嘲りの歌になります。
13町の門に座る人々はわたしを非難し
強い酒に酔う者らはわたしのことを歌います。
14あなたに向かってわたしは祈ります。
主よ、御旨にかなうときに
神よ、豊かな慈しみのゆえに
わたしに答えて確かな救いをお与えください。
15泥沼にはまり込んだままにならないように
わたしを助け出してください。
わたしを憎む者から
大水の深い底から助け出してください
16奔流がわたしを押し流すことのないように
深い沼がわたしをひと呑みにしないように
井戸がわたしの上に口を閉ざさないように。
17恵みと慈しみの主よ、わたしに答えてください
憐れみ深い主よ、御顔をわたしに向けてください。
18あなたの僕に御顔を隠すことなく
苦しむわたしに急いで答えてください。
19わたしの魂に近づき、贖い
敵から解放してください。
20わたしが受けている嘲りを
恥を、屈辱を、あなたはよくご存じです。
わたしを苦しめる者は、すべて御前にいます。
21嘲りに心を打ち砕かれ
わたしは無力になりました。
望んでいた同情は得られず
慰めてくれる人も見いだせません。
22人はわたしに苦いものを食べさせようとし
渇くわたしに酢を飲ませようとします。
23どうか、彼らの食卓が彼ら自身に罠となり
仲間には落とし穴となりますように。
24彼らの目を暗くして
見ることができないようにし
腰は絶えず震えるようにしてください。
25あなたの憤りを彼らに注ぎ
激しい怒りで圧倒してください。
26彼らの宿営は荒れ果て
天幕には住む者もなくなりますように。
27あなたに打たれた人を、彼らはなおも迫害し
あなたに刺し貫かれた人の痛みを話の種にします。
28彼らの悪には悪をもって報い
恵みの御業に
彼らを決してあずからせないでください。
29命の書から彼らを抹殺してください。
あなたに従う人々に並べて
そこに書き記さないでください。
30わたしは卑しめられ、苦痛の中にあります。
神よ、わたしを高く上げ、救ってください。
31神の御名を賛美してわたしは歌い
御名を告白して、神をあがめます。
32それは雄牛のいけにえよりも
角をもち、ひづめの割れた牛よりもなお
主に喜ばれることでしょう。
33貧しい人よ、これを見て喜び祝え。
神を求める人々には
健やかな命が与えられますように。
34主は乏しい人々に耳を傾けてくださいます。
主の民の捕われ人らを
決しておろそかにはされないでしょう。
35天よ地よ、主を賛美せよ
海も、その中にうごめくものもすべて。
36神は必ずシオンを救い
ユダの町々を再建してくださる。
彼らはその地に住み、その地を継ぐ。
37主の僕らの子孫はそこを嗣業とし
御名を愛する人々はその地に住み着く。
70
1指揮者によって。ダビデの詩。
記念。
2神よ、速やかにわたしを救い出し
主よ、わたしを助けてください。
3わたしの命をねらう者が
恥を受け、嘲られ
わたしを災いに遭わせようと望む者が
侮られて退き
4はやし立てる者が
恥を受けて逃げ去りますように。
5あなたを尋ね求める人が
あなたによって喜び祝い、楽しみ
御救いを愛する人が
神をあがめよといつも歌いますように。
6神よ、わたしは貧しく、身を屈めています。
速やかにわたしを訪れてください。
あなたはわたしの助け、わたしの逃れ場。
主よ、遅れないでください。
71
1主よ、御もとに身を寄せます。
とこしえに恥に落とすことなく
2恵みの御業によって助け、逃れさせてください。
あなたの耳をわたしに傾け、お救いください。
3常に身を避けるための住まい、岩となり
わたしを救おうと定めてください。
あなたはわたしの大岩、わたしの砦。
4わたしの神よ、あなたに逆らう者の手から
悪事を働く者、不法を働く者の手から
わたしを逃れさせてください。
5主よ、あなたはわたしの希望。
主よ、わたしは若いときからあなたに依り頼み
6母の胎にあるときから
あなたに依りすがって来ました。
あなたは母の腹から
わたしを取り上げてくださいました。
わたしは常にあなたを賛美します。
7多くの人はわたしに驚きます。
あなたはわたしの避けどころ、わたしの砦。
8わたしの口は賛美に満ち
絶えることなくあなたの輝きをたたえます。
9老いの日にも見放さず
わたしに力が尽きても捨て去らないでください。
10敵がわたしのことを話し合い
わたしの命をうかがう者が共に謀り
11言っています
「神が彼を捨て去ったら、追い詰めて捕えよう。
彼を助ける者はもういない」と。
12神よ、わたしを遠く離れないでください。
わたしの神よ、今すぐわたしをお助けください。
13わたしの魂に敵対する者が
恥に落とされ、滅ぼされますように。
わたしが災いに遭うことを求める者が
嘲りと辱めに包まれますように。
14わたしは常に待ち望み
繰り返し、あなたを賛美します。
15わたしの口は恵みの御業を
御救いを絶えることなく語り
なお、決して語り尽くすことはできません。
16しかし主よ、わたしの主よ
わたしは力を奮い起こして進みいで
ひたすら恵みの御業を唱えましょう。
17神よ、わたしの若いときから
あなた御自身が常に教えてくださるので
今に至るまでわたしは
驚くべき御業を語り伝えて来ました。
18わたしが老いて白髪になっても
神よ、どうか捨て去らないでください。
御腕の業を、力強い御業を
来るべき世代に語り伝えさせてください。
19神よ、恵みの御業は高い天に広がっています。
あなたはすぐれた御業を行われました。
神よ、誰があなたに並びえましょう。
20あなたは多くの災いと苦しみを
わたしに思い知らせられましたが
再び命を得させてくださるでしょう。
地の深い淵から
再び引き上げてくださるでしょう。
21ひるがえって、わたしを力づけ
すぐれて大いなるものとしてくださるでしょう。
22わたしもまた、わたしの神よ
琴に合わせてあなたのまことに感謝をささげます。
イスラエルの聖なる方よ
わたしは竪琴に合わせてほめ歌をうたいます。
23わたしの唇は喜びの声をあげ
あなたが贖ってくださったこの魂は
あなたにほめ歌をうたいます。
24わたしの舌は絶えることなく
恵みの御業を歌います。
わたしが災いに遭うことを望む者が
どうか、恥と辱めに落とされますように。
72
1ソロモンの詩。
神よ、あなたによる裁きを、王に
あなたによる恵みの御業を、王の子に
お授けください。
2王が正しくあなたの民の訴えを取り上げ
あなたの貧しい人々を裁きますように。
3山々が民に平和をもたらし
丘が恵みをもたらしますように。
4王が民を、この貧しい人々を治め
乏しい人の子らを救い
虐げる者を砕きますように。
5王が太陽と共に永らえ
月のある限り、代々に永らえますように。
6王が牧場に降る雨となり
地を潤す豊かな雨となりますように。
7生涯、神に従う者として栄え
月の失われるときまでも
豊かな平和に恵まれますように。
8王が海から海まで
大河から地の果てまで、支配しますように。
9砂漠に住む者が彼の前に身を屈め
敵が塵をなめますように。
10タルシシュや島々の王が献げ物を
シェバやセバの王が貢ぎ物を納めますように。
11すべての王が彼の前にひれ伏し
すべての国が彼に仕えますように。
12王が助けを求めて叫ぶ乏しい人を
助けるものもない貧しい人を救いますように。
13弱い人、乏しい人を憐れみ
乏しい人の命を救い
14不法に虐げる者から彼らの命を贖いますように。
王の目に彼らの血が貴いものとされますように。
15王が命を得ますように。
彼にシェバの黄金がささげられますように。
彼のために人々が常に祈り
絶え間なく彼を祝福しますように。
16この地には、一面に麦が育ち
山々の頂にまで波打ち
その実りはレバノンのように豊かで
町には人が地の青草ほどにも茂りますように。
17王の名がとこしえに続き
太陽のある限り、その名が栄えますように。
国々の民は皆、彼によって祝福を受け
彼を幸いな人と呼びますように。
18 主なる神をたたえよ
イスラエルの神
ただひとり驚くべき御業を行う方を。
19 栄光に輝く御名をとこしえにたたえよ
栄光は全地を満たす。
アーメン、アーメン。
20 エッサイの子ダビデの祈りの終り。
73
1賛歌。アサフの詩。
神はイスラエルに対して
心の清い人に対して、恵み深い。
2それなのにわたしは、あやうく足を滑らせ
一歩一歩を踏み誤りそうになっていた。
3神に逆らう者の安泰を見て
わたしは驕る者をうらやんだ。
4死ぬまで彼らは苦しみを知らず
からだも肥えている。
5だれにもある労苦すら彼らにはない。
だれもがかかる病も彼らには触れない。
6傲慢は首飾りとなり
不法は衣となって彼らを包む。
7目は脂肪の中から見まわし
心には悪だくみが溢れる。
8彼らは侮り、災いをもたらそうと定め
高く構え、暴力を振るおうと定める。
9口を天に置き
舌は地を行く。
10 (民がここに戻っても
水を見つけることはできないであろう。)
11そして彼らは言う。
「神が何を知っていようか。
いと高き神にどのような知識があろうか。」
12見よ、これが神に逆らう者。
とこしえに安穏で、財をなしていく。
13わたしは心を清く保ち
手を洗って潔白を示したが、むなしかった。
14日ごと、わたしは病に打たれ
朝ごとに懲らしめを受ける。
15 「彼らのように語ろう」と望んだなら
見よ、あなたの子らの代を
裏切ることになっていたであろう。
16わたしの目に労苦と映ることの意味を
知りたいと思い計り
17ついに、わたしは神の聖所を訪れ
彼らの行く末を見分けた
18あなたが滑りやすい道を彼らに対して備え
彼らを迷いに落とされるのを
19彼らを一瞬のうちに荒廃に落とし
災難によって滅ぼし尽くされるのを
20わが主よ、あなたが目覚め
眠りから覚めた人が夢を侮るように
彼らの偶像を侮られるのを。
21わたしは心が騒ぎ
はらわたの裂ける思いがする。
22わたしは愚かで知識がなく
あなたに対して獣のようにふるまっていた。
23あなたがわたしの右の手を取ってくださるので
常にわたしは御もとにとどまることができる。
24あなたは御計らいに従ってわたしを導き
後には栄光のうちにわたしを取られるであろう。
25地上であなたを愛していなければ
天で誰がわたしを助けてくれようか。
26わたしの肉もわたしの心も朽ちるであろうが
神はとこしえにわたしの心の岩
わたしに与えられた分。
27見よ、あなたから遠ざかる者は滅びる。
御もとから迷い去る者をあなたは絶たれる。
28わたしは、神に近くあることを幸いとし
主なる神に避けどころを置く。
わたしは御業をことごとく語り伝えよう。
74
1マスキール。アサフの詩。
神よ、なぜあなたは
養っておられた羊の群れに怒りの煙をはき
永遠に突き放してしまわれたのですか。
2どうか、御心に留めてください
すでにいにしえから御自分のものとし
御自分の嗣業の部族として贖われた会衆を
あなたのいます所であったこのシオンの山を。
3永遠の廃虚となったところに足を向けてください。
敵は聖所のすべてに災いをもたらしました。
4あなたに刃向かう者は、至聖所の中でほえ猛り
自分たちのしるしをしるしとして立てました。
5彼らが木の茂みの中を
斧を携えて上るのが見えると
6ただちに手斧、まさかりを振るって
彫り物の飾りをすべて打ち壊し
7あなたの聖所に火をかけ
御名の置かれた所を地に引き倒して汚しました。
8「すべて弾圧せねばならない」と心に言って
この地にある神の会堂をすべて焼き払いました。
9わたしたちのためのしるしは見えません。
今は預言者もいません。
いつまで続くのかを知る者もありません。
10神よ、刃向かう者はいつまで嘲るのでしょうか。
敵は永久にあなたの御名を侮るのでしょうか。
11なぜ、手を引いてしまわれたのですか
右の御手は、ふところに入れられたまま。
12しかし神よ、いにしえよりのわたしの王よ
この地に救いの御業を果たされる方よ。
13あなたは、御力をもって海を分け
大水の上で竜の頭を砕かれました。
14レビヤタンの頭を打ち砕き
それを砂漠の民の食糧とされたのもあなたです。
15あなたは、泉や川を開かれましたが
絶えることのない大河の水を涸らされました。
16あなたは、太陽と光を放つ物を備えられました。
昼はあなたのもの、そして夜もあなたのものです。
17あなたは、地の境をことごとく定められました。
夏と冬を造られたのもあなたです。
18主よ、御心に留めてください、敵が嘲るのを
神を知らぬ民があなたの御名を侮るのを。
19あなたの鳩の魂を獣に渡さないでください。
あなたの貧しい人々の命を
永遠に忘れ去らないでください。
20契約を顧みてください。
地の暗い隅々には
不法の住みかがひしめいています。
21どうか、虐げられた人が再び辱められることなく
貧しい人、乏しい人が
御名を賛美することができますように。
22神よ、立ち上がり
御自分のために争ってください。
神を知らぬ者が絶えずあなたを嘲っているのを
御心に留めてください。
23あなたに刃向かう者のあげる声
あなたに立ち向かう者の常に起こす騒ぎを
どうか、決して忘れないでください。
75
1指揮者によって。「滅ぼさないでください」に合わせて。賛歌。アサフの詩。歌。
2あなたに感謝をささげます。
神よ、あなたに感謝をささげます。
御名はわたしたちの近くにいまし
人々は驚くべき御業を物語ります。
3「わたしは必ず時を選び、公平な裁きを行う。
4地はそこに住むすべてのものと共に
溶け去ろうとしている。
しかし、わたしは自ら地の柱を固める。
〔セラ
5わたしは驕る者たちに、驕るなと言おう。
逆らう者に言おう、角をそびやかすなと。
6お前たちの角を高くそびやかすな。
胸を張って断言するな。」
7そうです、人を高く上げるものは
東からも西からも、荒れ野からも来ません。
8神が必ず裁きを行い
ある者を低く、ある者を高くなさるでしょう。
9すでに杯は主の御手にあり
調合された酒が泡立っています。
主はこれを注がれます。
この地の逆らう者は皆、それを飲み
おりまで飲み干すでしょう。
10わたしはとこしえにこのことを語り継ぎ
ヤコブの神にほめ歌をささげます。
11「わたしは逆らう者の角をことごとく折り
従う者の角を高く上げる。」
76
1指揮者によって。伴奏付き。賛歌。
アサフの詩。歌。
2神はユダに御自らを示され
イスラエルに御名の大いなることを示される。
3神の幕屋はサレムにあり
神の宮はシオンにある。
4そこにおいて、神は弓と火の矢を砕き
盾と剣を、そして戦いを砕かれる。
〔セラ
5あなたが、餌食の山々から
光を放って力強く立たれるとき
6勇敢な者も狂気のうちに眠り
戦士も手の力を振るいえなくなる。
7ヤコブの神よ、あなたが𠮟咤されると
戦車も馬も深い眠りに陥る。
8あなたこそ、あなたこそ恐るべき方。
怒りを発せられるとき、誰が御前に立ちえよう。
9あなたは天から裁きを告知し
地は畏れて鎮まる。
10神は裁きを行うために立ち上がり
地の貧しい人をすべて救われる。
〔セラ
11怒り猛る者もあなたを認める
あなたが激しい怒りの名残を帯とされるとき。
12あなたたちの神、主に誓いを立て、それを果たせ。
取り囲むすべての民は
恐るべき方に貢ぎ物をもたらすがよい。
13地の王たちの畏れる方は
支配者の霊をも断たれるであろう。
77
1指揮者によって。エドトンに合わせて。アサフの詩。賛歌。
2神に向かってわたしは声をあげ
助けを求めて叫びます。
神に向かってわたしは声をあげ
神はわたしに耳を傾けてくださいます。
3苦難の襲うとき、わたしは主を求めます。
夜、わたしの手は疲れも知らず差し出され
わたしの魂は慰めを受け入れません。
4神を思い続けて呻き
わたしの霊は悩んでなえ果てます。
〔セラ
5あなたはわたしのまぶたをつかんでおられます。
心は騒ぎますが、わたしは語りません。
6いにしえの日々をわたしは思います
とこしえに続く年月を。
7夜、わたしの歌を心に思い続け
わたしの霊は悩んで問いかけます。
8「主はとこしえに突き放し
再び喜び迎えてはくださらないのか。
9主の慈しみは永遠に失われたのであろうか。
約束は代々に断たれてしまったのであろうか。
10神は憐れみを忘れ
怒って、同情を閉ざされたのであろうか。」
〔セラ
11わたしは言います。
「いと高き神の右の御手は変わり
わたしは弱くされてしまった。」
12わたしは主の御業を思い続け
いにしえに、あなたのなさった奇跡を思い続け
13あなたの働きをひとつひとつ口ずさみながら
あなたの御業を思いめぐらします。
14神よ、あなたの聖なる道を思えば
あなたのようにすぐれた神はあるでしょうか。
15あなたは奇跡を行われる神
諸国の民の中に御力を示されました。
16御腕をもって御自分の民を
ヤコブとヨセフの子らを贖われました。
〔セラ
17 大水はあなたを見た。
神よ、大水はあなたを見て、身もだえし
深淵はおののいた。
18 雨雲は水を注ぎ
雲は声をあげた。
あなたの矢は飛び交い
19 あなたの雷鳴は車のとどろきのよう。
稲妻は世界を照らし出し
地はおののき、震えた。
20 あなたの道は海の中にあり
あなたの通られる道は大水の中にある。
あなたの踏み行かれる跡を知る者はない。
21あなたはモーセとアロンの手をとおして
羊の群れのように御自分の民を導かれました。
78
1マスキール。アサフの詩。
わたしの民よ、わたしの教えを聞き
わたしの口の言葉に耳を傾けよ。
2わたしは口を開いて箴言を
いにしえからの言い伝えを告げよう
3わたしたちが聞いて悟ったこと
先祖がわたしたちに語り伝えたことを。
