聖書 新共同訳 旧約聖書

日本聖書協会

コヘレトのこと

1

1エルサレムのおう、ダビデの、コヘレトのこと

2コヘレトはう。

なんというむなしさ

なんというむなしさ、すべてはむなしい。

3たいようもとひとろうするが

すべてのろうなにになろう。

4だいぎればまた一だいこり

えいえんえるのはだい

5のぼり、しず

あえぎもどり、またのぼる。

6かぜみなみかいきためぐり、めぐりめぐって

かぜはただめぐりつつ、つづける。

7かわはみなうみそそぐがうみちることなく

どのかわも、かえしそのどうていながれる。

8なにもかも、ものい。

かたくすこともできず

きることなく

みみいてもたされない。

9かつてあったことは、これからもあり

かつてこったことは、これからもこる。

たいようもとあたらしいものはなにひとつない。

10よ、これこそあたらしい、とってみても

それもまた、えいえんむかしからあり

このだいまえにもあった。

11むかしのことにこころめるものはない。

これからさきにあることも

そののちにはだれもこころめはしまい。

12わたしコヘレトはイスラエルのおうとしてエルサレムにいた。13てんしたこることをすべてろうとねっしんたんきゅうし、くして調しらべた。かみはつらいことをひとらのつとめとなさったものだ。14わたしはたいようもとこることをすべてきわめたが、よ、どれもみなむなしく、かぜうようなことであった。

15ゆがみはなおらず

けていれば、かぞえられない。

16わたしはこころにこうってみた。「よ、かつてエルサレムにくんりんしたもののだれにもまさって、わたしはふかめ、おおいなるものとなった」と。わたしのこころしきふかきわめたが、17ねっしんもとめてったことは、けっきょくしききょうでありおろかであるにすぎないということだ。これもかぜうようなことだとさとった。

18ふかまればなやみもふかまり

しきせばいたみもす。

2

1わたしはこうつぶやいた。

かいらくってみよう、えつひたってみよう。」

よ、それすらもむなしかった。

2わらいにたいしては、きょうだと

かいらくたいしては、なにになろうとった。

3わたしのこころなにごとこうとする。しかしなお、このてんしたきるみじかいっしょうあいだなにをすればひとらはこうふくになるのかをきわめるまで、さけにくたいげきし、こうまかせてみようとこころさだめた。

4だいにことをこし

おおくのしきかまえ、はたけにぶどうをえさせた。

5ていえんじゅえんかずかずつくらせ

さまざまのじゅえさせた。

6いけいくつもらせ、しげはやしみずかせた。

7れただんじょれいくわえて

わたしのいえまれるれいもあり

かつてエルサレムにんだもののだれよりもおお

うしひつじともざいさんとしてしょゆうした。

8きんぎんたくわ

くにぐにおうこうぞうするたかられた。

だんじょうたをそろえ

ひとらのよろこびとするおおくのそばいた。

9かつてエルサレムにんだもののだれにもまさって

わたしはおおいなるものとなり、さかえたが

なお、はわたしのもとにとどまっていた。

10のぞましくうつるものはなにひとつこばまず

どのようなかいらくをもあまさずこころみた。

どのようなろうをもわたしのこころたのしんだ。

それが、ろうからわたしがぶんであった。

11しかし、わたしはかえりみた

このわざろうけっのひとつひとつを。

よ、どれもむなしく

かぜうようなことであった。

たいようもとに、えきとなるものはなにもない。

12また、わたしはかえりみて

を、きょうおろかさをきわめようとした。

おうあといだひと

すでになされたことかえすのみならなにになろうか。

13わたしのたところでは

ひかりやみにまさるように、おろかさにまさる。

14けんじゃはそのあたまに、しゃあゆみはやみに。

しかしわたしはっている

りょうしゃおなじことがこるのだということを。

15わたしはこうつぶやいた。

しゃこることは、わたしにもこる。

よりかしこくなろうとするのはだ。」

これまたむなしい、とわたしはおもった。

16けんじゃしゃも、えいえんおくされることはない。

やがてには、すべてわすれられてしまう。

けんじゃしゃひとしくぬとはなんということか。

17わたしはきることをいとう。たいようもとこることは、なにもかもわたしをくるしめる。どれもみなむなしく、かぜうようなことだ。

18たいようもとでしたこのろうけっを、わたしはすべていとう。あともののこすだけなのだから。19そのものけんじゃであるかしゃであるか、だれろう。いずれにせよ、たいようもとでわたしがりょくくし、ろうしたけっはいするのはかれなのだ。これまた、むなしい。20たいようもとろうしてきたことのすべてに、わたしのこころぜつぼうしていった。21しきさいのうくしてろうしたけっを、まったくろうしなかったものさんとしてあたえなければならないのか。これまたむなしくおおいにこうなことだ。22まことに、にんげんたいようもとこころくるしみにえ、ろうしてみてもなにになろう。23いっしょうひとつとめはいたみとなやみ。よるこころやすまらない。これまた、じつむなしいことだ。

