エゼキエル書しょ

エゼキエルの召しょう命めい

1

1第だい三十年ねんの四月がつ五いつ日かのことである。わたしはケバル川がわの河か畔はんに住すんでいた捕ほ囚しゅうの人ひと々びとの間あいだにいたが、そのとき天てんが開ひらかれ、わたしは神かみの顕けん現げんに接せっした。2それは、ヨヤキン王おうが捕ほ囚しゅうとなって第だい五年ねんの、その月つきの五いつ日かのことであった。3カルデアの地ちケバル川がわの河か畔はんで、主しゅの言こと葉ばが祭さい司しブジの子こエゼキエルに臨のぞみ、また、主しゅの御み手てが彼かれの上うえに臨のぞんだ。

4わたしが見みていると、北きたの方ほうから激はげしい風かぜが大おおいなる雲くもを巻まき起おこし、火ひを発はっし、周しゅう囲いに光ひかりを放はなちながら吹ふいてくるではないか。その中なか、つまりその火ひの中なかには、琥こ珀はく金きんの輝かがやきのようなものがあった。5またその中なかには、四つの生いき物ものの姿すがたがあった。その有あり様さまはこうであった。彼かれらは人にん間げんのようなものであった。6それぞれが四つの顔かおを持もち、四つの翼つばさを持もっていた。7脚あしはまっすぐで、足あしの裏うらは子こ牛うしの足あしの裏うらに似にており、磨みがいた青せい銅どうが輝かがやくように光ひかりを放はなっていた。8また、翼つばさの下したには四つの方ほう向こうに人にん間げんの手てがあった。四つとも、それぞれの顔かおと翼つばさを持もっていた。9翼つばさは互たがいに触ふれ合あっていた。それらは移い動どうするとき向むきを変かえず、それぞれ顔かおの向むいている方ほう向こうに進すすんだ。10その顔かおは人にん間げんの顔かおのようであり、四つとも右みぎに獅し子しの顔かお、左ひだりに牛うしの顔かお、そして四つとも後うしろには鷲わしの顔かおを持もっていた。11顔かおはそのようになっていた。翼つばさは上うえに向むかって広ひろげられ、二つは互たがいに触ふれ合あい、ほかの二つは体からだを覆おおっていた。12それらはそれぞれの顔かおの向むいている方ほう向こうに進すすみ、霊れいの行いかせる所ところへ進すすんで、移い動どうするときに向むきを変かえることはなかった。13生いき物ものの姿すがた、彼かれらの有あり様さまは燃もえる炭すみ火びの輝かがやくようであり、松たい明まつの輝かがやくように生いき物ものの間あいだを行ゆき巡めぐっていた。火ひは光ひかり輝かがやき、火ひから稲いな妻ずまが出でていた。14そして生いき物ものもまた、稲いな妻ずまの光ひかるように出でたり戻もどったりしていた。

15わたしが生いき物ものを見みていると、四つの顔かおを持もつ生いき物ものの傍かたわらの地ちに一つの車しゃ輪りんが見みえた。16それらの車しゃ輪りんの有あり様さまと構こう造ぞうは、緑りょく柱ちゅう石せきのように輝かがやいていて、四つとも同おなじような姿すがたをしていた。その有あり様さまと構こう造ぞうは車しゃ輪りんの中なかにもう一つの車しゃ輪りんがあるかのようであった。17それらが移い動どうするとき、四つの方ほう向こうのどちらにも進すすむことができ、移い動どうするとき向むきを変かえることはなかった。18車しゃ輪りんの外そと枠わくは高たかく、恐おそろしかった。車しゃ輪りんの外そと枠わくには、四つとも周しゅう囲い一いち面めんに目めがつけられていた。19生いき物ものが移い動どうするとき、傍かたわらの車しゃ輪りんも進すすみ、生いき物ものが地ち上じょうから引ひき上あげられるとき、車しゃ輪りんも引ひき上あげられた。20それらは霊れいが行いかせる方ほう向こうに、霊れいが行いかせる所ところにはどこにでも進すすみ、車しゃ輪りんもまた、共ともに引ひき上あげられた。生いき物ものの霊れいが、車しゃ輪りんの中なかにあったからである。21生いき物ものが進すすむときには車しゃ輪りんも進すすみ、生いき物ものが止とまるときには車しゃ輪りんも止とまった。また、生いき物ものが地ち上じょうから引ひき上あげられるとき、車しゃ輪りんも共ともに引ひき上あげられた。生いき物ものの霊れいが、車しゃ輪りんの中なかにあったからである。

22生いき物ものの頭ず上じょうには、恐おそれを呼よび起おこす、水すい晶しょうのように輝かがやく大おお空ぞらのようなものがあった。それは生いき物ものの頭ず上じょうに高たかく広ひろがっていた。23大おお空ぞらの下したでは、生いき物ものの一対ついの翼つばさがまっすぐに伸のびて互たがいに触ふれ合あい、他たの一対ついの翼つばさが体からだを覆おおっていた。すなわち、それぞれの一対ついの翼つばさが彼かれらの体からだを覆おおっていた。24それらが移い動どうするとき、翼つばさの羽はばたく音おとをわたしは聞きいたが、それは大おお水みずの音おとのように、全ぜん能のうなる神かみの御み声こえのように聞きこえ、また、陣じん営えいのどよめきのようにも聞きこえた。それらが止とまっているとき、翼つばさは垂たれていた。25生いき物ものの頭ず上じょうにある大おお空ぞらから音おとが響ひびいた。それらが止とまっているとき、翼つばさは垂たれていた。

26生いき物ものの頭ず上じょうにある大おお空ぞらの上うえに、サファイアのように見みえる王おう座ざの形かたちをしたものがあり、王おう座ざのようなものの上うえには高たかく人にん間げんのように見みえる姿すがたをしたものがあった。27腰こしのように見みえるところから上うえは、琥こ珀はく金きんが輝かがやいているようにわたしには見みえた。それは周まわりに燃もえひろがる火ひのように見みえた。腰こしのように見みえるところから下したは、火ひのように見みえ、周しゅう囲いに光ひかりを放はなっていた。28周しゅう囲いに光ひかりを放はなつ様さまは、雨あめの日ひの雲くもに現あらわれる虹にじのように見みえた。これが主しゅの栄えい光こうの姿すがたの有あり様さまであった。わたしはこれを見みてひれ伏ふした。そのとき、語かたりかける者ものがあって、わたしはその声こえを聞きいた。

2

1彼かれはわたしに言いわれた。「人ひとの子こよ、自じ分ぶんの足あしで立たて。わたしはあなたに命めいじる。」2彼かれがわたしに語かたり始はじめたとき、霊れいがわたしの中なかに入はいり、わたしを自じ分ぶんの足あしで立たたせた。わたしは語かたりかける者ものに耳みみを傾かたむけた。3主しゅは言いわれた。「人ひとの子こよ、わたしはあなたを、イスラエルの人ひと々びと、わたしに逆さからった反はん逆ぎゃくの民たみに遣つかわす。彼かれらは、その先せん祖ぞたちと同どう様ようわたしに背そむいて、今きょ日うこの日ひに至いたっている。4恥はじ知しらずで、強ごう情じょうな人ひと々びとのもとに、わたしはあなたを遣つかわす。彼かれらに言いいなさい、主しゅなる神かみはこう言いわれる、と。5彼かれらが聞きき入いれようと、また、反はん逆ぎゃくの家いえなのだから拒こばもうとも、彼かれらは自じ分ぶんたちの間あいだに預よ言げん者しゃがいたことを知しるであろう。6人ひとの子こよ、あなたはあざみと茨いばらに押おしつけられ、蠍さそりの上うえに座すわらされても、彼かれらを恐おそれてはならない。またその言こと葉ばを恐おそれてはならない。彼かれらが反はん逆ぎゃくの家いえだからといって、彼かれらの言こと葉ばを恐おそれ、彼かれらの前まえにたじろいではならない。7たとえ彼かれらが聞きき入いれようと拒こばもうと、あなたはわたしの言こと葉ばを語かたらなければならない。彼かれらは反はん逆ぎゃくの家いえなのだ。8人ひとの子こよ、わたしがあなたに語かたることを聞ききなさい。あなたは反はん逆ぎゃくの家いえのように背そむいてはならない。口くちを開ひらいて、わたしが与あたえるものを食たべなさい。」9わたしが見みていると、手てがわたしに差さし伸のべられており、その手てに巻まき物ものがあるではないか。10彼かれがそれをわたしの前まえに開ひらくと、表おもてにも裏うらにも文も字じが記しるされていた。それは哀あい歌かと、呻うめきと、嘆なげきの言こと葉ばであった。

3

1彼かれはわたしに言いわれた。「人ひとの子こよ、目めの前まえにあるものを食たべなさい。この巻まき物ものを食たべ、行いってイスラエルの家いえに語かたりなさい。」2わたしが口くちを開ひらくと、主しゅはこの巻まき物ものをわたしに食たべさせて、3言いわれた。「人ひとの子こよ、わたしが与あたえるこの巻まき物ものを胃い袋ぶくろに入いれ、腹はらを満みたせ。」わたしがそれを食たべると、それは蜜みつのように口くちに甘あまかった。

4主しゅはわたしに言いわれた。「人ひとの子こよ、イスラエルの家いえに行いき、わたしの言こと葉ばを彼かれらに語かたりなさい。5まことに、あなたは、不ふ可か解かいな言げん語ごや難むずかしい言こと葉ばを語かたる民たみにではなく、イスラエルの家いえに遣つかわされる。6あなたは聞きき取とることができない不ふ可か解かいな言げん語ごや難むずかしい言こと葉ばを語かたる多おおくの民たみに遣つかわされるのではない。もしわたしがあなたをそれらの民たみに遣つかわすのなら、彼かれらはあなたに聞きき従したがうであろう。7しかし、イスラエルの家いえは、あなたに聞きこうとはしない。まことに、彼かれらはわたしに聞きこうとしない者ものだ。まことにイスラエルの家いえはすべて、額ひたいも硬かたく心こころも硬かたい。8今いまやわたしは、あなたの顔かおを彼かれらの顔かおのように硬かたくし、あなたの額ひたいを彼かれらの額ひたいのように硬かたくする。9あなたの額ひたいを岩いわよりも硬かたいダイヤモンドのようにする。彼かれらが反はん逆ぎゃくの家いえだからといって、彼かれらを恐おそれ、彼かれらの前まえにたじろいではならない。」10更さらに主しゅは言いわれた。「人ひとの子こよ、わたしがあなたに語かたるすべての言こと葉ばを心こころにおさめ、耳みみに入いれておきなさい。11そして捕ほ囚しゅうとなっている同どう胞ほうのもとに行いき、たとえ彼かれらが聞きき入いれようと拒こばもうと、『主しゅなる神かみはこう言いわれる』と言いいなさい。」

12そのとき、霊れいがわたしを引ひき上あげた。わたしは背はい後ごに、大おおきなとどろく音おとを聞きいた。主しゅの栄えい光こうが、その御み座ざから上のぼるときの音おとである。13あの生いき物ものの翼つばさが互たがいに触ふれ合あう音おと、生いき物ものの傍かたわらの車しゃ輪りんの音おと、かの大おおきなとどろく音おとを聞きいた。14霊れいはわたしを引ひき上あげて連つれ去さった。わたしは苦にが々にがしく、怒いかりに燃もえる心こころをもって出でて行いったが、主しゅの御み手てがわたしを強つよく捕とらえていた。15こうしてわたしは、ケバル川がわの河か畔はんのテル・アビブに住すむ捕ほ囚しゅう民みんのもとに来きたが、彼かれらの住すんでいるそのところに座すわり、ぼう然ぜんとして七なの日か間かん、彼かれらの間あいだにとどまっていた。

預よ言げん者しゃの務つとめ

16七なの日かの後のち、主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。17「人ひとの子こよ、わたしはあなたを、イスラエルの家いえの見み張はりとする。わたしの口くちから言こと葉ばを聞きくなら、あなたはわたしに代かわって彼かれらに警けい告こくせねばならない。18わたしが悪あく人にんに向むかって、『お前まえは必かならず死しぬ』と言いうとき、もしあなたがその悪あく人にんに警けい告こくして、悪あく人にんが悪あくの道みちから離はなれて命いのちを得えるように諭さとさないなら、悪あく人にんは自じ分ぶんの罪つみのゆえに死しぬが、彼かれの死しの責せき任にんをあなたに問とう。19しかし、あなたが悪あく人にんに警けい告こくしたのに、悪あく人にんが自じ分ぶんの悪あくと悪あくの道みちから立たち帰かえらなかった場ば合あいには、彼かれは自じ分ぶんの罪つみのゆえに死しに、あなたは自じ分ぶんの命いのちを救すくう。20また、正ただしい人ひとが自じ分ぶんの正ただしい生いき方かたを離はなれて不ふ正せいを行おこなうなら、わたしは彼かれをつまずかせ、彼かれは死しぬ。あなたが彼かれに警けい告こくしなかったので、彼かれは自じ分ぶんの過あやまちのゆえに死しぬ。彼かれがなしてきた正ただしい生いき方かたは覚おぼえられない。また彼かれの死しの責せき任にんをわたしはあなたに問とう。21しかし、あなたが正ただしい人ひとに過あやまちを犯おかさないように警けい告こくし、彼かれが過あやまちを犯おかさなければ、彼かれは警けい告こくを受うけ入いれたのだから命いのちを得え、あなたも自じ分ぶんの命いのちを救すくう。」

エゼキエルの沈ちん黙もく

22主しゅの御み手てが、そこで、わたしに臨のぞんだ。主しゅはわたしに言いわれた。「立たって、平へい野やに出でて行いきなさい。そこでわたしはあなたに語かたる。」23わたしが立たって平へい野やに出でて行いくと、そこにケバル川がわの河か畔はんで見みた栄えい光こうと同おなじ主しゅの栄えい光こうがとどまっているではないか。わたしはひれ伏ふした。24霊れいがわたしの中なかに入はいり、わたしを自じ分ぶんの足あしで立たたせた。そのとき彼かれはわたしに語かたりかけ、わたしに言いわれた。「あなたは自じ分ぶんの家いえに入はいって閉とじこもりなさい。25人ひとの子こよ、あなたは縄なわをかけられ、縛しばられ、彼かれらの所ところへ出でて行いけないようにされる。26また、わたしはあなたの舌したを上うわ顎あごにつかせ、ものが言いえないようにする。こうして彼かれらを責せめる者ものとしてのあなたの役やく割わりは終おわる。まことに彼かれらは反はん逆ぎゃくの家いえだ。27しかし、わたしが語かたりかけるとき、あなたの口くちを開ひらく。そこであなたは彼かれらに言いわねばならない。主しゅなる神かみはこう言いわれる。聞きき入いれようとする者ものは聞きき入いれよ。拒こばもうとする者ものは拒こばむがよい。彼かれらは反はん逆ぎゃくの家いえだから。」

