箴 言
1
序
1イスラエルの王、ダビデの子、ソロモンの箴言。
2これは知恵と諭しをわきまえ
分別ある言葉を理解するため
3諭しを受け入れて
正義と裁きと公平に目覚めるため。
4未熟な者に熟慮を教え
若者に知識と慎重さを与えるため。
5これに聞き従えば、賢人もなお説得力を加え
聡明な人も指導力を増すであろう。
6また、格言、寓話
賢人らの言葉と謎を理解するため。
7主を畏れることは知恵の初め。
無知な者は知恵をも諭しをも侮る。
父の諭し ㈠
8わが子よ、父の諭しに聞き従え。
母の教えをおろそかにするな。
9それらは頭に戴く優雅な冠
首にかける飾りとなる。
10わが子よ
ならず者があなたを誘惑しても
くみしてはならない。
11彼らはこう言うだろう。
「一緒に来い。
待ち伏せして、血を流してやろう。
罪もない者をだれかれかまわず隠れて待ち
12陰府のように、生きながらひと呑みにし
丸呑みにして、墓穴に沈めてやろう。
13金目の物は何ひとつ見落とさず
奪った物で家をいっぱいにしよう。
14我々と運命を共にせよ。
財布もひとつにしようではないか。」
15わが子よ
彼らの道を共に歩いてはならない。
その道に足を踏み入れるな。
16彼らの足は悪事に向かって走り
流血をたくらんで急ぐ。
17翼あるものは見ている。
網を仕掛けるのは徒労だ。
18待ち伏せて流すのは自分の血。
隠れて待っても、落とすのは自分の命。
19これが不当な利益を求める者の末路。
奪われるのは自分の命だ。
知恵の勧め ㈠
20知恵は巷に呼ばわり
広場に声をあげる。
21雑踏の街角で呼びかけ
城門の脇の通路で語りかける。
22「いつまで
浅はかな者は浅はかであることに愛着をもち
不遜な者は不遜であることを好み
愚か者は知ることをいとうのか。
23立ち帰って、わたしの懲らしめを受け入れるなら
見よ、わたしの霊をあなたたちに注ぎ
わたしの言葉を示そう。
24しかし、わたしが呼びかけても拒み
手を伸べても意に介せず
25わたしの勧めをことごとくなおざりにし
懲らしめを受け入れないなら
26あなたたちが災いに遭うとき、わたしは笑い
恐怖に襲われるとき、嘲笑うであろう。
27恐怖が嵐のように襲い
災いがつむじ風のように起こり
苦難と苦悩があなたたちを襲うとき。」
28そのときになって
彼らがわたしを呼んでもわたしは答えず
捜し求めても
わたしを見いだすことはできない。
29彼らは知ることをいとい
主を畏れることを選ばず
30わたしの勧めに従わず
懲らしめをすべてないがしろにした。
31だから、自分たちの道が結んだ実を食べ
自分たちの意見に飽き足りるがよい。
32浅はかな者は座して死に至り
愚か者は無為の内に滅びる。
33わたしに聞き従う人は確かな住まいを得
災難を恐れることなく平穏に暮らす。
2
父の諭し ㈡
1わが子よ
わたしの言葉を受け入れ、戒めを大切にして
2知恵に耳を傾け、英知に心を向けるなら
3分別に呼びかけ、英知に向かって声をあげるなら
4銀を求めるようにそれを尋ね
宝物を求めるようにそれを捜すなら
5あなたは主を畏れることを悟り
神を知ることに到達するであろう。
6知恵を授けるのは主。
主の口は知識と英知を与える。
7主は正しい人のために力を
完全な道を歩く人のために盾を備えて
8裁きの道を守り
主の慈しみに生きる人の道を見守ってくださる。
9また、あなたは悟るであろう
正義と裁きと公平はすべて幸いに導く、と。
10知恵があなたの心を訪れ、知識が魂の喜びとなり
11慎重さがあなたを保ち、英知が守ってくれるので
12あなたは悪い道から救い出され
暴言をはく者を免れることができる。
13彼らはまっすぐな道を捨て去り、闇の道を歩き
14悪を働くことを楽しみとし
悪と暴言に小躍りする者。
15彼らの道筋は曲がり、通う道はくねっている。
16また、よその女、滑らかに話す異邦の女をも
あなたは免れることができる。
17若き日の伴侶を捨て
自分の神との契約を忘れた女を。
18彼女の家は死へ落ち込んで行き
その道は死霊の国へ向かっている。
19彼女のもとに行く者はだれも戻って来ない。
命の道に帰りつくことはできない。
20こうして
あなたは善人の道を行き
神に従う人の道を守ることができよう。
21正しい人は地に住まいを得
無垢な人はそこに永らえる。
22神に逆らう者は地から断たれ
欺く者はそこから引き抜かれる。
3
父の諭し ㈢
1わが子よ、わたしの教えを忘れるな。
わたしの戒めを心に納めよ。
2そうすれば、命の年月、生涯の日々は増し
平和が与えられるであろう。
3慈しみとまことがあなたを離れないようにせよ。
それらを首に結び
心の中の板に書き記すがよい。
4そうすれば、神と人の目に
好意を得、成功するであろう。
5心を尽くして主に信頼し、自分の分別には頼らず
6常に主を覚えてあなたの道を歩け。
そうすれば
主はあなたの道筋をまっすぐにしてくださる。
7自分自身を知恵ある者と見るな。
主を畏れ、悪を避けよ。
8そうすれば、あなたの筋肉は柔軟になり
あなたの骨は潤されるであろう。
9それぞれの収穫物の初物をささげ
豊かに持っている中からささげて主を敬え。
10そうすれば、主はあなたの倉に穀物を満たし
搾り場に新しい酒を溢れさせてくださる。
11わが子よ、主の諭しを拒むな。
主の懲らしめを避けるな。
12かわいい息子を懲らしめる父のように
主は愛する者を懲らしめられる。
知恵の勧め ㈡
13いかに幸いなことか
知恵に到達した人、英知を獲得した人は。
14知恵によって得るものは
銀によって得るものにまさり
彼女によって収穫するものは金にまさる。
15真珠よりも貴く
どのような財宝も比べることはできない。
16右の手には長寿を
左の手には富と名誉を持っている。
17彼女の道は喜ばしく
平和のうちにたどって行くことができる。
18彼女をとらえる人には、命の木となり
保つ人は幸いを得る。
19主の知恵によって地の基は据えられ
主の英知によって天は設けられた。
20主の知識によって深淵は分かたれ
雲は滴って露を置く。
父の諭し ㈣
21わが子よ、力と慎重さを保って
見失うことのないようにせよ。
22そうすれば、あなたは魂に命を得
首には優雅な飾りを得るであろう。
23あなたは確かな道を行き
足はつまずくことがない。
24横たわるとき、恐れることはなく
横たわれば、快い眠りが訪れる。
25突然襲う恐怖、神に逆らう者を見舞う破滅に
おびえてはならない。
26主があなたの傍らにいまし
足が罠にかからないように守ってくださる。
27施すべき相手に善行を拒むな
あなたの手にその力があるなら。
28出直してくれ、明日あげよう、と友に言うな
あなたが今持っているなら。
29友に対して悪意を耕すな
彼は安心してあなたのもとに住んでいるのだ。
30理由もなく他人と争うな
あなたに悪事をはたらいていないなら。
31不法を行う者をうらやむな、その道を選ぶな。
32主は曲がった者をいとい
まっすぐな人と交わってくださる。
33主に逆らう者の家には主の呪いが
主に従う人の住みかには祝福がある。
34主は不遜な者を嘲り
へりくだる人に恵みを賜る。
35知恵ある人は名誉を嗣業として受け
愚か者は軽蔑を受ける。
4
父の諭し ㈤
1子らよ、父の諭しを聞け
分別をわきまえるために、耳を傾けよ。
2わたしは幸いを説いているのだ。
わたしの教えを捨ててはならない。
3わたしも父にとっては息子であり
母のもとでは、いとけない独り子であった。
4父はわたしに教えて言った。
「わたしの言葉をお前の心に保ち
わたしの戒めを守って、命を得よ。
5わたしの口が言いきかせることを
忘れるな、離れ去るな。
知恵を獲得せよ、分別を獲得せよ。
6知恵を捨てるな
彼女はあなたを見守ってくれる。
分別を愛せよ
彼女はあなたを守ってくれる。
7知恵の初めとして
知恵を獲得せよ。
これまでに得たものすべてに代えても
分別を獲得せよ。
8知恵をふところに抱け
彼女はあなたを高めてくれる。
分別を抱きしめよ
彼女はあなたに名誉を与えてくれる。
9あなたの頭に優雅な冠を戴かせ
栄冠となってあなたを飾る。」
10わが子よ、聞け、わたしの言うことを受け入れよ。
そうすれば、命の年月は増す。
11わたしはあなたに知恵の道を教え
まっすぐな道にあなたを導いた。
12歩いても、あなたの足取りはたじろがず
走っても、つまずくことはないであろう。
13諭しをとらえて放してはならない。
それを守れ、それはあなたの命だ。
14神に逆らう者の道を歩くな。
悪事をはたらく者の道を進むな。
15それを避けよ、その道を通るな。
そこからそれて、通り過ぎよ。
16彼らは悪事をはたらかずには床に就かず
他人をつまずかせなければ熟睡できない。
17背信のパンを食べ、不法の酒を飲む。
18神に従う人の道は輝き出る光
進むほどに光は増し、真昼の輝きとなる。
19神に逆らう者の道は闇に閉ざされ
何につまずいても、知ることはない。
20わが子よ、わたしの言葉に耳を傾けよ。
わたしの言うことに耳を向けよ。
21見失うことなく、心に納めて守れ。
22それらに到達する者にとって、それは命となり
全身を健康にする。
23何を守るよりも、自分の心を守れ。
そこに命の源がある。
24曲がった言葉をあなたの口から退け
ひねくれた言葉を唇から遠ざけよ。
25目をまっすぐ前に注げ。
あなたに対しているものに