4子孫に隠さず、後の世代に語り継ごう
主への賛美、主の御力を
主が成し遂げられた驚くべき御業を。
5主はヤコブの中に定めを与え
イスラエルの中に教えを置き
それを子孫に示すように
わたしたちの先祖に命じられた。
6子らが生まれ、後の世代が興るとき
彼らもそれを知り
その子らに語り継がなければならない。
7子らが神に信頼をおき
神の御業を決して忘れず
その戒めを守るために
8先祖のように
頑な反抗の世代とならないように
心が確かに定まらない世代
神に不忠実な霊の世代とならないように。
9エフライムの子らは武装し
弓を射る者であったが
闘いの日に、裏切った。
10彼らは神との契約を守らず
その教えに従って歩むことを拒み
11その御業をことごとく忘れた
彼らに示された驚くべき御業を。
12エジプトの地、ツォアンの野で
神は先祖に対して不思議な御業を行い
13海を開いて彼らを渡らせる間
水をせきとめておかれた。
14昼は雲をもって
夜は燃え続ける火の光をもって彼らを導かれた。
15荒れ野では岩を開き
深淵のように豊かな水を飲ませてくださった。
16岩から流れを引き出されたので
水は大河のように流れ下った。
17彼らは重ねて罪を犯し
砂漠でいと高き方に反抗した。
18心のうちに神を試み
欲望のままに食べ物を得ようとし
19神に対してつぶやいて言った。
「荒れ野で食卓を整えることが
神にできるのだろうか。
20神が岩を打てば水がほとばしり出て
川となり、溢れ流れるが
民にパンを与えることができるだろうか
肉を用意することができるだろうか。」
21主はこれを聞いて憤られた。
火はヤコブの中に燃え上がり
怒りはイスラエルの中に燃えさかった。
22彼らは神を信じようとせず
御救いに依り頼まなかった。
23それでもなお、神は上から雲に命じ
天の扉を開き
24彼らの上にマナを降らせ、食べさせてくださった。
神は天からの穀物をお与えになり
25人は力ある方のパンを食べた。
神は食べ飽きるほどの糧を送られた。
26神は東風を天から送り
御力をもって南風を起こし
27彼らの上に肉を塵のように降らせ
翼ある鳥を海辺の砂のように降らせ
28彼らの陣営の中に
宿る所の周りに落としてくださった。
29彼らは食べて飽き足りた。
神は彼らの欲望を満たしてくださった。
30彼らが欲望から離れず
食べ物が口の中にあるうちに
31神の怒りが彼らの中に燃えさかり
その肥え太った者を殺し
イスラエルの若者たちを倒した。
32それにもかかわらず、彼らはなお罪を犯し
驚くべき御業を信じなかったので
33神は彼らの生涯をひと息のうちに
彼らの年月を恐怖のうちに断とうとされた。
34神が彼らを殺そうとされると
彼らは神を求め、立ち帰って、神を捜し求めた。
35「神は岩、いと高き神は贖い主」と唱えながらも
36その口をもって神を侮り
舌をもって欺いた。
37彼らの心は神に対して確かに定まらず
その契約に忠実ではなかった。
38しかし、神は憐れみ深く、罪を贖われる。
彼らを滅ぼすことなく、繰り返し怒りを静め
憤りを尽くされることはなかった。
39神は御心に留められた
人間は肉にすぎず
過ぎて再び帰らない風であることを。
40どれほど彼らは荒れ野で神に反抗し
砂漠で御心を痛めたことか。
41繰り返し神を試み
イスラエルの聖なる方を傷つけ
42御手の力を思わず
敵の手から贖われた日を思い起こさなかった。
43神はエジプトで多くのしるしを与え
ツォアンの野で奇跡を示された。
44川の水を血に変えられたので
その流れは飲めなくなった。
45あぶを送って彼らに食いつかせ
蛙を送って荒廃させられた。
46作物をいなごの群れに与え
労して得たものをいなごに与えられた。
47神はぶどうの木を雹で打ち
いちじく桑を霜で枯らし
48家畜を雹に渡し
その群れを稲妻に渡された。
49神は燃える怒りと憤りを
激しい怒りと苦しみを
災いの使いとして彼らの中に送られた。
50神は御怒りを現す道を備え
彼らの魂を死に渡して惜しまず
彼らの命を疫病に渡し
51エジプトのすべての初子を
ハムの天幕において
力の最初の実りを打たれた。
52神は御自分の民を羊のように導き出し
荒れ野で家畜の群れのように導かれた。
53彼らは信頼して導かれ、恐れることはなかった。
海が彼らの敵を覆った。
54神は彼らを御自分の聖地の境にまで導かれた。
右の御手をもって得られたその山に。
55彼らの前から諸国の民を追い払い
彼らの嗣業を測り縄で定め
イスラエルの諸部族を
それぞれの天幕に住まわせられた。
56彼らはいと高き神を試み
反抗し、その定めを守らず
57先祖と同じように背き、裏切り
欺く弓で射た矢のようにそれて行き
58異教の祭壇に仕えて神を怒らせ
偶像を拝んで神の激情を引き起こした。
59神は聞いて憤り
イスラエルを全く拒み
60シロの聖所、人によって張られた幕屋を捨て
61御力の箱がとりこになるにまかせ
栄光の輝きを敵の手に渡された。
62神は御自分の民を剣に渡し
御自分の嗣業に怒りを注がれた。
63火は若者をなめ尽くし
おとめは喜びを奪われ
64祭司は剣に倒れ
やもめは嘆くことすらしなかった。
65主は、眠りから覚めた人のように
酔いから覚めた勇士のように奮い立ち
66敵を撃って退かせ
とこしえに嘲られるものとされた。
67主はヨセフの天幕を拒み
エフライム族を選ばず
68ユダ族と、愛するシオンの山を選び
69御自分の聖所を高い天のように建て
とこしえの基を据えた地のように建てられた。
70僕ダビデを選び、羊のおりから彼を取り
71乳を飲ませている羊の後ろから取って
御自分の民ヤコブを
御自分の嗣業イスラエルを養う者とされた。
72彼は無垢な心をもって彼らを養い
英知に満ちた手をもって導いた。
79
1賛歌。アサフの詩。
神よ、異国の民があなたの嗣業を襲い
あなたの聖なる神殿を汚し
エルサレムを瓦礫の山としました。
2あなたの僕らの死体を空の鳥の餌とし
あなたの慈しみに生きた人々の肉を
地の獣らの餌としました。
3彼らは、エルサレムの周囲に
この人々の血を水のように流します。
葬る者もありません。
4わたしたちは近隣の民に辱められ
周囲の民に嘲られ、そしられています。
5主よ、いつまで続くのでしょう。
あなたは永久に憤っておられるのでしょうか。
あなたの激情は火と燃え続けるのでしょうか。
6御怒りを注いでください
あなたを知ろうとしない異国の民の上に
あなたの御名を呼び求めない国々の上に。
7彼らはヤコブを食いものにし
その住みかを荒廃させました。
8どうか、わたしたちの昔の悪に御心を留めず
御憐れみを速やかに差し向けてください。
わたしたちは弱り果てました。
9わたしたちの救いの神よ、わたしたちを助けて
あなたの御名の栄光を輝かせてください。
御名のために、わたしたちを救い出し
わたしたちの罪をお赦しください。
10どうして異国の民に言わせてよいでしょうか
「彼らの神はどこにいる」と。
あなたの僕らの注ぎ出された血に対する報復を
異国の民の中で、わたしたちが
目の前に見ることができますように。
11捕われ人の嘆きが御前に届きますように。
御腕の力にふさわしく
死に定められている人々を
生き長らえさせてください。
12主よ、近隣の民のふところに
あなたを辱めた彼らの辱めを
七倍にして返してください。
13わたしたちはあなたの民
あなたに養われる羊の群れ。
とこしえに、あなたに感謝をささげ
代々に、あなたの栄誉を語り伝えます。
80
1指揮者によって。「ゆり」に合わせて。定め。アサフの詩。賛歌。
2イスラエルを養う方
ヨセフを羊の群れのように導かれる方よ
御耳を傾けてください。
ケルビムの上に座し、顕現してください
3エフライム、ベニヤミン、マナセの前に。
目覚めて御力を振るい
わたしたちを救うために来てください。
4 神よ、わたしたちを連れ帰り
御顔の光を輝かせ
わたしたちをお救いください。
5万軍の神、主よ、あなたの民は祈っています。
いつまで怒りの煙をはき続けられるのですか。
6あなたは涙のパンをわたしたちに食べさせ
なお、三倍の涙を飲ませられます。
7わたしたちは近隣の民のいさかいの的とされ
敵はそれを嘲笑います。
8 万軍の神よ、わたしたちを連れ帰り
御顔の光を輝かせ
わたしたちをお救いください。
9あなたはぶどうの木をエジプトから移し
多くの民を追い出して、これを植えられました。
10そのために場所を整え、根付かせ
この木は地に広がりました。
11その陰は山々を覆い
枝は神々しい杉をも覆いました。
12あなたは大枝を海にまで
若枝を大河にまで届かせられました。
13なぜ、あなたはその石垣を破られたのですか。
通りかかる人は皆、摘み取って行きます。
14森の猪がこれを荒らし
野の獣が食い荒らしています。
15万軍の神よ、立ち帰ってください。
天から目を注いで御覧ください。
このぶどうの木を顧みてください
16あなたが右の御手で植えられた株を
御自分のために強くされた子を。
17それを切り、火に焼く者らは
御前に咎めを受けて滅ぼされますように。
18御手があなたの右に立つ人の上にあり
御自分のために強められた
人の子の上にありますように。
19わたしたちはあなたを離れません。
命を得させ、御名を呼ばせてください。
20 万軍の神、主よ、わたしたちを連れ帰り
御顔の光を輝かせ
わたしたちをお救いください。
81
1指揮者によって。ギティトに合わせて。アサフの詩。
2わたしたちの力の神に向かって喜び歌い
ヤコブの神に向かって喜びの叫びをあげよ。
3ほめ歌を高くうたい、太鼓を打ち鳴らし
琴と竪琴を美しく奏でよ。
4角笛を吹き鳴らせ
新月、満月、わたしたちの祭りの日に。
5これはイスラエルに対する掟
ヤコブの神が命じられたこと。
6エジプトの地を攻められたとき
ヨセフに授けられた定め。
わたしは思いがけない言葉を聞くことになった。
7「わたしが、彼の肩の重荷を除き
籠を手から取り去る。
8わたしは苦難の中から呼び求めるあなたを救い
雷鳴に隠れてあなたに答え
メリバの水のほとりであなたを試した。
〔セラ
9わたしの民よ、聞け、あなたに定めを授ける。
イスラエルよ、わたしに聞き従え。
10あなたの中に異国の神があってはならない。
あなたは異教の神にひれ伏してはならない。
11わたしが、あなたの神、主。
あなたをエジプトの地から導き上った神。
口を広く開けよ、わたしはそれを満たそう。
12しかし、わたしの民はわたしの声を聞かず
イスラエルはわたしを求めなかった。
13わたしは頑な心の彼らを突き放し
思いのままに歩かせた。
14わたしの民がわたしに聞き従い
イスラエルがわたしの道に歩む者であったなら
15わたしはたちどころに彼らの敵を屈服させ
彼らを苦しめる者の上に手を返すであろうに。」
16主を憎む者が主に屈服し
この運命が永劫に続くように。
17主は民を最良の小麦で養ってくださる。
「わたしは岩から蜜を滴らせて
あなたを飽かせるであろう。」
82
1賛歌。アサフの詩。
神は神聖な会議の中に立ち
神々の間で裁きを行われる。
2「いつまであなたたちは不正に裁き
神に逆らう者の味方をするのか。
〔セラ
3弱者や孤児のために裁きを行い
苦しむ人、乏しい人の正しさを認めよ。
4弱い人、貧しい人を救い
神に逆らう者の手から助け出せ。」
5彼らは知ろうとせず、理解せず
闇の中を行き来する。
地の基はことごとく揺らぐ。
6わたしは言った
「あなたたちは神々なのか
皆、いと高き方の子らなのか」と。
7しかし、あなたたちも人間として死ぬ。
君侯のように、いっせいに没落する。
8神よ、立ち上がり、地を裁いてください。
あなたはすべての民を嗣業とされるでしょう。
83
1歌。賛歌。アサフの詩。
2神よ、沈黙しないでください。
黙していないでください。
静まっていないでください。
3御覧ください、敵が騒ぎ立っています。
あなたを憎む者は頭を上げています。
4あなたの民に対して巧みな謀をめぐらし
あなたの秘蔵の民に対して共謀しています。
5彼らは言います
「あの民を国々の間から断とう。
イスラエルの名が
再び思い起こされることのないように」と。
6彼らは心をひとつにして謀り
あなたに逆らって、同盟を結んでいます。
7天幕に住むエドム人
イシュマエル人、モアブ、ハガル人。
8ゲバル、アンモン、アマレク
ペリシテとティルスの住民。
9アッシリアもそれに加わり
ロトの子らに腕を貸しています。
〔セラ
10これらの民に対しても、なさってください
あなたが、かつてミディアンになさったように
キション川のほとりで
シセラとヤビンになさったように。
11エン・ドルで彼らは滅ぼされ
大地の肥やしとされました。
12これらの民の貴族をオレブとゼエブのように
王侯らをゼバとツァルムナのようにしてください。
13彼らは言います
「神の住まいを我らのものにしよう」と。
14わたしの神よ、彼らを車の輪のように
風に巻かれる藁のようにしてください。
15火の手が林を焼くように
炎が山々をなめるように
16あなたの嵐によって彼らを追い
あなたのつむじ風によって恐れさせてください。
17彼らの顔が侮りで覆われるなら
彼らは主の御名を求めるようになるでしょう。
18彼らが永久に恥じ、恐れ
嘲りを受けて、滅びますように。
19彼らが悟りますように
あなたの御名は主
ただひとり
全地を超えて、いと高き神であることを。
84
1指揮者によって。ギティトに合わせて。コラの子の詩。賛歌。
2万軍の主よ、あなたのいますところは
どれほど愛されていることでしょう。
3主の庭を慕って、わたしの魂は絶え入りそうです。
命の神に向かって、わたしの身も心も叫びます。
4あなたの祭壇に、鳥は住みかを作り
つばめは巣をかけて、雛を置いています。
万軍の主、わたしの王、わたしの神よ。
5いかに幸いなことでしょう
あなたの家に住むことができるなら
まして、あなたを賛美することができるなら。
〔セラ
6いかに幸いなことでしょう
あなたによって勇気を出し
心に広い道を見ている人は。
7嘆きの谷を通るときも、そこを泉とするでしょう。
雨も降り、祝福で覆ってくれるでしょう。
8彼らはいよいよ力を増して進み
ついに、シオンで神にまみえるでしょう。
9万軍の神、主よ、わたしの祈りを聞いてください。
ヤコブの神よ、耳を傾けてください。
〔セラ
10神よ、わたしたちが盾とする人を御覧になり
あなたが油注がれた人を顧みてください。
11あなたの庭で過ごす一日は千日にまさる恵みです。
主に逆らう者の天幕で長らえるよりは
わたしの神の家の門口に立っているのを選びます。
12主は太陽、盾。
神は恵み、栄光。
完全な道を歩く人に主は与え
良いものを拒もうとはなさいません。
13万軍の主よ、あなたに依り頼む人は
いかに幸いなことでしょう。
85
1指揮者によって。コラの子の詩。
賛歌。
2主よ、あなたは御自分の地をお望みになり
ヤコブの捕われ人を連れ帰ってくださいました。
3御自分の民の罪を赦し
彼らの咎をすべて覆ってくださいました。
〔セラ
4怒りをことごとく取り去り
激しい憤りを静められました。
5わたしたちの救いの神よ
わたしたちのもとにお帰りください。
わたしたちのための苦悩を静めてください。
6あなたはとこしえにわたしたちを怒り
その怒りを代々に及ぼされるのですか。
7再びわたしたちに命を得させ
あなたの民があなたによって
喜び祝うようにしてくださらないのですか。
8主よ、慈しみをわたしたちに示し
わたしたちをお救いください。
9わたしは神が宣言なさるのを聞きます。
主は平和を宣言されます
御自分の民に、主の慈しみに生きる人々に
彼らが愚かなふるまいに戻らないように。
10主を畏れる人に救いは近く
栄光はわたしたちの地にとどまるでしょう。
11慈しみとまことは出会い
正義と平和は口づけし
12まことは地から萌えいで
正義は天から注がれます。
13主は必ず良いものをお与えになり
わたしたちの地は実りをもたらします。
14正義は御前を行き
主の進まれる道を備えます。
86
1祈り。ダビデの詩。
主よ、わたしに耳を傾け、答えてください。
わたしは貧しく、身を屈めています。
2わたしの魂をお守りください
わたしはあなたの慈しみに生きる者。
あなたの僕をお救いください
あなたはわたしの神
わたしはあなたに依り頼む者。
3主よ、憐れんでください
絶えることなくあなたを呼ぶわたしを。
4あなたの僕の魂に喜びをお与えください。
わたしの魂が慕うのは
主よ、あなたなのです。
5主よ、あなたは恵み深く、お赦しになる方。
あなたを呼ぶ者に
豊かな慈しみをお与えになります。
6主よ、わたしの祈りをお聞きください。
嘆き祈るわたしの声に耳を向けてください。
7苦難の襲うときわたしが呼び求めれば
あなたは必ず答えてくださるでしょう。
8主よ、あなたのような神は神々のうちになく
あなたの御業に並ぶものはありません。
9主よ、あなたがお造りになった国々はすべて
御前に進み出て伏し拝み、御名を尊びます。
10あなたは偉大な神
驚くべき御業を成し遂げられる方
ただあなたひとり、神。
11主よ、あなたの道をお教えください。
わたしはあなたのまことの中を歩みます。
御名を畏れ敬うことができるように
一筋の心をわたしにお与えください。
12主よ、わたしの神よ
心を尽くしてあなたに感謝をささげ
とこしえに御名を尊びます。
13あなたの慈しみはわたしを超えて大きく
深い陰府から
わたしの魂を救い出してくださいます。
14神よ、傲慢な者がわたしに逆らって立ち