エルサレム包ほう囲いのしるし

4

1人ひとの子こよ、れんがを一つ取とって目めの前まえに置おき、その上うえに都みやこであるエルサレムを刻きざみなさい。2そして、これを包ほう囲いし、これに向むかって堡ほう塁るいを建たて、塁るいを築きずき、陣じん営えいを敷しき、破は城じょう槌つちを周しゅう囲いに配はい備びしなさい。3自みずから鉄てつの板いたを取とり、それを自じ分ぶんと都みやことの間あいだに鉄てつの壁かべとし、あなたの顔かおを都みやこに向むけなさい。こうして都みやこは包ほう囲いされる。あなたがそれを包ほう囲いするのだ。これはイスラエルの家いえに対たいするしるしである。

4左ひだり脇わきを下したにして横よこたわり、イスラエルの家いえの罪つみを負おいなさい。あなたは横よこたわっている日ひの数かずだけ、彼かれらの罪つみを負おわなければならない。5わたしは彼かれらの罪つみの年ねん数すうを、日ひの数かずにして、三百九十日にちと定さだめる。こうして、あなたはイスラエルの家いえの罪つみを負おわねばならない。6その期き間かんが終おわったら、次つぎに右みぎ脇わきを下したにして横よこたわり、ユダの家いえの罪つみを四十日にち間かん負おわねばならない。各かく一年ねんを一日にちとして、それをあなたに課かす。7あなたは包ほう囲いされたエルサレムに顔かおを向むけ、腕うでをまくり上あげて、これに向むかって預よ言げんしなさい。8わたしがあなたに縄なわをかけるので、あなたはその包ほう囲いの日ひが終おわるまで、一いっ方ぽうの脇わきから他たの脇わきへと寝ね返がえりを打うつことができなくなる。

9あなたは小こ麦むぎ、大おお麦むぎ、そら豆まめ、ひら豆まめ、きび、裸はだか麦むぎを取とって、一つの器うつわに入いれ、パンを作つくりなさい。あなたが脇わきを下したにして横よこたわっている日にっ数すう、つまり三百九十日にち間かん、それを食たべなさい。10あなたの食たべる食しょく物もつの分ぶん量りょうは一日にちにつき二十シェケルで、それを一いっ定ていの間かん隔かくをおいて食たべなければならない。11あなたの飲のむ水みずの分ぶん量りょうは六分ぶんの一ヒンで、それを一いっ定ていの間かん隔かくをおいて飲のまなければならない。12大おお麦むぎのパン菓が子しのようにそれを食たべなければならない。それを人ひと々びとの目めの前まえで人じん糞ぷんで焼やきなさい。

13更さらに主しゅは言いわれた。「このようにイスラエルの人ひと人びとはわたしが追おいやる先さきの国くに々ぐにで、汚けがれたパンを食たべる。」14そこで、わたしは言いった。「ああ、主しゅなる神かみよ、わたしはわが身みを汚けがしたことがありません。若わかいころから今いまに至いたるまで、死しんだ動どう物ぶつや、野や獣じゅうが引ひき裂さいた動どう物ぶつの肉にくを食たべたことはなく、定さだめられた日にっ数すうを過すぎたいけにえの肉にくを口くちに入いれたこともありません。」

15主しゅはわたしに言いわれた。「あなたが人じん糞ぷんの代かわりに牛ぎゅう糞ふんを用もちいることをわたしは許ゆるす。あなたはその上うえでパンを焼やくがよい。」16また、主しゅはわたしに言いわれた。「人ひとの子こよ、わたしはエルサレムのパンをつるして蓄たくわえる棒ぼうを折おる。彼かれらはおびえながらパンの目め方かたを量はかって食たべ、硬こう直ちょくした様さまで水みずを升ますで量はかって飲のむようになる。17彼かれらは罪つみのゆえにパンにも水みずにも事こと欠かき、やせ衰おとろえて、互たがいに恐おそれに取とりつかれる。」

5

1人ひとの子こよ、あなたは鋭するどい剣つるぎを取とって理り髪はつ師しのかみそりのようにそれを手てに持もち、あなたの髪かみの毛けとひげをそり、その毛けを秤はかりにかけて分わけなさい。2その三分ぶんの一は包ほう囲いの期き間かんが終おわったときに都みやこの中なかで火ひで燃もやし、ほかの三分ぶんの一は都みやこの周まわりで剣つるぎで打うち、残のこり三分ぶんの一は風かぜに乗のせて散ちらしなさい。わたしは剣つるぎを抜ぬいてその後あとを追おう。3あなたはその中なかから毛けを少すこし取とって着き物ものの裾すそに包つつみ、4更さらにその幾いくらかを取とって火ひに投なげ入いれ、火ひで燃もやしなさい。そこからまた火ひが出でて、イスラエルの全ぜん家かに及およぶであろう。

5主しゅなる神かみはこう言いわれる。「これはエルサレムのことである。わたしはこの都みやこを国くに々ぐにの中なかに置おき、その周まわりを諸しょ国こくが取とり巻まくようにした。6しかし、この都みやこはそれらの国くに々ぐによりも、いっそうわたしの裁さばきに逆さからい、周まわりの諸しょ国こくより激はげしくわたしの掟おきてに逆さからった。まことに彼かれらはわたしの裁さばきを拒こばみ、わたしの掟おきてに従したがって歩あゆもうとしなかった。」

7それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。「お前まえたちが周まわりの国くに々ぐによりもいっそうかたくなで、わたしの掟おきてに従したがって歩あゆまず、わたしの裁さばきを行おこなわず、周まわりの国くに々ぐにで定さだめられている裁さばきほどにも行おこなわなかったので、8主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしもお前まえに立たち向むかい、国くに々ぐにの目めの前まえでお前まえの中なかで裁さばきを行おこなう。9わたしがお前まえに対たいして行おこなうことは、わたしが今いままで行おこなったこともなければ、またこれから再ふたたび行おこなうこともないようなことである。それはお前まえが行おこなったあらゆる忌いまわしいことのゆえである。

10それゆえ、お前まえの中なかで親おやがその子こを食たべ、子こがその親おやを食たべるようなことが起おこる。わたしはお前まえに対たいして裁さばきを行おこない、残のこっている者ものをすべてあらゆる方ほう向こうに散ちらせてしまう。

11それゆえ──わたしは生いきている、と主しゅなる神かみは言いわれる──お前まえはあらゆる憎にくむべきものと忌いまわしいものをもってわたしの聖せい所じょを汚けがしたので、わたしもまた必かならずお前まえをそり落おとす。わたしは憐あわれみの目めをかけず、同どう情じょうもしない。12お前まえの中なかで三分ぶんの一は疫えき病びょうで死しんだり、飢うえで息いき絶たえたりし、三分ぶんの一は都みやこの周まわりで剣つるぎにかけられて倒たおれ、残のこる三分ぶんの一は、わたしがあらゆる方ほう向こうに散ちらし、剣つるぎを抜ぬいてその後あとを追おう。13わたしは彼かれらに向むかって怒いかれるだけ怒いかり、憤いきどおりに身みをまかせて、恨うらみを晴はらす。そのとき、主しゅであるわたしが憤いきどおれるだけ憤いきどおり、熱ねつ情じょうをもって語かたったということを彼かれらは知しるようになる。

14わたしはお前まえを廃はい虚きょとし、すべての旅たび人びとの目めにも、周まわりの国くに々ぐににも、嘲あざけりの的まととする。15わたしが怒いかりと憤いきどおりと激はげしい懲こらしめをもってお前まえを裁さばくとき、お前まえは周まわりの国くに々ぐにの嘲あざけりとそしりの的まととなり、教きょう訓くんとなり脅きょう威いとなる。主しゅなるわたしがこれを告つげる。16わたしは滅ほろびに定さだめられた者ものに対たいして悲ひ惨さんな飢うえの矢やを放はなつ。お前まえたちを滅ほろぼすためにそれを放はなつとき、わたしは飢うえをますますひどくし、パンをつるして蓄たくわえる棒ぼうを折おる。17わたしは飢うえと狂きょう暴ぼうな獣けものをお前まえたちに送おくり込こみ、子こ供どもたちを奪うばわせる。疫えき病びょうと流りゅう血けつはお前まえの中なかを通とおり抜ぬける。またわたしは剣つるぎをお前まえに臨のぞませる。主しゅなるわたしがこれを告つげる。」

偶ぐう像ぞう礼れい拝はいの山やま

6

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、顔かおをイスラエルの山やま々やまに向むけ、それに向むかって預よ言げんして、3言いえ。イスラエルの山やま々やまよ、主しゅなる神かみの言こと葉ばを聞きけ。主しゅなる神かみは、山やまと丘おか、川かわと谷たにに向むかって、こう言いわれる。わたしは剣つるぎをお前まえたちに臨のぞませ、聖せいなる高たか台だいを破は壊かいする。4祭さい壇だんは荒あれ果はて、香こう炉ろ台だいは砕くだかれる。また、わたしは、お前まえたちの中なかの殺ころされた者ものを、偶ぐう像ぞうの前まえに投なげ捨すてる。5わたしはイスラエルの人ひと々びとの死し体たいをその偶ぐう像ぞうの前まえに置おき、お前まえたちの骨ほねを祭さい壇だんの周まわりにまき散ちらす。6お前まえたちの住すむ所ところはどこにおいても、町まちは廃はい虚きょとされ、聖せいなる高たか台だいは荒あらされる。祭さい壇だんも廃はい虚きょとされて荒あらされ、偶ぐう像ぞうは粉こな々ごなに砕くだかれ、香こう炉ろ台だいは打うち壊こわされ、こうしてお前まえたちの作つくったものは一いっ掃そうされる。7また、殺ころされた者ものがお前まえたちの真まん中なかに倒たおれる。そのとき、お前まえたちはわたしが主しゅであることを知しるようになる。8しかし、お前まえたちが諸しょ国こくに散ちらされるとき、わたしはお前まえたちのために、剣つるぎを逃のがれた者ものを諸しょ国こく民みんの間あいだに残のこしておく。9お前まえたちのうちで逃のがれた者ものは、捕ほ囚しゅうとして連つれ去さられる先さきの国くに々ぐにでわたしを思おもい起おこす。わたしを離はなれ去さる姦かん淫いんの心こころと、偶ぐう像ぞうにひかれる姦かん淫いんの目めをわたしが打うち砕くだくからだ。そして彼かれらは自みずから行おこなった悪あくのゆえに、その忌いまわしいすべてのことのゆえに、自じ分ぶんを嫌けん悪おするようになる。10そして彼かれらは、わたしが主しゅであり、理り由ゆうもなくこの災わざわいを彼かれらにくだすと告つげたのではなかったことを知しるようになる。

11主しゅなる神かみはこう言いわれる。手てをたたき、足あしを踏ふみ鳴ならして、イスラエルの家いえの忌いまわしいすべての悪あく事じを嘆なげけ。彼かれらは剣つるぎと、飢き饉きんと、疫えき病びょうによって倒たおれるからだ。12遠とおくにいる者ものは疫えき病びょうで死しに、近ちかくにいる者ものは剣つるぎで倒たおれる。それを免まぬかれ、生いき残のこる者ものも飢き饉きんで死しぬ。こうしてわたしは彼かれらに対たいして怒いかりを注そそぎ尽つくす。13殺ころされた者ものたちが、祭さい壇だんの周まわりの偶ぐう像ぞうの間あいだや、高たかい丘おかの上うえ、山やま々やまの頂いただきで、またすべての緑みどり豊ゆたかな木き、すべての茂しげった樫かしの木きの下した、あるいはかつて、あらゆる偶ぐう像ぞうに宥なだめの香かおりをささげた場ば所しょで倒たおれるとき、お前まえたちは、わたしが主しゅであることを知しるようになる。14わたしは彼かれらに向むかって手てを伸のばし、この地ちを荒こう廃はいさせ、荒あれ野のからリブラに至いたるまで、彼かれらが住すむすべての地ちを荒あれ果はてたところとする。そのとき、彼かれらは、わたしが主しゅであることを知しるようになる。」

主しゅの怒いかりの日ひ

7

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、言いいなさい。主しゅなる神かみがイスラエルの地ちに向むかってこう言いわれる。