まなざしを正しく向けよ。
26どう足を進めるかをよく計るなら
あなたの道は常に確かなものとなろう。
27右にも左にも偏ってはならない。
悪から足を避けよ。
5
父の諭し ㈥
1わが子よ、わたしの知恵に耳を傾け
わたしの英知に耳を向けよ。
2そうすれば、あなたは唇に慎みを守り
知識を保つことができる。
3よその女の唇は蜜を滴らせ
その口は油よりも滑らかだ。
4だがやがて、苦よもぎよりも苦くなり
両刃の剣のように鋭くなる。
5彼女の足は死へ下って行き
一歩一歩と、陰府に達する。
6人生の道のりを計ろうともせず
自分の道から外れても、知ることもない。
7それゆえ、子らよ、わたしに聞き従え。
わたしの口の言葉からそれてはならない。
8あなたの道を彼女から遠ざけよ。
その門口に近寄るな。
9あなたの栄えを他人に
長寿を残酷なものに渡してはならない。
10よその者があなたの力に飽き足りることを許すな。
異邦人の家を
あなたが労した実りで満たしてはならない。
11さもなければ後になって
肉も筋も消耗し、あなたは呻き
12言わなければならない。
「どうして、わたしの心は諭しを憎み
懲らしめをないがしろにしたのだろうか。
13教えてくれる人の声に聞き従わず
導いてくれる人の声に耳を向けなかった。
14会衆の中でも、共同体の中でも
わたしは最悪の者になりそうだ。」
15あなた自身の井戸から水を汲み
あなた自身の泉から湧く水を飲め。
16その源は溢れ出て
広場に幾筋もの流れができるであろう。
17その水をあなただけのものにせよ。
あなたのもとにいるよその者に渡すな。
18あなたの水の源は祝福されよ。
若いときからの妻に喜びを抱け。
19彼女は愛情深い雌鹿、優雅なかもしか。
いつまでもその乳房によって満ち足り
常にその愛に酔うがよい。
20わが子よ
どうしてよその女に酔うことがあろう
異邦の女の胸を抱くことがあろう。
21人の歩む道は主の御目の前にある。
その道を主はすべて計っておられる。
22主に逆らう者は自分の悪の罠にかかり
自分の罪の綱が彼を捕える。
23諭しを受け入れることもなく
重なる愚行に狂ったまま、死ぬであろう。
6
父の諭し ㈦
1わが子よ、もし友人の保証人となって
他国の者に手を打って誓い
2あなたの口の言葉によって罠に陥り
あなたの口の言葉によって罠にかかったなら
3わが子よ、そのときにはこうして自分を救え。
命は友人の手中にあるのだから
行って足を踏みならし、友人を責め立てよ。
4あなたの目に眠りを与えず
まぶたにまどろむことを許すな。
5狩人の罠を逃れるかもしかのように
鳥のように、自分を救い出せ。
格言集 ㈠
6怠け者よ、蟻のところに行って見よ。
その道を見て、知恵を得よ。
7蟻には首領もなく、指揮官も支配者もないが
8夏の間にパンを備え、刈り入れ時に食糧を集める。
9怠け者よ、いつまで横になっているのか。
いつ、眠りから起き上がるのか。
10しばらく眠り、しばらくまどろみ
しばらく手をこまぬいて、また横になる。
11貧乏は盗賊のように
欠乏は盾を持つ者のように襲う。
12ならず者、悪を行う者、曲がったことを言い歩く者
13目くばせし、足で合図し、指さす者
14心に暴言を隠し、悪を耕し
絶えずいさかいを起こさせる者
15このような者には、突然、災いが襲いかかり
たちまち痛手を負うが、彼を癒す者はない。
16主の憎まれるものが六つある。
心からいとわれるものが七つある。
17驕り高ぶる目、うそをつく舌
罪もない人の血を流す手
18悪だくみを耕す心、悪事へと急いで走る足
19欺いて発言する者、うそをつく証人
兄弟の間にいさかいを起こさせる者。
父の諭し ㈧
20わが子よ、父の戒めを守れ。
母の教えをおろそかにするな。
21それをいつもあなたの心に結びつけ
首に巻きつけよ。
22それはあなたの歩みを導き
あなたが横たわるとき見守り
目覚めればあなたに話しかける。
23戒めは灯、教えは光。
懲らしめや諭しは命の道。
24それはあなたを悪い女から
異邦の女の滑らかな舌から守ってくれる。
25彼女の美しさを心に慕うな。
そのまなざしのとりこになるな。
26遊女への支払いは一塊のパン程度だが
人妻は貴い命を要求する。
27火をふところにかきこんで
衣を焼かれない者があろうか。
28炭火の上を歩いて
足にやけどをしない者があろうか。
29友人の妻と通じる者も同様。
彼女に触れれば、罰せられずには済まない。
30飢えを満たそうとして盗みを働いた者を
だれも侮りはすまいが
31それでもつかまれば、七倍の償いをし
家財の一切をそれにあてなければならない。
32人妻と密通する者は意志力のない男。
身の破滅を求める者。
33疫病と軽蔑に遭い、恥は決してそそがれない。
34夫は嫉妬と怒りにかられ
ある日、彼に報復して容赦せず
35どのような償いをも受け入れず
どれほど贈り物を積んでも受け取りはすまい。
7
父の諭し ㈨
1わが子よ、わたしの言うことを守り
戒めを心に納めよ。
2戒めを守って、命を得よ。
わたしの教えを瞳のように守れ。
3それをあなたの指に結び、心の中の板に書き記せ。
4知恵に「あなたはわたしの姉妹」と言い
分別に「わたしの友」と呼びかけよ。
5それはあなたをよその女から
滑らかに話す異邦の女から守ってくれる。
6わたしが家の窓から
格子を通して外を眺めていると
7浅はかな者らが見えたが、中に一人
意志の弱そうな若者がいるのに気づいた。
8通りを過ぎ、女の家の角に来ると
そちらに向かって歩いて行った。
9日暮れ時の薄闇の中を、夜半の闇に向かって。
10見よ、女が彼を迎える。
遊女になりきった、本心を見せない女。
11騒々しく、わがままで
自分の家に足の落ち着くことがない。
12街に出たり、広場に行ったり
あちこちの角で待ち構えている。
13彼女は若者をつかまえると接吻し
厚かましくも、こう言った。
14「和解の献げ物をする義務があったのですが
今日は満願の供え物も済ませました。
15それで、お迎えに出たのです。
あなたのお顔を捜し求めて、やっと会えました。
16寝床には敷物を敷きました
エジプトの色糸で織った布を。
17床にはミルラの香りをまきました
アロエやシナモンも。
18さあ、愛し合って楽しみ
朝まで愛を交わして満ち足りましょう。
19夫は家にいないのです、遠くへ旅立ちました。
20手に銀貨の袋を持って行きましたから
満月になるまでは帰らないでしょう。」
21彼女に説き伏せられ、滑らかな唇に惑わされて
22たちまち、彼は女に従った。
まるで、屠り場に行く雄牛だ。
足に輪をつけられ、無知な者への教訓となって。
23やがて、矢が肝臓を貫くであろう。
彼は罠にかかる鳥よりもたやすく
自分の欲望の罠にかかったことを知らない。
24それゆえ、子らよ、わたしに聞き従い
わたしの口の言葉に耳を傾けよ。
25あなたの心を彼女への道に通わすな。
彼女の道に迷い込むな。
26彼女は数多くの男を傷つけ倒し
殺された男の数はおびただしい。
27彼女の家は陰府への道、死の部屋へ下る。
8
知恵の勧め ㈢
1知恵が呼びかけ
英知が声をあげているではないか。
2高い所に登り、道のほとり、四つ角に立ち
3城門の傍ら、町の入り口
城門の通路で呼ばわっている。
4「人よ
あなたたちに向かってわたしは呼びかける。
人の子らに向かってわたしは声をあげる。
5浅はかな者は熟慮することを覚え
愚か者は反省することを覚えよ。
6聞け、わたしは指導者として語る。
わたしは唇を開き、公平について述べ
7わたしの口はまことを唱える。
わたしの唇は背信を忌むべきこととし
8わたしの口の言葉はすべて正しく
よこしまなことも曲がったことも含んでいない。
9理解力のある人には
それがすべて正しいと分かる。
知識に到達した人には
それがすべてまっすぐであると分かる。
10銀よりもむしろ、わたしの諭しを受け入れ
精選された金よりも、知識を受け入れよ。
11知恵は真珠にまさり
どのような財宝も比べることはできない。
12わたしは知恵。熟慮と共に住まい
知識と慎重さを備えている。
13主を畏れることは、悪を憎むこと。
傲慢、驕り、悪の道
暴言をはく口を、わたしは憎む。
14わたしは勧告し、成功させる。
わたしは見分ける力であり、威力をもつ。
15わたしによって王は君臨し
支配者は正しい掟を定める。
16君侯、自由人、正しい裁きを行う人は皆
わたしによって治める。
17わたしを愛する人をわたしも愛し
わたしを捜し求める人はわたしを見いだす。
18わたしのもとには富と名誉があり
すぐれた財産と慈善もある。
19わたしの与える実りは
どのような金、純金にもまさり
わたしのもたらす収穫は
精選された銀にまさる。
20慈善の道をわたしは歩き
正義の道をわたしは進む。
21わたしを愛する人は嗣業を得る。
わたしは彼らの倉を満たす。
22主は、その道の初めにわたしを造られた。
いにしえの御業になお、先立って。
23永遠の昔、わたしは祝別されていた。
太初、大地に先立って。
24わたしは生み出されていた
深淵も水のみなぎる源も、まだ存在しないとき。
25山々の基も据えられてはおらず、丘もなかったが
わたしは生み出されていた。
26大地も野も、地上の最初の塵も
まだ造られていなかった。
27わたしはそこにいた
主が天をその位置に備え
深淵の面に輪を描いて境界とされたとき
28主が上から雲に力をもたせ