暴虐な者の一党がわたしの命を求めています。
彼らはあなたを自分たちの前に置いていません。
15主よ、あなたは情け深い神
憐れみに富み、忍耐強く
慈しみとまことに満ちておられる。
16わたしに御顔を向け、憐れんでください。
御力をあなたの僕に分け与え
あなたのはしための子をお救いください。
17良いしるしをわたしに現してください。
それを見て
わたしを憎む者は恥に落とされるでしょう。
主よ、あなたは必ずわたしを助け
力づけてくださいます。
87
1コラの子の詩。賛歌。歌。
聖なる山に基を置き
2主がヤコブのすべての住まいにまさって愛される
シオンの城門よ。
3神の都よ
あなたの栄光について人々は語る。
〔セラ
4「わたしはラハブとバビロンの名を
わたしを知る者の名と共に挙げよう。
見よ、ペリシテ、ティルス、クシュをも
この都で生まれた、と書こう。
5シオンについて、人々は言うであろう
この人もかの人もこの都で生まれた、と。」
いと高き神御自身がこれを固く定められる。
6主は諸国の民を数え、書き記される
この都で生まれた者、と。
〔セラ
7歌う者も踊る者も共に言う
「わたしの源はすべてあなたの中にある」と。
88
1歌。賛歌。コラの子の詩。指揮者によって。マハラトに合わせて。レアノト。マスキール。エズラ人ヘマンの詩。
2主よ、わたしを救ってくださる神よ
昼は、助けを求めて叫び
夜も、御前におります。
3わたしの祈りが御もとに届きますように。
わたしの声に耳を傾けてください。
4わたしの魂は苦難を味わい尽くし
命は陰府にのぞんでいます。
5穴に下る者のうちに数えられ
力を失った者とされ
6汚れた者と見なされ
死人のうちに放たれて
墓に横たわる者となりました。
あなたはこのような者に心を留められません。
彼らは御手から切り離されています。
7あなたは地の底の穴にわたしを置かれます
影に閉ざされた所、暗闇の地に。
8あなたの憤りがわたしを押さえつけ
あなたの起こす波がわたしを苦しめます。
〔セラ
9あなたはわたしから
親しい者を遠ざけられました。
彼らにとってわたしは忌むべき者となりました。
わたしは閉じ込められて、出られません。
10苦悩に目は衰え
来る日も来る日も、主よ、あなたを呼び
あなたに向かって手を広げています。
11あなたが死者に対して驚くべき御業をなさったり
死霊が起き上がって
あなたに
感謝したりすることがあるでしょうか。
〔セラ
12墓の中であなたの慈しみが
滅びの国であなたのまことが
語られたりするでしょうか。
13闇の中で驚くべき御業が
忘却の地で恵みの御業が
告げ知らされたりするでしょうか。
14主よ、わたしはあなたに叫びます。
朝ごとに祈りは御前に向かいます。
15主よ、なぜわたしの魂を突き放し
なぜ御顔をわたしに隠しておられるのですか。
16わたしは若い時から苦しんで来ました。
今は、死を待ちます。
あなたの怒りを身に負い、絶えようとしています。
17あなたの憤りがわたしを圧倒し
あなたを恐れてわたしは滅びます。
18それは大水のように
絶え間なくわたしの周りに渦巻き
いっせいに襲いかかります。
19愛する者も友も
あなたはわたしから遠ざけてしまわれました。
今、わたしに親しいのは暗闇だけです。
89
1マスキール。エズラ人エタンの詩。
2主の慈しみをとこしえにわたしは歌います。
わたしの口は代々に
あなたのまことを告げ知らせます。
3わたしは申します。
「天にはとこしえに慈しみが備えられ
あなたのまことがそこに立てられますように。」
4「わたしが選んだ者とわたしは契約を結び
わたしの僕ダビデに誓った
5あなたの子孫をとこしえに立て
あなたの王座を代々に備える、と。」
〔セラ
6主よ、天があなたの驚くべき力を告白し
聖なるものがその集会で
あなたのまことを告白しますように。
7雲の上で、誰が主に並びえましょう
神々の子らの中で誰が主に比べられましょう。
8聖なるものの集いにおいて
あなたは恐れられる神。
御もとにあるものすべてに超えて
大いに畏れ敬われる方です。
9万軍の神、主よ
誰があなたのような威力を持つでしょう。
主よ、あなたの真実は
あなたを取り囲んでいます。
10あなたは誇り高い海を支配し
波が高く起これば、それを静められます。
11あなたはラハブを砕き、刺し殺し
御腕の力を振るって敵を散らされました。
12天はあなたのもの、地もあなたのもの。
御自ら世界とそこに満ちるものの基を置き
13北と南を創造されました。
タボル山、ヘルモン山は
御名を喜び歌います。
14あなたは力強い業を成し遂げる腕を具え
御手の力を振るい
右の御手を高く上げられます。
15正しい裁きは御座の基
慈しみとまことは御前に進みます。
16いかに幸いなことでしょう
勝利の叫びを知る民は。
主よ、御顔の光の中を彼らは歩きます。
17絶えず、御名によって喜び躍り
恵みの御業にあずかって奮い立ちます。
18あなたは彼らの力の輝きです。
御旨によって、我らの角を高く上げてください。
19主は我らの盾
イスラエルの聖なる方は我らの王。
20あなたの慈しみに生きる人々に
かつて、あなたは幻によってお告げになりました。
「わたしは一人の勇士に助けを約束する。
わたしは彼を民の中から選んで高く上げた。
21わたしはわたしの僕ダビデを見いだし
彼に聖なる油を注いだ。
22わたしの手は彼を固く支え
わたしの腕は彼に勇気を与えるであろう。
23敵は彼を欺きえず
不正な者が彼を低くすることはない。
24わたしは彼の前で彼を苦しめる者を滅ぼし
彼を憎む者を倒す。
25わたしの真実と慈しみは彼と共にあり
わたしの名によって彼の角は高く上がる。
26わたしは彼の手を海にまで届かせ
彼の右の手を大河にまで届かせる。
27彼はわたしに呼びかけるであろう
あなたはわたしの父
わたしの神、救いの岩、と。
28わたしは彼を長子とし
地の諸王の中で最も高い位に就ける。
29とこしえの慈しみを彼に約束し
わたしの契約を彼に対して確かに守る。
30わたしは彼の子孫を永遠に支え
彼の王座を天の続く限り支える。
31しかし、彼の子らがわたしの教えを捨て
わたしの裁きによって歩まず
32わたしの掟を破り
わたしの戒めを守らないならば
33彼らの背きに対しては杖を
悪に対しては疫病を罰として下す。
34それでもなお、わたしは慈しみを彼から取り去らず
わたしの真実をむなしくすることはない。
35契約を破ることをせず
わたしの唇から出た言葉を変えることはない。
36聖なるわたし自身にかけて
わたしはひとつのことを誓った
ダビデを裏切ることは決してない、と。
37彼の子孫はとこしえに続き
彼の王座はわたしの前に太陽のように
38雲の彼方の確かな証しである月のように
とこしえに立つであろう。」
〔セラ
39しかしあなたは、御自ら油を注がれた人に対して
激しく怒り、彼を退け、見捨て
40あなたの僕への契約を破棄し
彼の王冠を地になげうって汚し
41彼の防壁をことごとく破り
砦をすべて廃虚とされた。
42通りかかる者は皆、そこで略奪し
周囲の民は彼を辱める。
43彼を苦しめる者の右の手をあなたは高く上げ
彼の敵が喜び祝うことを許された。
44しかも、彼の剣を再び岩のかけらとし
戦いの時にも、彼の力を興してくださらない。
45あなたは彼の清さを取り去り
彼の王座を地になげうたれた。
46あなたは彼の若さの日を短くし
恥で彼を覆われた。
〔セラ
47いつまで、主よ、隠れておられるのですか。
御怒りは永遠に火と燃え続けるのですか。
48心に留めてください
わたしがどれだけ続くものであるかを
あなたが人の子らをすべて
いかにむなしいものとして創造されたかを。
49命ある人間で、死を見ないものがあるでしょうか。
陰府の手から魂を救い出せるものが
ひとりでもあるでしょうか。
〔セラ
50主よ、真実をもってダビデに誓われた
あなたの始めからの慈しみは
どこに行ってしまったのでしょうか。
51主よ、御心に留めてください
あなたの僕が辱めを受けていることを
これら強大な民をわたしが胸に耐えていることを。
52彼らは、主よ、あなたの敵であり
彼らは辱めるのです。
彼らはあなたの油注がれた者を追って
辱めるのです。
53 主をたたえよ、とこしえに。
アーメン、アーメン。
90
1祈り。神の人モーセの詩。
主よ、あなたは代々にわたしたちの宿るところ。
2山々が生まれる前から
大地が、人の世が、生み出される前から
世々とこしえに、あなたは神。
3あなたは人を塵に返し
「人の子よ、帰れ」と仰せになります。
4千年といえども御目には
昨日が今日へと移る夜の一時にすぎません。
5あなたは眠りの中に人を漂わせ
朝が来れば、人は草のように移ろいます。
6朝が来れば花を咲かせ、やがて移ろい
夕べにはしおれ、枯れて行きます。
7あなたの怒りにわたしたちは絶え入り
あなたの憤りに恐れます。
8あなたはわたしたちの罪を御前に
隠れた罪を御顔の光の中に置かれます。
9わたしたちの生涯は御怒りに消え去り
人生はため息のように消えうせます。
10人生の年月は七十年程のものです。
健やかな人が八十年を数えても
得るところは労苦と災いにすぎません。
瞬く間に時は過ぎ、わたしたちは飛び去ります。
11御怒りの力を誰が知りえましょうか。
あなたを畏れ敬うにつれて
あなたの憤りをも知ることでしょう。
12生涯の日を正しく数えるように教えてください。
知恵ある心を得ることができますように。
13主よ、帰って来てください。
いつまで捨てておかれるのですか。
あなたの僕らを力づけてください。
14朝にはあなたの慈しみに満ち足らせ
生涯、喜び歌い、喜び祝わせてください。
15あなたがわたしたちを苦しめられた日々と
苦難に遭わされた年月を思って
わたしたちに喜びを返してください。
16あなたの僕らが御業を仰ぎ
子らもあなたの威光を仰ぐことができますように。
17わたしたちの神、主の喜びが
わたしたちの上にありますように。
わたしたちの手の働きを
わたしたちのために確かなものとし
わたしたちの手の働きを
どうか確かなものにしてください。
91
1いと高き神のもとに身を寄せて隠れ
全能の神の陰に宿る人よ
2主に申し上げよ
「わたしの避けどころ、砦
わたしの神、依り頼む方」と。
3神はあなたを救い出してくださる
仕掛けられた罠から、陥れる言葉から。
4神は羽をもってあなたを覆い
翼の下にかばってくださる。
神のまことは大盾、小盾。
5夜、脅かすものをも
昼、飛んで来る矢をも、恐れることはない。
6暗黒の中を行く疫病も
真昼に襲う病魔も
7あなたの傍らに一千の人
あなたの右に一万の人が倒れるときすら
あなたを襲うことはない。
8あなたの目が、それを眺めるのみ。
神に逆らう者の受ける報いを見ているのみ。
9あなたは主を避けどころとし
いと高き神を宿るところとした。
10あなたには災難もふりかかることがなく
天幕には疫病も触れることがない。
11主はあなたのために、御使いに命じて
あなたの道のどこにおいても守らせてくださる。
12彼らはあなたをその手にのせて運び
足が石に当たらないように守る。
13あなたは獅子と毒蛇を踏みにじり
獅子の子と大蛇を踏んで行く。
14「彼はわたしを慕う者だから
彼を災いから逃れさせよう。
わたしの名を知る者だから、彼を高く上げよう。
15彼がわたしを呼び求めるとき、彼に答え
苦難の襲うとき、彼と共にいて助け
彼に名誉を与えよう。
16生涯、彼を満ち足らせ
わたしの救いを彼に見せよう。」
92
1賛歌。歌。安息日に。
2いかに楽しいことでしょう
主に感謝をささげることは
いと高き神よ、御名をほめ歌い
3朝ごとに、あなたの慈しみを
夜ごとに、あなたのまことを述べ伝えることは
4十弦の琴に合わせ、竪琴に合わせ
琴の調べに合わせて。
5主よ、あなたは
御業を喜び祝わせてくださいます。
わたしは御手の業を喜び歌います。
6主よ、御業はいかに大きく
御計らいはいかに深いことでしょう。
7愚かな者はそれを知ることなく
無知な者はそれを悟ろうとしません。
8神に逆らう者が野の草のように茂り
悪を行う者が皆、花を咲かせるように見えても
永遠に滅ぼされてしまいます。
9主よ、あなたこそ、永遠に高くいます方。
10主よ、あなたに敵対する者は、必ず
あなたに敵対する者は、必ず滅び
悪を行う者は皆、散らされて行きます。
11あなたはわたしの角を野牛のように上げさせ
豊かな油を注ぎかけてくださることでしょう
12わたしを陥れようとする者をこの目で見
悪人がわたしに逆らって立つのを
この耳で聞いているときにも。
13神に従う人はなつめやしのように茂り
レバノンの杉のようにそびえます。
14主の家に植えられ
わたしたちの神の庭に茂ります。
15白髪になってもなお実を結び
命に溢れ、いきいきとし
16述べ伝えるでしょう
わたしの岩と頼む主は正しい方
御もとには不正がない、と。
93
1主こそ王。
威厳を衣とし
力を衣とし、身に帯びられる。
世界は固く据えられ、決して揺らぐことはない。
2御座はいにしえより固く据えられ
あなたはとこしえの昔からいます。
3主よ、潮はあげる、潮は声をあげる。
潮は打ち寄せる響きをあげる。
4大水のとどろく声よりも力強く
海に砕け散る波。
さらに力強く、高くいます主。
5主よ、あなたの定めは確かであり
あなたの神殿に尊厳はふさわしい。
日の続く限り。
94
1主よ、報復の神として
報復の神として顕現し
2全地の裁き手として立ち上がり
誇る者を罰してください。
3主よ、逆らう者はいつまで
逆らう者はいつまで、勝ち誇るのでしょうか。
4彼らは驕った言葉を吐き続け
悪を行う者は皆、傲慢に語ります。
5主よ、彼らはあなたの民を砕き
あなたの嗣業を苦しめています。
6やもめや寄留の民を殺し
みなしごを虐殺します。
7そして、彼らは言います
「主は見ていない。
ヤコブの神は気づくことがない」と。
8民の愚かな者よ、気づくがよい。
無知な者よ、いつになったら目覚めるのか。
9耳を植えた方に聞こえないとでもいうのか。
目を造った方に見えないとでもいうのか。
10人間に知識を与え、国々を諭す方に
論じることができないとでもいうのか。
11主は知っておられる、人間の計らいを
それがいかに空しいかを。
12いかに幸いなことでしょう
主よ、あなたに諭され
あなたの律法を教えていただく人は。
13その人は苦難の襲うときにも静かに待ちます。
神に逆らう者には、滅びの穴が掘られています。
14主は御自分の民を決しておろそかになさらず
御自分の嗣業を見捨てることはなさいません。
15正しい裁きは再び確立し
心のまっすぐな人は皆、それに従うでしょう。
16災いをもたらす者に対して
わたしのために立ち向かい
悪を行う者に対して
わたしに代わって立つ人があるでしょうか。
17主がわたしの助けとなってくださらなければ
わたしの魂は沈黙の中に伏していたでしょう。
18「足がよろめく」とわたしが言ったとき
主よ、あなたの慈しみが支えてくれました。
19わたしの胸が思い煩いに占められたとき
あなたの慰めが
わたしの魂の楽しみとなりました。
20破滅をもたらすのみの王座
掟を悪用して労苦を作り出すような者が
あなたの味方となりえましょうか。
21彼らは一団となって神に従う人の命をねらい
神に逆らって潔白な人の血を流そうとします。
22主は必ずわたしのために砦の塔となり
わたしの神は避けどころとなり
岩となってくださいます。
23彼らの悪に報い
苦難をもたらす彼らを滅ぼし尽くしてください。
わたしたちの神、主よ
彼らを滅ぼし尽くしてください。
95
1主に向かって喜び歌おう。
救いの岩に向かって喜びの叫びをあげよう。
2御前に進み、感謝をささげ
楽の音に合わせて喜びの叫びをあげよう。
3主は大いなる神
すべての神を超えて大いなる王。
4深い地の底も御手の内にあり
山々の頂も主のもの。
5海も主のもの、それを造られたのは主。
陸もまた、御手によって形づくられた。
6わたしたちを造られた方
主の御前にひざまずこう。
共にひれ伏し、伏し拝もう。
7主はわたしたちの神、わたしたちは主の民
主に養われる群れ、御手の内にある羊。
今日こそ、主の声に聞き従わなければならない。
8「あの日、荒れ野のメリバやマサでしたように
心を頑にしてはならない。
9あのとき、あなたたちの先祖はわたしを試みた。
わたしの業を見ながら、なおわたしを試した。
10四十年の間、わたしはその世代をいとい
心の迷う民と呼んだ。
彼らはわたしの道を知ろうとしなかった。
11わたしは怒り
彼らをわたしの憩いの地に入れないと誓った。」
96
1新しい歌を主に向かって歌え。
全地よ、主に向かって歌え。
2主に向かって歌い、御名をたたえよ。
日から日へ、御救いの良い知らせを告げよ。
3国々に主の栄光を語り伝えよ
諸国の民にその驚くべき御業を。
4大いなる主、大いに賛美される主
神々を超えて、最も畏るべき方。
5諸国の民の神々はすべてむなしい。
主は天を造られ
6御前には栄光と輝きがあり
聖所には力と光輝がある。
7諸国の民よ、こぞって主に帰せよ
栄光と力を主に帰せよ。
8御名の栄光を主に帰せよ。
供え物を携えて神の庭に入り
9聖なる輝きに満ちる主にひれ伏せ。
全地よ、御前におののけ。
10国々にふれて言え、主こそ王と。
世界は固く据えられ、決して揺らぐことがない。
主は諸国の民を公平に裁かれる。
11天よ、喜び祝え、地よ、喜び躍れ
海とそこに満ちるものよ、とどろけ
12野とそこにあるすべてのものよ、喜び勇め