24にんげんにとってもっといのは、いし

ぶんろうによってたましいまんぞくさせること。

しかしそれも、わたしのたところでは

かみからいただくもの。

25ぶんべて、ぶんあじわえ。

26かみは、ぜんにんみとめたひとしきたのしみをあたえられる。だがあくにんには、ひたすらあつむことをかれつとめとし、それをぜんにんみとめたひとあたえられる。これまたむなしく、かぜうようなことだ。

3

1なにごとにもときがあり

てんしたごとにはすべてさだめられたときがある。

2まれるときとき

えるときえたものをとき

3ころときいやとき

かいするときてるとき

4ときわらとき

なげときおどとき

5いしはなときいしあつめるとき

ほうようときほうようとおざけるとき

6もとめるときうしなとき

たもときはなとき

7ときとき

もくするときかたとき

8あいするときにくとき

たたかいのときへいとき

9ひとろうしてみたところでなにになろう。

10わたしは、かみひとらにおあたえになったつとめをきわめた。11かみはすべてをにかなうようにつくり、また、えいえんおもこころひとあたえられる。それでもなお、かみのなさるわざはじめからおわりまできわめることはゆるされていない。

12わたしはった

にんげんにとってもっとこうふくなのは

よろこたのしんでいっしょうおくることだ、と

13ひとだれもがいし

そのろうによってまんぞくするのは

かみたまものだ、と。

14わたしはった

すべてかみわざえいえんへんであり

くわえることものぞくこともゆるされない、と。

かみにんげんかみおそうやまうようにさだめられた。

15いまあることはすでにあったこと

これからあることもすでにあったこと。

いやられたものを、かみたずもとめられる。

16たいようもとさらにわたしはた。

さばきのあくが、せいあくがあるのを。

17わたしはこうつぶやいた。

せいおこなひとあくにんかみさばかれる。

すべてのごと、すべてのこうには、さだめられたときがある。

18ひとらにかんしては、わたしはこうつぶやいた。かみにんげんためされるのは、にんげんに、ぶんどうぶつにすぎないということをきわめさせるためだ、と。19にんげんのぞむことはどうぶつにものぞみ、これもに、あれもぬ。おなれいをもっているにすぎず、にんげんどうぶつなんらまさるところはない。すべてはむなしく、20すべてはひとつのところにく。

すべてはちりからった。

すべてはちりかえる。

21にんげんれいうえのぼり、どうぶつれいしたくだるとだれえよう。22にんげんにとってもっとこうふくなのは、ぶんわざによってたのしみをることだとわたしはさとった。それがにんげんにふさわしいぶんである。

どうなるのかを、だれせてくれよう。

4

1わたしはあらためて、たいようもとおこなわれるしいたげのすべてをた。

よ、しいたげられるひとなみだを。

かれらをなぐさめるものはない。

よ、しいたげるものにあるちからを。

かれらをなぐさめるものはない。

2すでんだひとを、さいわいだとおう。さらきてかなければならないひとよりはさいわいだ。3いや、そのりょうしゃよりもこうふくなのは、まれてなかったものだ。たいようもとこるわるわざていないのだから。