深淵の源に勢いを与えられたとき
29この原始の海に境界を定め
水が岸を越えないようにし
大地の基を定められたとき。
30御もとにあって、わたしは巧みな者となり
日々、主を楽しませる者となって
絶えず主の御前で楽を奏し
31主の造られたこの地上の人々と共に楽を奏し
人の子らと共に楽しむ。
32さて、子らよ、わたしに聞き従え。
わたしの道を守る者は、いかに幸いなことか。
33諭しに聞き従って知恵を得よ。
なおざりにしてはならない。
34わたしに聞き従う者、日々、わたしの扉をうかがい
戸口の柱を見守る者は、いかに幸いなことか。
35わたしを見いだす者は命を見いだし
主に喜び迎えていただくことができる。
36わたしを見失う者は魂をそこなう。
わたしを憎む者は死を愛する者。」
9
知恵の勧め ㈣
1知恵は家を建て、七本の柱を刻んで立てた。
2獣を屠り、酒を調合し、食卓を整え
3はしためを町の高い所に遣わして
呼びかけさせた。
4「浅はかな者はだれでも立ち寄るがよい。」
意志の弱い者にはこう言った。
5「わたしのパンを食べ
わたしが調合した酒を飲むがよい
6浅はかさを捨て、命を得るために
分別の道を進むために。」
格言集 ㈡
7不遜な者を諭しても侮られるだけだ。
神に逆らう者を戒めても自分が傷を負うだけだ。
8不遜な者を𠮟るな、彼はあなたを憎むであろう。
知恵ある人を𠮟れ、彼はあなたを愛するであろう。
9知恵ある人に与えれば、彼は知恵を増す。
神に従う人に知恵を与えれば、彼は説得力を増す。
10主を畏れることは知恵の初め
聖なる方を知ることは分別の初め。
11わたしによって、あなたの命の日々も
その年月も増す。
12あなたに知恵があるなら、それはあなたのもの。
不遜であるなら、その咎は独りで負うのだ。
愚かな女
13愚かさという女がいる。騒々しい女だ。
浅はかさともいう。何ひとつ知らない。
14自分の家の門口に座り込んだり
町の高い所に席を構えたりして
15道行く人に呼びかける
自分の道をまっすぐ急ぐ人々に。
16「浅はかな者はだれでも立ち寄るがよい。」
意志の弱い者にはこう言う。
17「盗んだ水は甘く
隠れて食べるパンはうまいものだ。」
18そこに死霊がいることを知る者はない。
彼女に招かれた者は深い陰府に落ちる。
10
1ソロモンの格言集。
知恵ある子は父の喜び、愚かな子は母の嘆き。
2不正による富は頼りにならない。
慈善は死から救う。
3主は従う人を飢えさせられることはない。
逆らう者の欲望は退けられる。
4手のひらに欺きがあれば貧乏になる。
勤勉な人の手は富をもたらす。
5夏のうちに集めるのは成功をもたらす子。
刈り入れ時に眠るのは恥をもたらす子。
6神に従う人は頭に祝福を受ける。
神に逆らう者は口に不法を隠す。
7神に従う人の名は祝福され
神に逆らう者の名は朽ちる。
8知恵ある心は戒めを受け入れ
無知な唇は滅びに落とされる。
9完全な道を歩む人は安らかに歩む。
道を曲げれば知られずには済まない。
10嘲りのまなざしは人を苦しめる。
無知な唇は滅びに落とされる。
11神に従う人の口は命の源
神に逆らう者の口は不法を隠す。
12憎しみはいさかいを引き起こす。
愛はすべての罪を覆う。
13聡明な唇には知恵がある。
意志の弱い者の背には杖。
14知恵ある人は知識を隠す。
無知な者の口には破滅が近い。
15金持ちの財産は彼の砦
弱い人の貧乏は破滅。
16神に従う人の収入は生活を支えるため
神に逆らう者の稼ぎは罪のため。
17諭しを守る人は命の道を歩み
懲らしめを捨てる者は踏み誤る。
18うそを言う唇は憎しみを隠している。
愚か者は悪口を言う。
19口数が多ければ罪は避けえない。
唇を制すれば成功する。
20神に従う人の舌は精選された銀。
神に逆らう者の心は無に等しい。
21神に従う人の唇は多くの人を養う。
無知な者は意志が弱くて死ぬ。
22人間を豊かにするのは主の祝福である。
人間が苦労しても何も加えることはできない。
23愚か者は悪だくみを楽しみ
英知ある人は知恵を楽しむ。
24神に逆らう者は危惧する事に襲われる。
神に従う人の願いはかなえられる。
25神に逆らう者はつむじ風の過ぎるように消える。
神に従う人はとこしえの礎。
26歯に酢、目に煙、主人に怠惰な召し使い。
27主を畏れれば長寿を得る。
主に逆らう者の人生は短い。
28神に従う人は待ち望んで喜びを得る。
神に逆らう者は期待しても裏切られる。
29主の道は、無垢な人の力
悪を行う者にとっては滅亡。
30神に従う人はとこしえに揺らぐことなく
神に逆らう者は地に住まいを得ない。
31神に従う人の口は知恵を生み
暴言をはく舌は断たれる。
32神に従う人の唇は好意に親しみ
神に逆らう者の口は暴言に親しむ。
11
1偽りの天秤を主はいとい
十全なおもり石を喜ばれる。
2高慢には軽蔑が伴い
謙遜には知恵が伴う。
3正しい人は自分の無垢に導かれ
裏切り者は自分の暴力に滅ぼされる。
4怒りの日には、富は頼りにならない。
慈善は死から救う。
5無垢な人の慈善は、彼の道をまっすぐにする。
神に逆らう者は、逆らいの罪によって倒される。
6正しい人は慈善によって自分を救い
裏切り者は自分の欲望の罠にかかる。
7神に逆らう者は力に望みをかけ、期待しても
死ねばそれも失われる。
8神に従う人は苦難に陥っても助け出され
神に逆らう者が代わってそこに落とされる。
9神を無視する者は口先で友人を破滅に落とす。
神に従う人は知識によって助け出される。
10神に従う人が幸いを得れば町は喜び
神に逆らう者が滅びれば歓声をあげる。
11正しい人の祝福によって町は興り
神に逆らう者の口によって町は滅びる。
12心ない者は友人を侮る。
英知ある人は沈黙を守る。
13悪口を言い歩く者は秘密をもらす。
誠実な人は事を秘めておく。
14指導しなければ民は滅びるが
参議が多ければ救われる。
15他国の者の保証人となれば災難がふりかかる。
手を打って誓うことを嫌えば安全だ。
16美しい女は名誉をわがものとし
強い男は富をわがものとする。
17慈しみ深い人は自分の魂を益し
残酷な者は自分の身に煩いを得る。
18神に逆らう者の得る収入は欺き。
慈善を蒔く人の収穫は真実。
19慈善は命への確かな道。
悪を追求する者は死に至る。
20心の曲がった者を主はいとい
完全な道を歩む人を喜ばれる。
21悪人は何代経ようとも罰を逃れえず
神に従う人の子孫は免れる。
22豚が鼻に金の輪を飾っている。
美しい女に知性が欠けている。
23神に従う人の望みは常に良い。
神に逆らう者の期待は怒りに終る。
24散らしてなお、加えられる人もあり
締めすぎて欠乏する者もある。
25気前のよい人は自分も太り
他を潤す人は自分も潤う。
26穀物を売り惜しむ者は民の呪いを買い
供する人の頭上には祝福が与えられる。
27善を捜し求める人は好意を尋ね求める人。
悪を求める者には悪が訪れる。
28富に依存する者は倒れる。
神に従う人は木の葉のように茂る。
29家に煩いをもたらす者は風を嗣業とする者。
愚か者は知恵ある人の奴隷となる。
30神に従う人の結ぶ実は命の木となる。
知恵ある人は多くの魂をとらえる。
31神に従う人がこの地上で報われるというなら
神に逆らう者、罪を犯す者が
報いを受けるのは当然だ。
12
1諭しを愛する人は知識を愛する。
懲らしめを憎む者は愚かだ。
2善人は主に喜び迎えられる。
悪だくみをする者は罪ありとされる。
3神に逆らえば、固く立つことはできない。
神に従う人の根は揺らぐことがない。
4有能な妻は夫の冠。
恥をもたらす妻は夫の骨の腐れ。
5神に従う人の計らいは正義。
神に逆らう者の指図は、裏切り。
6神に逆らう者の言葉は待ち伏せて流血を犯す。
正しい人の口は自分を救う。
7神に逆らう者は覆って滅びる。
神に従う人の家は耐える。
8人は見識のゆえに賞賛される。
心がいじけている者は侮られる。
9軽蔑されていても僕を持っている方が
尊敬されていてパンを欠くよりよい。
10神に従う人は家畜の求めるものすら知っている。
神に逆らう者は同情すら残酷だ。
11自分の土地を耕す人はパンに飽き足りる。
意志の弱い者は空を追う。
12神に逆らう貪欲は、悪人らを捕える網となる。
神に従う人の根は実りを与える。
13悪人は唇の罪の罠にかかる。
神に従う人は苦難から逃れ出る。
14口の言葉が結ぶ実によって
人は良いものに飽き足りる。
人は手の働きに応じて報いられる。
15無知な者は自分の道を正しいと見なす。
知恵ある人は勧めに聞き従う。
16無知な者は怒ってたちまち知れ渡る。
思慮深い人は、軽蔑されても隠している。
17忠実に発言する人は正しいことを述べ
うそをつく証人は裏切る。
18軽率なひと言が剣のように刺すこともある。
知恵ある人の舌は癒す。
19真実を語る唇はいつまでも確かなもの。
うそをつく舌は一瞬。
20悪を耕す者の心には裏切りがある。
平和を勧める人の心には喜びがある。
21神に従う人はどのような災難にも遭わない。
神に逆らう者は災いで満たされる。
22うそをつく唇を主はいとわれる。
忠実を尽くす人を主は喜び迎えられる。
23思慮深い人は知識を隠す。
愚かな心はその無知を言いふらす。
24勤勉な手は支配し
怠惰な手は奴隷となる。
25心配は人をうなだれさせる。
親切な言葉は人を喜ばせる。
26神に従う人は友よりも好運である。