森の木々よ、共に喜び歌え
13主を迎えて。
主は来られる、地を裁くために来られる。
主は世界を正しく裁き
真実をもって諸国の民を裁かれる。
97
1主こそ王。
全地よ、喜び躍れ。
多くの島々よ、喜び祝え。
2密雲と濃霧が主の周りに立ちこめ
正しい裁きが王座の基をなす。
3火は御前を進み
周りの敵を焼き滅ぼす。
4稲妻は世界を照らし出し
地はそれを見て、身もだえし
5山々は蠟のように溶ける
主の御前に、全地の主の御前に。
6天は主の正しさを告げ知らせ
すべての民はその栄光を仰ぎ見る。
7すべて、偶像に仕える者
むなしい神々を誇りとする者は恥を受ける。
神々はすべて、主に向かってひれ伏す。
8シオンは聞いて喜び祝い
ユダのおとめらは喜び躍る
主よ、あなたの裁きのゆえに。
9あなたは主、全地に君臨されるいと高き神。
神々のすべてを超え、あがめられる神。
10主を愛する人は悪を憎む。
主の慈しみに生きる人の魂を主は守り
神に逆らう者の手から助け出してくださる。
11神に従う人のためには光を
心のまっすぐな人のためには喜びを
種蒔いてくださる。
12神に従う人よ、主にあって喜び祝え。
聖なる御名に感謝をささげよ。
98
1賛歌。
新しい歌を主に向かって歌え。
主は驚くべき御業を成し遂げられた。
右の御手、聖なる御腕によって
主は救いの御業を果たされた。
2主は救いを示し
恵みの御業を諸国の民の目に現し
3イスラエルの家に対する
慈しみとまことを御心に留められた。
地の果てまですべての人は
わたしたちの神の救いの御業を見た。
4全地よ、主に向かって喜びの叫びをあげよ。
歓声をあげ、喜び歌い、ほめ歌え。
5琴に合わせてほめ歌え
琴に合わせ、楽の音に合わせて。
6ラッパを吹き、角笛を響かせて
王なる主の御前に喜びの叫びをあげよ。
7とどろけ、海とそこに満ちるもの
世界とそこに住むものよ。
8潮よ、手を打ち鳴らし
山々よ、共に喜び歌え
9主を迎えて。
主は来られる、地を裁くために。
主は世界を正しく裁き
諸国の民を公平に裁かれる。
99
1主こそ王。
諸国の民よ、おののけ。
主はケルビムの上に御座を置かれる。
地よ、震えよ。
2主はシオンにいまし、大いなる方。
すべての民の上に高くいます。
3御名の大いなること、畏るべきことを告白せよ。
主は聖なる方。
4力強い王、裁きを愛し、公平を固く定め
ヤコブに対する裁きと恵みの御業を
御自ら、成し遂げられる。
5我らの神、主をあがめよ。
その足台に向かってひれ伏せ。
主は聖なる方。
6主の祭司からはモーセとアロンが
御名を呼ぶ者からはサムエルが、主を呼ぶと
主は彼らに答えられた。
7神は雲の柱から語りかけ
彼らに掟と定めを賜り
彼らはそれを守った。
8我らの神、主よ、あなたは彼らに答えられた。
あなたは彼らを赦す神
彼らの咎には報いる神であった。
9我らの神、主をあがめよ。
その聖なる山に向かってひれ伏せ。
我らの神、主は聖なる方。
100
1賛歌。感謝のために。
全地よ、主に向かって喜びの叫びをあげよ。
2喜び祝い、主に仕え
喜び歌って御前に進み出よ。
3知れ、主こそ神であると。
主はわたしたちを造られた。
わたしたちは主のもの、その民
主に養われる羊の群れ。
4感謝の歌をうたって主の門に進み
賛美の歌をうたって主の庭に入れ。
感謝をささげ、御名をたたえよ。
5主は恵み深く、慈しみはとこしえに
主の真実は代々に及ぶ。
101
1ダビデの詩。賛歌。
慈しみと裁きをわたしは歌い
主よ、あなたに向かって、ほめ歌います。
2完全な道について解き明かします。
いつ、あなたは
わたしを訪れてくださるのでしょうか。
わたしは家にあって
無垢な心をもって行き来します。
3卑しいことを目の前に置かず
背く者の行いを憎み
まつわりつくことを許さず
4曲がった心を退け
悪を知ることはありません。
5隠れて友をそしる者を滅ぼし
傲慢な目、驕る心を持つ者を許しません。
6わたしはこの地の信頼のおける人々に目を留め
わたしと共に座に着かせ
完全な道を歩く人を、わたしに仕えさせます。
7わたしの家においては
人を欺く者を座に着かせず
偽って語る者をわたしの目の前に立たせません。
8朝ごとに、わたしはこの地の逆らう者を滅ぼし
悪を行う者をことごとく、主の都から断ちます。
102
1祈り。心挫けて、主の御前に思いを注ぎ出す貧しい人の詩。
2主よ、わたしの祈りを聞いてください。
この叫びがあなたに届きますように。
3苦難がわたしを襲う日に
御顔を隠すことなく、御耳を向け
あなたを呼ぶとき、急いで答えてください。
4 わたしの生涯は煙となって消え去る。
骨は炉のように焼ける。
5 打ちひしがれた心は、草のように乾く。
わたしはパンを食べることすら忘れた。
6 わたしは呻き
骨は肉にすがりつき
7 荒れ野のみみずく
廃虚のふくろうのようになった。
8 屋根の上にひとりいる鳥のように
わたしは目覚めている。
9 敵は絶えることなくわたしを辱め
嘲る者はわたしによって誓う。
10 わたしはパンに代えて灰を食べ
飲み物には涙を混ぜた。
11 あなたは怒り、憤り
わたしを持ち上げて投げ出された。
12 わたしの生涯は移ろう影
草のように枯れて行く。
13主よ
あなたはとこしえの王座についておられます。
御名は代々にわたって唱えられます。
14どうか、立ち上がって
シオンを憐れんでください。
恵みのとき、定められたときが来ました。
15あなたの僕らは、シオンの石をどれほど望み
塵をすら、どれほど慕うことでしょう。
16国々は主の御名を恐れ
地上の王は皆、その栄光におののくでしょう。
17主はまことにシオンを再建し
栄光のうちに顕現されます。
18主はすべてを喪失した者の祈りを顧み
その祈りを侮られませんでした。
19 後の世代のために
このことは書き記されねばならない。
「主を賛美するために民は創造された。」
20主はその聖所、高い天から見渡し
大空から地上に目を注ぎ
21捕われ人の呻きに耳を傾け
死に定められていた人々を
解き放ってくださいました。
22シオンで主の御名を唱え
エルサレムで主を賛美するために
23諸国の民はひとつに集められ
主に仕えるために
すべての王国は集められます。
24 わたしの力が道半ばで衰え
生涯が短くされようとしたとき
25 わたしは言った。
「わたしの神よ、生涯の半ばで
わたしを取り去らないでください。
あなたの歳月は代々に続くのです。
26 かつてあなたは大地の基を据え
御手をもって天を造られました。
27 それらが滅びることはあるでしょう。
しかし、あなたは永らえられます。
すべては衣のように朽ち果てます。
着る物のようにあなたが取り替えられると
すべては替えられてしまいます。
28 しかし、あなたが変わることはありません。
あなたの歳月は終ることがありません。」
29あなたの僕らの末は住むところを得
子孫は御前に固く立てられるでしょう。
103
1ダビデの詩。
わたしの魂よ、主をたたえよ。
わたしの内にあるものはこぞって
聖なる御名をたたえよ。
2わたしの魂よ、主をたたえよ。
主の御計らいを何ひとつ忘れてはならない。
3主はお前の罪をことごとく赦し
病をすべて癒し
4命を墓から贖い出してくださる。
慈しみと憐れみの冠を授け
5長らえる限り良いものに満ち足らせ
鷲のような若さを新たにしてくださる。
6主はすべて虐げられている人のために
恵みの御業と裁きを行われる。
7主は御自分の道をモーセに
御業をイスラエルの子らに示された。
8主は憐れみ深く、恵みに富み
忍耐強く、慈しみは大きい。
9永久に責めることはなく
とこしえに怒り続けられることはない。
10主はわたしたちを
罪に応じてあしらわれることなく
わたしたちの悪に従って報いられることもない。
11天が地を超えて高いように
慈しみは主を畏れる人を超えて大きい。
12東が西から遠い程
わたしたちの背きの罪を遠ざけてくださる。
13父がその子を憐れむように
主は主を畏れる人を憐れんでくださる。
14主はわたしたちを
どのように造るべきか知っておられた。
わたしたちが塵にすぎないことを
御心に留めておられる。
15人の生涯は草のよう。
野の花のように咲く。
16風がその上に吹けば、消えうせ
生えていた所を知る者もなくなる。
17主の慈しみは世々とこしえに
主を畏れる人の上にあり
恵みの御業は子らの子らに
18主の契約を守る人
命令を心に留めて行う人に及ぶ。
19主は天に御座を固く据え
主権をもってすべてを統治される。
20御使いたちよ、主をたたえよ
主の語られる声を聞き
御言葉を成し遂げるものよ
力ある勇士たちよ。
21主の万軍よ、主をたたえよ
御もとに仕え、御旨を果たすものよ。
22主に造られたものはすべて、主をたたえよ
主の統治されるところの、どこにあっても。
わたしの魂よ、主をたたえよ。
104
1わたしの魂よ、主をたたえよ。
主よ、わたしの神よ、あなたは大いなる方。
栄えと輝きをまとい
2光を衣として身を被っておられる。
天を幕のように張り
3天上の宮の梁を水の中にわたされた。
雲を御自分のための車とし
風の翼に乗って行き巡り
4さまざまな風を伝令とし
燃える火を御もとに仕えさせられる。
5主は地をその基の上に据えられた。
地は、世々限りなく、揺らぐことがない。
6深淵は衣となって地を覆い
水は山々の上にとどまっていたが
7あなたが𠮟咤されると散って行き
とどろく御声に驚いて逃げ去った。
8水は山々を上り、谷を下り
あなたが彼らのために設けられた所に向かった。
9あなたは境を置き、水に越えることを禁じ
再び地を覆うことを禁じられた。
10主は泉を湧き上がらせて川とし
山々の間を流れさせられた。
11野の獣はその水を飲み
野ろばの渇きも潤される。
12水のほとりに空の鳥は住み着き
草木の中から声をあげる。
13主は天上の宮から山々に水を注ぎ
御業の実りをもって地を満たされる。
14家畜のためには牧草を茂らせ
地から糧を引き出そうと働く人間のために
さまざまな草木を生えさせられる。
15ぶどう酒は人の心を喜ばせ、油は顔を輝かせ
パンは人の心を支える。
16主の木々、主の植えられたレバノン杉は豊かに育ち
17そこに鳥は巣をかける。
こうのとりの住みかは糸杉の梢。
18高い山々は野山羊のため。
岩狸は岩場に身を隠す。
19主は月を造って季節を定められた。
太陽は沈む時を知っている。
20あなたが闇を置かれると夜になり
森の獣は皆、忍び出てくる。
21若獅子は餌食を求めてほえ
神に食べ物を求める。
22太陽が輝き昇ると彼らは帰って行き
それぞれのねぐらにうずくまる。
23人は仕事に出かけ、夕べになるまで働く。
24主よ、御業はいかにおびただしいことか。
あなたはすべてを知恵によって成し遂げられた。
地はお造りになったものに満ちている。
25同じように、海も大きく豊かで
その中を動きまわる大小の生き物は数知れない。
26舟がそこを行き交い
お造りになったレビヤタンもそこに戯れる。
27彼らはすべて、あなたに望みをおき
ときに応じて食べ物をくださるのを待っている。
28あなたがお与えになるものを彼らは集め
御手を開かれれば彼らは良い物に満ち足りる。
29御顔を隠されれば彼らは恐れ
息吹を取り上げられれば彼らは息絶え
元の塵に返る。
30あなたは御自分の息を送って彼らを創造し
地の面を新たにされる。
31どうか、主の栄光がとこしえに続くように。
主が御自分の業を喜び祝われるように。
32主が地を見渡されれば地は震え
山に触れられれば山は煙を上げる。
33命ある限り、わたしは主に向かって歌い
長らえる限り、わたしの神にほめ歌をうたおう。
34どうか、わたしの歌が御心にかなうように。
わたしは主によって喜び祝う。
35どうか、罪ある者がこの地からすべてうせ
主に逆らう者がもはや跡を絶つように。
わたしの魂よ、主をたたえよ。
ハレルヤ。
105
1主に感謝をささげて御名を呼べ。
諸国の民に御業を示せ。
2主に向かって歌い、ほめ歌をうたい
驚くべき御業をことごとく歌え。
3聖なる御名を誇りとせよ。
主を求める人よ、心に喜びを抱き
4主を、主の御力を尋ね求め
常に御顔を求めよ。
5主の成し遂げられた驚くべき御業と奇跡を
主の口から出る裁きを心に留めよ。
6主の僕アブラハムの子孫よ
ヤコブの子ら、主に選ばれた人々よ。
7主はわたしたちの神
主の裁きは全地に及ぶ。
8主はとこしえに契約を御心に留められる
千代に及ぼすように命じられた御言葉を
9アブラハムと結ばれた契約
イサクに対する誓いを。
10主はそれをヤコブに対する掟とし
イスラエルへのとこしえの契約として立て
11宣言された
「わたしはあなたにカナンの地を
嗣業として継がせよう」と。
12その地で、彼らはまだ数少なく
寄留の民の小さな群れで
13国から国へ
ひとつの王国から他の民のもとへと移って行った。
14主は彼らを虐げることをだれにも許さず
彼らのことを、王たちに戒めて言われた
15「わたしが油を注いだ人々に触れるな
わたしの預言者たちに災いをもたらすな」と。
16主はこの地に飢饉を呼び
パンの備えをことごとく絶やされたが
17あらかじめひとりの人を遣わしておかれた。
奴隷として売られたヨセフ。
18主は、人々が彼を卑しめて足枷をはめ
首に鉄の枷をはめることを許された
19主の仰せが彼を火で練り清め
御言葉が実現するときまで。
20王は人を遣わして彼を解き放った。
諸国を支配する王が彼を自由の身にし
21彼を王宮の頭に取り立て
財産をすべて管理させた。
22彼は大臣たちを思いのままに戒め
長老たちに知恵を授けた。
23イスラエルはエジプトに下り
ヤコブはハムの地に宿った。
24主は御自分の民を大いに増やし
敵よりも強くされた。
25主が彼らの心を変えられたので
彼らは主の民を憎み
主の僕たちを悪だくみをもって扱った。
26主は僕モーセを遣わし
アロンを選んで遣わされた。
27彼らは人々に御言葉としるしを伝え
ハムの地で奇跡を行い
28御言葉に逆らわなかった。
主は闇を送って、地を暗くされた。
29主が川の水を血に変えられたので、魚は死んだ。
30その地には蛙が群がり、王宮の奥に及んだ。
31主が命じられると、あぶが発生し
ぶよが国中に満ちた。
32主は雨に代えて雹を降らせ
燃える火を彼らの国に下された。
33主はぶどうといちじくを打ち
国中の木を折られた。
34主が命じられると、いなごが発生し
数えきれないいなごがはい回り
35国中の草を食い尽くし
大地の実りを食い尽くした。
36主はこの国の初子をすべて撃ち
彼らの力の最初の実りをことごとく撃たれた。
37主は金銀を持たせて民を導き出された。
どの部族にも、落伍する者はひとりもなかった。
38エジプトは恐怖に襲われていたから
彼らが出て行くのを喜んだ。
39主は雲を広げて覆いとし
火をもって夜を照らされた。
40民が求めると、主はうずらをもたらし
天のパンをもって彼らを満足させられた。
41主が岩を開かれると、水がほとばしり
大河となって、乾いた地を流れた。
42主は聖なる御言葉を御心に留め
僕アブラハムを御心に留められた。
43主は、御自分の民を喜びのうちに
選ばれた民を歓呼のうちに導き出された。
44主は彼らに諸国の土地を授け
多くの民の労苦の実りを継がせられた。
45それゆえ彼らは主の掟を守り
主の教えに従わなければならない。
ハレルヤ。
106
1ハレルヤ。
恵み深い主に感謝せよ、慈しみはとこしえに。
2主の力強い御業を言葉に表し
主への賛美をことごとく告げうる者があろうか。
3いかに幸いなことか、裁きを守り
どのような時にも恵みの業を果たす人は。
4主よ、あなたが民を喜び迎えられるとき
わたしに御心を留めてください。
御救いによってわたしに報いてください。
5あなたの選ばれた民に対する恵みを見
あなたの国が喜び祝うとき共に喜び祝い
あなたの嗣業の民と共に
誇ることができるようにしてください。
6わたしたちは先祖と同じく罪を犯し
不正を行い、主に逆らった。
7わたしたちの先祖は、エジプトで
驚くべき御業に目覚めず
豊かな慈しみに心を留めず
海辺で、葦の海のほとりで反抗した。
8主は、御名のために彼らを救い
力強い御業を示された。
9葦の海は主に𠮟咤されて干上がり
彼らは荒れ野を行くように深い淵を通った。
10主は憎む者の手から彼らを救い
敵の手から贖われた。
11彼らを苦しめた者はすべて水に覆われ
生き残る者はひとりもなかった。
12彼らは御言葉を信じ
賛美の歌をうたった。
13彼らはたちまち御業を忘れ去り
神の計らいを待たず
14荒れ野で欲望を燃やし
砂漠で神を試みた。
15主はその願いをかなえられたが
彼らをやせ衰えさせられた。
16彼らは宿営でモーセをねたみ
主の聖なる人アロンをねたんだ。
17地は口を開けてダタンを呑み込み
アビラムの仲間を覆った。
18火が彼らの仲間に向かって燃え上がり
炎が神に逆らう者を焼き尽くした。
19彼らはホレブで子牛の像を造り
鋳た像に向かってひれ伏した。
20彼らは自分たちの栄光を
草をはむ牛の像と取り替えた。
21彼らは自分たちを救ってくださる神を忘れた。
エジプトで大いなる御業を行い
22ハムの地で驚くべき御業を
葦の海で恐るべき御業を
成し遂げられた方を忘れた。
23主は彼らを滅ぼすと言われたが
主に選ばれた人モーセは
破れを担って御前に立ち
彼らを滅ぼそうとする主の怒りをなだめた。
24彼らは愛すべき地を拒み
御言葉を信じなかった。
25それぞれの天幕でつぶやき
主の御声に聞き従わなかった。