終おわりが来くる。地ちの四よ隅すみに終おわりが来くる。

3今いまこそ終おわりがお前まえの上うえに来くる。

わたしは怒いかりを送おくり

お前まえの行おこないに従したがって裁さばき

忌いまわしいすべてのことをお前まえに報むくいる。

4わたしは、お前まえに慈いつくしみの目めを注そそがず

憐あわれみをかけることもしない。

お前まえの行おこないをわたしは報むくいる。

お前まえの忌いまわしいことはお前まえの中なかにとどまる。

そのとき、お前まえたちは

わたしが主しゅであることを知しるようになる。

5主しゅなる神かみはこう言いわれる。

災わざわいに続つづく災わざわいが来くる。

6終おわりが来くる。終おわりが来くる。

終おわりの時ときがお前まえのために熟じゅくす。

今いまや見みよ、その時ときが来くる。

7この地ちに住すむ者ものよ、お前まえの順じゅん番ばんが来きた。

時ときは来きた。その日ひは近ちかい。

それは大だい混こん乱らんの日ひで、山やま々やまには喜よろこびの声こえが絶たえる。

8今いまや、わたしはお前まえに向むかって憤いきどおりを注そそぎ

お前まえに対たいして、わが怒いかりを注そそぎ尽つくす。

わたしは、お前まえの行おこないに従したがって裁さばき

忌いまわしいすべてのことをお前まえに報むくいる。

9わたしは慈いつくしみの目めを注そそがず

憐あわれみをかけることもしない。

お前まえの行おこないに応おうじてわたしは報むくいる。

お前まえの忌いまわしいことはお前まえの中なかにとどまる。

そのとき、お前まえたちは知しるようになる

わたしが、お前まえたちを打うつ主しゅであることを。

10見みよ、その日ひを。今いまやその日ひが来くる。

順じゅん番ばんが巡めぐって来くる。

王おう杖じょうに花はなが咲さき、傲ごう慢まんの芽めが萌もえ出でた。

11不ふ法ほうが起おこって、背そむきの王おう杖じょうとなった。

彼かれらのものはひとつも残のこらず、群ぐん衆しゅうは絶たえる。

彼かれらの騒さわぎも残のこらず、嘆なげきの声こえすら絶たえる。

12時ときが来くる。その日ひが到とう来らいする。

買かう者ものも喜よろこぶな、売うる者ものも悲かなしむな。

怒いかりが、国くにの群ぐん衆しゅうすべてに及およぶからだ。

13売うる者ものがたとえ生いき長ながらえても

売うった物ものを買かい戻もどすことはできない。

すべての群ぐん衆しゅうに対たいする審しん判ぱんの幻まぼろしが

撤てっ回かいされないからだ。

罪つみのゆえに、だれひとり命いのちを保たもつことはできない。

14角つの笛ぶえが吹ふき鳴ならされ、準じゅん備びがすべて整ととのっても

だれひとり戦たたかいに出でる者ものはない。

わたしの怒いかりが群ぐん衆しゅうのすべてに及およぶからだ。

15外そとには剣つるぎがあり、内うちには疫えき病びょうと飢き饉きんがある。

野のにいる者ものは、剣つるぎにかけられて死しに

町まちにいる者ものは、飢うえと疫えき病びょうが滅ほろぼす。

16たとえ、逃のがれた者ものたちが逃のがれて山やまに行いっても

皆みな、おのおの自じ分ぶんの罪つみのゆえに

谷たに間まの鳩はとのように嘆なげく。

17手ては力ちからなく垂たれ

膝ひざは水みずのように力ちからを失うしなう。

18彼かれらは粗あら布ぬのを身みにまとい、戦せん慄りつが彼かれらを包つつむ。

どの顔かおも恥はじを表あらわし、髪かみはみなそり落おとされる。

19彼かれらは銀ぎんを外そとに投なげ捨すて

金きんは汚けがれたものとなる。

主しゅの怒いかりの日ひには、銀ぎんも金きんも

彼かれらを救すくうことができないからだ。

銀ぎんも金きんも、彼かれらの飢うえを鎮しずめることができず

腹はらを満みたすこともできない。

かえって、それは彼かれらをつまずかせ罪つみを犯おかさせた。

20彼かれらは美うつくしい飾かざりを驕おごり高たかぶるために用もちい

憎にくむべき忌いまわしい偶ぐう像ぞうを造つくった。

それゆえ、わたしはそれを汚けがれたものとし

21戦せん利り品ひんとして、他た国こく人じんの手てに渡わたし

分ぶん捕どり物ものとして、地ち上じょうの悪あく人にんたちに与あたえる。

彼かれらはそれを汚けがす。

22わたしは彼かれらから顔かおをそむける。

彼かれらはわたしの宝たからを汚けがし

乱らん暴ぼうな者ものが襲おそいかかって汚けがす。

23鎖くさりを用よう意いせよ。

この地ちは流りゅう血けつの罪つみに満みち

都みやこは不ふ法ほうに満みちているからだ。

24わたしは諸しょ国こくから悪わる者ものどもを来こさせ

彼かれらの家いえを奪うばい取とらせる。

わたしは力ちからある者ものの誇ほこりを挫くじく。

彼かれらの聖せい所じょは汚けがされる。

25恐きょう怖ふが臨のぞむ。

彼かれらが平へい和わを求もとめても、どこにもない。

26災わざわいに災わざわいが続つづき

悪わるい知しらせが相あい次ついで来くる。

彼かれらが幻まぼろしを預よ言げん者しゃに求もとめても得えず

律りっ法ぽうは祭さい司しから失うしなわれ

助じょ言げんは長ちょう老ろうたちから失うしなわれる。

27王おうは嘆なげき

君くん侯こうたちは恐きょう怖ふにとらわれ

国くにの民たみの手ては震ふるえる。

わたしは彼かれらの行おこないに従したがって報むくい

彼かれらの法ほうに従したがって彼かれらを裁さばく。

そのとき、彼かれらは

わたしが主しゅであることを知しるようになる。」

エルサレムの堕だ落らく

8

1第だい六年ねんの六月がつ五いつ日かのことである。わたしは自じ分ぶんの家いえに座すわっており、ユダの長ちょう老ろうたちがわたしの前まえに座すわっていた。そのとき、主しゅなる神かみの御み手てがわたしの上うえに下くだった。2わたしが見みていると、人ひとの有あり様さまのような姿すがたがあるではないか。その腰こしのように見みえるところから下したは火ひであり、腰こしから上うえは琥こ珀はく金きんの輝かがやきのように光こう輝きに満みちた有あり様さまをしていた。3彼かれが手ての形かたちをしたものを差さし伸のべて、わたしの髪かみの毛けの房ふさをつかむと、霊れいはわたしを地ちと天てんの間あいだに引ひき上あげ、神かみの幻まぼろしのうちにわたしをエルサレムへと運はこび、北きたに面めんする内うち側がわの門もんの入いり口ぐちに連つれて行いった。そこには、激げき怒どを起おこさせる像ぞうが収おさめられていた。4そこには、かつてわたしが平へい野やで見みた有あり様さまと同おなじような、イスラエルの神かみの栄えい光こうがあった。5彼かれがわたしに、「人ひとの子こよ、目めを上あげて北きたの方ほうを見みなさい」と言いったので、北きたの方ほうに目めを上あげると、門もんの北きた側がわに祭さい壇だんがあり、入いり口ぐちにはまさにその激げき怒どを招まねく像ぞうがあるではないか。6彼かれはわたしに言いった。「人ひとの子こよ、イスラエルの人ひと々びとがわたしを聖せい所じょから遠とおざけるために行おこなっている甚はなはだ忌いまわしいことを見みるか。しかし、あなたは更さらに甚はなはだしく忌いまわしいことを見みる。」

7彼かれはわたしを庭にわの入いり口ぐちに連つれて行いった。見みると、壁かべに一つの穴あながあるではないか。8彼かれがわたしに、「人ひとの子こよ、壁かべに穴あなをうがちなさい」と言いったので、壁かべに穴あなをうがつと、そこに一つの入いり口ぐちがあるではないか。9彼かれは、「入はいって、彼かれらがここで行おこなっている邪じゃ悪あくで忌いまわしいことを見みなさい」と言いった。10入はいって見みていると、周まわりの壁かべ一いち面めんに、あらゆる地ちを這はうものと獣けものの憎にくむべき像ぞう、およびイスラエルの家いえのあらゆる偶ぐう像ぞうが彫ほり込こまれているではないか。11その前まえに、イスラエルの長ちょう老ろう七十人にんが、シャファンの子こヤアザンヤを中ちゅう心しんにして立たっていた。彼かれらは、それぞれ香こう炉ろを手てにしており、かぐわしい煙けむりが立たち昇のぼっていた。12彼かれはわたしに言いった。「人ひとの子こよ、イスラエルの家いえの長ちょう老ろうたちが、闇やみの中なかでおのおの、自じ分ぶんの偶ぐう像ぞうの部へ屋やで行おこなっていることを見みたか。彼かれらは、主しゅは我われ々われを御ご覧らんにならない。主しゅはこの地ちを捨すてられたと言いっている。」13彼かれはまた、わたしに言いった。「あなたは、彼かれらが行おこなっている更さらに甚はなはだしく忌いまわしいことを見みる」と。

14彼かれはわたしを、主しゅの神しん殿でんの北きたに面めんした門もんの入いり口ぐちに連つれて行いった。そこには、女おんなたちがタンムズ神しんのために泣なきながら座すわっているではないか。15そこで彼かれはわたしに言いった。「人ひとの子こよ、見みたか。あなたは、これより更さらに甚はなはだしく忌いまわしいことを見みる」と。

16彼かれはわたしを主しゅの神しん殿でんの中なか庭にわに連つれて行いった。すると、主しゅの聖せい所じょの入いり口ぐちで、廊ろうと祭さい壇だんの間あいだに、二十五人にんほどの人ひとがいて、主しゅの聖せい所じょを背せにし、顔かおを東ひがしに向むけていた。彼かれらは東ひがしに向むかって太たい陽ようを拝おがんでいるではないか。17彼かれはわたしに言いった。「人ひとの子こよ、見みたか。ユダの家いえがここで数かず々かずの忌いまわしいことを行おこなっているのは些さ細さいなことであろうか。彼かれらはこの地ちを不ふ法ほうで満みたした。また、わたしの鼻はなに木きの枝えだを突つきつけて、わたしを更さらに怒いからせようとしている。18わたしも憤いきどおって行おこない、慈いつくしみの目めを注そそぐことも、憐あわれみをかけることもしない。彼かれらがわたしの耳みみに向むかって大おお声ごえをあげても、わたしは彼かれらに聞ききはしない。」

9

1彼かれは大おお声ごえでわたしの耳みみに語かたった。「この都みやこを罰ばっする者ものたちよ、おのおの破は壊かいする道どう具ぐを手てにして近ちか寄よれ。」2すると、北きたに面めんする上かみの門もんに通つうずる道みちから、六人にんの男おとこがそれぞれ突つき崩くずす道どう具ぐを手てにしてやって来くるではないか。そのうちの一ひと人りは亜あ麻ま布ぬのをまとい、腰こしに書しょ記きの筆ふで入いれを着つけていた。彼かれらはやって来くると、青せい銅どうの祭さい壇だんの傍かたわらに立たった。3すると、ケルビムの上うえにとどまっていたイスラエルの神かみの栄えい光こうはそこから昇のぼって、神しん殿でんの敷しき居いの方ほうに向むかい、亜あ麻ま布ぬのをまとい、腰こしに書しょ記きの筆ふで入いれを着つけた者ものに呼よびかけた。4主しゅは彼かれに言いわれた。「都みやこの中なか、エルサレムの中なかを巡めぐり、その中なかで行おこなわれているあらゆる忌いまわしいことのゆえに、嘆なげき悲かなしんでいる者ものの額ひたいに印しるしを付つけよ。」5また、他たの者ものたちに言いっておられるのが、わたしの耳みみに入はいった。「彼かれの後うしろについて都みやこの中なかを巡めぐれ。打うて。慈いつくしみの目めを注そそいではならない。憐あわれみをかけてはならない。6老ろう人じんも若わか者ものも、おとめも子こ供どもも人ひと妻づまも殺ころして、滅ほろぼし尽つくさなければならない。しかし、あの印しるしのある者ものに近ちかづいてはならない。さあ、わたしの神しん殿でんから始はじめよ。」彼かれらは、神しん殿でんの前まえにいた長ちょう老ろうたちから始はじめた。7主しゅはまた彼かれらに言いわれた。「神しん殿でんを汚けがし、その庭にわを、殺ころされた者もので満みたせ。さあ、出でて行いくのだ。」彼かれらは出でて行いき、都みやこの人ひと々びとを打うった。8彼かれらが打うっているとき、わたしはひとり残のこされ、顔かおを伏ふせ、助たすけを求もとめて言いった。「ああ、主しゅなる神かみよ、エルサレムの上うえに憤いきどおりを注そそいで、イスラエルの残のこりの者ものをすべて滅ほろぼし尽つくされるのですか。」9主しゅはわたしに言いわれた。「イスラエルとユダの家いえの罪つみはあまりにも大おおきい。この地ちは流りゅう血けつに満みち、この都みやこは不ふ正せいに満みちている。彼かれらは、『主しゅはこの地ちを見み捨すてられた。主しゅは顧かえりみられない』と言いっている。10それゆえ、わたしも彼かれらに慈いつくしみの目めを注そそがず、憐あわれみをかけることもしない。彼かれらの行おこないの報むくいを、わたしは彼かれらの頭ず上じょうに帰きする。」11そのとき、亜あ麻ま布ぬのをまとい腰こしに筆ふで入いれを着つけている者ものが報ほう告こくして言いった。「わたしは、あなたが命めいじられたとおりにいたしました。」

主しゅの栄えい光こうが神しん殿でんを去さる

10

1わたしが見みていると、ケルビムの頭ず上じょうの大おお空ぞらの上うえに、サファイアの石いしのようで、形かたちは王おう座ざのように見みえるものがあるではないか。それはケルビムの上うえに見みえた。2主しゅは亜あ麻ま布ぬのをまとった者ものに向むかって言いわれた。「ケルビムの下したの回かい転てんするものの間あいだに入はいれ。そして、ケルビムの間あいだにある燃もえる炭すみ火びを両りょう手てに満みたし、それを都みやこの上うえにまき散ちらせ」と。彼かれは、わたしの目めの前まえで入はいって行いった。3その人ひとが入はいって行いったとき、ケルビムは神しん殿でんの南みなみ側がわに止とまっており、雲くもが中なか庭にわを満みたしていた。4主しゅの栄えい光こうはケルビムの上うえから立たち上あがり、神しん殿でんの敷しき居いに向むかった。神しん殿でんは雲くもで満みたされ、庭にわは主しゅの栄えい光こうの輝かがやきで満みたされた。5ケルビムの翼つばさの羽はばたく音おとは外そと庭にわにまで聞きこえ、全ぜん能のうの神かみが語かたられる御み声こえのようであった。6主しゅが亜あ麻ま布ぬのをまとった人ひとに命めいじて、「火ひを、回かい転てんするものの間あいだ、ケルビムの間あいだから取とれ」と言いわれたので、彼かれは来きて、車しゃ輪りんの傍かたわらに立たった。7すると、ケルビムのひとりが、手てをケルビムの間あいだから、ケルビムの間あいだにある火ひに向むかって伸のばして火ひを取とり上あげ、亜あ麻ま布ぬのをまとった者ものの両りょう手てに置おいた。その人ひとは火ひを受うけ取とって、出でて行いった。

8ケルビムには、その翼つばさの下したに、人にん間げんの手ての形かたちが見みえていた。9わたしが見みていると、四つの車しゃ輪りんが、ケルビムの傍かたわらにあるではないか。一つの車しゃ輪りんが、ひとりのケルビムの傍かたわらに、また一つの車しゃ輪りんが、ひとりのケルビムの傍かたわらにというように、それぞれの傍かたわらにあって、それらの車しゃ輪りんの有あり様さまは緑りょく柱ちゅう石せきのように輝かがやいていた。10それぞれの形かたちの有あり様さまは、四つとも同おなじで、一つの車しゃ輪りんがもう一つの車しゃ輪りんの中なかにあるかのようであった。11それらが移い動どうするときは、四つの方ほう向こうに進すすみ、移い動どうするときに、向むきを変かえることはなかった。先せん頭とうのケルビムが向むかうところに他たのものも従したがって進すすみ、向むきを変かえなかったからである。12ケルビムの全ぜん身しん、すなわち、背せ中なか、両りょう手て、翼つばさと、車しゃ輪りんにはその周しゅう囲い一いち面めんに目めがつけられていた。ケルビムの車しゃ輪りんは四つともそうであった。13それらの車しゃ輪りんは「回かい転てんするもの」と呼よばれているのが、わたしの耳みみに聞きこえた。14ケルビムにはそれぞれ四つの顔かおがあり、第だい一の顔かおはケルビムの顔かお、第だい二の顔かおは人にん間げんの顔かお、第だい三の顔かおは獅し子しの顔かお、そして第だい四の顔かおは鷲わしの顔かおであった。