神に逆らう者の道は人を迷わす。
27怠惰な者は獲物を追うこともしない。
勤勉な人は人類の貴い財産だ。
28命は慈善の道にある。
この道を踏む人に死はない。
13
1子は父の諭しによって知恵を得る。
不遜な者は𠮟責に聞き従わない。
2口の言葉が結ぶ実によって
人は良いものを享受する。
欺く者の欲望は不法に向かう。
3自分の口を警戒する者は命を守る。
いたずらに唇を開く者は滅びる。
4怠け者は欲望をもっても何も得られず
勤勉な人は望めば豊かに満たされる。
5神に従う人は偽りの言葉を憎む。
神に逆らう者は悪臭を放ち、辱められる。
6慈善は完全な道を歩む人を守り
神に逆らうことは罪ある者を滅ぼす。
7富んでいると見せて、無一物の者がいる。
貧乏と見せて、大きな財産を持つ者がある。
8財産が自分の身代金になる者もある。
貧しい人は𠮟責を聞くことはない。
9神に従う人の光は喜ばしく輝き
神に逆らう者の灯は消される。
10高慢にふるまえば争いになるばかりだ。
勧めを受け入れる人は知恵を得る。
11財産は吐く息よりも速く減って行くが
手をもって集めれば増やすことができる。
12待ち続けるだけでは心が病む。
かなえられた望みは命の木。
13言葉を侮る者は滅ぼされ
戒めを敬う者は報われる。
14賢人の教えは命の源。
死の罠を避けさせる。
15見識は優雅さを伴う。
欺く者の道は手ごわい。
16思慮深い人は皆知識に基づいてふるまう。
愚か者は無知をさらけ出す。
17神に逆らう使者は災いに遭い
忠実な使いは癒す。
18諭しをなおざりにする者は貧乏と軽蔑に遭う。
懲らしめを守れば名誉を得る。
19欲望がかなえられれば魂は快い。
愚か者は悪を避けることをいとう。
20知恵ある者と共に歩けば知恵を得
愚か者と交われば災いに遭う。
21災難は罪人を追う。
神に従う人には良い報いがある。
22善人は孫の代にまで嗣業を残す。
罪人の富は神に従う人のために蓄えられる。
23貧しい人の耕作地に多くの食糧が実っても
正義が行われなければ奪われる。
24鞭を控えるものは自分の子を憎む者。
子を愛する人は熱心に諭しを与える。
25神に従う人は食べてその望みを満たす。
神に逆らう者の腹は満たされることがない。
14
1知恵ある女は家庭を築く。
無知な女は自分の手でそれをこわす。
2主を畏れる人はまっすぐ歩む。
主を侮る者は道を曲げる。
3無知な者の口には傲慢の杖。
知恵ある人の唇は自分を守る。
4牛がいなければ飼い葉桶は清潔だが
豊作をもたらすのは牛の力。
5忠実な証人は欺かない。
欺きの発言をするのはうそつきの証人。
6不遜であれば知恵を求めても得られない。
聡明であれば知識は容易に得られる。
7愚か者の前から立ち去るがよい。
彼に知識ある唇を認めることはできない。
8思慮深い人は自分の知恵によって道を見分ける。
愚か者の無知は欺く。
9無知な者は不遜で互いをなじる。
正しい人は互いに受け入れる。
10魂の苦しみを知るのは自分の心。
その喜びにも他人はあずからない。
11神に逆らう者の家は断絶する。
正しい人の天幕は繁栄する。
12人間の前途がまっすぐなようでも
果ては死への道となることがある。
13笑っていても心の痛むことがあり
喜びが悲しみに終ることもある。
14二心ある者は自らの道に
善人は自らの業に飽かされる。
15未熟な者は何事も信じこむ。
熟慮ある人は行く道を見分けようとする。
16知恵ある人は畏れによって悪を避け
愚か者は高慢で自信をもつ。
17短気な者は愚かなことをする。
陰謀家は憎まれる。
18浅はかな者は無知を嗣業とし
熟慮ある人は知識をその冠とする。
19神に逆らう者は神に従う人の門の前に
悪人は善人の前に、身を低くする。
20貧乏な者は友にさえ嫌われるが
金持ちを愛する者は多い。
21友を侮ることは罪。
貧しい人を憐れむことは幸い。
22罪を耕す者は必ず迷う。
善を耕す人は慈しみとまことを得る。
23どのような苦労にも利益がある。
口先だけの言葉は欠乏をもたらす。
24知恵ある人の冠はその富。
愚か者の冠はその無知。
25真実の証人は魂を救い
欺きの発言をする者は裏切る。
26主を畏れれば頼るべき砦を得
子らのためには避けどころを得る。
27主を畏れることは命の源
死の罠を避けさせる。
28国が強大であれば王は栄光を得る。
民が絶えれば君主は滅びる。
29忍耐によって英知は加わる。
短気な者はますます無知になる。
30穏やかな心は肉体を生かし
激情は骨を腐らせる。
31弱者を虐げる者は造り主を嘲る。
造り主を尊ぶ人は乏しい人を憐れむ。
32神に逆らう者は災いのときに退けられる。
神に従う人は死のときにも避けどころを得る。
33聡明な心では知恵は憩っているが
愚か者の中では自らを示す。
34慈善は国を高め、罪は民の恥となる。
35成功をもたらす僕は王に喜び迎えられ
恥をもたらす僕はその怒りを買う。
15
1柔らかな応答は憤りを静め
傷つける言葉は怒りをあおる。
2知恵ある人の舌は知識を明らかに示し
愚か者の口は無知を注ぎ出す。
3どこにも主の目は注がれ
善人をも悪人をも見ておられる。
4癒しをもたらす舌は命の木。
よこしまな舌は気力を砕く。
5無知な者は父の諭しをないがしろにする。
懲らしめを守る人は賢明さを増す。
6神に従う人の家には多くの蓄えがある。
神に逆らう者は収穫のときにも煩いがある。
7知恵ある人の唇は知識をふりまく。
愚か者の心は定まらない。
8主は逆らう者のいけにえをいとい
正しい人の祈りを喜び迎えられる。
9主は逆らう者の道をいとい
従うことを求める人を愛される。
10道を捨てる者は諭しを不快に思う。
懲らしめを憎む者は死に至る。
11陰府も滅びの国も主の御前にある。
人の子らの心はなおのこと。
12不遜な者は懲らしめられることを嫌い
知恵ある人のもとに行こうとしない。
13心に喜びを抱けば顔は明るくなり
心に痛みがあれば霊は沈みこむ。
14聡明な心は知識を求め
愚か者の口は無知を友とする。
15貧しい人の一生は災いが多いが
心が朗らかなら、常に宴会にひとしい。
16財宝を多く持って恐怖のうちにあるよりは
乏しくても主を畏れる方がよい。
17肥えた牛を食べて憎み合うよりは
青菜の食事で愛し合う方がよい。
18激しやすい人はいさかいを引き起こし
忍耐深い人は争いを鎮める。
19怠け者の道は茨にふさがれる。
正しい人の道は開かれている。
20知恵ある子は父を喜ばせ
愚か者は母を侮る。
21意志の弱い者には無知が喜びとなる。
英知ある人は歩みを正す。
22相談しなければどんな計画も挫折する。
参議が多ければ実現する。
23正しく答える人には喜びがある。
時宜にかなった言葉はいかに良いものか。
24目覚めている人には上への道があり
下の陰府を避けさせる。
25主は傲慢な者の家を根こそぎにし
やもめの地境を固めてくださる。
26悪意を主はいとい、親切な言葉を清いとされる。
27奪い取る者の家には煩いが多い。
賄賂を憎む者は命を得る。
28神に従う心は思いめぐらして応答し
神に逆らう口は災いを吐く。
29主は逆らう者に遠くいますが
従う者の祈りを聞いてくださる。
30目に光を与えるものは心をも喜ばせ
良い知らせは骨を潤す。
31命を与える懲らしめに聞き従う耳は
知恵ある人の中に宿る。
32諭しをなおざりにする者は魂を無視する者。
懲らしめに聞き従う人は心を得る。
33主を畏れることは諭しと知恵。
名誉に先立つのは謙遜。
16
1人間は心構えをする。
主が舌に答えるべきことを与えてくださる。
2人間の道は自分の目に清く見えるが
主はその精神を調べられる。
3あなたの業を主にゆだねれば
計らうことは固く立つ。
4主は御旨にそってすべての事をされる。
逆らう者をも災いの日のために造られる。
5すべて高慢な心を主はいとわれる。
子孫は罪なしとされることはない。
6慈しみとまことは罪を贖う。
主を畏れれば悪を避けることができる。
7主に喜ばれる道を歩む人を
主は敵と和解させてくださる。
8稼ぎが多くても正義に反するよりは
僅かなもので恵みの業をする方が幸い。
9人間の心は自分の道を計画する。
主が一歩一歩を備えてくださる。
10王の唇には魔力がある。
彼の口が裁きにおいて誤ることはない。
11公正な天秤、公正な秤は主のもの。
袋のおもり石も主の造られたもの。
12神に逆らうことを王はいとわなければならない。
神に従えば王座は堅く立つ。
13正しいことを語る唇を王は喜び迎え
正直に語る人を愛する。
14王の怒りは死の使い。
それをなだめるのは知恵ある人。
15王の顔の輝きは命を与える。
彼の好意は春の雨をもたらす雲。
16知恵を得ることは金にまさり
分別を得ることは銀よりも望ましい。
17正しい人の道は悪を避けて通っている。
魂を守る者はその道を守る。
18痛手に先立つのは驕り。
つまずきに先立つのは高慢な霊。
19貧しい人と共に心を低くしている方が
傲慢な者と分捕り物を分け合うよりよい。
20何事にも目覚めている人は恵みを得る。
主に依り頼むことが彼の幸い。
21心に知恵ある人は聡明な人と呼ばれる。
優しく語る唇は説得力を増す。
22見識ある人にはその見識が命の泉となる。
無知な者には無知が諭しとなる。
23知恵ある心は口の言葉を成功させ
その唇に説得力を加える。
24親切な言葉は蜜の滴り。
魂に甘く、骨を癒す。
25人間の前途がまっすぐなようでも