4にんげんさいくしてろうするのは、なかたいしてきょうそうしんやしているからだということもかった。これまたむなしく、かぜうようなことだ。

5おろものをつかねてそのいつぶす。

6かたたして、いこいをるのは

りょうたして、なおろうするよりもい。

それはかぜうようなことだ。

7わたしはあらためて

たいようもとむなしいことがあるのをた。

8ひとりのおとこがあった。ともむすきょうだいもない。

さいげんもなくろうし、かれとみくことがない。

ぶんたましいこころよいものをいてまで

だれのためにろうするのか」とおもいもしない。

これまたむなしく、こうなことだ。

9ひとりよりもふたりがい。

ともろうすれば、そのむくいはい。

10たおれれば、ひとりがそのともたすこす。

たおれてもこしてくれるとものないひとこうだ。

11さらに、ふたりでればあたたかいが

ひとりでどうしてあたたまれようか。

12ひとりがめられれば、ふたりでこれにたいする。

つよりのいとれにくい。

13まずしくてもこうしょうねんほう

いておろかになり

ちゅうこくれなくなったおうよりもい。

14とらわれのぶんまれてもおうとなるものがあり

おうまれながら、いやしくなるものがある。

15たいようもといのちあるものみな

わってったこのしょうねんかたするのを

わたしはた。

16たみかぎりなくつづく。

さきにも、またのちにも

このしょうねんについてよろこいわものはない。

これまたむなしく、かぜうようなことだ。

17しん殿でんかよあしつつしむがよい。

わるいことをしてもかくしないようなおろもの

そなものをするよりも、したがほうがよい。

5

1あせってくちひらき、こころせいて

かみまえことそうとするな。

かみてんにいまし、あなたはじょうにいる。

ことかずすくなくせよ。

2ゆめるのはなやみごとがおおいから。

しゃこえれるのはくちかずおおいから。

3かみがんをかけたら

ちかいをたすのをおくらせてはならない。

おろものかみよろこばれない。

がんをかけたら、ちかいをたせ。

4がんをかけておきながらちかいをたさないなら

がんをかけないほうがよい。

5くちほろぼすことにならないように。

使しゃに「あれはちがいでした」などとうな。

かみはそのこえいていか

あなたのわざほろぼされるであろう。

6ゆめくうそうおおいとじょうぜつになる。

かみおそうやまえ。

7まずしいひとしいたげられていることや、せいさばき、せいけつじょなどがこのくににあるのをても、おどろくな。なぜなら

ぶんたかものが、ぶんたかものをかばい

さらぶんたかものりょうしゃをかばうのだから。

8なににもましてくににとってえきとなるのは

おうこうたいせつにすること。

9ぎんあいするものぎんくことなく

とみあいするものしゅうえきまんぞくしない。

これまたむなしいことだ。

10ざいさんせば、それをらうものす。

ぬしながめているばかりで、なんとくもない。

11はたらものねむりはこころよ

まんぷくしていても、えていても。

かねちはきていてねむれない。

12たいようもとに、おおきなこうがあるのをた。

とみかんわるくてぬしそんをしている。

13使つかってそのとみうしな

むすまれても、かれにはなにもない。

14ひとは、はだかははたいたように、はだかかえる。

とき姿すがたで、くのだ。

ろうけっなにひとつってくわけではない。

15これまた、おおいにこうなことだ。

ときおなじように、かざるをえない。

かぜってろうして、なにになろうか。

16そのいっしょうあいだべることさえやみなか

なやみ、わずらい、いかりはきない。

17よ、わたしのたことはこうだ。かみあたえられたみじかじんせいに、いし、たいようもとろうしたけっのすべてにまんぞくすることこそ、こうふくいことだ。それがひとけるべきぶんだ。18かみからとみざいほうをいただいたひとみな、それをきょうじゅし、みずからのぶんをわきまえ、そのろうけったのしむようにさだめられている。これはかみたまものなのだ。19かれはそのじんせいをあまりおもかえすこともない。かみがそのこころよろこびをあたえられるのだから。

6

1たいようもとに、つぎのようなこうがあって、にんげんおおきくはいしているのをわたしはた。2あるひとかみとみざいほうめいあたえ、このひとのぞむところはなにひとつけていなかった。しかしかみは、かれがそれをみずかきょうじゅすることをゆるされなかったので、にんがそれをることになった。これまたむなしく、おおいにこうなことだ。

3ひとが百にんち、ちょう寿じゅまっとうしたとする。

しかし、ながきしながら、ざいさんまんぞくもせず

んでそうもしてもらえなかったなら

りゅうざんほうこううんだとわたしはおう。

4そのむなしくまれ、やみなか

そのやみかくされる。

5たいようひかりることもることもない。

しかし、そのほうやすらかだ。

6たとえ、千ねんちょう寿じゅを二かえしたとしても、こうふくでなかったなら、なにになろう。すべてのものはおなじひとつのところくのだから。

7ひとろうはすべてくちのためだが

それでもしょくよくたされない。

8けんじゃしゃにまさるえきようか。

じんせいあるかたっていることが

まずしいひとなにかのえきとなろうか。

9よくぼうきすぎるよりも

まええているものがい。

これまたむなしく、かぜうようなことだ。

10これまでにそんざいしたものは

すべて、まえあたえられている。

にんげんとはなにものなのかもられている。

ぶんよりつよいものをうったえることはできない。

11ことおおければむなしさもすものだ。

にんげんにとって、それがなにになろう。

12みじかむなしいじんせいを、かげのようにごすにんげんにとって、こうふくとはなにかをだれろう。にんげん、そのいっしょうあとはどうなるのかをおしえてくれるものは、たいようもとにはいない。