26主は彼らに対して御手を上げ
荒れ野で彼らを倒された。
27子孫は諸国の民に倒され
国々の間に散らされることになった。
28彼らはバアル・ペオルを慕い
死者にささげた供え物を食べた。
29この行いは主の怒りを招き
疫病が彼らの間に広がった。
30ピネハスが立って祈ると
疫病はとどめられた。
31これは代々に、そしてとこしえに
ピネハスの正しい業と見なされるであろう。
32彼らはメリバの水のほとりで主を怒らせた。
彼らをかばったモーセは不幸を負った。
33彼らがモーセの心を苦しめたので
彼がそれを唇にのせたからであった。
34主が命じられたにもかかわらず
彼らは諸国の民を滅ぼさず
35諸国の民と混じり合い
その行いに倣い
36その偶像に仕え
自分自身を罠に落とした。
37彼らは息子や娘を悪霊に対するいけにえとし
38無実なものの血を流した。
カナンの偶像のいけにえとなった息子や娘の血は
この地を汚した。
39彼らは自分たちの行いによって汚れ
自分たちの業によって淫行に落ちた。
40主の怒りは民に向かって燃え上がり
御自分の嗣業の民を忌むべきものと見なし
41彼らを諸国の民の手に渡された。
彼らを憎む者らが彼らを支配し
42敵が彼らを虐げ
その手によって彼らは征服された。
43主は幾度も彼らを助け出そうとされたが
彼らは反抗し、思うままにふるまい
自分たちの罪によって堕落した。
44主はなお、災いにある彼らを顧み
その叫びを聞き
45彼らに対する契約を思い起こし
豊かな慈しみに従って思いなおし
46彼らをとりこにしたすべての者が
彼らを憐れむように計らわれた。
47わたしたちの神、主よ、わたしたちを救い
諸国の中からわたしたちを集めてください。
聖なる御名に感謝をささげ
あなたを賛美し、ほめたたえさせてください。
48 イスラエルの神、主をたたえよ
世々とこしえに。
民は皆、アーメンと答えよ。
ハレルヤ。
107
1「恵み深い主に感謝せよ
慈しみはとこしえに」と
2主に贖われた人々は唱えよ。
主は苦しめる者の手から彼らを贖い
3国々の中から集めてくださった
東から西から、北から南から。
4彼らは、荒れ野で迷い
砂漠で人の住む町への道を見失った。
5飢え、渇き、魂は衰え果てた。
6 苦難の中から主に助けを求めて叫ぶと
主は彼らを苦しみから救ってくださった。
7主はまっすぐな道に彼らを導き
人の住む町に向かわせてくださった。
8 主に感謝せよ。主は慈しみ深く
人の子らに驚くべき御業を成し遂げられる。
9主は渇いた魂を飽かせ
飢えた魂を良いもので満たしてくださった。
10彼らは、闇と死の陰に座る者
貧苦と鉄の枷が締めつける捕われ人となった。
11神の仰せに反抗し
いと高き神の御計らいを侮ったからだ。
12主は労苦を通して彼らの心を挫かれた。
彼らは倒れ、助ける者はなかった。
13 苦難の中から主に助けを求めて叫ぶと
主は彼らの苦しみに救いを与えられた。
14闇と死の陰から彼らを導き出し
束縛するものを断ってくださった。
15 主に感謝せよ。主は慈しみ深く
人の子らに驚くべき御業を成し遂げられる。
16主は青銅の扉を破り
鉄のかんぬきを砕いてくださった。
17彼らは、無知であり、背きと罪の道のために
屈従する身になった。
18どの食べ物も彼らの喉には忌むべきもので
彼らは死の門に近づいた。
19 苦難の中から主に助けを求めて叫ぶと
主は彼らの苦しみに救いを与えられた。
20主は御言葉を遣わして彼らを癒し
破滅から彼らを救い出された。
21 主に感謝せよ。主は慈しみ深く
人の子らに驚くべき御業を成し遂げられる。
22感謝のいけにえをささげ
御業を語り伝え、喜び歌え。
23彼らは、海に船を出し
大海を渡って商う者となった。
24彼らは深い淵で主の御業を
驚くべき御業を見た。
25主は仰せによって嵐を起こし
波を高くされたので
26彼らは天に上り、深淵に下り
苦難に魂は溶け
27酔った人のようによろめき、揺らぎ
どのような知恵も呑み込まれてしまった。
28 苦難の中から主に助けを求めて叫ぶと
主は彼らを苦しみから導き出された。
29主は嵐に働きかけて沈黙させられたので
波はおさまった。
30彼らは波が静まったので喜び祝い
望みの港に導かれて行った。
31 主に感謝せよ。主は慈しみ深く
人の子らに驚くべき御業を成し遂げられる。
32民の集会で主をあがめよ。
長老の集いで主を賛美せよ。
33主は大河を荒れ野とし
水の源を乾いた地とし
34住む者の悪事のために
実り豊かな地を塩地とされた。
35主は荒れ野を湖とし
砂漠を水の源とし
36飢えていた人々をそこに住まわせ
人の住む町を固く立てられた。
37彼らは野に種を蒔き、ぶどう畑を作り
作物を実らせた。
38主が祝福されたので彼らは限りなく増え
家畜も減らされることはなかった。
39不毛、災厄、嘆きによって
彼らは減って行き、屈み込んだ。
40主は貴族らの上に辱めを浴びせ
道もない混沌に迷い込ませられたが
41乏しい人はその貧苦から高く上げ
羊の群れのような大家族とされた。
42正しい人はこれを見て喜び祝い
不正を行う者は口を閉ざす。
43知恵ある人は皆、これらのことを心に納め
主の慈しみに目を注ぐがよい。
108
1歌。賛歌。ダビデの詩。
2神よ、わたしの心は確かです。
わたしは賛美の歌をうたいます。
「わたしの誉れよ
3目覚めよ、竪琴よ、琴よ。
わたしは曙を呼び覚まそう。」
4主よ、諸国の民の中でわたしはあなたに感謝し
国々の中でほめ歌をうたいます。
5あなたの慈しみは大きく、天に満ち
あなたのまことは大きく、雲を覆います。
6 神よ、天の上に高くいまし
栄光を全地に輝かせてください。
7あなたの愛する人々が助け出されるように
右の御手でお救いください。
それを我らへの答えとしてください。
8神は聖所から宣言された。
「わたしは喜び勇んでシケムを分配しよう。
スコトの野を測量しよう。
9ギレアドはわたしのもの
マナセもわたしのもの
エフライムはわたしの頭の兜
ユダはわたしの采配
10モアブはわたしのたらい。
エドムにわたしの履物を投げ
ペリシテにわたしの叫びを響かせよう。」
11包囲された町に
誰がわたしを導いてくれるのか。
エドムに、誰がわたしを先導してくれるのか。
12神よ、あなたは我らを突き放されたのか。
神よ、あなたは
我らと共に出陣してくださらないのか。
13どうか我らを助け、敵からお救いください。
人間の与える救いはむなしいものです。
14神と共に我らは力を振るいます。
神が敵を踏みにじってくださいます。
109
1指揮者によって。ダビデの詩。
賛歌。
わたしの賛美する神よ
どうか、黙していないでください。
2神に逆らう者の口が
欺いて語る口が、わたしに向かって開き
偽りを言う舌がわたしに語りかけます。
3憎しみの言葉はわたしを取り囲み
理由もなく戦いを挑んで来ます。
4愛しても敵意を返し
わたしが祈りをささげても
5その善意に対して悪意を返します。
愛しても、憎みます。
6彼に対して逆らう者を置き
彼の右には敵対者を立たせてください。
7裁かれて、神に逆らう者とされますように。
祈っても、罪に定められますように。
8 彼の生涯は短くされ
地位は他人に取り上げられ
9 子らはみなしごとなり
妻はやもめとなるがよい。
10 子らは放浪して物乞いをするがよい。
廃虚となったその家を離れ
助けを求め歩くがよい。
11 彼のものは一切、債権者に奪われ
働きの実りは他国人に略奪されるように。
12 慈しみを示し続ける者もいなくなり
みなしごとなった彼の子らを
憐れむ者もなくなるように。
13 子孫は断たれ
次の代には彼らの名も消されるように。
14 主が彼の父祖の悪をお忘れにならぬように。
母の罪も消されることのないように。
15 その悪と罪は常に主の御前にとどめられ
その名は地上から断たれるように。
16 彼は慈しみの業を行うことに心を留めず
貧しく乏しい人々
心の挫けた人々を死に追いやった。
17 彼は呪うことを好んだのだから
呪いは彼自身に返るように。
祝福することを望まなかったのだから
祝福は彼を遠ざかるように。
18 呪いを衣として身にまとうがよい。
呪いが水のように彼のはらわたに
油のように彼の骨に染み通るように。
19 呪いが彼のまとう衣となり
常に締める帯となるように。
20 わたしに敵意を抱く者に対して
わたしの魂をさいなもうと語る者に対して
主はこのように報いられる。
21主よ、わたしの神よ
御名のために、わたしに計らい
恵み深く、慈しみによって
わたしを助けてください。
22わたしは貧しく乏しいのです。
胸の奥で心は貫かれています。
23移ろい行く影のようにわたしは去ります。
いなごのように払い落とされます。
24断食して膝は弱くなり
からだは脂肪を失い、衰えて行きます。
25わたしは人間の恥。
彼らはわたしを見て頭を振ります。
26わたしの神、主よ、わたしを助けてください。
慈しみによってお救いください。
27それが御手によることを、御計らいであることを
主よ、人々は知るでしょう。
28彼らは呪いますが
あなたは祝福してくださいます。
彼らは反逆し、恥に落とされますが
あなたの僕は喜び祝います。
29わたしに敵意を抱く者は辱めを衣とし
恥を上着としてまとうでしょう。
30わたしはこの口をもって
主に尽きぬ感謝をささげ
多くの人の中で主を賛美します。
31主は乏しい人の右に立ち
死に定める裁きから救ってくださいます。
110
1ダビデの詩。賛歌。
わが主に賜った主の御言葉。
「わたしの右の座に就くがよい。
わたしはあなたの敵をあなたの足台としよう。」
2主はあなたの力ある杖をシオンから伸ばされる。
敵のただ中で支配せよ。
3あなたの民は進んであなたを迎える
聖なる方の輝きを帯びてあなたの力が現れ
曙の胎から若さの露があなたに降るとき。
4主は誓い、思い返されることはない。
「わたしの言葉に従って
あなたはとこしえの祭司
メルキゼデク(わたしの正しい王)。」
5主はあなたの右に立ち
怒りの日に諸王を撃たれる。
6主は諸国を裁き、頭となる者を撃ち
広大な地をしかばねで覆われる。
7彼はその道にあって、大河から水を飲み
頭を高く上げる。
111
(アルファベットによる詩)
1ハレルヤ。
わたしは心を尽くして主に感謝をささげる
正しい人々の集い、会衆の中で。
2主の御業は大きく
それを愛する人は皆、それを尋ね求める。
3主の成し遂げられることは栄え輝き
恵みの御業は永遠に続く。
4主は驚くべき御業を記念するよう定められた。
主は恵み深く憐れみに富み
5主を畏れる人に糧を与え
契約をとこしえに御心に留め
6御業の力を御自分の民に示し
諸国の嗣業を御自分の民にお与えになる。
7御手の業はまことの裁き
主の命令はすべて真実
8世々限りなく堅固に
まことをもって、まっすぐに行われる。
9主は御自分の民に贖いを送り
契約をとこしえのものと定められた。
御名は畏れ敬うべき聖なる御名。
10主を畏れることは知恵の初め。
これを行う人はすぐれた思慮を得る。
主の賛美は永遠に続く。
112
(アルファベットによる詩)
1ハレルヤ。
いかに幸いなことか
主を畏れる人
主の戒めを深く愛する人は。
2彼の子孫はこの地で勇士となり
祝福されたまっすぐな人々の世代となる。
3彼の家には多くの富があり
彼の善い業は永遠に堪える。
4まっすぐな人には闇の中にも光が昇る
憐れみに富み、情け深く、正しい光が。
5憐れみ深く、貸し与える人は良い人。
裁きのとき、彼の言葉は支えられる。
6主に従う人はとこしえに揺らぐことがない。
彼はとこしえに記憶される。
7彼は悪評を立てられても恐れない。
その心は、固く主に信頼している。
8彼の心は堅固で恐れることなく
ついに彼は敵を支配する。
9貧しい人々にはふるまい与え
その善い業は永遠に堪える。
彼の角は高く上げられて、栄光に輝く。
10神に逆らう者はそれを見て憤り
歯ぎしりし、力を失う。
神に逆らう者の野望は滅びる。
113
1ハレルヤ。
主の僕らよ、主を賛美せよ
主の御名を賛美せよ。
2今よりとこしえに
主の御名がたたえられるように。
3日の昇るところから日の沈むところまで
主の御名が賛美されるように。
4主はすべての国を超えて高くいまし
主の栄光は天を超えて輝く。
5わたしたちの神、主に並ぶものがあろうか。
主は御座を高く置き
6なお、低く下って天と地を御覧になる。
7弱い者を塵の中から起こし
乏しい者を芥の中から高く上げ
8自由な人々の列に
民の自由な人々の列に返してくださる。
9子のない女を家に返し
子を持つ母の喜びを与えてくださる。
ハレルヤ。
114
1イスラエルはエジプトを
ヤコブの家は異なる言葉の民のもとを去り
2ユダは神の聖なるもの
イスラエルは神が治められるものとなった。
3海は見て、逃げ去った。
ヨルダンの流れは退いた。
4山々は雄羊のように
丘は群れの羊のように踊った。
5どうしたのか、海よ、逃げ去るとは
ヨルダンの流れよ、退くとは
6山々よ、雄羊のように
丘よ、群れの羊のように踊るとは。
7地よ、身もだえせよ、主なる方の御前に
ヤコブの神の御前に
8岩を水のみなぎるところとし
硬い岩を水の溢れる泉とする方の御前に。
115
1わたしたちではなく、主よ
わたしたちではなく
あなたの御名こそ、栄え輝きますように
あなたの慈しみとまことによって。
2なぜ国々は言うのか
「彼らの神はどこにいる」と。
3わたしたちの神は天にいまし
御旨のままにすべてを行われる。
4国々の偶像は金銀にすぎず
人間の手が造ったもの。
5口があっても話せず
目があっても見えない。
6耳があっても聞こえず
鼻があってもかぐことができない。
7手があってもつかめず
足があっても歩けず
喉があっても声を出せない。
8偶像を造り、それに依り頼む者は
皆、偶像と同じようになる。
9イスラエルよ、主に依り頼め。
主は助け、主は盾。
10アロンの家よ、主に依り頼め。
主は助け、主は盾。
11主を畏れる人よ、主に依り頼め。
主は助け、主は盾。
12主よ、わたしたちを御心に留め
祝福してください。
イスラエルの家を祝福し
アロンの家を祝福してください。
13主を畏れる人を祝福し
大きな人も小さな人も祝福してください。
14主があなたたちの数を増してくださるように
あなたたちの数を、そして子らの数を。
15天地の造り主、主が
あなたたちを祝福してくださるように。
16天は主のもの、地は人への賜物。
17主を賛美するのは死者ではない
沈黙の国へ去った人々ではない。
18わたしたちこそ、主をたたえよう
今も、そしてとこしえに。
ハレルヤ。
116
1わたしは主を愛する。
主は嘆き祈る声を聞き
2わたしに耳を傾けてくださる。
生涯、わたしは主を呼ぼう。
3死の綱がわたしにからみつき
陰府の脅威にさらされ
苦しみと嘆きを前にして
4主の御名をわたしは呼ぶ。
「どうか主よ、わたしの魂をお救いください。」
5主は憐れみ深く、正義を行われる。
わたしたちの神は情け深い。
6哀れな人を守ってくださる主は
弱り果てたわたしを救ってくださる。
7わたしの魂よ、再び安らうがよい
主はお前に報いてくださる。
8あなたはわたしの魂を死から
わたしの目を涙から
わたしの足を突き落とそうとする者から
助け出してくださった。
9命あるものの地にある限り
わたしは主の御前に歩み続けよう。
10わたしは信じる
「激しい苦しみに襲われている」と言うときも
11不安がつのり、人は必ず欺く、と思うときも。
12主はわたしに報いてくださった。
わたしはどのように答えようか。
13救いの杯を上げて主の御名を呼び
14満願の献げ物を主にささげよう
主の民すべての見守る前で。
15主の慈しみに生きる人の死は主の目に価高い。
16どうか主よ、わたしの縄目を解いてください。
わたしはあなたの僕。
わたしはあなたの僕、母もあなたに仕える者。
17あなたに感謝のいけにえをささげよう
主の御名を呼び
18主に満願の献げ物をささげよう
主の民すべての見守る前で
19主の家の庭で、エルサレムのただ中で。
ハレルヤ。
117
1すべての国よ、主を賛美せよ。
すべての民よ、主をほめたたえよ。
2主の慈しみとまことはとこしえに
わたしたちを超えて力強い。
ハレルヤ。
118
1恵み深い主に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
2イスラエルは言え。
慈しみはとこしえに。
3アロンの家は言え。
慈しみはとこしえに。
4主を畏れる人は言え。
慈しみはとこしえに。
5苦難のはざまから主を呼び求めると
主は答えてわたしを解き放たれた。
6主はわたしの味方、わたしは誰を恐れよう。
人間がわたしに何をなしえよう。
7主はわたしの味方、助けとなって
わたしを憎む者らを支配させてくださる。
8人間に頼らず、主を避けどころとしよう。
9君侯に頼らず、主を避けどころとしよう。
10国々はこぞってわたしを包囲するが
主の御名によってわたしは必ず彼らを滅ぼす。
11彼らは幾重にも包囲するが
主の御名によってわたしは必ず彼らを滅ぼす。
12蜂のようにわたしを包囲するが
茨が燃えるように彼らは燃え尽きる。
主の御名によってわたしは必ず彼らを滅ぼす。
13激しく攻められて倒れそうになったわたしを
主は助けてくださった。
14主はわたしの砦、わたしの歌。
主はわたしの救いとなってくださった。
15御救いを喜び歌う声が主に従う人の天幕に響く。
主の右の手は御力を示す。
16主の右の手は高く上がり
主の右の手は御力を示す。