果ては死への道となることがある。
26労苦する者を労苦させるのは欲望だ。
口が彼を駆り立てる。
27ならず者は災いの炉、その唇には燃えさかる火。
28暴言をはく者はいさかいを起こさせる。
陰口は友情を裂く。
29不法を行う者はその友を惑わして
良くない道を行かせる。
30人は目を閉じて暴言を考え出し
悪を果たして口をすぼめる。
31白髪は輝く冠、神に従う道に見いだされる。
32忍耐は力の強さにまさる。
自制の力は町を占領するにまさる。
33くじは膝の上に投げるが
ふさわしい定めはすべて主から与えられる。
17
1乾いたパンの一片しかなくとも平安があれば
いけにえの肉で家を満たして争うよりよい。
2成功をもたらす僕は恥をもたらす息子を支配し
その兄弟と共に嗣業の分配にあずかる。
3銀にはるつぼ、金には炉、心を試すのは主。
4悪事をはたらく者は悪の唇に耳を傾け
偽る者は滅亡の舌に耳を向ける。
5貧しい人を嘲る者は造り主をみくびる者。
災いのときに喜ぶ者は赦されない。
6孫は老人の冠、子らは父の輝き。
7高尚な唇は神を知らぬ者にふさわしくない。
うそをつく唇は高貴な者に一層ふさわしくない。
8賄賂は贈り主にとって美しい宝石。
贈ればどこであろうと成功する。
9愛を求める人は罪を覆う。
前言を翻す者は友情を裂く。
10理解力ある人を一度𠮟責する方が
愚か者を百度打つよりも効き目がある。
11悪人は逆らうことのみ求める。
彼には仮借ない使者が送られるであろう。
12子を奪われた熊に遭う方が
愚か者の無知に会うよりましだ。
13悪をもって善に報いるなら
家から災難は絶えない。
14いさかいの始めは水の漏り始め。
裁判沙汰にならぬうちにやめておくがよい。
15悪い者を正しいとすることも
正しい人を悪いとすることも
ともに、主のいとわれることである。
16愚か者が代金を手にしているのは何のためか。
知恵を買おうにも、心がないではないか。
17どのようなときにも、友を愛すれば
苦難のときの兄弟が生まれる。
18意志の弱い者は手を打って誓い
その友のために証人となる。
19罪を愛する者は争いを愛する。
戸口を高く開く者は破れを招く。
20心の曲がった者は幸いを受けない。
舌をもって欺く者は災難に陥る。
21愚か者を生めば悲しみがあり
神を知らない者の父に喜びはない。
22喜びを抱く心はからだを養うが
霊が沈みこんでいると骨まで枯れる。
23神に逆らう者は人のふところから賄賂を取り
裁きの道を曲げる。
24分別のある人は顔を知恵に向け
愚か者は目を地の果てに向ける。
25愚かな息子は父の悩みとなり
産んだ母の苦しみとなる。
26神に従う人に罰を科したり
高貴な人をその正しさのゆえに打つのは
いずれも良いことではない。
27口数を制する人は知識をわきまえた人。
冷静な人には英知がある。
28無知な者も黙っていれば知恵があると思われ
唇を閉じれば聡明だと思われる。
18
1離反する者は自分の欲望のみ追求する者。
その事は、どんなに巧みにやってもすぐ知れる。
2愚か者は英知を喜ばず
自分の心をさらけ出すことを喜ぶ。
3神に逆らうことには侮りが伴い
軽蔑と共に恥辱が来る。
4人の口の言葉は深い水。
知恵の源から大河のように流れ出る。
5神に従う人を裁きの座で押しのけ
神に逆らう人をひいきするのは良くない。
6愚か者の唇は争いをもたらし、口は殴打を招く。
7愚か者の口は破滅を
唇は罠を自分の魂にもたらす。
8陰口は食べ物のように呑み込まれ
腹の隅々に下って行く。
9仕事に手抜きする者は
それを破壊する者の兄弟だ。
10主の御名は力の塔。
神に従う人はそこに走り寄り、高く上げられる。
11財産は金持ちの砦、自分の彫像のそびえる城壁。
12破滅に先立つのは心の驕り。
名誉に先立つのは謙遜。
13聞き従う前に口答えをする者
無知と恥は彼のため。
14人の霊は病にも耐える力があるが
沈みこんだ霊を誰が支えることができよう。
15聡明な心は知識を獲得する。
知恵ある耳は知識を追求する。
16贈り物をすれば人の前途は開け
えらい人の前に彼を導く。
17訴えごとを最初に出す人は正しく見えるが
相手方が登場すれば問いただされるであろう。
18くじはいさかいを鎮め
手ごわい者どうしも引き分ける。
19一度背かれれば、兄弟は砦のように
いさかいをすれば、城のかんぬきのようになる。
20人は口の結ぶ実によって腹を満たし
唇のもたらすものによって飽き足りる。
21死も生も舌の力に支配される。
舌を愛する者はその実りを食らう。
22妻を得るものは恵みを得る。
主に喜び迎えられる。
23物乞いをする者は哀願し
金持ちは横柄に答える。
24友の振りをする友もあり
兄弟よりも愛し、親密になる人もある。
19
1貧乏でも、完全な道を歩む人は
唇の曲がった愚か者よりも幸いだ。
2知識がなければ欲しても不毛だ。
あまり足を急がせると過ちを犯す。
3人は無知によって自分の道を滅ぼす。
しかも主に対して心に憤りをもつ。
4財産は友の数を増す。
弱者は友から引き離される。
5うそをつく証人は罰を免れることはない。
欺きの発言をすれば逃げおおせることはない。
6高貴な人の好意を求める者は多い。
贈り物をする人にはだれでも友になる。
7実の兄弟も皆、貧しい人を憎む。
友達ならなお、彼を遠ざかる。
彼らは言っていることを実行しようとはしない。
8心を得た人は自分の魂を愛する。
英知を守る人は幸いを見いだす。
9うそをつく証人は罰を免れることはない。
欺きの発言をする者は滅びる。
10愚か者に快楽はふさわしくない。
奴隷が君主を支配するのは、なおふさわしくない。
11成功する人は忍耐する人。
背きを赦すことは人に輝きをそえる。
12王の憤りは若獅子のうなり声。
王の好意は青草におく露。
13愚かな息子は父の破滅。
いさかい好きな妻は滴り続けるしずく。
14家と財産は先祖からの嗣業。
賢い妻は主からいただくもの。
15怠惰は人を深い眠りに落とす。
怠けていれば飢える。
16戒めを守る人は魂を守る。
自分の道を侮る者は死ぬ。
17弱者を憐れむ人は主に貸す人。
その行いは必ず報いられる。
18望みのあるうちに息子を諭せ。
死なせることを目指してはならない。
19激しく憤る者は罰を受ける。
救おうとしても、あおるだけだ。
20勧めに聞き従い、諭しを受け入れよ。
将来、知恵を得ることのできるように。
21人の心には多くの計らいがある。
主の御旨のみが実現する。
22欲望は人に恥をもたらす。
貧しい人は欺く者より幸い。
23主を畏れれば命を得る。
満ち足りて眠りにつき
災難に襲われることはない。
24怠け者は鉢に手を突っ込むが
口にその手を返すことすらしない。
25不遜な者を打てば、浅はかな者は熟慮を得る。
聡明な人を懲らしめれば、知恵を見分ける。
26父に暴力を振るい、母を追い出す者は
辱めと嘲りをもたらす子。
27わが子よ、諭しに聞き従うことをやめるなら
知識の言葉からたちまち迷い出るであろう。
28ならず者の証人は裁きを侮辱し
神に逆らう者の口は悪を呑み込む。
29不遜な者に対しては罰が準備され
愚か者の背には鞭打ちが待っている。
20
1酒は不遜、強い酒は騒ぎ。
酔う者が知恵を得ることはない。
2王の脅威は若獅子のうなり声
彼を怒らせる者は自分を危険にさらす。
3争いにかかわらないのは立派なことだ。
無知な者は皆、争いを引き起こす。
4怠け者は冬になっても耕さず
刈り入れ時に求めるが何もない。
5思い計らいは人の心の中の深い水。
英知ある人はそれをくみ出す。
6親友と呼ぶ相手は多いが
信用できる相手を誰が見いだせよう。
7主に従う人は完全な道を歩む。
彼を継ぐ子らは幸い。
8裁きの座に就いている王は
その目でどのような悪をもふるい分ける。
9わたしの心を潔白にした、と誰が言えようか。
罪から清めた、と誰が言えようか。
10おもり石の使い分け、升の使い分け
いずれも主の憎まれること。
11子供も、行いが清く正しいかどうか
行動によって示す。
12聞く耳、見る目、主がこの両方を造られた。
13眠りを愛するな、貧しくならぬために。
目を見開いていれば、パンに飽き足りる。
14「悪い、悪い」と買い手は言うが
そこを去ると、自慢する。
15金もあり、珠玉も多い。
しかし、貴いものは知識ある唇。
16他国の者を保証する人からは着物を預かれ。
他国の女を保証する人からは抵当を取れ。
17欺き取ったパンはうまいが
後になって口は砂利で満たされる。
18計画は助言を得て立てよ
戦争は指揮力を整えて始めよ。
19秘密をばらす者、中傷し歩く者
軽々しく唇を開く者とは、交わるな。
20父母を呪う者
彼の灯は闇のただ中で消える。
21初めに嗣業をむさぼっても
後にはそれは祝福されない。
22悪に報いたい、と言ってはならない。
主に望みをおけ、主があなたを救ってくださる。
23おもり石を使い分けることは主にいとわれる。
天秤をもって欺くのは正しくない。
24人の一歩一歩を定めるのは主である。
人は自らの道について何を理解していようか。
25聖別されたものとしよう、と軽々しく言い
後にその誓いを思い直せば罠となる。
26賢い王は神に逆らう者を選び出し
彼らの上に車輪を引き回す。
27主の灯は人間の吸い込む息。
腹の隅々まで探る。
28慈しみとまことは王を守る。
王座は慈しみによって保たれる。
29力は若者の栄光。