7

1めいせいこうにまさる。

まれるにまさる。

2とむらいのいえくのは

しゅえんいえくのにまさる。

そこにはひとみなおわりがある。

いのちあるものよ、こころせよ。

3なやみはわらいにまさる。

かおくもるにつれてこころやすらぐ。

4けんじゃこころとむらいのいえ

しゃこころかいらくいえに。

5けんじゃ𠮟しっせきくのは

しゃさんくのにまさる。

6しゃわらいはなべしたにはぜるしばおと

これまたむなしい。

7けんじゃさえも、しいたげられればくる

わいをもらえばせいうしなう。

8ことおわりははじめにまさる。

ぐらいたかいよりもながいのがよい。

9みじかいかるな。

いかりはしゃむね宿やどるもの。

10むかしほうがよかったのはなぜだろうかとうな。

それはかしこいではない。

11さんおとらずいもの。

ひかりものやくつ。

12かげ宿やどればぎんかげ宿やどる、というが

っておくがよい

はそのぬしいのちあたえる、と。

13かみわざよ。

かみげたものを、だれなおしえようか。

14じゅんきょうにはたのしめ、ぎゃっきょうにはこうかんがえよ

ひとらいについてであるようにと

かみはこのりょうしゃあわつくられた、と。

15このむなしいじんせい

わたしはすべてをきわめた。

ぜんにんがそのぜんのゆえにほろびることもあり

あくにんがそのあくのゆえにながらえることもある。

16ぜんにんすぎるな、かしこすぎるな

どうしてほろびてよかろう。

17あくをすごすな、おろかすぎるな

どうしてときないのにんでよかろう。

18一つのことをつかむのはよいが

ほかのことからもはなしてはいけない。

かみおそうやまえば

どちらをもげることができる。

19けんじゃちからづけて

まちにいる十にんけんりょくしゃよりもつよくする。

20ぜんのみおこなってつみおかさないようなにんげん

このじょうにはいない。

21ひとうことをいちいちにするな。

そうすれば、しもべがあなたをのろっても

ながしていられる。

22あなたしんなんとなくにんのろったことを

あなたのこころはよくっているはずだ。

23わたしはこういうことをすべて

くしてためしてみた。

けんじゃでありたいとおもったが

それはわたしからとおいことであった。

24そんざいしたことは、はるかにとお

そのふかふかいところをだれいだせようか。

25わたしはねっしんしきもと

けつろんついきゅう

あくこうこうきょうであることを

さとろうとした。

26わたしのいだしたところでは

よりも、わなよりも、にがおんながある。

そのこころあみ、そのかせ

かみぜんにんみとめられたひとかのじょまぬかれるが

あやまれば、そのとりことなる。

27よ、これがわたしのいだしたところ

──コヘレトのこと──

ひとつひとつ調しらべていだしたけつろん

28わたしのたましいはなおたずもとめていださなかった。

にんひとというおとこはいたが

にんひととして、おんないださなかった。

29ただしよ、いだしたことがある。

かみにんげんをまっすぐにつくられたが

にんげんふくざつかんがかたをしたがる、ということ。

8

1ひとかおひかりえ、かたかおやわらげる。」けんじゃのように、このことかいしゃくができるのはだれか。2それは、わたしだ。すなわち、おうことまもれ、かみたいするちかいとどうように。3みじかおうまえろうとするな。かいなことにしゅうするな。おうのぞむままにふるまうのだから。4おうったことはいする。だれもかれさしすることはできない。5めいれいしたがっていれば、かいうことはない。けんじゃはふさわしいときということをこころている。6なにごとにもふさわしいときがあるものだ。にんげんにはさいなんのふりかかることがおおいが、7なにごとこるかをることはできない。どのようにこるかも、だれおしえてくれようか。