15ケルビムは上のぼった。これがケバル川がわのほとりでわたしが見みたあの生いき物ものである。16ケルビムが移い動どうするとき、車しゃ輪りんもその傍かたわらを進すすみ、ケルビムが翼つばさを広ひろげて地ち上じょうから上のぼるとき、車しゃ輪りんもその傍かたわらを離はなれて回まわることはなかった。17ケルビムが止とまると、車しゃ輪りんも止とまり、ケルビムが上のぼると、車しゃ輪りんも共ともに上のぼった。生いき物ものの霊れいがその中なかにあったからである。

18主しゅの栄えい光こうは神しん殿でんの敷しき居いの上うえから出でて、ケルビムの上うえにとどまった。19ケルビムは翼つばさを広ひろげ、傍かたわらの車しゃ輪りんと共ともに出でて行いくとき、わたしの目めの前まえで地ちから上のぼって行いき、主しゅの神しん殿でんの東ひがしの門もんの入いり口ぐちで止とまった。イスラエルの神かみの栄えい光こうは高たかくその上うえにあった。20これがケバル川がわの河か畔はんで、わたしがイスラエルの神かみのもとにいるのを見みたあの生いき物ものである。わたしは、それがケルビムであることを知しった。21そのそれぞれに四つの顔かおと四つの翼つばさがあり、翼つばさの下したには人にん間げんの手ての形かたちをしたものがあった。22これらの顔かおの形かたちは、まさしく、わたしがケバル川がわの河か畔はんで見みた顔かおであった。それらは同おなじような有あり様さまをしており、おのおのまっすぐに進すすんで行いった。

11

1霊れいはまた、わたしを引ひき上あげ、主しゅの神しん殿でんの東ひがしに面めんする東ひがしの門もんへ運はこんで行いった。門もんの入いり口ぐちに二十五人にんの男おとこがおり、その中なかに民たみの指し導どう者しゃであるアズルの子こヤアザンヤとベナヤの子こペラトヤがいるのをわたしは見みた。2主しゅはわたしに言いわれた。｢人ひとの子こよ、この人ひと々びとはこの都みやこの中なかで悪あくをたくらみ、悪わるい計けい画かくを立たてている。3彼かれらは、『家いえをすぐに建たてる必ひつ要ようはない。この都みやこは鍋なべで、我われ々われは肉にくだ』と言いっている。4それゆえ、彼かれらに向むかって預よ言げんせよ。人ひとの子こよ、預よ言げんせよ。5また、主しゅの霊れいがわたしに降くだり、主しゅは言いわれた。あなたは言いわねばならない。主しゅはこう言いわれる。イスラエルの家いえよ、お前まえたちはそのように言いい張はっている。わたしはお前まえたちが心こころに抱いだいていることを知しっている。6しかし、お前まえたちはこの都みやこの中なかで殺ころされる者ものを数かず多おおく出だし、路ろ上じょうは殺ころされた者もので満みたされる。7それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえたちがこの都みやこの中なかに積つみ上あげる殺ころされた者ものこそ、その肉にくにほかならず、都みやこは鍋なべである。しかしわたしは、お前まえたちをそこから引ひき出だす。8お前まえたちは剣つるぎを恐おそれているが、わたしはお前まえたちの上うえに剣つるぎを臨のぞませる、と主しゅなる神かみは言いわれる。9わたしは、お前まえたちをそこから引ひき出だして、異い国こく人じんの手てに渡わたし、お前まえたちに対たいする裁さばきを行おこなう。10お前まえたちは剣つるぎに撃うたれて倒たおれる。わたしはイスラエルの国くに境ざかいでお前まえたちを裁さばく。そのとき、お前まえたちは、わたしが主しゅであることを知しるようになる。11この都みやこが、お前まえたちにとって鍋なべとなることはない。お前まえたちがその中なかで肉にくとなることもない。わたしは、イスラエルの国くに境ざかいでお前まえたちを裁さばく。12そのとき、お前まえたちは、わたしが主しゅであることを知しるようになる。お前まえたちはわたしの掟おきてに従したがって歩あゆまず、わたしの法ほうを行おこなわず、かえって周しゅう囲いの国くに々ぐにのならわしに従したがってきた。」13わたしが預よ言げんしていると、ベナヤの子こペラトヤは死しんだ。わたしは倒たおれ伏ふし、大おお声ごえで叫さけんで言いった。「ああ、主しゅなる神かみよ。イスラエルの残のこりの者ものを滅ほろぼし尽つくされるのですか」と。

14主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。15「人ひとの子こよ、エルサレムの住じゅう民みんは、あなたの兄きょう弟だいたち、すなわちあなたの親しん族ぞくである兄きょう弟だいたち、およびイスラエルの家いえのすべての者ものに対たいして言いっている。『主しゅから遠とおく離はなれておれ。この土と地ちは我われ々われの所しょ有ゆう地ちとして与あたえられている。』16それゆえ、あなたは言いわねばならない。主しゅなる神かみはこう言いわれる。『確たしかに、わたしは彼かれらを遠とおくの国くに々ぐにに追おいやり、諸しょ国こくに散ちらした。しかしわたしは、彼かれらが行いった国くに々ぐににおいて、彼かれらのためにささやかな聖せい所じょとなった。』17それゆえ、あなたは言いわねばならない。主しゅなる神かみはこう言いわれる。『わたしはお前まえたちを諸しょ国こくの民たみの間あいだから集あつめ、散ちらされていた諸しょ国こくから呼よび集あつめ、イスラエルの土と地ちを与あたえる。18彼かれらは帰かえって来きて、あらゆる憎にくむべきものと、あらゆる忌いまわしいものをその地ちから取とり除のぞく。19わたしは彼かれらに一つの心こころを与あたえ、彼かれらの中なかに新あたらしい霊れいを授さずける。わたしは彼かれらの肉にくから石いしの心こころを除のぞき、肉にくの心こころを与あたえる。20彼かれらがわたしの掟おきてに従したがって歩あゆみ、わたしの法ほうを守まもり行おこなうためである。こうして、彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。21しかし、憎にくむべきもの、忌いまわしいものに心こころを寄よせている者ものには、彼かれらの行おこなってきたことが頭ず上じょうにふりかかるようにする』」と主しゅなる神かみは言いわれる。

22そのとき、ケルビムは翼つばさを広ひろげ、車しゃ輪りんもまた共ともに行いった。イスラエルの神かみの栄えい光こうは高たかくその上うえにあった。23主しゅの栄えい光こうは都みやこの中なかから昇のぼり、都みやこの東ひがしにある山やまの上うえにとどまった。24霊れいはわたしを引ひき上あげ、カルデアの方ほうに運はこび、わたしを幻まぼろしのうちに、神かみの霊れいによって、捕ほ囚しゅうの民たみのもとに連つれて行いった。こうして、わたしの見みた幻まぼろしは、わたしを離はなれて上のぼって行いった。25わたしは、主しゅが示しめされたすべてのことを、捕ほ囚しゅうの民たみに語かたり聞きかせた。

捕ほ囚しゅうのしるし

12

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、あなたは反はん逆ぎゃくの家いえの中なかに住すんでいる。彼かれらは見みる目めを持もっていながら見みず、聞きく耳みみを持もっていながら聞きかない。まことに彼かれらは反はん逆ぎゃくの家いえである。3それゆえ、人ひとの子こよ、あなたは捕ほ囚しゅうの荷に物もつを造つくり、白はく昼ちゅう彼かれらの目めの前まえで捕とらわれの身みとなって行いきなさい。あなたのいる所ところから他たの場ば所しょへ、彼かれらの目めの前まえで捕とらわれの身みとなって行いきなさい。彼かれらは反はん逆ぎゃくの家いえであるが、あるいは、それに目めを留とめるかもしれない。4あなたは、白はく昼ちゅう彼かれらの目めの前まえで、自じ分ぶんの荷に物もつを、捕ほ囚しゅうの荷に物もつとして持もち出だしなさい。また、夕ゆう方がた彼かれらの目めの前まえで捕ほ囚しゅうの民たみが出でて行いくように、出でて行いきなさい。5彼かれらの目めの前まえで、壁かべに穴あなをうがち、そこから荷に物もつを運はこび出だしなさい。6彼かれらの目めの前まえで、荷に物もつを肩かたに担かつぎ、暗くら闇やみの中なかで運はこび出だしなさい。顔かおを覆おおってこの土と地ちを見みないようにしなさい。わたしはあなたを、イスラエルの家いえに対たいするしるしとする。」7わたしは命めいじられたとおりに行おこなった。わたしは、白はく昼ちゅう彼かれらの目めの前まえで、自じ分ぶんの荷に物もつを捕ほ囚しゅうの荷に物もつとして運はこび出だし、夕ゆう方がた、手てで壁かべに穴あなをうがち、暗くら闇やみの中なかで肩かたに担かついで運はこび出だした。

8朝あさになって、主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。9「人ひとの子こよ、反はん逆ぎゃくの家いえ、イスラエルの家いえは、あなたに向むかって、『何なにをしているのか』と尋たずねなかったか。10あなたは、彼かれらに言いわねばならない。主しゅなる神かみはこう言いわれる。この託たく宣せんは、エルサレムの首しゅ長ちょうと、そこにいるイスラエルの家いえすべてにかかわる。11あなたは言いわねばならない。『わたしは、あなたたちのためのしるしである。わたしがやって見みせたようなことが、彼かれらに起おこる。彼かれらは捕ほ囚しゅうとして、捕ほ囚しゅうの地ちへ行いく。12彼かれらの中なかの首しゅ長ちょうも、暗くら闇やみの中なかで荷に物もつを肩かたに担かつぎ、壁かべに運はこび出だすための穴あなをうがって出でて行いく。彼かれは目めでこの土と地ちを見みないように顔かおを覆おおう。』13わたしは、彼かれの上うえに網あみを広ひろげ、彼かれはわたしの罠わなにかかる。その彼かれをわたしはカルデアの地ち、バビロンに連つれて行いくが、彼かれはその地ちを見みることはできず、そこで死しぬ。14わたしは、彼かれを取とり巻まくすべての従じゅう者しゃと軍ぐん隊たいとを、四方ほうにまき散ちらし、剣つるぎを抜ぬいてその後あとを追おう。15わたしが彼かれらを国くに々ぐにの中なかに散ちらし、諸しょ国こくにまき散ちらすとき、彼かれらは、わたしが主しゅなる神かみであることを知しるようになる。16しかし、わたしは彼かれらの中なかから少しょう数すうの人ひと々びとを残のこし、剣つるぎと飢うえと疫えき病びょうから守まもる。彼かれらが自じ分ぶんたちの行おこなった忌いまわしいすべてのことを、行ゆく先さき々ざきの国くにの中なかで語かたり聞きかせるためである。そのとき、彼かれらは、わたしが主しゅであることを知しるようになる。」

17主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。18「人ひとの子こよ、震ふるえながらパンを食たべ、恐おそれ、おびえながら水みずを飲のみ、19国くにの民たみに言いいなさい。主しゅなる神かみは、イスラエルの土と地ちにいるエルサレムの住じゅう民みんに向むかってこう言いわれる。彼かれらはおびえながらパンを食たべ、硬こう直ちょくした様さまで水みずを飲のむようになる。その地ちが住じゅう民みんすべての不ふ法ほうのゆえに、地ちを満みたしていたものを失うしない、荒あれ廃すたれるからである。20人ひとの住すんでいた町まち々まちは荒あれ果はて、この地ちは荒こう廃はいに帰きする。そのとき、お前まえたちは、わたしが主しゅであることを知しるようになる。」

21また、主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。22「人ひとの子こよ、イスラエルの土と地ちについて伝つたえられている、『日ひ々びは長なが引びくが、幻まぼろしはすべて消きえうせる』というこのことわざは、お前まえたちにとって一いっ体たい何なにか。23それゆえ、彼かれらに言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。『わたしはこのことわざをやめさせる。彼かれらは再ふたたびイスラエルで、このことわざを用もちいることはない』と。かえって彼かれらにこう語かたりなさい。『その日ひは近ちかく、幻まぼろしはすべて実じつ現げんする。』24もはや、イスラエルの家いえには、むなしい幻まぼろしはひとつもない。気き休やすめの占うらないもない。25なぜなら、主しゅなるわたしが告つげる言こと葉ばを告つげるからであり、それは実じつ現げんされ、もはや、引ひき延のばされることはない。反はん逆ぎゃくの家いえよ、お前まえたちの生いきている時じ代だいに、わたしは自じ分ぶんの語かたることを実じっ行こうする、と主しゅなる神かみは言いわれる。」

26主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。27「人ひとの子こよ、イスラエルの家いえは言いっているではないか。『彼かれの見みた幻まぼろしははるか先さきの時ときについてであり、その預よ言げんは遠とおい将しょう来らいについてである』と。28それゆえ、彼かれらに言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしが告つげるすべての言こと葉ばは、もはや引ひき延のばされず、実じつ現げんされる、と主しゅなる神かみは言いわれる。」

偽いつわりの預よ言げん者しゃ

13

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、イスラエルの預よ言げん者しゃたちに向むかって、預よ言げんしなさい。自じ分ぶんの心こころのままに預よ言げんする者ものたちに向むかって預よ言げんし、言いいなさい。主しゅの言こと葉ばを聞きけ。3主しゅなる神かみはこう言いわれる。災わざわいだ、何なにも示しめされることなく、自じ分ぶんの霊れいの赴おもむくままに歩あゆむ愚おろかな預よ言げん者しゃたちは。4イスラエルよ、お前まえの預よ言げん者しゃたちは廃はい虚きょにいる山やま犬いぬのようだ。5お前まえたちは、主しゅの日ひの戦たたかいに耐たえるために、城じょう壁へきの破やぶれ口ぐちに上のぼろうとせず、イスラエルの家いえを守まもる石いし垣がきを築きずこうともしない。6彼かれらはむなしい幻まぼろしを見み、欺あざむきの占うらないを行おこない、主しゅから遣つかわされてもいないのに、『主しゅは言いわれる』と言いって、その言こと葉ばが成じょう就じゅするのを待まっている。7お前まえたちが見みているのはむなしい幻まぼろし、お前まえたちが口くちにしているのは欺あざむきの占うらないではないか。わたしが語かたってもいないのに、『主しゅは言いわれる』と言いっている。

8それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえたちはむなしいことを語かたり、欺あざむきの幻まぼろしを見みているので、わたしはお前まえたちに立たち向むかう、と主しゅなる神かみは言いわれる。9わたしの手ては、むなしい幻まぼろしを見みる預よ言げん者しゃたちと、欺あざむきを占うらなう占うらない師したちに向むけられる。彼かれらはわたしの民たみの集つどいに加くわえられず、イスラエルの家いえの記き録ろくにも記しるされず、イスラエルの土と地ちに入はいることもできない。そのとき、お前まえたちはわたしが主しゅなる神かみであることを知しるようになる。10平へい和わがないのに、彼かれらが『平へい和わだ』と言いってわたしの民たみを惑まどわすのは、壁かべを築きずくときに漆しっ喰くいを上うわ塗ぬりするようなものだ。11漆しっ喰くいを上うわ塗ぬりする者ものに言いいなさい。『それは、はがれ落おちる』と。豪ごう雨うが襲おそえば、雹ひょうよ、お前まえたちも石いしのように落おちてくるし、暴ぼう風ふうも突とつ如じょとして起おこる。12壁かべが崩くずれ落おちれば、『先さきに施ほどこした上うわ塗ぬりはどこに行いったのか』とお前まえたちは言いわれるに違ちがいない。

13それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは憤いきどおりをもって、暴ぼう風ふうを起おこし、怒いかりをもって豪ごう雨うを降ふらせ、怒いかり狂くるって雹ひょうを石いしのように降ふらせ、すべてを破は壊かいする。14お前まえたちが漆しっ喰くいを塗ぬった壁かべをわたしは破は壊かいし、地じ面めんに打うちつけて、その基き礎そをむき出だしにする。それが崩くずれ落おちるとき、お前まえたちもその中なかで滅ほろびる。そのとき、お前まえたちは、わたしが主しゅであることを知しるようになる。15わたしは、壁かべとそれに漆しっ喰くいを塗ぬった者ものたちに対たいし怒いかりを注そそぎ尽つくし、『壁かべもなくなり、それに上うわ塗ぬりをした者ものたちもいなくなった』とお前まえたちに言いう。16エルサレムに預よ言げんするイスラエルの預よ言げん者しゃたちよ。平へい和わがないのに、都みやこのために平へい和わの幻まぼろしを見みる者ものたちよ、と主しゅなる神かみは言いわれる。

17人ひとの子こよ、自じ分ぶんの心こころのままに預よ言げんするあなたの民たみの娘むすめたちに顔かおを向むけ、彼かの女じょらに預よ言げんしなさい。18あなたは言いわねばならない。主しゅなる神かみはこう言いわれる。災わざわいだ、人ひと々びとの魂たましいを捕とらえようとして、どの手て首くびにも呪じゅ術じゅつのひもを縫ぬい付つけ、どんな大おおきさの頭あたまにも合あわせて呪じゅ術じゅつの頭ず巾きんを作つくる女おんなたちよ。お前まえたちはわたしの民たみの魂たましいを捕とらえ、自じ分ぶんたちの仲なか間まの魂たましいを生いかしておこうとする。19お前まえたちは、ひと握にぎりの大おお麦むぎとひとかけらのパンのゆえに、わが民たみの前まえでわたしを汚けがし、欺あざむきの言こと葉ばに聞きき入いるわが民たみを欺あざむくことによって、死しぬべきではない者ものを殺ころし、生いきるべきではない者ものを生いかしている。

20それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは、お前まえたちが、人ひと々びとの魂たましいを鳥とりを捕とらえるように捕とらえるために使つかっている呪じゅ術じゅつのひもに立たち向むかい、それをお前まえたちの腕うでから引ひきちぎり、お前まえたちが鳥とりを捕とらえるように捕とらえた魂たましいを解とき放はなつ。21また、わたしはお前まえたちの頭ず巾きんを引ひき裂さき、わが民たみをお前まえたちの手てから救すくい出だす。二度どと、彼かれらがお前まえたちの手てに捕とらえられることはない。そのときお前まえたちは、わたしが主しゅであることを知しるようになる。22お前まえたちは、わたしが苦くるしめようとはしていないのに、神かみに従したがう者ものの心こころを偽いつわりをもって苦くるしめ、神かみに逆さからう者ものの手てを強つよめ、彼かれらが悪あくの道みちから立たち帰かえって、命いのちを得えることができないようにしている。23それゆえ、もはやお前まえたちがむなしい幻まぼろしを見みることも占うらないをすることもなくなる。わたしは、お前まえたちの手てからわが民たみを救すくい出だす。そのときお前まえたちは、わたしが主しゅであることを知しるようになる。」

偶ぐう像ぞう礼れい拝はいと神かみの審しん判ぱん

14

1イスラエルの長ちょう老ろう数すう名めいがわたしのもとに来きて、わたしの前まえに座すわった。2そのとき、主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。3「人ひとの子こよ、この人ひと々びとは偶ぐう像ぞうを心こころに抱いだき、彼かれらをつまずかせる罪つみを目めの前まえに置おいている。それなのに、わたしは彼かれらの求もとめに応おうじられようか。4それゆえ、彼かれらと語かたり、彼かれらに告つげなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。イスラエルの家いえの者もので、偶ぐう像ぞうを心こころに抱いだき、つまずかせる罪つみを目めの前まえに置おいていながら、預よ言げん者しゃのもとに来くる者ものには、だれに対たいしても、主しゅなるわたし自じ身しんが、彼かれの多おおくの偶ぐう像ぞうのゆえに答こたえよう。5それは、偶ぐう像ぞうのゆえにわたしから離はなれ去さったイスラエルの家いえの心こころをすべて、わたしが捕とらえるためである。

6それゆえ、あなたはイスラエルの家いえに言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。悔くい改あらためて、お前まえたちの偶ぐう像ぞうから離はなれ、すべての忌いまわしいものから顔かおを背そむけよ。7イスラエルの家いえの者ものと、イスラエルの中なかに寄き留りゅうしている外がい国こく人じんのうち、わたしから離はなれて偶ぐう像ぞうを心こころに抱いだき、つまずかせる罪つみを目めの前まえに置おいていながら、わたしに尋たずねようと預よ言げん者しゃのもとに来くる者ものには、だれに対たいしても、主しゅなるわたし自じ身しんが答こたえよう。8わたしはその者ものに向むかって顔かおを向むけ、彼かれをしるしとし、ことわざとして、わが民たみの中なかから断たつ。そのときお前まえたちは、わたしが主しゅであることを知しるようになる。

9もし、預よ言げん者しゃが惑まどわされて言こと葉ばを語かたることがあるなら、主しゅなるわたし自じ身しんがその預よ言げん者しゃを惑まどわしたのである。わたしは彼かれの上うえに手てを伸のべ、わが民たみイスラエルの中なかから絶たち滅ほろぼす。10彼かれらは共ともに自じ分ぶんの罪つみを負おう。尋たずねる者ものの罪つみは、預よ言げん者しゃの罪つみと同おなじである。11それは、イスラエルの家いえがもはやわたしから迷まよい出でず、あらゆる背そむきによって二度どと自じ分ぶんを汚けがさないためである。こうして、彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる」と主しゅなる神かみは言いわれる。

12主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。13「人ひとの子こよ、もし、ある国くにがわたしに対たいして不ふ信しんを重かさね、罪つみを犯おかすなら、わたしは手てをその上うえに伸のばし、パンをつるして蓄たくわえる棒ぼうを折おり、その地ちに飢き饉きんを送おくって、そこから人ひとも家か畜ちくも絶たち滅ほろぼす。14たとえ、その中なかに、かの三人にんの人じん物ぶつ、ノア、ダニエル、ヨブがいたとしても、彼かれらはその正ただしさによって自じ分ぶん自じ身しんの命いのちを救すくいうるだけだ、と主しゅなる神かみは言いわれる。

15もし、わたしが悪わるい獣けものをその国くにに横おう行こうさせ、それによって住すむ人ひとがいなくなり、獣けものを恐おそれて通とおる人ひとがないために国くにが荒あれ廃すたれるなら、16その中なかに、かの三人にんの人じん物ぶつがいたとしても──わたしは生いきている、と主しゅなる神かみは言いわれる──彼かれらは自じ分ぶんの息むす子こ、娘むすめたちすら救すくうことができない。彼かれらは自じ分ぶん自じ身しんを救すくいうるだけであり、その国くには荒こう廃はいに帰きするであろう。

17また、もしわたしが剣つるぎをその国くにに送おくって、『剣つるぎよ、この国くにを行ゆき巡めぐれ』と言いって、その国くにから人ひとも家か畜ちくも絶たち滅ほろぼすなら、18たとえ、その中なかにかの三人にんの人じん物ぶつがいたとしても──わたしは生いきている、と主しゅなる神かみは言いわれる──彼かれらは自じ分ぶんの息むす子こ、娘むすめたちすら救すくうことができない。彼かれらは自じ分ぶん自じ身しんを救すくいうるだけである。

19また、もしわたしがその国くにに疫えき病びょうを送おくり、わたしの怒いかりをその上うえに血ちと共ともに注そそぎ、そこから人ひとも家か畜ちくも絶たち滅ほろぼすなら、20たとえ、その中なかにノア、ダニエル、ヨブがいたとしても──わたしは生いきている、と主しゅなる神かみは言いわれる──彼かれらは自じ分ぶんの息むす子こ、娘むすめたちすら救すくうことができない。彼かれらはその正ただしさによって、自じ分ぶん自じ身しんの命いのちを救すくいうるだけである。

21まことに、主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしがこの四つの厳きびしい裁さばき、すなわち、剣つるぎ、飢き饉きん、悪わるい獣けもの、疫えき病びょうをエルサレムに送おくり、そこから人ひとも家か畜ちくも絶たち滅ほろぼすとき、22そこに、わずかの者ものが残のこされるであろう。息むす子こ、娘むすめたちは逃のがれて救すくい出だされ、お前まえたちの所ところに出でて来くる。お前まえたちは彼かれらの歩あゆみと行おこないを見みるとき、わたしがエルサレムにくだした災わざわい、わたしがそこに臨のぞませたすべてのことについて慰なぐさめられる。23お前まえたちは、彼かれらの歩あゆみと行おこないとを見みて、それによって慰なぐさめられ、わたしがそこで行おこなったすべてのことは、理り由ゆうなく行おこなったのではないことを知しるようになる」と主しゅなる神かみは言いわれる。

役やくに立たたぬぶどうの木き

15

1主しゅなる神かみの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、ぶどうの木きは森もりの木き々ぎの中なかで、枝えだのあるどの木きよりもすぐれているであろうか。3ぶどうの木きから、何なにか役やくに立たつものを作つくるための木もく材ざいがとれるだろうか。それで、何なにかの器うつわ物ものを掛かける釘くぎを作つくることができるだろうか。4それが火ひに投なげ込こまれると、火ひはその両りょう端はしを焼やき、真まん中なかも焦こがされてしまう。それでも何なにかの役やくに立たつだろうか。5完かん全ぜんなときでさえ何なにも作つくれないのに、まして火ひに焼やかれて焦こげてしまったら、もはや何なんの役やくにも立たたないではないか。

6それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしが薪たきぎとして火ひに投なげ込こんだ、森もりの木きの中なかのぶどうの木きのように、わたしはエルサレムの住じゅう民みんを火ひに投なげ入いれる。7わたしは顔かおを彼かれらに向むける。彼かれらが火ひから逃のがれても、火ひは彼かれらを食くい尽つくす。わたしが顔かおを彼かれらに向むけるとき、彼かれらはわたしが主しゅなる神かみであることを知しるようになる。8わたしはこの地ちを荒こう廃はいさせる。彼かれらがわたしに不ふ信しんを重かさねたからである」と主しゅなる神かみは言いわれる。

エルサレムの背はい信しん

16

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、エルサレムにその忌いまわしいことを知しらせなさい。3あなたは言いわねばならない。主しゅなる神かみは、エルサレムに対たいしてこう言いわれる。お前まえの出しゅっ身しん、お前まえの生うまれはカナン人じんの地ち。父ちちはアモリ人じん、母はははヘト人じんである。4誕たん生じょうについて言いえば、お前まえの生うまれた日ひに、お前まえのへその緒おを切きってくれる者ものも、水みずで洗あらい、油あぶらを塗ぬってくれる者ものも、塩しおでこすり、布ぬのにくるんでくれる者ものもいなかった。5だれもお前まえに目めをかけず、これらのことの一つでも行おこなって、憐あわれみをかける者ものはいなかった。お前まえが生うまれた日ひ、お前まえは嫌きらわれて野のに捨すてられた。6しかし、わたしがお前まえの傍かたわらを通とおって、お前まえが自じ分ぶんの血ちの中なかでもがいているのを見みたとき、わたしは血ちまみれのお前まえに向むかって、『生いきよ』と言いった。血ちまみれのお前まえに向むかって、『生いきよ』と言いったのだ。7わたしは、野のの若わか草くさのようにお前まえを栄さかえさせた。それでお前まえは、健すこやかに育そだち、成せい熟じゅくして美うつくしくなり、胸むねの形かたちも整ととのい、髪かみも伸のびた。だが、お前まえは裸はだかのままであった。8その後のち、わたしがお前まえの傍かたわらを通とおってお前まえを見みたときには、お前まえは愛あいされる年としごろになっていた。そこでわたしは、衣ころもの裾すそを広ひろげてお前まえに掛かけ、裸はだかを覆おおった。わたしはお前まえに誓ちかいを立たてて、契けい約やくを結むすび、お前まえは、わたしのものになった、と主しゅなる神かみは言いわれる。