白髪は老人の尊厳。
30打って傷を与えれば悪をたしなめる。
腹の隅々にとどくように打て。
21
1主の御手にあって王の心は水路のよう。
主は御旨のままにその方向を定められる。
2人間の道は自分の目に正しく見える。
主は心の中を測られる。
3神に従い正義を行うことは
いけにえをささげるよりも主に喜ばれる。
4高慢なまなざし、傲慢な心は
神に逆らう者の灯、罪。
5勤勉な人はよく計画して利益を得
あわてて事を行う者は欠損をまねく。
6うそをつく舌によって財宝を積む者は
吹き払われる息、死を求める者。
7神に逆らう者は自分の暴力に引きずられて行く。
正義を行うことを拒んだからだ。
8歩む道が曲がったりそれたりしていても
清く正しい行いをする人がある。
9いさかい好きな妻と一緒に家にいるよりは
屋根の片隅に座っている方がよい。
10神に逆らう者の欲望は悪に注がれ
その目は隣人をも憐れまない。
11不遜な者を罰すれば、浅はかな者は知恵を得る。
知恵ある人を目覚めさせるなら
彼は知識を得る。
12神に従う人は逆らう者の家を識別し
神に逆らう者を災いに落とす。
13弱い人の叫びに耳を閉ざす者は
自分が呼び求める時が来ても答えは得られない。
14ひそかに贈り物をしておけば怒りはなだめられ
賄賂をふところに入れてやれば激怒も静まる。
15裁きを行うことは、神に従う人には喜び
悪を行う者には滅び。
16目覚めへの道から迷い出た者は死霊の集いに入る。
17快楽を愛する者は欠乏に陥り
酒と香油を愛する者は富むことがない。
18神に逆らう者は神に従う人の代償とされ
欺く者は正しい人の身代金にされる。
19いさかい好きで怒りっぽい妻といるよりは
荒れ野に座っている方がよい。
20知恵ある人の住まいには望ましい宝と香油がある。
愚か者はそれを呑み尽くす。
21恵みと慈しみを追い求める人は
命と恵みと名誉を得る。
22知恵ある人はひとりで勇士たちの町に上り
その頼みとする砦を落とすこともできる。
23自分の口と舌を守る人は
苦難から自分の魂を守る。
24増長し、高慢な者、その名は不遜。
高慢のかぎりを尽くす。
25怠け者は自分の欲望に殺される。
彼の手が働くことを拒むからだ。
26欲望は絶えることなく欲し続ける。
神に従う人は与え、惜しむことはない。
27神に逆らう者のいけにえは忌むべきものだ。
悪だくみがあってささげるのだから。
28欺いて語る証人は滅びる。
聞き従う人の言葉はとこしえに堪える。
29神に逆らう者は厚かましく事を行う。
正しい人は自分の道を整える。
30どのような知恵も、どのような英知も、勧めも
主の御前には無に等しい。
31戦いの日のために馬が備えられるが
救いは主による。
22
1名誉は多くの富よりも望ましく
品位は金銀にまさる。
2金持ちと貧乏な人が出会う。
主はそのどちらも造られた。
3思慮深い人は災難が来ると見れば身を隠す。
浅はかな者は通り抜けようとして痛い目に遭う。
4主を畏れて身を低くすれば
富も名誉も命も従って来る。
5曲がった道には茨と罠。
そこから遠ざかる人は自分の魂を守る。
6若者を歩むべき道の初めに教育せよ。
年老いてもそこからそれることがないであろう。
7金持ちが貧乏な者を支配する。
借りる者は貸す者の奴隷となる。
8悪を蒔く者は災いを刈り入れる。
鞭は傲慢を断つ。
9寛大な人は祝福を受ける
自分のパンをさいて弱い人に与えるから。
10不遜な者を追い出せば、いさかいも去る。
争いも嘲笑もやむ。
11清い心を愛する人は唇に品位があり
王がその友となる。
12主の目は知識を守り、欺きの言葉を滅ぼす。
13怠け者は言う。
「外には獅子がいる。
町に出ればわたしは殺される。」
14よその女の口は深い墓穴
主の憤りにふれた者はそこに陥る。
15若者の心には無知がつきもの。
これを遠ざけるのは諭しの鞭。
16弱者を搾取して自分を富ませたり
金持ちに贈り物をしたりすれば、欠乏に陥る。
賢人の言葉 ㈠
17耳を傾けて賢人たちの言葉を聞け。
わたしの知識に心を向けよ。
18それをあなたの腹に納め
ひとつ残らず唇に備えておけば喜びを得る。
19あなたが主に信頼する者となるように
今日、あなたに教えを与えよう。
20わたしの意見と知識に従って三十句
あなたのために書きつけようではないか。
21真理とまことの言葉をあなたに知らせるために
まことの言葉をあなたの使者に持ち帰らせよう。
22弱い人を搾取するな、弱いのをよいことにして。
貧しい人を城門で踏みにじってはならない。
23主は彼らに代わって争い
彼らの命を奪う者の命を、奪われるであろう。
24怒りやすい者の友になるな。
激しやすい者と交わるな。
25彼らの道に親しんで
あなたの魂を罠に落としてはならない。
26手を打って誓うな、負債の保証をするな。
27償うための物があなたになければ
敷いている寝床まで取り上げられるであろう。
28昔からの地境を移してはならない
先祖の定めたものなのだから。
29技に熟練している人を観察せよ。
彼は王侯に仕え
怪しげな者に仕えることはない。
23
1支配者と共に食卓に着いたなら
何に直面しているのかをよく理解せよ。
2あなたが食欲おうせいな人間なら
自分の喉にナイフを突きつけたも同じだ。
3供される珍味をむさぼるな、それは欺きのパンだ。
4富を得ようとして労するな
分別をもって、やめておくがよい。
5目をそらすや否や、富は消え去る。
鷲のように翼を生やして、天に飛び去る。
6強欲な者のパンを食べようとするな。
供される珍味をむさぼるな。
7彼はその欲望が示すとおりの人間だ。
「食べるがよい、飲むがよい」と言っても
心はあなたを思ってはいない。
8あなたは食べたものを吐き出すことになり
あなたが親切に言ったことも台無しになる。
9愚か者の耳に語りかけるな
あなたの見識ある言葉を侮るだけだから。
10昔からの地境を移してはならない。
みなしごの畑を侵してはならない。
11彼らを贖う神は強く
彼らに代わってあなたと争われるであろう。
12あなたの心を諭しの言葉に
耳を知識の言葉に傾けよ。
13若者を諭すのを控えてはならない。
鞭打っても、死ぬことはない。
14鞭打てば、彼の魂を陰府から救うことになる。
15わが子よ、あなたの心が知恵を得れば
わたしの心は喜び祝う。
16あなたの唇が公正に語れば
わたしのはらわたは喜び躍る。
17罪人らのことに心を燃やすことはない
日ごと、主を畏れることに心を燃やすがよい。
18確かに未来はある
あなたの希望が断たれることはない。
19わが子よ、聞き従って知恵を得よ。
あなたの心が道をまっすぐに進むようにせよ。
20大酒を飲むな、身を持ち崩すな。
21大酒を飲み、身を持ち崩す者は貧乏になり
惰眠をむさぼる者はぼろをまとう。
22父に聞き従え、生みの親である父に。
母が年老いても侮ってはならない。
23真理を得よ、知恵も諭しも分別も手放すな。
24神に従う人の父は大いに喜び躍り
知恵ある人の親は、その子によって楽しみを得る。
25父が楽しみを得
あなたを生んだ母が喜び躍るようにせよ。
26わが子よ、あなたの心をわたしにゆだねよ。
喜んでわたしの道に目を向けよ。
27遊女は深い墓穴、異邦の女は狭い井戸だ。
28彼女は盗人のように待ち伏せし
繰り返し男たちを欺く。
29不幸な者は誰か、嘆かわしい者は誰か
いさかいの絶えぬ者は誰か、愚痴を言う者は誰か
理由なく傷だらけになっているのは誰か
濁った目をしているのは誰か。
30それは、酒を飲んで夜更かしする者。
混ぜ合わせた酒に深入りする者。
31酒を見つめるな。
酒は赤く杯の中で輝き、滑らかに喉を下るが
32後になると、それは蛇のようにかみ
蝮の毒のように広がる。
33目は異様なものを見
心に暴言をはき始める。
34海の真ん中に横たわっているかのように
綱の端にぶら下がっているかのようになる。
35「打たれたが痛くもない。
たたかれたが感じもしない。
酔いが醒めたらまたもっと酒を求めよう。」
24
1悪者のことに心を燃やすな
彼らと共にいることを望むな。
2悪者が心に思いめぐらすのは暴力。
唇が語るのは労苦を引き起こすこと。
3家は知恵によって築かれ、英知によって固く立つ。
4知識は部屋を満たし、貴く喜ばしい財産となる。
5知恵ある男は勇敢にふるまい
知識ある男は力を発揮する。
6戦争には指揮する力が必要であり
勝利を得るためには作戦を練るべきだ。
7無知な者に知恵は高尚すぎる。
城門で口を開くべきではない。
8悪意ある考えを持つ者は陰謀家と呼ばれる。
9無知の謀は過ちとされる。
不遜な態度は人に憎まれる。
10苦難の襲うとき気力を失い、力を出し惜しみ
11死に捕えられた人を救い出さず
殺されそうになっている人を助けず
12「できなかったのだ」などと言っても
心を調べる方は見抜いておられる。
魂を見守る方はご存じだ。
人の行いに応じて報いを返される。
13わが子よ、蜜を食べてみよ、それは美味だ。
滴る蜜は口に甘い。
14そのように、魂にとって知恵は美味だと知れ。
それを見いだすなら、確かに未来はある。
あなたの希望が断たれることはない。
15神に逆らう者よ、神に従う人の住みかを狙うな。
その憩いの場で暴力を振るうな。
16神に従う人は七度倒れても起き上がる。
神に逆らう者は災難に遭えばつまずく。
17敵が倒れても喜んではならない。
彼がつまずいても心を躍らせるな。