17死ぬことなく、生き長らえて
主の御業を語り伝えよう。
18主はわたしを厳しく懲らしめられたが
死に渡すことはなさらなかった。
19正義の城門を開け
わたしは入って主に感謝しよう。
20これは主の城門
主に従う人々はここを入る。
21わたしはあなたに感謝をささげる
あなたは答え、救いを与えてくださった。
22家を建てる者の退けた石が
隅の親石となった。
23これは主の御業
わたしたちの目には驚くべきこと。
24今日こそ主の御業の日。
今日を喜び祝い、喜び躍ろう。
25どうか主よ、わたしたちに救いを。
どうか主よ、わたしたちに栄えを。
26祝福あれ、主の御名によって来る人に。
わたしたちは主の家からあなたたちを祝福する。
27主こそ神、わたしたちに光をお与えになる方。
祭壇の角のところまで
祭りのいけにえを綱でひいて行け。
28あなたはわたしの神、あなたに感謝をささげる。
わたしの神よ、あなたをあがめる。
29恵み深い主に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
119
(アルファベットによる詩)
(アレフ)
1いかに幸いなことでしょう
まったき道を踏み、主の律法に歩む人は。
2いかに幸いなことでしょう
主の定めを守り
心を尽くしてそれを尋ね求める人は。
3彼らは決して不正を行わず
主の道を歩みます。
4あなたは仰せになりました
あなたの命令を固く守るように、と。
5わたしの道が確かになることを願います
あなたの掟を守るために。
6そうなれば、あなたのどの戒めに照らしても
恥じ入ることがないでしょう。
7あなたの正しい裁きを学び
まっすぐな心であなたに感謝します。
8あなたの掟を守ります。
どうか、お見捨てにならないでください。
(ベト)
9どのようにして、若者は
歩む道を清めるべきでしょうか。
あなたの御言葉どおりに道を保つことです。
10心を尽くしてわたしはあなたを尋ね求めます。
あなたの戒めから
迷い出ることのないようにしてください。
11わたしは仰せを心に納めています
あなたに対して過ちを犯すことのないように。
12主よ、あなたをたたえます。
あなたの掟を教えてください。
13あなたの口から与えられた裁きを
わたしの唇がひとつひとつ物語りますように。
14どのような財宝よりも
あなたの定めに従う道を喜びとしますように。
15わたしはあなたの命令に心を砕き
あなたの道に目を注ぎます。
16わたしはあなたの掟を楽しみとし
御言葉を決して忘れません。
(ギメル)
17あなたの僕のためにお計らいください
わたしは命を得て、御言葉を守ります。
18わたしの目の覆いを払ってください
あなたの律法の驚くべき力に
わたしは目を注ぎます。
19この地では宿り人にすぎないわたしに
あなたの戒めを隠さないでください。
20あなたの裁きを望み続け
わたしの魂はやつれ果てました。
21呪われるべき傲慢な者をとがめてください
あなたの戒めから迷い出る者を。
22辱めと侮りをわたしの上から払ってください
あなたの定めを守っているのですから。
23地位ある人々が座に就き
わたしのことを謀っていても
あなたの僕は
あなたの掟にのみ心を砕いていますように。
24あなたの定めはわたしの楽しみです。
わたしに良い考えを与えてくれます。
(ダレト)
25わたしの魂は塵に着いています。
御言葉によって、命を得させてください。
26わたしの道を申し述べます。
わたしに答え、あなたの掟を教えてください。
27あなたの命令に従う道を見分けさせてください。
わたしは驚くべき御業を歌います。
28わたしの魂は悲しんで涙を流しています。
御言葉のとおり、わたしを立ち直らせてください。
29偽りの道をわたしから遠ざけ
憐れんで、あなたの律法をお与えください。
30信仰の道をわたしは選び取りました
あなたの裁きにかなうものとなりますように。
31主よ、あなたの定めにすがりつきます。
わたしを恥に落とさないでください。
32あなたによって心は広くされ
わたしは戒めに従う道を走ります。
(ヘー)
33主よ、あなたの掟に従う道を示してください。
最後までそれを守らせてください。
34あなたの律法を理解させ、保たせてください。
わたしは心を尽くしてそれを守ります。
35あなたの戒めに従う道にお導きください。
わたしはその道を愛しています。
36不当な利益にではなく
あなたの定めに心を傾けるようにしてください。
37むなしいものを見ようとすることから
わたしのまなざしを移してください。
あなたの道に従って
命を得ることができますように。
38あなたの僕に対して、仰せを成就してください。
わたしはあなたを畏れ敬います。
39わたしの恐れる辱めが
わたしを避けて行くようにしてください。
あなたは良い裁きをなさいます。
40御覧ください
わたしはあなたの命令を望み続けています。
恵みの御業によって
命を得させてください。
(ワウ)
41主よ、あなたの慈しみと救いが
仰せのとおり、わたしを訪れますように。
42わたしを辱めた者に答えさせてください。
わたしは御言葉に依り頼んでいます。
43真実をわたしの口から奪わないでください。
あなたの裁きを待ち望んでいます。
44わたしがあなたの律法を守る者でありますように
常に、そしてとこしえに。
45広々としたところを行き来させてください。
あなたの命令を尋ね求めています。
46わたしは王たちの前であなたの定めを告げ
決して恥とすることはないでしょう。
47わたしはあなたの戒めを愛し
それを楽しみとします。
48わたしはあなたの戒めを愛し
それに向かって手を高く上げます。
わたしはあなたの掟を歌います。
(ザイン)
49あなたの僕への御言葉を思い起こしてください。
あなたはそれを待ち望ませておられます。
50あなたの仰せはわたしに命を得させるでしょう。
苦しみの中でもそれに力づけられます。
51傲慢な者はわたしを甚だしく見下しますが
わたしはあなたの律法から離れません。
52あなたの裁きはとこしえに堪えることを思い
主よ、わたしは力づけられます。
53神に逆らう者に対する燃える怒りが
わたしを捕えています。
彼らはあなたの律法を捨て去る者です。
54この仮の宿にあって
あなたの掟をわたしの歌とします。
55主よ、夜ともなれば御名を唱え
あなたの律法を守ります。
56あなたの命令に従うこと
それだけが、わたしのものです。
(ヘト)
57主はわたしに与えられた分です。
御言葉を守ることを約束します。
58御顔が和らぐのを心を尽くして願い求めます。
仰せのとおり、わたしを憐れんでください。
59わたしは自分の道を思い返し
立ち帰ってあなたの定めに足を向けます。
60わたしはためらうことなく
速やかにあなたの戒めを守ります。
61神に逆らう者の縄が
わたしをからめとろうとしますが
わたしはあなたの律法を決して忘れません。
62夜半に起きて
あなたの正しい裁きに感謝をささげます。
63あなたを畏れる人、あなたの命令を守る人
わたしはこのような人の友となります。
64主よ、この地はあなたの慈しみに満ちています。
あなたの掟をわたしに教えてください。
(テト)
65主よ、あなたの御言葉のとおり
あなたの僕に恵み深くお計らいください。
66確かな判断力と知識をもつように
わたしを教えてください。
わたしはあなたの戒めを信じています。
67わたしは迷い出て、ついに卑しめられました。
今からは、あなたの仰せを守らせてください。
68あなたは善なる方、すべてを善とする方。
あなたの掟を教えてください。
69傲慢な者は偽りの薬を塗ろうとしますが
わたしは心を尽くしてあなたの命令を守ります。
70彼らの心は脂肪に閉ざされています。
わたしはあなたの律法を楽しみとします。
71卑しめられたのはわたしのために良いことでした。
わたしはあなたの掟を学ぶようになりました。
72あなたの口から出る律法はわたしにとって
幾千の金銀にまさる恵みです。
(ヨド)
73御手がわたしを造り、固く立ててくださいました。
あなたの戒めを理解させ、学ばせてください。
74あなたを畏れる人はわたしを見て喜びます。
わたしが御言葉を待ち望んでいるからです。
75主よ、あなたの裁きが正しいことを
わたしは知っています。
わたしを苦しめられたのは
あなたのまことのゆえです。
76あなたの慈しみをもって
わたしを力づけてください
あなたの僕への仰せのとおりに。
77御憐れみがわたしに届き
命を得させてくださいますように。
あなたの律法はわたしの楽しみです。
78わたしを偽りによって迷わせた傲慢な者が
恥に落とされますように。
わたしはあなたの命令に心を砕きます。
79あなたを畏れる人、あなたの定めを知る人が
わたしのもとに立ち帰りますように。
80わたしの心があなたの掟に照らして
無垢でありますように。
そうすればわたしは恥じることがないでしょう。
(カフ)
81わたしの魂は
あなたの救いを求めて絶え入りそうです。
あなたの御言葉を待ち望みます。
82わたしの目はあなたの仰せを待って衰えました。
力づけてくださるのはいつか、と申します。
83わたしは煙にすすけた革袋のようになっても
あなたの掟を決して忘れません。
84あなたの僕が長らえる日々はどれほどでしょう。
わたしを迫害するものに対して
いつあなたは裁きをしてくださるのでしょう。
85傲慢な者はわたしに対して落とし穴を掘りました。
彼らはあなたの律法に従わない者です。
86あなたの戒めはすべて確かです。
人々は偽りをもってわたしを迫害します。
わたしをお助けください。
87この地で人々はわたしを
絶え果てさせようとしています。
どうかわたしがあなたの命令を
捨て去ることがありませんように。
88慈しみ深く、わたしに命を得させてください。
わたしはあなたの口から出た定めを守ります。
(ラメド)
89主よ、とこしえに
御言葉は天に確立しています。
90あなたへの信仰は代々に続き
あなたが固く立てられた地は堪えます。
91この日に至るまで
あなたの裁きにつき従って来た人々は
すべてあなたの僕です。
92あなたの律法を楽しみとしていなければ
この苦しみにわたしは滅びていたことでしょう。
93わたしはあなたの命令をとこしえに忘れません
それによって命を得させてくださったのですから。
94わたしはあなたのもの。どうかお救いください。
あなたの命令をわたしは尋ね求めます。
95神に逆らう者はわたしを滅ぼそうと望んでいます。
わたしはあなたの定めに英知を得ます。
96何事にも終りと果てがあるのをわたしは見ます。
広大なのはあなたの戒めです。
(メム)
97わたしはあなたの律法を
どれほど愛していることでしょう。
わたしは絶え間なくそれに心を砕いています。
98あなたの戒めは
わたしを敵よりも知恵ある者とします。
それはとこしえにわたしのものです。
99わたしはあらゆる師にまさって目覚めた者です。
あなたの定めに心を砕いているからです。
100長老たちにまさる英知を得させてください。
わたしはあなたの命令を守ります。
101どのような悪の道にも足を踏み入れません。
御言葉を守らせてください。
102あなたの裁きから離れません。
あなたがわたしを教えてくださるからです。
103あなたの仰せを味わえば
わたしの口に蜜よりも甘いことでしょう。
104あなたの命令から英知を得たわたしは
どのような偽りの道をも憎みます。
(ヌン)
105あなたの御言葉は、わたしの道の光
わたしの歩みを照らす灯。
106わたしは誓ったことを果たします。
あなたの正しい裁きを守ります。
107わたしは甚だしく卑しめられています。
主よ、御言葉のとおり
命を得させてください。
108わたしの口が進んでささげる祈りを
主よ、どうか受け入れ
あなたの裁きを教えてください。
109わたしの魂は常にわたしの手に置かれています。
それでも、あなたの律法を決して忘れません。
110主に逆らう者がわたしに罠を仕掛けています。
それでも、わたしはあなたの命令からそれません。
111あなたの定めはとこしえにわたしの嗣業です。
それはわたしの心の喜びです。
112あなたの掟を行うことに心を傾け
わたしはとこしえに従って行きます。
(サメク)
113心の分かれている者をわたしは憎みます。
あなたの律法を愛します。
114あなたはわたしの隠れが、わたしの盾
御言葉をわたしは待ち望みます。
115悪事を謀る者よ、わたしを離れよ。
わたしはわたしの神の戒めを守る。
116あなたの仰せによりすがらせ
命を得させてください。
わたしの望みを裏切らないでください。
117わたしを支えてください
そうすればわたしは救われます。
いつもあなたの掟に目を注ぎます。
118あなたの掟から迷い出る者は
ことごとく打ち捨てられました。
彼らは欺く者、偽る者です。
119この地であなたに逆らう者はことごとく
金かすのように断ち滅ぼされました。
それゆえわたしはあなたの定めを愛します。
120あなたを恐れてわたしの身はすくみます。
あなたの裁きを畏れ敬います。
(アイン)
121わたしは正しい裁きを行います
虐げる者にわたしをまかせないでください。
122恵み深くあなたの僕の保証人となってください。
傲慢な者がわたしを虐げませんように。
123御救いを待って、わたしの目は衰えました
あなたの正しい仰せを待って。
124慈しみ深く
あなたの僕のために計らってください。
あなたの掟をわたしに教えてください。
125わたしはあなたの僕です。
あなたが分からせてくだされば
あなたの定めを知ることができます。
126主の働かれるときです。
人々はあなたの律法を破棄しています。
127それゆえ、金にまさり純金にまさって
わたしはあなたの戒めを愛します。
128それゆえ、あなたの命令のすべてに従って
わたしはまっすぐに歩き
偽りの道をことごとく憎みます。
(ペー)
129あなたの定めは驚くべきものです。
わたしの魂はそれを守ります。
130御言葉が開かれると光が射し出で
無知な者にも理解を与えます。
131わたしは口を大きく開き、渇望しています。
あなたの戒めを慕い求めます。
132御顔をわたしに向け、憐れんでください
御名を愛する者への裁きに従って。
133仰せのとおり
わたしの足どりを確かなものにしてください。
どのような悪もわたしを支配しませんように。
134虐げる者からわたしを解き放ってください。
わたしはあなたの命令を守ります。
135御顔の光をあなたの僕の上に輝かせてください。
あなたの掟を教えてください。
136わたしの目は川のように涙を流しています。
人々があなたの律法を守らないからです。
(ツァデ)
137主よ、あなたは正しく
あなたの裁きはまっすぐです。
138あなたは定めを与えられました。
それはまことに正しく確かな定めです。
139わたしの熱情はわたしを滅ぼすほどです
敵があなたの御言葉を忘れ去ったからです。
140あなたの仰せは火で練り清められたもの。
あなたの僕はそれを愛します。
141わたしは若く、侮られていますが
あなたの命令を決して忘れません。
142恵みの御業はとこしえに正しく
あなたの律法はまことです。
143苦難と苦悩がわたしにふりかかっていますが
あなたの戒めはわたしの楽しみです。
144あなたの定めは
とこしえに正しいのですから
わたしに理解させ、命を得させてください。
(コフ)
145心を尽くして呼び求めます。
主よ、わたしに答えてください。
わたしはあなたの掟を守ります。
146あなたを呼びます、お救いください。
わたしはあなたの定めを守ります。
147夜明けに先立ち、助けを求めて叫び
御言葉を待ち望みます。
148わたしの目は夜警に先立ち
あなたの仰せに心を砕きます。
149主よ、慈しみ深くわたしの声を聞き
あなたの裁きによって命を得させてください。
150悪だくみをもって迫害する者が近づきます。
彼らはあなたの律法に遠いのです。
151主よ、あなたは近くいてくださいます。
あなたの戒めはすべて真実です。
152あなたの定めを見てわたしは悟ります。
それがいにしえからのものであり
あなたによってとこしえに立てられたのだ、と。
(レシュ)
153わたしの苦しみを顧みて助け出してください。
わたしはあなたの律法を
決して忘れたことはありません。
154わたしに代わって争い、わたしを贖い
仰せによって命を得させてください。
155神に逆らう者に、救いは遠い。
あなたの掟を尋ね求めないからです。
156主よ、あなたの憐れみは豊かです。
あなたの裁きによって命を得させてください。
157わたしを迫害する者、苦しめる者は多いが
わたしはあなたの定めから離れません。
158欺く者を見れば忌むべきものと思います。
彼らはあなたの仰せを守りません。
159御覧ください
わたしはあなたの命令を愛しています。
主よ、慈しみ深く
わたしに命を得させてください。
160御言葉の頭はまことです。
あなたはとこしえに正しく裁かれます。
(シン)
161地位ある人々が理由もなく迫害しますが
わたしの心が恐れるのはあなたの御言葉だけです。
162仰せを受けてわたしは喜びます
多くの戦利品を得たかのように。
163わたしは偽りを忌むべきこととして憎み
あなたの律法を愛します。
164日に七たび、わたしはあなたを賛美します
あなたの正しい裁きのゆえに。
165あなたの律法を愛する人には豊かな平和があり
つまずかせるものはありません。
166主よ、わたしは御救いを仰いで待ち