9わたしはお前まえを水みずで洗あらい、血ちを洗あらい落おとし、油あぶらを塗ぬった。10そして、美うつくしく織おった服ふくを着きせ、上じょう質しつの革かわ靴ぐつを履はかせ、亜あ麻ま布ぬのを頭あたまにかぶらせ、絹きぬの衣ころもを掛かけてやった。11わたしはまた、装そう身しん具ぐをお前まえにつけ、腕うでには腕うで輪わ、首くびには首くび飾かざりをつけた。12また、鼻はなに飾かざりの輪わを、耳みみには耳みみ輪わを、頭あたまには美うつくしい冠かんむりをかぶらせた。13こうして、お前まえは金きん銀ぎんで身みを飾かざり、亜あ麻ま布ぬのと絹きぬとで美うつくしく織おった服ふくを身みに着つけた。そして小こ麦むぎ粉こと蜂はち蜜みつと油あぶらを食しょく物もつとした。こうしてお前まえは非ひ常じょうに美うつくしくなり、女じょ王おうのようになった。14その美うつくしさのゆえに、お前まえの名なは国くに々ぐにの間あいだに広ひろまった。わたしがお前まえを装よそおわせた装よそおいには、少すこしも欠かけるところがなかったからである、と主しゅなる神かみは言いわれる。

15それなのに、お前まえはその美うつくしさを頼たのみとし、自じ分ぶんの名めい声せいのゆえに姦かん淫いんを行おこなった。お前まえは通とおりかかる者ものすべてにこびを売うり、身みをまかせた。16また、自じ分ぶんの着き物ものの中なかから選えらび出だして、華はなやかな床とこをしつらえ、その上うえで姦かん淫いんを行おこなった。このようなことは、かつてなかったし、これからもあってはならないことだ。17お前まえはまた、わたしが与あたえた金きん銀ぎんの美うつくしい品しな々じなを取とって男おとこの像ぞうを造つくり、それと姦かん淫いんを行おこなった。18お前まえは美うつくしく織おった服ふくをとってそれらの像ぞうに着きせ、わたしの油あぶらと香こうをその前まえに供そなえた。19また、お前まえはわたしが与あたえた食しょく物もつ、お前まえを養やしなってきた小こ麦むぎ粉こ、油あぶら、蜜みつをその前まえに供そなえて、宥なだめの香かおりとした、と主しゅなる神かみは言いわれる。

20お前まえはまた、わたしのために産うんだお前まえの息むす子こ、娘むすめたちをとり、偶ぐう像ぞうの食しょく物もつとして供そなえた。お前まえの姦かん淫いんはまだ足たりないのか。21お前まえはわたしの子こ供どもたちを殺ころし、火ひに焼やいて偶ぐう像ぞうにささげた。22お前まえは、あらゆる忌いまわしいことや姦かん淫いんを行おこなっているあいだ、幼おさないときに裸はだかで血ちの中なかをもがいていたことを思おもい起おこさなかった。

23ああ、なんと災わざわいなことか、お前まえは、と主しゅなる神かみは言いわれる。すべての悪あく事じの後のちに、24お前まえは祭さい儀ぎ台だいを設もうけ、すべての広ひろ場ばに高たかい所ところを造つくり、25すべての四よつ辻つじには高たかい所ところを設もうけて、お前まえの美うつくしさを汚けがした。また、傍かたわらを通とおるすべての者ものに両りょう脚あしを広ひろげ、姦かん淫いんを重かさねた。26お前まえはまた、肉にく欲よくの強つよい隣りん国ごくエジプト人じんたちと姦かん淫いんを行おこない、姦かん淫いんを重かさねてわたしを怒いからせた。27わたしは手てをお前まえの上うえに伸のばして、お前まえの分わけ前まえを奪うばい、敵てきであるペリシテの女おんなたちに渡わたし、その意いのままにさせる。彼かの女じょたちはお前まえのみだらな行おこないにあきれ果はてている。28それでも、お前まえは飽あき足たらず、アシュルの人ひと々びとと姦かん淫いんを行おこなった。彼かれらと姦かん淫いんを行おこなってもまだ飽あきず、29商しょう業ぎょうの地ちカルデアと淫いん行こうを重かさねたが、それでもなお飽あき足たらなかった。30お前まえの心こころはなんとひどい熱ねつ病びょうにかかっていることか、と主しゅなる神かみは言いわれる。厚あつかましい淫いん婦ぷが行おこなうこれらすべてのことをしているとは。31お前まえはすべての四よつ辻つじに祭さい儀ぎ台だいを設もうけ、すべての広ひろ場ばに高たかい所ところを造つくった。お前まえは報ほう酬しゅうを受うけ取とることを潔いさぎよしとしなかったから、娼しょう婦ふとは違ちがっていた。32お前まえは、自じ分ぶんの夫おっとの代かわりに外がい国こくの男おとこと通つうじる淫いん行こうの妻つまだ。33すべての娼しょう婦ふに対たいして人ひとは金かねを払はらう。ところが、お前まえはすべてお前まえを愛あいする者ものに、お前まえの方ほうから贈おくり物ものをし、賄わい賂ろを贈おくり、姦かん淫いんをするために人ひと々びとを四方ほうからお前まえのもとに来こさせる。34お前まえの姦かん淫いんは他たの女おんなたちとは逆ぎゃくである。だれも、お前まえを誘さそって姦かん淫いんしたのではない。お前まえが報ほう酬しゅうを支し払はらわれるのではなく、お前まえの方ほうから報ほう酬しゅうを支し払はらっているところが逆ぎゃくである。

35それゆえ、姦かん淫いんの女おんなよ、主しゅの言こと葉ばを聞きけ。36主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえが、愛あいを求もとめる者ものと姦かん淫いんするために、欲よく情じょうを注そそぎ、裸はだかをさらしたために、また、すべての忌いまわしい偶ぐう像ぞうと、それにささげたお前まえの息むす子こたちの血ちのゆえに、37わたしは、お前まえがもてなしたすべての愛あい人じんたち、お前まえの好すきだった者ものも嫌きらいだった者ものもすべて集あつめる。わたしは彼かれらを至いたるところからお前まえのもとに集あつめ、お前まえの裸はだかを彼かれらにさらす。彼かれらはお前まえの裸はだかをくまなく見みる。38わたしは、お前まえを淫いん行こうと流りゅう血けつのゆえに裁さばく。また、怒いかりと熱ねつ情じょうをもって、お前まえの流りゅう血けつに報むくいる。39更さらにわたしは、お前まえを彼かれらの手てに渡わたす。彼かれらはお前まえの祭さい儀ぎ台だいを倒たおし、高たかい所ところを破は壊かいし、お前まえの着き物ものをはぎ取とり、美うつくしい飾かざりを取とり去さってお前まえを裸はだかにする。40彼かれらは群ぐん衆しゅうを駆かり立たててお前まえに向むかわせ、石いしを投なげさせ、剣つるぎで切きりつけさせる。41彼かれらは火ひでお前まえの家いえを焼やき、多おおくの女おんなたちの見みている前まえでお前まえを裁さばく。こうして、わたしはお前まえに姦かん淫いんをやめさせる。お前まえは二度どと報ほう酬しゅうを支し払はらわない。42わたしがお前まえに対たいする怒いかりを静しずめ、わたしの熱ねつ情じょうがお前まえから離はなれるとき、わたしの心こころは休やすまり、もはや怒いかることはない。43お前まえが、若わかい日ひ々びのことを思おもい起おこさず、これらすべてのことでわたしを怒いからせたので、わたしもまた、お前まえの行おこないを頭ず上じょうに報むくいる、と主しゅなる神かみは言いわれる。

お前まえはすべての忌いまわしいことに加くわえて、この悪あく事じを行おこなったではないか。44お前まえについてことわざを語かたる者ものは、すべて、ことわざを用もちいてこう言いう。『この母ははにしてこの娘むすめあり』と。45お前まえは、自じ分ぶんの夫おっとと息むす子こたちを捨すてた母ははの娘むすめであり、自じ分ぶんの夫おっとと息むす子こたちを捨すてた姉し妹まいたちの一ひと人りである。お前まえの母はははヘト人じん、父ちちはアモリ人じんである。46お前まえの姉あねはサマリアであり、彼かの女じょとその娘むすめたちはお前まえの北きたに住すんでいる。また、お前まえの南みなみに住すんでいるお前まえの妹いもうとはソドムとその娘むすめたちである。47お前まえは彼かの女じょたちの道みちを歩あゆんで、忌いまわしいことを行おこなったばかりでなく、やがて、すべての道みちにおいて、彼かの女じょたちよりもいっそう堕だ落らくした。

48わたしは生いきている、と主しゅなる神かみは言いわれる。お前まえの妹いもうとであるソドムも、その娘むすめたちも、お前まえとお前まえの娘むすめたちが行おこなったようなことはしなかった。49お前まえの妹いもうとソドムの罪つみはこれである。彼かの女じょとその娘むすめたちは高こう慢まんで、食しょく物もつに飽あき安あん閑かんと暮くらしていながら、貧まずしい者もの、乏とぼしい者ものを助たすけようとしなかった。50彼かの女じょたちは傲ごう慢まんにも、わたしの目めの前まえで忌いまわしいことを行おこなった。そのために、わたしが彼かの女じょたちを滅ほろぼしたのは、お前まえの見みたとおりである。51また、サマリアは、お前まえの過あやまちの半はん分ぶんも過あやまちを犯おかさなかった。お前まえは彼かの女じょたちよりも多おおくの忌いまわしいことを行おこなった。お前まえが行おこなったすべての忌いまわしいことに比くらべれば、お前まえの姉し妹まいは正ただしい者もののようにさえ見みえた。52お前まえは、姉し妹まいよりも忌いまわしいことを行おこなった罪つみによって、彼かの女じょたちの咎とがを軽かるくした恥ち辱じょくを負おわねばならない。お前まえは自じ分ぶんの姉し妹まいを正ただしい者もののようにしたことを恥はじ、その恥ち辱じょくを負おわねばならない。53わたしは、捕とらわれた彼かの女じょたちを帰かえらせる。すなわち、捕とらわれたソドムとその娘むすめたち、捕とらわれたサマリアとその娘むすめたち、および彼かの女じょたちと共ともに捕とらわれたお前まえたちを帰かえらせる。54お前まえは自じ分ぶんの不ふ名めい誉よを負おわねばならない。また、お前まえが彼かの女じょたちを慰なぐさめる結けっ果かとなったすべての行おこないのゆえに、不ふ名めい誉よを負おわねばならない。55お前まえの妹いもうとであるソドムと、その娘むすめたちは元もとの姿すがたに帰かえり、サマリアとその娘むすめたちも元もとの姿すがたに帰かえり、また、お前まえと娘むすめたちも元もとの姿すがたに帰かえるであろう。56お前まえが高こう慢まんになったとき、妹いもうとソドムのうわさは既すでにお前まえの口くちにも上のぼっていたではないか。57それは、お前まえの悪あくがあらわになる前まえのことである。しかし今いまでは、アラムの娘むすめたちとその周しゅう囲いの者ものたち、および、お前まえを周しゅう囲いから侮あなどっているペリシテの娘むすめたちに嘲あざけられている。58お前まえは自じ分ぶんの悪あくと忌いまわしい行おこないとの責せめを負おわねばならない、と主しゅは言いわれる。

59主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえが行おこなったように、わたしもお前まえに対たいして行おこなう。お前まえは誓ちかいを軽かろんじ、契けい約やくを破やぶった。60だが、わたしは、お前まえの若わかい日ひにお前まえと結むすんだわたしの契けい約やくを思おもい起おこし、お前まえに対たいして永えい遠えんの契けい約やくを立たてる。61お前まえは自じ分ぶんの道みちを思おもい起おこし、姉あねたちと妹いもうとたちを受うけ入いれるとき、恥はじを負おうであろう。わたしは、彼かの女じょたちを娘むすめとしてお前まえに与あたえる。しかしお前まえが契けい約やくを守まもったからではない。62わたしがお前まえと契けい約やくを立たてるとき、お前まえはわたしが主しゅであることを知しるようになる。63こうして、お前まえが行おこなったすべてのことについて、わたしがお前まえを赦ゆるすとき、お前まえは自じ分ぶんのしたことを思おもい起おこして恥はじ、自じ分ぶんの不ふ名めい誉よのゆえに、二度どと口くちを開ひらくことはできなくなる」と主しゅなる神かみは言いわれる。

二羽わの鷲わしとぶどうの木き

17

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、イスラエルの家いえに向むかって謎なぞをかけ、たとえを語かたりなさい。3あなたは言いわねばならない。

主しゅなる神かみはこう言いわれる。

大おおきな翼つばさと長ながい羽はねをもち

彩いろどり豊ゆたかな羽う毛もうに覆おおわれた大おお鷲わしが

レバノンに飛ひ来らいする。

その鷲わしはレバノン杉すぎの梢こずえを切きり取とり

4その頂いただきの若わかい枝えだを折おって

商しょう業ぎょうの地ちに運はこび、商しょう人にんの町まちに置おいた。

5また、その地ちの種たねを取とって苗なえ床どこに蒔まき

苗なえを豊ゆたかな水みずのほとりに柳やなぎのように植うえた。

6やがてそれは育そだち

低ひくく生おい茂しげるぶどうの木きとなった。

その枝えだは鷲わしの方ほうに向むかって伸のび

根ねはその鷲わしの下したに張はり

若わか枝えだを広ひろげ、つるの伸のびたぶどうの木きとなった。

7また、もう一羽わの大おお鷲わしがいた。

これも大おおきな翼つばさと多おおくの羽う毛もうを持もっていた。

このぶどうの木きは

その植うえられていた場ば所しょから

根ねをこの鷲わしの方ほうに向むけ

若わか枝えだをこの鷲わしの方ほうに伸のばして

水みずを得えようとした。

8このぶどうの木きは

枝えだを伸のばし、実みを結むすぶ

立りっ派ぱなぶどうの木きとなるように

水みずの豊ゆたかなよい地ちに植うえられていた。

9語かたれ。主しゅなる神かみはこう言いわれる。

このぶどうの木きは成せい長ちょうするだろうか。

その根ねは引ひき抜ぬかれ

実みはもぎ取とられないだろうか。

芽め生ばえた葉ははすべてしおれてしまわないだろうか。

それはしおれてしまう。

それを根ねから引ひき抜ぬくのに

大おおきな力ちからも、多おおくの人ひとも必ひつ要ようとしない。

10それは植うえられはしたが

果はたして成せい長ちょうするだろうか。

東ひがし風かぜが吹ふきつけたなら

しおれてしまわないだろうか。

その芽めを出だした場ば所しょで、しおれるであろう。

11主しゅなる神かみの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。12さあ、この反はん逆ぎゃくの家いえに語かたりなさい。このたとえが何なにを意い味みするか、お前まえたちには分わからないのか。バビロンの王おうがエルサレムに来きて、王おうとその家け来らいたちを捕とらえ、彼かれらをバビロンへ連つれて行いった。13そして、王おうの子こらの一ひと人りを選えらび、これと契けい約やくを結むすび、誓ちかいを立たてさせ、更さらに、この国くにの有ゆう力りょく者しゃをも連つれて行いった。14それは、この王おう国こくが高たかぶることなく従じゅう順じゅんになり、契けい約やくを守まもり続つづけるようにさせるためであった。15しかし、彼かれは王おうに背そむき、エジプトに使し者しゃを送おくって馬うまと軍ぐん勢ぜいを得えようとした。果はたして、それでうまくいくだろうか。こんなことをして助たすかるだろうか。契けい約やくを破やぶっておきながら、助たすかるだろうか。16わたしは生いきている、と主しゅなる神かみは言いわれる。彼かれは、自じ分ぶんを王おう位いにつけた大だい王おうに対たいする誓ちかいを軽かろんじ、彼かれとの契けい約やくを破やぶったので、大だい王おうの国くにバビロンで必かならず死しぬ。17戦たたかいになって、塁るいが築きずかれ、堡ほう塁るいが建たてられ、多おおくの命いのちが滅ほろぼされようとも、ファラオは彼かれのために、強きょう力りょくな軍ぐん隊たいや多た数すうの兵へい隊たいをもって戦たたかいはしない。18彼かれは誓ちかいを軽かろんじ、契けい約やくを破やぶった。彼かれは約やく束そくをしながら、これらすべての事ことを行おこなった。彼かれは逃のがれることができない。

19それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは生いきている。わたしは、彼かれが軽かろんじたわたしの誓ちかいと、彼かれが破やぶったわたしの契けい約やくとを、必かならず彼かれの頭ず上じょうに報むくいる。20わたしは彼かれの上うえに網あみを広ひろげ、彼かれはわたしの罠わなにかかる。わたしは彼かれをバビロンへ連つれて行いき、彼かれがわたしに対たいして行おこなった背はい信しんのゆえに、その地ちで彼かれを裁さばく。21彼かれの全ぜん軍ぐんの中なかで、逃のがれた者ものもすべて剣つるぎに倒たおれ、更さらに残のこった者ものがいても四方ほうに散ちらされる。そのとき、お前まえたちは、主しゅであるわたしが語かたったことを知しるようになる。

22主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは高たかいレバノン杉すぎの梢こずえを切きり取とって植うえ、その柔やわらかい若わか枝えだを折おって、高たかくそびえる山やまの上うえに移うつし植うえる。23イスラエルの高たかい山やまにそれを移うつし植うえると、それは枝えだを伸のばし実みをつけ、うっそうとしたレバノン杉すぎとなり、あらゆる鳥とりがそのもとに宿やどり、翼つばさのあるものはすべてその枝えだの陰かげに住すむようになる。24そのとき、野ののすべての木き々ぎは、主しゅであるわたしが、高たかい木きを低ひくくし、低ひくい木きを高たかくし、また生いき生いきとした木きを枯からし、枯かれた木きを茂しげらせることを知しるようになる。」主しゅであるわたしがこれを語かたり、実じっ行こうする。

各かく人じんの責せき任にん

18

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「お前まえたちがイスラエルの地ちで、このことわざを繰くり返かえし口くちにしているのはどういうことか。

『先せん祖ぞが酸すいぶどうを食たべれば

子し孫そんの歯はが浮うく』と。

3わたしは生いきている、と主しゅなる神かみは言いわれる。お前まえたちはイスラエルにおいて、このことわざを二度どと口くちにすることはない。4すべての命いのちはわたしのものである。父ちちの命いのちも子この命いのちも、同どう様ようにわたしのものである。罪つみを犯おかした者もの、その人ひとが死しぬ。

5もし、ある人ひとが正ただしく、正せい義ぎと恵めぐみの業わざを行おこなうなら、6すなわち、山やまの上うえで偶ぐう像ぞうの供そなえ物ものを食たべず、イスラエルの家いえの偶ぐう像ぞうを仰あおぎ見みず、隣りん人じんの妻つまを犯おかさず、生せい理り中ちゅうの女じょ性せいに近ちかづかず、7人ひとを抑よく圧あつせず、負ふ債さい者しゃの質しち物もつを返かえし、力ちからずくで奪うばわず、飢うえた者ものに自じ分ぶんのパンを与あたえ、裸はだかの者ものに衣い服ふくを着きせ、8利り息そくを天てん引びきして金かねを貸かさず、高こう利りを取とらず、不ふ正せいから手てを引ひき、人ひとと人ひととの間あいだを真しん実じつに裁さばき、9わたしの掟おきてに従したがって歩あゆみ、わたしの裁さばきを忠ちゅう実じつに守まもるなら、彼かれこそ正ただしい人ひとで、彼かれは必かならず生いきる、と主しゅなる神かみは言いわれる。

10彼かれに生うまれた息むす子こが乱らん暴ぼう者もので、これらの事ことの一つでも行おこなう人ひとの血ちを流ながし、11自じ分ぶん自じ身しんはこれらすべての事ことの一つですら行おこなわず、かえって山やまの上うえで偶ぐう像ぞうの供そなえ物ものを食たべ、隣りん人じんの妻つまを犯おかし、12貧まずしい者もの、乏とぼしい者ものを抑よく圧あつし、力ちからずくで奪うばい、質しち物もつを返かえさず、偶ぐう像ぞうを仰あおぎ見みて忌いまわしいことを行おこない、13利り息そくを天てん引びきして金かねを貸かし、高こう利りを取とるならば、彼かれは生いきることができようか。彼かれは生いきることはできない。彼かれはこれらの忌いまわしいことをしたのだから、必かならず死しぬ。その死しの責せき任にんは彼かれにある。

14ところで、その人ひとにまた息むす子こが生うまれ、彼かれが父ちちの行おこなったすべての過あやまちを見みて省かえりみ、このような事ことを行おこなわないなら、15すなわち、山やまの上うえで偶ぐう像ぞうの供そなえ物ものを食たべず、イスラエルの家いえの偶ぐう像ぞうを仰あおぎ見みず、隣りん人じんの妻つまを犯おかさず、16人ひとを抑よく圧あつせず、質しち物もつを取とらず、力ちからずくで奪うばわず、飢うえた者ものに自じ分ぶんのパンを与あたえ、裸はだかの者ものに衣い服ふくを着きせ、17貧まずしい者ものの抑よく圧あつから手てを引ひき、天てん引びきの利り息そくや高こう利りを取とらず、わたしの裁さばきを行おこない、わたしの掟おきてに従したがって歩あゆむなら、彼かれは父ちちの罪つみのゆえに死しぬことはない。必かならず生いきる。18彼かれの父ちちは搾さく取しゅを行おこない、兄きょう弟だいのものを力ちからずくで奪うばい、自じ分ぶんの民たみの中なかで善よくない事ことをしたので、自じ分ぶんの罪つみのゆえに死しんだのである。19それなのにお前まえたちは、『なぜ、子こは父ちちの罪つみを負おわないのか』と言いう。しかし、その子こは正せい義ぎと恵めぐみの業わざを行おこない、わたしの掟おきてをことごとく守まもり、行おこなったのだから、必かならず生いきる。20罪つみを犯おかした本ほん人にんが死しぬのであって、子こは父ちちの罪つみを負おわず、父ちちもまた子この罪つみを負おうことはない。正ただしい人ひとの正ただしさはその人ひとだけのものであり、悪あく人にんの悪あくもその人ひとだけのものである。

21悪あく人にんであっても、もし犯おかしたすべての過あやまちから離はなれて、わたしの掟おきてをことごとく守まもり、正せい義ぎと恵めぐみの業わざを行おこなうなら、必かならず生いきる。死しぬことはない。22彼かれの行おこなったすべての背そむきは思おもい起おこされることなく、行おこなった正せい義ぎのゆえに生いきる。23わたしは悪あく人にんの死しを喜よろこぶだろうか、と主しゅなる神かみは言いわれる。彼かれがその道みちから立たち帰かえることによって、生いきることを喜よろこばないだろうか。

24しかし、正ただしい人ひとでも、その正ただしさから離はなれて不ふ正せいを行おこない、悪あく人にんがするようなすべての忌いまわしい事ことを行おこなうなら、彼かれは生いきることができようか。彼かれの行おこなったすべての正せい義ぎは思おもい起おこされることなく、彼かれの背はい信しんの行こう為いと犯おかした過あやまちのゆえに彼かれは死しぬ。

25それなのにお前まえたちは、『主しゅの道みちは正ただしくない』と言いう。聞きけ、イスラエルの家いえよ。わたしの道みちが正ただしくないのか。正ただしくないのは、お前まえたちの道みちではないのか。26正ただしい人ひとがその正ただしさから離はなれて不ふ正せいを行おこない、そのゆえに死しぬなら、それは彼かれが行おこなった不ふ正せいのゆえに死しぬのである。27しかし、悪あく人にんが自じ分ぶんの行おこなった悪あくから離はなれて正せい義ぎと恵めぐみの業わざを行おこなうなら、彼かれは自じ分ぶんの命いのちを救すくうことができる。28彼かれは悔くい改あらためて、自じ分ぶんの行おこなったすべての背そむきから離はなれたのだから、必かならず生いきる。死しぬことはない。29それなのにイスラエルの家いえは、『主しゅの道みちは正ただしくない』と言いう。イスラエルの家いえよ、わたしの道みちが正ただしくないのか。正ただしくないのは、お前まえたちの道みちではないのか。

30それゆえ、イスラエルの家いえよ。わたしはお前まえたちひとりひとりをその道みちに従したがって裁さばく、と主しゅなる神かみは言いわれる。悔くい改あらためて、お前まえたちのすべての背そむきから立たち帰かえれ。罪つみがお前まえたちをつまずかせないようにせよ。31お前まえたちが犯おかしたあらゆる背そむきを投なげ捨すてて、新あたらしい心こころと新あたらしい霊れいを造つくり出だせ。イスラエルの家いえよ、どうしてお前まえたちは死しんでよいだろうか。32わたしはだれの死しをも喜よろこばない。お前まえたちは立たち帰かえって、生いきよ」と主しゅなる神かみは言いわれる。

君くん侯こうたちの悲かなしみの歌うた

19

1イスラエルの君くん侯こうたちのために、あなたは悲かなしみの歌うたをうたって、2言いいなさい。

お前まえの母ははは獅し子したちの中なかにあって

どんな雌め獅じ子しだったろうか。

お前まえの母ははは子こ獅じ子しの間あいだに伏ふし

若わか獅じ子したちを育そだてた。

3お前まえの母ははは子こ獅じ子しの中なかから一頭とうを取とり上あげた。

その子こ獅じ子しは若わか獅じ子しに成せい長ちょうし

獲え物ものを取とることを覚おぼえ

人ひと々びとを餌え食じきとした。

4しかし、諸しょ国こくの民たみは子こ獅じ子しについて聞きいた。

罠わなに捕とらえられ、鉤かぎにかけられて

エジプトの地ちへ連つれて行いかれたと。

5お前まえの母ははは期き待たいが破やぶれ、望のぞみがうせたのを見みて

別べつの子こ獅じ子しを取とり、若わか獅じ子しに育そだてた。

6この子こ獅じ子しは獅し子したちの間あいだを歩あるき回まわり

若わか獅じ子しに成せい長ちょうし

獲え物ものを取とることを覚おぼえ

人ひと々びとを餌え食じきとした。

7彼かれは彼かれらの城じょう郭かくを破は壊かいし、町まち々まちを荒こう廃はいさせた。

そのほえたける声こえに

地ちと地ちを満みたすものはおびえた。

8諸しょ国こく民みんは周しゅう囲いの国くに々ぐにから彼かれに立たち向むかい

彼かれの上うえに網あみを広ひろげ

彼かれは罠わなに捕とらえられた。

9彼かれは鉤かぎにかけられ、籠かごに入いれられ

バビロンの王おうのもとに連つれて行いかれた。

彼かれらは獄ごくに彼かれを閉とじ込こめ

二度どとその声こえが、イスラエルの山やま々やまに

聞きこえないようにした。

10お前まえの母ははは水みずのほとりに植うえられた

園そののぶどうの木きのようだ。

多おおくの水みずのゆえに

豊ゆたかに実みを結むすぶ枝えだを張はった。

11その木きには

支し配はい者しゃたちの杖つえとなる強つよい枝えだがあった。

丈たけは雲くも間まに届とどくほど高たかくなり

丈たけ高たかく、枝えだが多おおいゆえに際きわ立だって見みえた。

12怒いかりによって、木きは引ひき抜ぬかれ

地ちに投なげ捨すてられた。

東ひがし風かぜはその実みを枯からし

強つよい枝えだはもぎ取とられて枯かれ

火ひがそれを焼やき尽つくした。

13今いまや、その木きは

荒あれ野のに、乾かわいた水みずなき地ちに

移うつし植うえられた。

14また、若わか枝えだの茂しげる太ふとい枝えだから

火ひが出でて、実みを焼やき尽つくした。

それゆえ、この木きには

支し配はい者しゃの杖つえとなる強つよい枝えだはなくなった。

この歌うたは悲かなしみの歌うた。

悲かなしみの歌うたとしてうたわれた。

エジプトからの救すくいと背はい信しん

20

1第だい七年ねんの五月がつのことであった。その月つきの十とお日かに、イスラエルの長ちょう老ろうたち数すう人にんが、主しゅの御み心こころを問とうために来きて、わたしの前まえに座すわった。2そのとき、主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。3「人ひとの子こよ、イスラエルの長ちょう老ろうたちに語かたり、彼かれらに言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえたちはわたしの意い志しを問とうために来きたのか。わたしは生いきている。お前まえたちが尋たずねても、わたしは答こたえない、と主しゅなる神かみは言いわれる。

4あなたは彼かれらを裁さばくのか。人ひとの子こよ。彼かれらを裁さばくのなら、彼かれらの先せん祖ぞたちの行おこなった忌いまわしいことを彼かれらに告つげなさい。5彼かれらに言いいなさい、と主しゅなる神かみはこう言いわれる。

わたしがイスラエルを選えらんだ日ひに、わたしはヤコブの家いえの子し孫そんに誓ちかい、エジプトの地ちで彼かれらにわたしを知しらせたとき、彼かれらに誓ちかって、わたしはお前まえたちの神かみ、主しゅであると言いった。6その日ひ、わたしは彼かれらに誓ちかい、わたしは彼かれらをエジプトの地ちから連つれ出だして、彼かれらのために探さがし求もとめた土と地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる地ち、すべての国くに々ぐにの中なかで最もっとも美うつくしい土と地ちに導みちびく、と言いった。