18主がそういうあなたを見て不快とされるなら
彼への怒りを翻されるであろう。
19悪事を働く者に怒りを覚えたり
主に逆らう者のことに心を燃やすことはない。
20悪者には未来はない。
主に逆らう者の灯は消える。
21わが子よ、主を、そして王を、畏れよ。
変化を求める者らと関係を持つな。
22突然、彼らの不幸は始まる。
この両者が下す災難を誰が知りえよう。
賢人の言葉 ㈡
23これらもまた、賢人の言葉である。
裁判でえこひいきをするのは良くない。
24罪ある者を正しいと宣言するなら
すべての民に呪われ、すべての国にののしられる。
25罪ある者を懲らしめる人は喜ばれる。
恵みと祝福がその上にある。
26正しい答えをする人は、くちづけをする人。
27外ではあなたの仕事を準備し、畑を整え
それから、家を築くがよい。
28いいかげんに友人の証人となってはならない。
自分の唇で惑わされたいのか。
29「人がわたしにするように
わたしもその人に対してしよう。
それぞれの行いに応じて報いよう」とは
あなたの言うべきことではない。
30怠け者の畑の傍らを
意志の弱い者のぶどう畑の傍らを、通ってみた。
31見よ、いらくさが一面に茂り
あざみが覆い尽くし、石垣は崩れていた。
32わたしはそれに心を向け、観察した。
それを見て、諭しを得た。
33「しばらく眠り、しばらくまどろみ
手をこまぬいて、またしばらく横になる。
34貧乏は盗賊のように
欠乏は盾を取る者のように襲う。」
25
ソロモンの箴言(補遺)
1これらもまた、ソロモンの箴言である。
ユダの王ヒゼキヤのもとにある人々が筆写した。
2ことを隠すのは神の誉れ
ことを極めるのは王の誉れ。
3天の高さと地の深さ、そして王の心の極め難さ。
4銀から不純物を除け。
そうすれば細工人は器を作ることができる。
5王の前から逆らう者を除け。
そうすれば王位は正しく継承される。
6王の前でうぬぼれるな。
身分の高い人々の場に立とうとするな。
7高貴な人の前で下座に落とされるよりも
上座に着くようにと言われる方がよい。
何ごとかを目にしても
8性急に争いの場に引き出そうとするな。
そのため友人に嘲られることになったら
将来どうするつもりか。
9自分のことについて友人と言い争うのはよいが
他人の秘密を漏らしてはならない。
10それを聞いた人があなたを恥に落とし
あなたの悪評は去らないであろう。
11時宜にかなって語られる言葉は
銀細工に付けられた金のりんご。
12聞き分ける耳に与えられる賢い懲らしめは
金の輪、純金の飾り。
13忠実な使者は遣わす人にとって
刈り入れの日の冷たい雪。
主人の魂を生き返らせる。
14雨雲が垂れこめ風が吹くのに雨が降らない。
与えもしない贈り物について吹聴する人。
15忍耐強く対すれば隊長も誘いに応じる。
穏やかに語る舌は骨をも砕く。
16蜂蜜を見つけたら欲しいだけ食べるがよい。
しかし食べ過ぎて吐き出すことにならぬように。
17友人の家に足を運ぶのはまれにせよ
飽きられ、嫌われることのないように。
18こん棒、剣、鋭い矢
友人に対して偽証を立てる者。
19悪い歯、よろめく足
苦難の襲うとき、欺く者を頼りにすること。
20寒い日に衣を脱がせる者
ソーダの上に酢を注ぐ者
苦しむ心に向かって歌をうたう者。
21あなたを憎む者が飢えているならパンを与えよ。
渇いているなら水を飲ませよ。
22こうしてあなたは炭火を彼の頭に積む。
そして主があなたに報いられる。
23北風は雨をもたらし
陰口をたたく舌は憤りの表情をもたらす。
24いさかいの好きな妻と一緒に家にいるよりは
屋根の片隅に座っている方がよい。
25渇いた喉に冷たい水、遠い地からの良い便り。
26泉が踏み汚され、水源が荒らされる。
神に従う人が神に逆らう者の前によろめく。
27蜂蜜を食べ過ぎればうまさは失われる。
名誉を追い求めれば名誉は失われる。
28侵略されて城壁の滅びた町。
自分の霊を制しえない人。
26
1夏の雪、刈り入れ時の雨のように
愚か者に名誉はふさわしくない。
2鳥は渡って行くもの、つばめは飛び去るもの。
理由のない呪いが襲うことはない。
3馬に鞭、ろばにくつわ
愚か者の背には杖。
4愚か者にはその無知にふさわしい答えをするな
あなたが彼に似た者とならぬために。
5愚か者にはその無知にふさわしい答えをせよ。
彼が自分を賢者だと思い込まぬために。
6愚か者に物事を託して送る者は
足を切られ、不法を呑み込まされる。
7愚か者の口にすることわざは
歩けない人の弱い足。
8愚か者に名誉を与えるのは
石投げ紐に石を袋ごとつがえるようなものだ。
9愚か者の口にすることわざは
酔っぱらいの手に刺さるとげ。
10愚か者を雇い、通りすがりの人を雇うのは
射手が何でもかまわず射抜くようなものだ。
11犬が自分の吐いたものに戻るように
愚か者は自分の愚かさを繰り返す。
12自分を賢者と思い込んでいる者を見たか。
彼よりは愚か者の方がまだ希望が持てる。
13怠け者は言う
「道に獅子が、広場に雄獅子が」と。
14扉はちょうつがいに乗って回転する。
怠け者は寝床の上で寝返りを打つ。
15怠け者は鉢に手を突っ込むが
口にその手を返すことをおっくうがる。
16怠け者は自分を賢者だと思い込む
聡明な答えのできる人七人にもまさって。
17通行人が自分に関係のない争いに興奮するのは
犬の耳をつかむようなものだ。
18分別を失った者が、火矢を、死の矢を射る。
19友人を欺く者はそれに等しい。
しかも、「ふざけただけではないか」と言う。
20木がなければ火は消える。
陰口を言う者が消えればいさかいは鎮まる。
21炎には炭、火には木
争いを燃え上がらせるのはいさかい好きな者。
22陰口は食べ物のように呑み込まれ
腹の隅々に下って行く。
23唇は燃えていても心に悪意を抱いている者は
混じりもののある銀で覆った土器のよう。
24唇をよそおっていても憎悪を抱いている者は
腹に欺きを蔵している。
25上品な声を出すからといって信用するな
心には七つの忌むべきことを持っている。
26憎しみはごまかし隠しても
その悪は会衆の中で露見する。
27穴を掘る者は自分がそこに落ち
石を転がせばその石は自分に返ってくる。
28うそをつく舌は憎んで人を砕き
滑らかな舌はつまずきを作る。
27
1明日のことを誇るな。
一日のうちに何が生まれるか知らないのだから。
2自分の口で自分をほめず、他人にほめてもらえ。
自分の唇でではなく、異邦人にほめてもらえ。
3石は重く、砂も目方がかかる。
無知な者が不機嫌なのはどちらよりも重い。
4憤りは残忍、怒りは洪水。
ねたみの前に誰が耐ええようか。
5あらわな戒めは、隠された愛にまさる。
6愛する人の与える傷は忠実さのしるし
憎む人は数多くの接吻を与える。
7飽き足りている人は蜂の巣の滴りも踏みつける。
飢えている人には苦いものも甘い。
8鳥が巣から飛び去るように
人もその置かれたところから移って行く。
9香油も香りも心を楽しませる。
友人の優しさは自分の考えにまさる。
10あなたの友人、父の友人を捨てるな。
災いの日に、あなたの兄弟の家には行くな。
近い隣人は遠い兄弟にまさる。
11わが子よ、知恵を得てわたしの心を楽しませよ。
そうすれば
わたしを嘲る者に言葉を返すことができる。
12思慮深い人は災難が来ると見れば身を隠す。
浅はかな者は通り抜けようとして痛い目に遭う。
13他国の者を保証する人からは着物を預かれ。
他国の女を保証する人からは抵当を取れ。
14友人への祝福も、早朝に大声でするなら
それは呪いと見なされる。
15降りしきる雨の日に滴り続けるしずくと
いさかい好きな妻は似ている。
16彼女を制する者は風をも制する。
彼は香油をその右の手の力と呼ぶ。
17鉄は鉄をもって研磨する。
人はその友によって研磨される。
18いちじくの番人はいちじくを食べる。
主人を守る者は名誉を得る。
19水が顔を映すように、心は人を映す。
20陰府も滅びの国も飽き足りることがない。
人間の目も飽き足りることがない。
21銀にはるつぼ、金には炉。
人は称賛によって試される。
22無知な者を臼に入れて
穀物と共に杵でついても
無知は彼を去らない。
23あなたの羊の様子をよく知っておけ。
群れに心を向けよ。
24財産はとこしえに永らえるものではなく
冠も代々に伝わるものではない。
25草は刈り取られ、また青草が現れ
山々の牧草は集められる。
26羊はあなたの着物となり
雄山羊は畑の代価となる。
27雌山羊の乳はあなたのパン、一家のパンとなり
あなたに仕える少女らを養う。
28
1神に逆らう者は追う者もないのに逃げる。
神に従う人は若獅子のように自信がある。
2反乱のときには国に首領となる者が多く出る。
分別と知識のある人ひとりによって安定は続く。
3貧しい者が弱者を搾取するのは
雨が洗い流してパンがなくなるようなものだ。
4教えを捨てる者は神に逆らう者を賛美し
教えを守る者は彼らと闘う。
5悪を行う者らは裁きを理解しない。
主を尋ね求める人々はすべてを理解する。
6貧乏でも、完全な道を歩む人は
二筋の曲がった道を歩む金持ちより幸いだ。
7教えを守るのは分別のある子。
放蕩者と交わる者はその父を辱める。
8利息、高利で財産を殖やす者は
集めても、弱者を憐れむ人に渡すことになろう。
9教えに耳をそむけて聞こうとしない者は
その祈りも忌むべきものと見なされる。