8ひとれいはいできない。

れいしとどめることはできない。

はいすることもできない。

せんそうまぬかれるものもない。

あくあくおこなもののがれさせはしない。

9わたしはこのようなことをきわめ、たいようもとこるすべてのことを、ねっしんかんがえた。いまは、にんげんにんげんはいしてくるしみをもたらすようなときだ。

10だから、わたしはあくにんそうをしてもらうのも、せいなるしょりするのも、また、ただしいことをしたひとまちわすられているのもる。これまた、むなしい。

11あくたいするじょうれいすみやかにじっされないので

ひとだいたんあくをはたらく。

12つみおかし百あくをはたらいているもの

なお、ながきしている。

にもかかわらず、わたしにはかっている。

かみおそれるひとは、おそれるからこそこうふくになり

13あくにんかみおそれないから、ながきできず

かげのようなもので、けっしてこうふくにはなれない。

14このじょうにはむなしいことがこる。

ぜんにんでありながら

あくにんわざむくいをけるものがあり

あくにんでありながら

ぜんにんわざむくいをけるものがある。

これまたむなしいと、わたしはう。

15それゆえ、わたしはかいらくをたたえる。

たいようもとにんげんにとって

いし、たのしむじょうこうふくはない。

それは、たいようもとかみかれあたえるじんせい

ろうえられたものなのだ。

16わたしはふかめてこのじょうこることをきわめようとこころくし、ひるよるねむらずにつとめ、17かみのすべてのわざかんさつした。まことに、たいようもとこるすべてのことをさとることは、にんげんにはできない。にんげんがどんなにろうついきゅうしても、さとることはできず、けんじゃがそれをったとおうとも、かれさとってはいない。

9

1わたしはこころくしてつぎのようなことをあきらかにした。すなわち

ぜんにんけんじん、そしてかれらのはたらきは

かみなかにある。

あいも、にくしみも、にんげんらない。

にんげんまえにあるすべてのことは2なにごとおなじで

おなじひとつのことがぜんにんにもあくにんにもひとにも

きよひとにもじょうひとにも

いけにえをささげるひとにもささげないひとにものぞむ。

ひとこることがつみおかひとにもこり

ちかいをてるひとこることが

ちかいをおそれるひとにもこる。

3たいようもとこるすべてのことのなかもっとわるいのは、だれにでもおなじひとつのことがのぞむこと、そのうえきているあいだひとこころあくち、おもいはくるっていて、そのあとぬだけだということ。

4いのちあるもののうちにかぞえられてさえいれば

まだあんしんだ。

いぬでも、きていれば、んだよりましだ。

5きているものは、すくなくともっている

ぶんはやがてぬ、ということを。

しかし、しゃはもうなにひとつらない。

かれらはもうむくいをけることもなく

かれらのわすれられる。

6そのあいにくしみも、じょうねつも、すでえうせ

たいようもとこることのどれひとつにも

もうなんのかかわりもない。

7さあ、よろこんであなたのパンを

もちよくあなたのさけむがよい。

あなたのわざかみれていてくださる。

8どのようなときもじゅんぱくころも

あたまにはこうやすな。

9たいようもとあたえられたむなしいじんせい

あいするつまともたのしくきるがよい。

それが、たいようもとろうするあなたへの

じんせいろうむくいなのだ。

10なにによらずをつけたことはねっしんにするがよい。

いつかはかなければならないあのには

ごとくわだても、しきも、もうないのだ。

11たいようもとふたたびわたしはた。

あしはやものきょうそうに、つよものたたかいに

かならずしもつとはえない。

があるといってパンにありつくのでも

そうめいだからといってとみるのでも

しきがあるといってこうをもたれるのでもない。

ときかいはだれにものぞむが

12にんげんがそのときらないだけだ。

さかなうんわるあみにかかったり

とりわなにかかったりするように

にんげんとつぜんうんわれ、わなにかかる。

13わたしはまたたいようもとに、についてつぎのようなじつれいて、つよいんしょうけた。

14あるちいさなまちわずかのじゅうみんがいた。そこへきょうだいおうめてほうし、おおきなこうじょうほうるいきずいた。15そのまちひとまずしいけんじんがいて、によってまちすくった。しかし、まずしいこのひとのことは、だれのくちにものぼらなかった。16それで、わたしはった。