あなたの戒めを実行します。
167わたしの魂はあなたの定めを守り
それをどこまでも愛します。
168あなたの定めと命令を守っています。
わたしの道はすべて御前にあるとおりです。
(タウ)
169主よ、わたしの叫びが御前に届きますように。
御言葉をあるがままに理解させてください。
170わたしの嘆願が御前に達しますように。
仰せのとおりにわたしを助け出してください。
171わたしの唇から賛美が溢れるでしょう
あなたが掟を教えてくださいますから。
172わたしの舌はあなたの仰せを歌うでしょう
あなたの戒めはことごとく正しいのですから。
173あなたの御手はわたしの助けとなるでしょう
あなたの命令を選び取ったのですから。
174主よ、御救いをわたしは望みます。
あなたの律法はわたしの楽しみです。
175わたしの魂が命を得てあなたを賛美しますように。
あなたの裁きがわたしを助けますように。
176わたしが小羊のように失われ、迷うとき
どうかあなたの僕を探してください。
あなたの戒めをわたしは決して忘れません。
120
1都に上る歌。
苦難の中から主を呼ぶと
主はわたしに答えてくださった。
2「主よ、わたしの魂を助け出してください
偽って語る唇から、欺いて語る舌から。」
3主はお前に何を与え
お前に何を加えられるであろうか
欺いて語る舌よ
4勇士の放つ鋭い矢よ
えにしだの炭火を付けた矢よ。
5わたしは不幸なことだ
メシェクに宿り、ケダルの天幕の傍らに住むとは
6平和を憎む者と共に
わたしの魂が久しくそこに住むとは。
7平和をこそ、わたしは語るのに
彼らはただ、戦いを語る。
121
1都に上る歌。
目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。
わたしの助けはどこから来るのか。
2わたしの助けは来る
天地を造られた主のもとから。
3どうか、主があなたを助けて
足がよろめかないようにし
まどろむことなく見守ってくださるように。
4見よ、イスラエルを見守る方は
まどろむことなく、眠ることもない。
5主はあなたを見守る方
あなたを覆う陰、あなたの右にいます方。
6昼、太陽はあなたを撃つことがなく
夜、月もあなたを撃つことがない。
7主がすべての災いを遠ざけて
あなたを見守り
あなたの魂を見守ってくださるように。
8あなたの出で立つのも帰るのも
主が見守ってくださるように。
今も、そしてとこしえに。
122
1都に上る歌。ダビデの詩。
主の家に行こう、と人々が言ったとき
わたしはうれしかった。
2エルサレムよ、あなたの城門の中に
わたしたちの足は立っている。
3エルサレム、都として建てられた町。
そこに、すべては結び合い
4そこに、すべての部族、主の部族は上って来る。
主の御名に感謝をささげるのはイスラエルの定め。
5そこにこそ、裁きの王座が
ダビデの家の王座が据えられている。
6エルサレムの平和を求めよう。
「あなたを愛する人々に平安があるように。
7あなたの城壁のうちに平和があるように。
あなたの城郭のうちに平安があるように。」
8わたしは言おう、わたしの兄弟、友のために。
「あなたのうちに平和があるように。」
9わたしは願おう
わたしたちの神、主の家のために。
「あなたに幸いがあるように。」
123
1都に上る歌。
目を上げて、わたしはあなたを仰ぎます
天にいます方よ。
2御覧ください、僕が主人の手に目を注ぎ
はしためが女主人の手に目を注ぐように
わたしたちは、神に、わたしたちの主に目を注ぎ
憐れみを待ちます。
3わたしたちを憐れんでください。
主よ、わたしたちを憐れんでください。
わたしたちはあまりにも恥に飽かされています。
4平然と生きる者らの嘲笑に
傲然と生きる者らの侮りに
わたしたちの魂はあまりにも飽かされています。
124
1都に上る歌。ダビデの詩。
イスラエルよ、言え。
「主がわたしたちの味方でなかったなら
2主がわたしたちの味方でなかったなら
わたしたちに逆らう者が立ったとき
3そのとき、わたしたちは生きながら
敵意の炎に呑み込まれていたであろう。
4そのとき、大水がわたしたちを押し流し
激流がわたしたちを越えて行ったであろう。
5そのとき、わたしたちを越えて行ったであろう
驕り高ぶる大水が。」
6主をたたえよ。
主はわたしたちを敵の餌食になさらなかった。
7仕掛けられた網から逃れる鳥のように
わたしたちの魂は逃れ出た。
網は破られ、わたしたちは逃れ出た。
8わたしたちの助けは
天地を造られた主の御名にある。
125
1都に上る歌。
主に依り頼む人は、シオンの山。
揺らぐことなく、とこしえに座る。
2山々はエルサレムを囲み
主は御自分の民を囲んでいてくださる
今も、そしてとこしえに。
3主に従う人に割り当てられた地に
主に逆らう者の笏が置かれることのないように。
主に従う人が悪に手を伸ばすことのないように。
4主よ、良い人、心のまっすぐな人を
幸せにしてください。
5よこしまな自分の道にそれて行く者を
主よ、悪を行う者と共に追い払ってください。
イスラエルの上に平和がありますように。
126
1都に上る歌。
主がシオンの捕われ人を連れ帰られると聞いて
わたしたちは夢を見ている人のようになった。
2そのときには、わたしたちの口に笑いが
舌に喜びの歌が満ちるであろう。
そのときには、国々も言うであろう
「主はこの人々に、大きな業を成し遂げられた」と。
3主よ、わたしたちのために
大きな業を成し遂げてください。
わたしたちは喜び祝うでしょう。
4主よ、ネゲブに川の流れを導くかのように
わたしたちの捕われ人を連れ帰ってください。
5涙と共に種を蒔く人は
喜びの歌と共に刈り入れる。
6種の袋を背負い、泣きながら出て行った人は
束ねた穂を背負い
喜びの歌をうたいながら帰ってくる。
127
1都に上る歌。ソロモンの詩。
主御自身が建ててくださるのでなければ
家を建てる人の労苦はむなしい。
主御自身が守ってくださるのでなければ
町を守る人が目覚めているのもむなしい。
2朝早く起き、夜おそく休み
焦慮してパンを食べる人よ
それは、むなしいことではないか
主は愛する者に眠りをお与えになるのだから。
3見よ、子らは主からいただく嗣業。
胎の実りは報い。
4若くて生んだ子らは、勇士の手の中の矢。
5いかに幸いなことか
矢筒をこの矢で満たす人は。
町の門で敵と論争するときも
恥をこうむることはない。
128
1都に上る歌。
いかに幸いなことか
主を畏れ、主の道に歩む人よ。
2あなたの手が労して得たものはすべて
あなたの食べ物となる。
あなたはいかに幸いなことか
いかに恵まれていることか。
3妻は家の奥にいて、豊かな房をつけるぶどうの木。
食卓を囲む子らは、オリーブの若木。
4見よ、主を畏れる人はこのように祝福される。
5シオンから
主があなたを祝福してくださるように。
命のある限りエルサレムの繁栄を見
6多くの子や孫を見るように。
イスラエルに平和。
129
1都に上る歌。
イスラエルは言うがよい。
「わたしが若いときから
彼らはわたしを苦しめ続けたが
2わたしが若いときから
彼らはわたしを苦しめ続けたが
彼らはわたしを圧倒できなかった。
3耕す者はわたしの背を耕し
畝を長く作った。」
4主は正しい。
主に逆らう者の束縛を断ち切ってくださる。
5シオンを憎む者よ、皆恥を受けて退け。
6抜かれる前に枯れる屋根の草のようになれ。
7刈り入れても手を満たすことはないように。
穂を束ねてもふところを満たすことはないように。
8傍らを通る者が
「主はあなたがたを祝福される。
わたしたちも主の御名によって
あなたがたを祝福する」と言わないように。
130
1都に上る歌。
深い淵の底から、主よ、あなたを呼びます。
2主よ、この声を聞き取ってください。
嘆き祈るわたしの声に耳を傾けてください。
3主よ、あなたが罪をすべて心に留められるなら
主よ、誰が耐ええましょう。
4しかし、赦しはあなたのもとにあり
人はあなたを畏れ敬うのです。
5わたしは主に望みをおき
わたしの魂は望みをおき
御言葉を待ち望みます。
6わたしの魂は主を待ち望みます
見張りが朝を待つにもまして
見張りが朝を待つにもまして。
7イスラエルよ、主を待ち望め。
慈しみは主のもとに
豊かな贖いも主のもとに。
8主は、イスラエルを
すべての罪から贖ってくださる。
131
1都に上る歌。ダビデの詩。
主よ、わたしの心は驕っていません。
わたしの目は高くを見ていません。
大き過ぎることを
わたしの及ばぬ驚くべきことを、追い求めません。
2わたしは魂を沈黙させます。
わたしの魂を、幼子のように
母の胸にいる幼子のようにします。
3イスラエルよ、主を待ち望め。
今も、そしてとこしえに。
132
1都に上る歌。
主よ、御心に留めてください
ダビデがいかに謙虚にふるまったかを。
2彼は主に誓い
ヤコブの勇者である神に願をかけました。
3「わたしは決してわたしの家に、天幕に入らず
わたしの寝室に、寝床に上らず
4わたしの目に眠りを与えず
まぶたにまどろむことを許すまい
5主のために一つの場所を見いだし
ヤコブの勇者である神のために
神のいますところを定めるまでは。」
6見よ、わたしたちは聞いた
それがエフラタにとどまっていると。
ヤアルの野でわたしたちはそれを見いだした。
7わたしたちは主のいます所に行き
御足を置かれる所に向かって伏し拝もう。
8主よ、立ち上がり
あなたの憩いの地にお進みください
あなた御自身も、そして御力を示す神の箱も。
9あなたに仕える祭司らは正義を衣としてまとい
あなたの慈しみに生きる人々は
喜びの叫びをあげるでしょう。
10ダビデはあなたの僕
あなたが油注がれたこの人を
決してお見捨てになりませんように。
11主はダビデに誓われました。
それはまこと。
思い返されることはありません。
「あなたのもうけた子らの中から
王座を継ぐ者を定める。
12あなたの子らがわたしの契約と
わたしが教える定めを守るなら
彼らの子らも、永遠に
あなたの王座につく者となる。」
13主はシオンを選び
そこに住むことを定められました。
14「これは永遠にわたしの憩いの地。
ここに住むことをわたしは定める。
15シオンの食糧を豊かに祝福し
乏しい者に飽きるほどのパンを与えよう。
16祭司らには、救いを衣としてまとわせる。
わたしの慈しみに生きる人は
喜びの叫びを高くあげるであろう。
17ダビデのために一つの角をそこに芽生えさせる。
わたしが油を注いだ者のために一つの灯を備える。
18彼の敵には、恥を衣としてまとわせる。
王冠はダビデの上に花開くであろう。」
133
1都に上る歌。ダビデの詩。
見よ、兄弟が共に座っている。
なんという恵み、なんという喜び。
2かぐわしい油が頭に注がれ、ひげに滴り
衣の襟に垂れるアロンのひげに滴り
3ヘルモンにおく露のように
シオンの山々に滴り落ちる。
シオンで、主は布告された
祝福と、とこしえの命を。
134
1都に上る歌。
主の僕らよ、こぞって主をたたえよ。
夜ごと、主の家にとどまる人々よ
2聖所に向かって手を上げ、主をたたえよ。
3天地を造られた主が
シオンからあなたを祝福してくださるように。
135
1ハレルヤ。
賛美せよ、主の御名を
賛美せよ、主の僕らよ
2主の家に
わたしたちの神の家の庭に居並ぶ人々よ。
3主を賛美せよ、恵み深い主を。
喜ばしい御名をほめ歌え。
4主はヤコブを御自分のために選び
イスラエルを御自分の宝とされた。
5わたしは確かに知った
主は大いなる方
わたしたちの主は、どの神にもまさって大いなる方。
6天において、地において
海とすべての深淵において
主は何事をも御旨のままに行われる。
7地の果てに雨雲を湧き上がらせ
稲妻を放って雨を降らせ
風を倉から送り出される。
8主はエジプトの初子をことごとく
人の子も家畜の子も撃ち
9エジプト中に、しるしと奇跡を送られた
ファラオとその家臣すべてに対して。
10主は多くの国を撃ち、強大な王らを倒された
11アモリ人の王シホン、バシャンの王オグを
カナンの王国をことごとく。
12彼らの領地を嗣業として
嗣業として御自分の民イスラエルに与えられた。
13主よ、御名はとこしえに。
主よ、御名の記念は代々に。
14主は御自分の民の裁きを行い
僕らを力づけられる。
15国々の偶像は金や銀にすぎず
人間の手が造ったもの。
16口があっても話せず
目があっても見えない。
17耳があっても聞こえず
鼻と口には息が通わない。
18偶像を造り、それに依り頼む者は
皆、偶像と同じようになる。
19イスラエルの家よ、主をたたえよ。
アロンの家よ、主をたたえよ。
20レビの家よ、主をたたえよ。
主を畏れる人よ、主をたたえよ。
21シオンから、主をたたえよ
エルサレムにいます主を。
ハレルヤ。
136
1恵み深い主に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
2神の中の神に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
3主の中の主に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
4ただひとり
驚くべき大きな御業を行う方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
5英知をもって天を造った方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
6大地を水の上に広げた方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
7大きな光を造った方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
8昼をつかさどる太陽を造った方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
9夜をつかさどる月と星を造った方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
10エジプトの初子を討った方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
11イスラエルをそこから導き出した方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
12力強い手と腕を伸ばして導き出した方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
13葦の海を二つに分けた方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
14イスラエルにその中を通らせた方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
15ファラオとその軍勢を
葦の海に投げ込んだ方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
16イスラエルの民に荒れ野を行かせた方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
17強大な王たちを討った方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
18力ある王たちを滅ぼした方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
19アモリ人の王シホンを滅ぼした方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
20バシャンの王オグを滅ぼした方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
21彼らの土地を嗣業として与えた方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
22僕イスラエルの嗣業とした方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
23低くされたわたしたちを
御心に留めた方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
24敵からわたしたちを奪い返した方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
25すべて肉なるものに糧を与える方に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
26天にいます神に感謝せよ。
慈しみはとこしえに。
137
1バビロンの流れのほとりに座り
シオンを思って、わたしたちは泣いた。
2竪琴は、ほとりの柳の木々に掛けた。
3わたしたちを捕囚にした民が
歌をうたえと言うから
わたしたちを嘲る民が、楽しもうとして
「歌って聞かせよ、シオンの歌を」と言うから。
4どうして歌うことができようか
主のための歌を、異教の地で。
5エルサレムよ
もしも、わたしがあなたを忘れるなら
わたしの右手はなえるがよい。
6わたしの舌は上顎にはり付くがよい
もしも、あなたを思わぬときがあるなら
もしも、エルサレムを