10正しい人を悪の道に迷い込ませる者は
自分の掘った穴に落ちる。
無垢な人々は良い嗣業を受ける。
11金持ちは自分を賢いと思い込む。
弱くても分別ある人は彼を見抜く。
12神に従う人々が喜び勇むと輝きは増し
神に逆らう者が興ると人は身を隠す。
13罪を隠している者は栄えない。
告白して罪を捨てる者は憐れみを受ける。
14いかに幸いなことか、常に恐れを抱いている人。
心の頑な者は苦難に陥る。
15獅子がうなり、熊が襲いかかる。
神に逆らう者が弱い民を支配する。
16指導者に英知が欠けると搾取が増す。
奪うことを憎む人は長寿を得る。
17流血の罪の重荷を負う者は、逃れて墓穴に至る。
だれも彼を援助してはならない。
18完全な道を歩む人は救われる。
二筋の曲がった道を歩む者は直ちに倒れる。
19自分の土地を耕す人はパンに飽き足りる。
空を追う者は乏しさに飽き足りる。
20忠実な人は多くの祝福を受ける。
富むことにはやる者は罰せられずには済まない。
21人を偏り見るのはよくない。
だれでも一片のパンのために罪を犯しうる。
22貪欲な者は財産を得ようと焦る。
やって来るのが欠乏だとは知らない。
23人を懲らしめる者は
舌の滑らかな者より喜ばれる。
24父母のものをかすめて
「これは罪ではない」と言う者は
滅ぼそうとたくらむ者の仲間だ。
25貪欲な者はいさかいを引き起こす。
主に依り頼む人は潤される。
26自分の心に依り頼む者は愚か者だ。
知恵によって歩む人は救われる。
27貧しい人に与える人は欠乏することがない。
目を覆っている者は多くの呪いを受ける。
28神に逆らう者が興ると人は身を隠し
彼らが滅びると神に従う人がふえる。
29
1懲らしめられることが多いと人は頑固になる。
彼は突然打ち砕かれ、もう癒すことはできない。
2神に従う人が大いになると民は喜び
神に逆らう人が支配すると民は嘆く。
3知恵を愛する人は父を喜ばせる。
遊女を友とする者は財産を失う。
4王が正しい裁きによって国を安定させても
貢ぎ物を取り立てる者がこれを滅ぼす。
5友にへつらう者は
彼の一歩一歩に網を仕掛ける者。
6悪を行う者は罪の罠にかかる。
神に従う人は喜びの叫びをあげる。
7神に従う人は弱者の訴えを認める。
神に逆らう者はそれを認めず、理解しない。
8不遜な者らが町に騒動を起こす。
知恵ある人々は怒りを静める。
9知恵ある人が無知な者と裁きの座で対すると
無知な者は怒り、嘲笑い、静まることがない。
10無垢な人を憎み、その血を流そうとする者がある。
正しい人々はその命を助けようとする。
11愚か者は自分の感情をさらけ出す。
知恵ある人はそれを制し静める。
12支配者が偽りの言葉に耳を貸すなら
仕える人は皆、逆らう者となる。
13貧しい人と虐げる者とが出会う。
主はどちらの目にも光を与えておられる。
14弱い人にも忠実な裁きをする王。
その王座はとこしえに堅く立つ。
15懲らしめの杖は知恵を与える。
放任されていた子は母の恥となる。
16神に逆らう者が多くなると罪も増す。
神に従う人は彼らの滅びるさまを見るであろう。
17あなたの子を諭すなら、安心していられる。
彼はあなたの魂に楽しみを与える。
18幻がなければ民は堕落する。
教えを守る者は幸いである。
19僕を言葉で諭すことはできない。
理解したとしても、答えないであろう。
20軽率に話す者を見たか。
彼よりは愚か者にまだ望みがある。
21僕を幼いときから甘やかしていると
後には手のつけられないものになる。
22怒りやすい人はいさかいを引き起こし
激しやすい人は多く罪を犯す。
23驕る者は低くされ
心の低い人は誉れを受けるようになる。
24盗人にくみする者は自分の魂を憎む者
呪いが聞こえても黙っている。
25人は恐怖の罠にかかる。
主を信頼する者は高い所に置かれる。
26支配者の御機嫌をうかがう者は多い。
しかし、人を裁くのは主である。
27神に従う人は悪を行う者を憎む。
神に逆らう者は正しく歩む人を憎む。
30
アグルの言葉
1ヤケの子アグルの言葉。託宣。
この人は言う、神よ、わたしは疲れた。
神よ、わたしは疲れ果てた。
2まことに、わたしはだれよりも粗野で
人間としての分別もない。
3知恵を教えられたこともなく
聖なる方を知ることもできない。
4天に昇り、また降った者は誰か。
その手の内に風を集め
その衣に水を包むものは誰か。
地の果てを定めたものは誰か。
その名は何というのか。
その子の名は何というのか。
あなたは知っているのか。
5神の言われることはすべて清い。
身を寄せればそれは盾となる。
6御言葉に付け加えようとするな。
責められて
偽る者と断罪されることのないように。
7二つのことをあなたに願います。
わたしが死ぬまで、それを拒まないでください。
8むなしいもの、偽りの言葉を
わたしから遠ざけてください。
貧しくもせず、金持ちにもせず
わたしのために定められたパンで
わたしを養ってください。
9飽き足りれば、裏切り
主など何者か、と言うおそれがあります。
貧しければ、盗みを働き
わたしの神の御名を汚しかねません。
10僕のことを主人に中傷してはならない。
彼はあなたを呪い、あなたは罪に定められる。
11父を呪い、母を祝福しない世代
12自分を清いものと見なし
自分の汚物を洗い落とさぬ世代
13目つきは高慢で、まなざしの驕った世代
14歯は剣、牙は刃物の世代
それは貧しい人を食らい尽くして土地を奪い
乏しい人を食らい尽くして命を奪う。
15蛭の娘はふたり。
その名は「与えよ」と「与えよ。」
飽くことを知らぬものは三つ。
十分だと言わぬものは四つ。
16陰府、不妊の胎、水に飽いたことのない土地
決して十分だと言わない火。
17父を嘲笑い、母への従順を侮る者の目は
谷の烏がえぐり出し、鷲の雛がついばむ。
18わたしにとって、驚くべきことが三つ
知りえぬことが四つ。
19天にある鷲の道
岩の上の蛇の道
大海の中の船の道
男がおとめに向かう道。
20そうだ、姦通の女の道も。
食べて口をぬぐい
何も悪いことはしていないと言う。
21三つのことに大地は震え
四つのことに耐ええない。
22奴隷が王となること
神を知らぬ者がパンに飽き足りること
23憎むべき女が夫を持つこと
はしためが女主人を継ぐこと。
24この地上に小さなものが四つある。
それは知恵者中の知恵者だ。
25蟻の一族は力はないが
夏の間にパンを備える。
26岩狸の一族は強大ではないが
その住みかを岩壁に構えている。
27いなごには王はないが
隊を組んで一斉に出動する。
28やもりは手で捕まえられるが
王の宮殿に住んでいる。
29足取りの堂々としているものが三つ
堂々と歩くものが四つある。
30獣の中の雄、決して退かない獅子
31腰に帯した男、そして雄山羊
だれにも手向かいさせない王。
32増長して恥知らずになり
悪だくみをしているなら、手で口を覆え。
33乳脂を絞るとバターが出てくる。
鼻を絞ると血が出てくる。
怒りを絞ると争いが出てくる。
31
レムエルの言葉
1マサの王レムエルが母から受けた諭しの言葉。
2ああ、わが子よ
ああ、わが腹の子よ
ああ、わが誓いの子よ。
3あなたの力を女たちに費やすな。
王さえも抹殺する女たちに
あなたの歩みを向けるな。
4レムエルよ
王たるものにふさわしくない。
酒を飲むことは、王たるものにふさわしくない。
強い酒を求めることは
君たるものにふさわしくない。
5飲めば義務を忘れ
貧しい者の訴えを曲げるであろう。
6強い酒は没落した者に
酒は苦い思いを抱く者に与えよ。
7飲めば貧乏を忘れ
労苦を思い出すこともない。
8あなたの口を開いて弁護せよ
ものを言えない人を
犠牲になっている人の訴えを。
9あなたの口を開いて正しく裁け
貧しく乏しい人の訴えを。
有能な妻 (アルファベットによる詩)
10有能な妻を見いだすのは誰か。
真珠よりはるかに貴い妻を。
11夫は心から彼女を信頼している。
儲けに不足することはない。
12彼女は生涯の日々
夫に幸いはもたらすが、災いはもたらさない。
13羊毛と亜麻を求め
手ずから望みどおりのものに仕立てる。
14商人の船のように
遠くからパンを運んで来る。
15夜の明ける前に起き出して
一族には食べ物を供し
召し使いの女たちには指図を与える。
16熟慮して畑を買い
手ずから実らせた儲けでぶどう畑をひらく。
17力強く腰に帯し、腕を強くする。
18商売が好調かどうか味わい
灯は夜も消えることがない。
19手を糸車に伸べ、手のひらに錘をあやつる。
20貧しい人には手を開き、乏しい人に手を伸べる。
21雪が降っても一族に憂いはない。
一族は皆、衣を重ねているから。
22敷物を自分のために織り、麻と紫の衣を着ている。
23夫は名を知られた人で
その地の長老らと城門で座に着いている。
24彼女は亜麻布を織って売り、帯を商人に渡す。
25力と気品をまとい、未来にほほえみかける。
26口を開いて知恵の言葉を語り
慈しみの教えをその舌にのせる。
27一族の様子によく目を配り
怠惰のパンを食べることはない。
28息子らは立って彼女を幸いな人と呼び
夫は彼女をたたえて言う。
29「有能な女は多いが
あなたはなお、そのすべてにまさる」と。
30あでやかさは欺き、美しさは空しい。
主を畏れる女こそ、たたえられる。
31彼女にその手の実りを報いよ。
その業を町の城門でたたえよ。