ちからにまさるというが

このまずしいひとあなどられ

そのことかれない。

17はいしゃおろものなかさけぶよりは

けんじゃしずかにことかれるものだ。

18にまさる。

あやまちはおおくのぜんをそこなう。

10

1んだはえこうりょうづくりのこうくさらせ、くさくする。

わずかなこうめいよりたかくつく。

2けんじゃこころみぎへ、しゃこころひだりへ。

3しゃみちくときすらおろかで

だれにでもぶんしゃだといふらす。

4しゅじんもちがあなたにたいしてたかぶっても

そのはなれるな。

けば、おおきなあやまちものがしてもらえる。

5たいようもとに、さいなんなことがあるのをた。

くんしゅあやまりで

6しゃはなはだしくたかめられるかとおもえば

かねちがひくくしてす。

7れいうまってくかとおもえば

くんこうれいのようにく。

8としあなものみずからそこに

いしがきやぶものへびにかまれる。

9いしものいしきずつき

ものなんう。

10なまったおのいでおけばちかららない。

そなえておけばえきがある。

11じゅもんとなえぬさきへびがかみつけば

じゅじゅつにはなんえきもない。

12けんじゃくちことめぐみ。

しゃくちびるかれしんむ。

13しゃはたわごとをもってくちひら

うわごとをもってくちざす。

14しゃくちかずおおい。

らいのことはだれにもからない。

どうなるのか、だれおしえてくれよう。

15しゃろうしてみたところでつかれるだけだ。

みやこみちさえらないのだから。

16いかにこうなことか

おう使つかいのようで

やくにんらがあさかららしているくによ。

17いかにさいわいなことか

おうこうまれで

やくにんらがしかるべきときにしょくをし

けっしてわず、ちからちているくによ。

18りょうれていればいえ

りょううでたいならはりちる。

19しょくをするのはわらうため。

さけじんせいたのしむため。

ぎんはすべてにこたえてくれる。

20しんゆうかってすらおうのろうな。

しんしつですらかねちをのろうな。

そらとりがそのこえつた

つばさあるものがそのことげる。

11

1あなたのパンをみずかべてながすがよい。

つきがたってから、それをいだすだろう。

2にんと、八にんとすら、かちっておけ

くににどのようなわざわいがこるか

かったものではない。

3あめくもちれば、それはしたたる。

みなみかぜたおされてもきたかぜたおされても

はそのたおれたところによこたわる。

4かざきをにすればたねけない。

くもきをにすればれはできない。

5にんたいないれいほねぐみがどのようになるのかもからないのに、すべてのことをげられるかみわざかるわけはない。

6あさたねけ、よるにもやすめるな。

むすぶのはあれかこれか

それともりょうほうなのか、からないのだから。

7ひかりこころよく、たいようるのはたのしい。

8ながきし、よろこびにちているときにも

くらおおくあろうことをわすれないように。

なにようとすべてむなしい。

9わかものよ、おまえわかさをよろこぶがよい。

せいねんだいたのしくごせ。

こころにかなうみちを、うつるところにしたがってけ。

っておくがよい

かみはそれらすべてについて

まえさばきのれてかれると。

10こころからなやみをり、にくたいからくるしみをのぞけ。

わかさもせいしゅんむなしい。

12

1せいしゅんにこそ、おまえそうぞうしゅこころめよ。

くるしみのないうちに。

としかさねることによろこびはない」と

ねんれいにならないうちに。

2たいようやみわらないうちに。

つきほしひかりがうせないうちに。

あめのちにまたくももどってないうちに。

3そのには

いえまもおとこふるえ、ちからあるおとこかがめる。

こなひくおんなかずってき、うしなわれ

まどからながめるおんなはかすむ。

4とおりではもんざされ、こなひくおとはやむ。

とりこえがっても、うたふしひくくなる。

5ひとたかいところをおそれ、みちにはおののきがある。

アーモンドのはなき、いなごはおも

アビヨナはをつける。

ひとえいえんいえり、まちめぐる。

6しろがねいとたれ、がねはちくだける。

いずみのほとりにつぼれ、ぐるまくだけてちる。

7ちりもとだいかえり、れいあたぬしであるかみかえる。

8なんとむなしいことか、とコヘレトはう。

すべてはむなしい、と。

9コヘレトはふかめるにつれて、よりたみおしえ、しきあたえた。おおくのかくげんぎんし、けんきゅうし、へんしゅうした。10コヘレトはのぞましいさがもとめ、しんことちゅうじつろくしようとした。

11けんじゃことはすべて、ぼうくぎ

ただひとりのぼくしゃらいし、しゅうしゅうへんしゅうした。

12それらよりもなお、わがよ、こころせよ。

しょもつはいくらしるしてもきりがない。

まなびすぎればからだつかれる。

13すべてにみみかたむけてけつろん

かみおそれ、そのいましめをまもれ。」

これこそ、にんげんのすべて。

14かみは、ぜんをもあくをも

いっさいわざを、かくれたこともすべて

さばきのされるであろう。

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