わたしの最大の喜びとしないなら。
7主よ、覚えていてください
エドムの子らを
エルサレムのあの日を
彼らがこう言ったのを
「裸にせよ、裸にせよ、この都の基まで。」
8娘バビロンよ、破壊者よ
いかに幸いなことか
お前がわたしたちにした仕打ちを
お前に仕返す者
9お前の幼子を捕えて岩にたたきつける者は。
138
1ダビデの詩。
わたしは心を尽くして感謝し
神の御前でほめ歌をうたいます。
2聖なる神殿に向かってひれ伏し
あなたの慈しみとまことのゆえに
御名に感謝をささげます。
その御名のすべてにまさって
あなたは仰せを大いなるものとされました。
3呼び求めるわたしに答え
あなたは魂に力を与え
解き放ってくださいました。
4地上の王は皆、あなたに感謝をささげます。
あなたの口から出る仰せを彼らは聞きました。
5主の道について彼らは歌うでしょう
主の大いなる栄光を。
6主は高くいましても
低くされている者を見ておられます。
遠くにいましても
傲慢な者を知っておられます。
7わたしが苦難の中を歩いているときにも
敵の怒りに遭っているときにも
わたしに命を得させてください。
御手を遣わし、右の御手でお救いください。
8主はわたしのために
すべてを成し遂げてくださいます。
主よ、あなたの慈しみが
とこしえにありますように。
御手の業をどうか放さないでください。
139
1指揮者によって。ダビデの詩。
賛歌。
主よ、あなたはわたしを究め
わたしを知っておられる。
2座るのも立つのも知り
遠くからわたしの計らいを悟っておられる。
3歩くのも伏すのも見分け
わたしの道にことごとく通じておられる。
4わたしの舌がまだひと言も語らぬさきに
主よ、あなたはすべてを知っておられる。
5前からも後ろからもわたしを囲み
御手をわたしの上に置いていてくださる。
6その驚くべき知識はわたしを超え
あまりにも高くて到達できない。
7どこに行けば
あなたの霊から離れることができよう。
どこに逃れれば、御顔を避けることができよう。
8天に登ろうとも、あなたはそこにいまし
陰府に身を横たえようとも
見よ、あなたはそこにいます。
9曙の翼を駆って海のかなたに行き着こうとも
10あなたはそこにもいまし
御手をもってわたしを導き
右の御手をもってわたしをとらえてくださる。
11わたしは言う。
「闇の中でも主はわたしを見ておられる。
夜も光がわたしを照らし出す。」
12闇もあなたに比べれば闇とは言えない。
夜も昼も共に光を放ち
闇も、光も、変わるところがない。
13あなたは、わたしの内臓を造り
母の胎内にわたしを組み立ててくださった。
14わたしはあなたに感謝をささげる。
わたしは恐ろしい力によって
驚くべきものに造り上げられている。
御業がどんなに驚くべきものか
わたしの魂はよく知っている。
15秘められたところでわたしは造られ
深い地の底で織りなされた。
あなたには、わたしの骨も隠されてはいない。
16胎児であったわたしをあなたの目は見ておられた。
わたしの日々はあなたの書にすべて記されている
まだその一日も造られないうちから。
17あなたの御計らいは
わたしにとっていかに貴いことか。
神よ、いかにそれは数多いことか。
18数えようとしても、砂の粒より多く
その果てを極めたと思っても
わたしはなお、あなたの中にいる。
19どうか神よ、逆らう者を打ち滅ぼしてください。
わたしを離れよ、流血を謀る者。
20たくらみをもって御名を唱え
あなたの町々をむなしくしてしまう者。
21主よ、あなたを憎む者をわたしも憎み
あなたに立ち向かう者を忌むべきものとし
22激しい憎しみをもって彼らを憎み
彼らをわたしの敵とします。
23神よ、わたしを究め
わたしの心を知ってください。
わたしを試し、悩みを知ってください。
24御覧ください
わたしの内に迷いの道があるかどうかを。
どうか、わたしを
とこしえの道に導いてください。
140
1指揮者によって。賛歌。
ダビデの詩。
2主よ、さいなむ者からわたしを助け出し
不法の者から救い出してください。
3彼らは心に悪事を謀り
絶え間なく戦いを挑んできます。
4舌を蛇のように鋭くし
蝮の毒を唇に含んでいます。
〔セラ
5主よ、主に逆らう者の手からわたしを守り
不法の者から救い出してください
わたしの歩みを突き落とそうと謀っている者から。
6傲慢な者がわたしに罠を仕掛け
綱や網を張りめぐらし
わたしの行く道に落とし穴を掘っています。
〔セラ
7主にわたしは申します
「あなたはわたしの神」と。
主よ、嘆き祈るわたしの声に耳を傾けてください。
8主よ、わたしの神よ、救いの力よ
わたしが武器を執る日
先頭に立ってわたしを守ってください。
9主よ
主に逆らう者に欲望を満たすことを許さず
たくらみを遂げさせず
誇ることを許さないでください。
〔セラ
10わたしを包囲する者は
自分の唇の毒を頭にかぶるがよい。
11火の雨がその上に降り注ぎ
泥沼に沈められ
再び立ち上がることのないように。
12舌を操る者はこの地に固く立つことなく
不法の者は災いに捕えられ
追い立てられるがよい。
13わたしは知っています
主は必ず、貧しい人の訴えを取り上げ
乏しい人のために裁きをしてくださることを。
14主に従う人は御名に感謝をささげ
正しい人は
御前に座ることができるでしょう。
141
1賛歌。ダビデの詩。
主よ、わたしはあなたを呼びます。
速やかにわたしに向かい
あなたを呼ぶ声に耳を傾けてください。
2わたしの祈りを御前に立ち昇る香りとし
高く上げた手を
夕べの供え物としてお受けください。
3主よ、わたしの口に見張りを置き
唇の戸を守ってください。
4わたしの心が悪に傾くのを許さないでください。
悪を行う者らと共にあなたに逆らって
悪事を重ねることのありませんように。
彼らの与える好餌にいざなわれませんように。
5主に従う人がわたしを打ち
慈しみをもって戒めてくれますように。
わたしは油で頭を整えることもしません
彼らの悪のゆえに祈りをささげている間は。
6彼らの支配者がことごとく
岩の傍らに投げ落とされますように。
彼らはわたしの言葉を聞いて喜んだのです。
7「あたかも地を裂き、地を割ったかのように
わたしたちの骨は陰府の口に散らされている。」
8主よ、わたしの神よ、わたしの目をあなたに向け
あなたを避けどころとします。
わたしの魂をうつろにしないでください。
9どうか、わたしをお守りください。
わたしに対して仕掛けられた罠に
悪を行う者が掘った落とし穴に陥りませんように。
10主に逆らう者が皆、主の網にかかり
わたしは免れることができますように。
142
1マスキール。ダビデの詩。ダビデが洞穴にいたとき。祈り。
2声をあげ、主に向かって叫び
声をあげ、主に向かって憐れみを求めよう。
3御前にわたしの悩みを注ぎ出し
御前に苦しみを訴えよう。
4わたしの霊がなえ果てているとき
わたしがどのような道に行こうとするか
あなたはご存じです。
その道を行けば
そこには罠が仕掛けられています。
5目を注いで御覧ください。
右に立ってくれる友もなく
逃れ場は失われ
命を助けようとしてくれる人もありません。
6主よ、あなたに向かって叫び、申します
「あなたはわたしの避けどころ
命あるものの地で
わたしの分となってくださる方」と。
7わたしの叫びに耳を傾けてください。
わたしは甚だしく卑しめられています。
迫害する者から助け出してください。
彼らはわたしよりも強いのです。
8わたしの魂を枷から引き出してください。
あなたの御名に感謝することができますように。
主に従う人々がわたしを冠としますように。
あなたがわたしに報いてくださいますように。
143
1賛歌。ダビデの詩。
主よ、わたしの祈りをお聞きください。
嘆き祈る声に耳を傾けてください。
あなたのまこと、恵みの御業によって
わたしに答えてください。
2あなたの僕を裁きにかけないでください。
御前に正しいと認められる者は
命あるものの中にはいません。
3敵はわたしの魂に追い迫り
わたしの命を地に踏みにじり
とこしえの死者と共に
闇に閉ざされた国に住まわせようとします。
4わたしの霊はなえ果て
心は胸の中で挫けます。
5わたしはいにしえの日々を思い起こし
あなたのなさったことをひとつひとつ思い返し
御手の業を思いめぐらします。
6あなたに向かって両手を広げ
渇いた大地のようなわたしの魂を
あなたに向けます。
〔セラ
7主よ、早く答えてください
わたしの霊は絶え入りそうです。
御顔をわたしに隠さないでください。
わたしはさながら墓穴に下る者です。
8朝にはどうか、聞かせてください
あなたの慈しみについて。
あなたにわたしは依り頼みます。
行くべき道を教えてください
あなたに、わたしの魂は憧れているのです。
9主よ、敵からわたしを助け出してください。
御もとにわたしは隠れます。
10御旨を行うすべを教えてください。
あなたはわたしの神。
恵み深いあなたの霊によって
安らかな地に導いてください。
11主よ、御名のゆえに、わたしに命を得させ
恵みの御業によって
わたしの魂を災いから引き出してください。
12あなたの慈しみのゆえに、敵を絶やしてください。
わたしの魂を苦しめる者を
ことごとく滅ぼしてください。
わたしはあなたの僕なのですから。
144
1ダビデの詩。
主をたたえよ、わたしの岩を
わたしの手に闘うすべを
指に戦するすべを教えてくださる方を
2わたしの支え、わたしの砦、砦の塔
わたしの逃れ場、わたしの盾、避けどころ
諸国の民をわたしに服従させてくださる方を。
3主よ、人間とは何ものなのでしょう
あなたがこれに親しまれるとは。
人の子とは何ものなのでしょう
あなたが思いやってくださるとは。
4人間は息にも似たもの
彼の日々は消え去る影。
5主よ、天を傾けて降り
山々に触れ、これに煙を上げさせてください。
6飛び交う稲妻
うなりを上げる矢を放ってください。
7高い天から御手を遣わしてわたしを解き放ち
大水から、異邦人の手から助け出してください。
8彼らの口はむなしいことを語り
彼らの右の手は欺きを行う右の手です。
9神よ、あなたに向かって新しい歌をうたい
十弦の琴をもってほめ歌をうたいます。
10あなたは王たちを救い
僕ダビデを災いの剣から解き放ってくださいます。
11わたしを解き放ち
異邦人の手から助け出してください。
彼らの口はむなしいことを語り
彼らの右の手は欺きを行う右の手です。
12 わたしたちの息子は皆
幼いときから大事に育てられた苗木。
娘は皆、宮殿の飾りにも似た
色とりどりの彫り物。
13 わたしたちの倉は
さまざまな穀物で満たされている。
羊の群れは野に、幾千幾万を数え
14 牛はすべて、肥えている。
わたしたちの都の広場には
破れも捕囚も叫び声もない。
15いかに幸いなことか、このような民は。
いかに幸いなことか
主を神といただく民は。
145
(アルファベットによる詩)
1賛美。ダビデの詩。
わたしの王、神よ、あなたをあがめ
世々限りなく御名をたたえます。
2絶えることなくあなたをたたえ
世々限りなく御名を賛美します。
3大いなる主、限りなく賛美される主
大きな御業は究めることもできません。
4人々が、代々に御業をほめたたえ
力強い御業を告げ知らせますように。
5あなたの輝き、栄光と威光
驚くべき御業の数々をわたしは歌います。
6人々が恐るべき御力について語りますように。
大きな御業をわたしは数え上げます。
7人々が深い御恵みを語り継いで記念とし
救いの御業を喜び歌いますように。
8主は恵みに富み、憐れみ深く
忍耐強く、慈しみに満ちておられます。
9主はすべてのものに恵みを与え
造られたすべてのものを憐れんでくださいます。
10主よ、造られたものがすべて、あなたに感謝し
あなたの慈しみに生きる人があなたをたたえ
11あなたの主権の栄光を告げ
力強い御業について語りますように。
12その力強い御業と栄光を
主権の輝きを、人の子らに示しますように。
13あなたの主権はとこしえの主権
あなたの統治は代々に。
14主は倒れようとする人をひとりひとり支え
うずくまっている人を起こしてくださいます。
15ものみながあなたに目を注いで待ち望むと
あなたはときに応じて食べ物をくださいます。
16すべて命あるものに向かって御手を開き
望みを満足させてくださいます。
17主の道はことごとく正しく
御業は慈しみを示しています。
18主を呼ぶ人すべてに近くいまし
まことをもって呼ぶ人すべてに近くいまし
19主を畏れる人々の望みをかなえ
叫びを聞いて救ってくださいます。
20主を愛する人は主に守られ
主に逆らう者はことごとく滅ぼされます。
21わたしの口は主を賛美します。
すべて肉なるものは
世々限りなく聖なる御名をたたえます。
146
1ハレルヤ。
わたしの魂よ、主を賛美せよ。
2命のある限り、わたしは主を賛美し
長らえる限り
わたしの神にほめ歌をうたおう。
3君侯に依り頼んではならない。
人間には救う力はない。
4霊が人間を去れば
人間は自分の属する土に帰り
その日、彼の思いも滅びる。
5いかに幸いなことか
ヤコブの神を助けと頼み
主なるその神を待ち望む人
6天地を造り
海とその中にあるすべてのものを造られた神を。
とこしえにまことを守られる主は
7虐げられている人のために裁きをし
飢えている人にパンをお与えになる。
主は捕われ人を解き放ち
8主は見えない人の目を開き
主はうずくまっている人を起こされる。
主は従う人を愛し
9主は寄留の民を守り
みなしごとやもめを励まされる。
しかし主は、逆らう者の道をくつがえされる。
10主はとこしえに王。
シオンよ、あなたの神は代々に王。
ハレルヤ。
147
1ハレルヤ。
わたしたちの神をほめ歌うのはいかに喜ばしく
神への賛美はいかに美しく快いことか。
2主はエルサレムを再建し
イスラエルの追いやられた人々を集めてくださる。
3打ち砕かれた心の人々を癒し
その傷を包んでくださる。
4主は星に数を定め
それぞれに呼び名をお与えになる。
5わたしたちの主は大いなる方、御力は強く
英知の御業は数知れない。
6主は貧しい人々を励まし
逆らう者を地に倒される。
7感謝の献げ物をささげて主に歌え。
竪琴に合わせてわたしたちの神にほめ歌をうたえ。
8主は天を雲で覆い、大地のために雨を備え
山々に草を芽生えさせられる。
9獣や、烏のたぐいが求めて鳴けば
食べ物をお与えになる。
10主は馬の勇ましさを喜ばれるのでもなく
人の足の速さを望まれるのでもない。
11主が望まれるのは主を畏れる人
主の慈しみを待ち望む人。
12エルサレムよ、主をほめたたえよ
シオンよ、あなたの神を賛美せよ。
13主はあなたの城門のかんぬきを堅固にし
あなたの中に住む子らを祝福してくださる。
14あなたの国境に平和を置き
あなたを最良の麦に飽かせてくださる。
15主は仰せを地に遣わされる。
御言葉は速やかに走る。
16羊の毛のような雪を降らせ
灰のような霜をまき散らし
17氷塊をパン屑のように投げられる。
誰がその冷たさに耐ええよう。
18御言葉を遣わされれば、それは溶け
息を吹きかけられれば、流れる水となる。
19主はヤコブに御言葉を
イスラエルに掟と裁きを告げられる。
20どの国に対しても
このように計らわれたことはない。
彼らは主の裁きを知りえない。
ハレルヤ。
148
1ハレルヤ。
天において
主を賛美せよ。
高い天で
主を賛美せよ。
2御使いらよ、こぞって
主を賛美せよ。
主の万軍よ、こぞって
主を賛美せよ。
3日よ、月よ
主を賛美せよ。
輝く星よ
主を賛美せよ。
4天の天よ
天の上にある水よ
主を賛美せよ。
5主の御名を賛美せよ。
主は命じられ、すべてのものは創造された。
6主はそれらを世々限りなく立て
越ええない掟を与えられた。
7地において
主を賛美せよ。
海に住む竜よ、深淵よ
8火よ、雹よ、雪よ、霧よ
御言葉を成し遂げる嵐よ
9山々よ、すべての丘よ
実を結ぶ木よ、杉の林よ
10野の獣よ、すべての家畜よ
地を這うものよ、翼ある鳥よ
11地上の王よ、諸国の民よ
君主よ、地上の支配者よ
12若者よ、おとめよ
老人よ、幼子よ。
13主の御名を賛美せよ。
主の御名はひとり高く
威光は天地に満ちている。
14主は御自分の民の角を高く上げてくださる。
それは主の慈しみに生きるすべての人の栄誉。
主に近くある民、イスラエルの子らよ。
ハレルヤ。
149
1ハレルヤ。
新しい歌を主に向かって歌え。
主の慈しみに生きる人の集いで賛美の歌をうたえ。
2イスラエルはその造り主によって喜び祝い
シオンの子らはその王によって喜び躍れ。
3踊りをささげて御名を賛美し
太鼓や竪琴を奏でてほめ歌をうたえ。
4主は御自分の民を喜び
貧しい人を救いの輝きで装われる。
5主の慈しみに生きる人は栄光に輝き、喜び勇み
伏していても喜びの声をあげる。
6口には神をあがめる歌があり
手には両刃の剣を持つ。
7国々に報復し
諸国の民を懲らしめ
8王たちを鎖につなぎ
君侯に鉄の枷をはめ
9定められた裁きをする。
これは、主の慈しみに生きる人の光栄。
ハレルヤ。
150
1ハレルヤ。
聖所で
神を賛美せよ。
大空の砦で
神を賛美せよ。
2力強い御業のゆえに
神を賛美せよ。
大きな御力のゆえに
神を賛美せよ。
3角笛を吹いて
神を賛美せよ。
琴と竪琴を奏でて
神を賛美せよ。
4太鼓に合わせて踊りながら
神を賛美せよ。
弦をかき鳴らし笛を吹いて
神を賛美せよ。
5シンバルを鳴らし
神を賛美せよ。
シンバルを響かせて
神を賛美せよ。
6息あるものはこぞって
主を賛美せよ。
ハレルヤ。