7わたしはまた、彼かれらに言いった。『おのおの、目めの前まえにある憎にくむべきものを投なげ捨すてよ。エジプトの偶ぐう像ぞうによって自じ分ぶんを汚けがしてはならない。わたしはお前まえたちの神かみ、主しゅである』と。8しかし、彼かれらはわたしに逆さからい、わたしに聞きき従したがおうとはしなかった。おのおの、目めの前まえの憎にくむべきものを投なげ捨すてず、エジプトの偶ぐう像ぞうを捨すてようとはしなかった。そこで、わたしは言いった。『わたしは憤いきどおりを彼かれらの上うえに注そそぎ、エジプトの地ちでわたしの怒いかりを浴あびせる』と。9しかし、わたしはわが名なのために、彼かれらがその中なかに住すんでいる諸しょ国こく民みんの目めの前まえでは、わが名なを汚けがすことがないようにした。その諸しょ国こく民みんの目めの前まえで、わたしはイスラエルをエジプトの地ちから導みちびき出だして、わたしを示しめしたのである。

10わたしは、彼かれらをエジプトの地ちから連つれ出だし、荒あれ野のに導みちびいた。11そして、彼かれらにわたしの掟おきてを与あたえ、わたしの裁さばきを示しめした。人ひとがそれを行おこなえば、それによって生いきることができる。12また、わたしは、彼かれらにわたしの安あん息そく日びを与あたえた。これは、わたしと彼かれらとの間あいだのしるしとなり、わたしが彼かれらを聖せい別べつする主しゅであることを、彼かれらが知しるためであった。13しかし、イスラエルの家いえは荒あれ野のでわたしに背そむき、人ひとがそれを行おこなえば生いきることができるわたしの掟おきてに歩あゆまず、わたしの裁さばきを退しりぞけ、更さらに、わたしの安あん息そく日びを甚はなはだしく汚けがした。それゆえ、わたしは荒あれ野ので、憤いきどおりを彼かれらの上うえに注そそぎ、彼かれらを滅ほろぼし尽つくそうとした。14しかし、わが名なのために、わたしがイスラエルを連つれ出だしたときに見みていた諸しょ国こく民みんの前まえで、わが名なを汚けがすことがないようにした。15ただし、荒あれ野ので彼かれらに誓ちかい、わたしが与あたえた土と地ち、乳ちちと蜜みつの流ながれる地ち、すべての国くに々ぐにの中なかで最もっとも美うつくしい土と地ちに、彼かれらを導みちびき入いれることはしないと告つげた。16それは、彼かれらがわたしの裁さばきを退しりぞけ、わたしの掟おきてに従したがって歩あゆまず、わたしの安あん息そく日びを汚けがしたからだ。彼かれらの心こころは、自じ分ぶんたちの偶ぐう像ぞうにひかれていたのである。17それでも、わたしの目めは彼かれらを憐あわれんで、彼かれらを滅ほろぼさなかった。彼かれらを荒あれ野ので滅ほろぼし尽つくすことはしなかった。

18わたしは、荒あれ野ので彼かれらの子こ供どもたちに語かたった。『お前まえたちの父ふ祖その掟おきてに従したがって歩あゆんではならない。彼かれらの裁さばきを守まもってはならない。また、彼かれらの偶ぐう像ぞうで自みずからを汚けがしてはならない。19わたしはお前まえたちの神かみ、主しゅである。お前まえたちは、わたしの掟おきてに従したがって歩あゆみ、わたしの裁さばきを守まもり行おこない、20わたしの安あん息そく日びを聖せい別べつして、わたしとお前まえたちとの間あいだのしるしとし、わたしがお前まえたちの神かみ、主しゅであることを知しれ』と。21しかし、子こ供どもたちもわたしに背そむき、人ひとがそれを行おこなえば生いきることができるわたしの掟おきてに歩あゆまず、わたしの裁さばきを守まもり行おこなわず、わたしの安あん息そく日びを汚けがした。それゆえ、わたしは荒あれ野ので彼かれらの上うえに憤いきどおりを注そそぎ、怒いかりを浴あびせる、と言いった。22しかし、わたしは手てを引ひき戻もどし、わが名なのために、わたしがイスラエルを連つれ出だしたときに見みていた諸しょ国こく民みんの前まえでわたしの名なを汚けがすことがないようにした。23ただし、わたしは荒あれ野ので彼かれらに誓ちかい、彼かれらを諸しょ国こく民みんの間あいだに散ちらし、諸しょ国こくに追おいやると告つげた。24なぜなら、彼かれらがわたしの裁さばきを行おこなわず、わたしの掟おきてを退しりぞけ、わたしの安あん息そく日びを汚けがし、彼かれらの父ふ祖その偶ぐう像ぞうに目めをひかれていたからである。25わたしもまた、良よくない掟おきてと、それによって生いきることができない裁さばきを彼かれらに与あたえた。26また、彼かれらが初うい子ごをすべてささげたとき、わたしは彼かれらの献ささげ物ものによって彼かれらを汚けがした。それは、わたしが彼かれらを荒こう廃はいさせ、わたしが主しゅであることを知しらせるためであった。

27それゆえ、イスラエルの家いえに語かたりなさい。人ひとの子こよ、彼かれらに言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえたちの父ふ祖そは、わたしに対たいして裏うら切ぎりを行おこない、またもや、わたしを冒ぼう瀆とくした。28わたしが与あたえると誓ちかったその地ちに彼かれらを導みちびき入いれたとき、彼かれらは高たかい丘おかや茂しげった木きを見みると、どこででも、いけにえをささげ、わたしを怒いからせる供そなえ物ものをささげた。彼かれらはまた、そこで宥なだめの香かおりをたき、ぶどう酒しゅの献ささげ物ものを注そそぎかけた。29わたしは彼かれらに言いった。『お前まえたちが通かよう聖せいなる高たか台だいは一いっ体たい何なにか』と。それゆえ、今こん日にちまでその場ば所しょの名なは、聖せいなる高たか台だいと呼よばれている。

30それゆえ、イスラエルの家いえに言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえたちは父ふ祖その歩あゆみに従したがって自みずからを汚けがし、彼かれらの憎にくむべき偶ぐう像ぞうと姦かん淫いんを行おこなってきた。31また、自じ分ぶんの子こ供どもを献ささげ物ものとして火ひの中なかを通とおらせ、すべての偶ぐう像ぞうによって今こん日にちに至いたるまで自みずからを汚けがしている。それなのに、イスラエルの家いえよ、わたしはお前まえたちの求もとめに応おうじられようか。わたしは生いきている、と主しゅなる神かみは言いわれる。わたしは決けっしてお前まえたちの求もとめには応おうじない。

32お前まえたちは、『我われ々われは諸しょ国こく民みんのように、また、世せ界かい各かく地ちの種しゅ族ぞくのように、木きや石いしの偶ぐう像ぞうに仕つかえよう』と言いっているが、お前まえたちが心こころに思おもうそのようなことは決けっして実じつ現げんしない。33わたしは生いきている、と主しゅなる神かみは言いわれる。わたしは必かならず、強つよい手てと伸のばした腕うでと、溢あふれる憤いきどおりをもって、お前まえたちを治おさめる。34強つよい手てと伸のばした腕うでと、溢あふれる憤いきどおりをもって、わたしはお前まえたちを諸しょ国こくの民たみの中なかから連つれ出だし、散ちらされた国くに々ぐにから集あつめる。35わたしはお前まえたちを、諸しょ国こくの民たみの荒あれ野のに導みちびき、顔かおと顔かおを合あわせてお前まえたちを裁さばく。36お前まえたちの父ふ祖そをエジプトの国くにの荒あれ野ので裁さばいたように裁さばく、と主しゅなる神かみは言いわれる。37わたしは、お前まえたちを牧ぼく者しゃの杖つえの下したを通とおらせて、契けい約やくのきずなのもとに導みちびく。38わたしはお前まえたちの中なかから、わたしに逆さからい、背そむく者ものを分ぶん離りする。わたしは、彼かれらを寄き留りゅうの地ちから連つれ出だすが、彼かれらはイスラエルの土と地ちに入はいることはできない。そのとき、お前まえたちはわたしが主しゅであることを知しるようになる。

39お前まえたちイスラエルの家いえよ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。おのおの自じ分ぶんの偶ぐう像ぞうのもとに行いき、それに仕つかえよ。その後のち、お前まえたちは必かならずわたしに聞きき従したがい、二度どと偶ぐう像ぞうに贈おくり物ものをささげて、わたしの聖せいなる名なを汚けがすことはなくなる。40わたしの聖せいなる山やま、イスラエルの高たかい山やまで、と主しゅなる神かみは言いわれる。そこにおいてのみ、この地ちにいるイスラエルの家いえはすべて、こぞってわたしに仕つかえる。そこでのみ、わたしは彼かれらを受うけ入いれ、その所ところで、献ささげ物ものと聖せいなる最さい上じょうの供そなえ物ものを求もとめる。41わたしは、宥なだめの香かおりと共ともに、お前まえたちを受うけ入いれる。わたしが諸しょ国こくの民たみの中なかから連つれ出だし、散ちらされていた国くに々ぐにから集あつめるとき、わたしは諸しょ国こく民みんの前まえで、お前まえたちに自じ分ぶんを聖せいなる者ものとして示しめす。42わたしが、先せん祖ぞに与あたえると誓ちかった地ち、イスラエルの土と地ちに導みちびき入いれるとき、お前まえたちはわたしが主しゅであることを知しるようになる。43その所ところで、お前まえたちは自じ分ぶんの歩あゆんだ道みち、自じ分ぶんを汚けがしたすべての行おこないを思おもい起おこし、自じ分ぶんの行おこなったあらゆる悪あくのゆえに自じ分ぶんを嫌けん悪おするようになる。44お前まえたちの悪わるい道みちや堕だ落らくした行おこないによることなく、わが名なのゆえに、わたしが働はたらきかけるとき、イスラエルの家いえよ、お前まえたちはわたしが主しゅであることを知しるようになる」と主しゅなる神かみは言いわれる。

エルサレムに向むけられる剣つるぎ

21

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、顔かおをテマンに向むけ、ダロムに向むかって言こと葉ばを注そそぎ出だし、ネゲブの野のの森もりに向むかって預よ言げんせよ。3ネゲブの森もりに言いいなさい。主しゅの言こと葉ばを聞きけ。主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしはお前まえに火ひをつける。火ひは、お前まえの中なかの青あお木きも枯かれ木きも焼やき尽つくす。燃もえ盛さかる炎ほのおは消きえず、地ちの面おもては南みなみから北きたまで、ことごとく焦しょう土どと化かす。4生いける者ものは皆みな、主しゅなるわたしがそれを焼やき尽つくしたことを認みとめるようになる。その火ひは消きえることがない。」5そのとき、わたしは言いった。「ああ、主しゅなる神かみよ、彼かれらはわたしについて、『彼かれはことわざを語かたる者ものにすぎないではないか』と言いっています」と。

6そのとき、主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。7「人ひとの子こよ、顔かおをエルサレムに向むけ、聖せい所じょに向むかって言こと葉ばを注そそぎ出だし、イスラエルの地ちに対たいして預よ言げんせよ。8イスラエルの地ちに向むかって言いいなさい。主しゅはこう言いわれる。わたしはお前まえに立たち向むかい、わたしの剣つるぎの鞘さやをはらい、お前まえたちの中なかの正ただしい者ものも悪わるい者ものも切きり捨すてる。9わたしがお前まえたちの中なかから、正ただしい者ものも悪わるい者ものも切きり捨すてるために、わたしの剣つるぎは鞘さやを離はなれ、南みなみから北きたまで、すべての生いける者ものに向むかう。10そのとき、生いける者ものは皆みな、主しゅなるわたしが剣つるぎを鞘さやから抜ぬいたことを知しるようになる。剣つるぎは二度どと鞘さやには戻もどらない。

11人ひとの子こよ、呻うめけ。人ひと々びとの前まえで腰こしをよろめかし、苦くるしみ呻うめけ。12人ひと々びとがあなたに、『どうして呻うめいているのか』と問とうならば、彼かれらに答こたえて言いいなさい。『この知しらせが届とどいたからだ』と。すべての人ひとは勇ゆう気きを失うしない、手ては力ちからなく垂たれ、すべての霊れいは力ちからを失うしない、すべての膝ひざは水みずのように力ちからを失うしなう。知しらせは届とどいた。それは実じつ現げんする」と主しゅなる神かみは言いわれる。

13主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。14「人ひとの子こよ、預よ言げんして言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。

剣つるぎだ。剣つるぎが研とがれ、磨みがかれた。

15殺さつ戮りくのためにそれは研とがれ

稲いな妻ずまのように磨みがかれた。

我われらは喜よろこびうるか

わが子この王おう笏しゃくが

他たのすべての杖つえを侮あなどるのを。

16この剣つるぎは磨みがくために渡わたされ

手てに握にぎられる。

また、殺ころす者ものの手てに渡わたされるために

研とがれ、磨みがかれる。

17泣なき叫さけべ、人ひとの子こよ。

剣つるぎがわが民たみに臨のぞむ。

また、イスラエルのすべての君くん侯こうに臨のぞむ。

彼かれらはわが民たみと共ともに

剣つるぎの前まえに投なげ出だされる。

それゆえ、お前まえは腿ももを打うって悲かなしめ。

18それは試こころみを経へたものである。もし、それが侮あなどる杖つえでないとしたら、一いっ体たい何なにであろう、と主しゅなる神かみは言いわれる。

19人ひとの子こよ、手てを打うち鳴ならして預よ言げんしなさい。

剣つるぎは二倍ばいになり、また三倍ばいになる。

それは殺さつ戮りくの剣つるぎ

彼かれらを貫つらぬく大おおいなる殺さつ戮りくの剣つるぎ。

20それにより、人ひと々びとの心こころは溶とけ

つまずく者ものが増ふえる。

すべての門もんに、殺さつ戮りくの剣つるぎをわたしは送おくる。

ああ、剣つるぎは稲いな妻ずまのようにきらめき

殺ころすために、引ひき抜ぬかれる。

21刃やいばを鋭するどくせよ。

右みぎに向むかい、また、左ひだりに向むかい

お前まえの向むかう所ところへどこへでも。

22わたしもまた手てを打うち鳴ならし

憤いきどおりに身みをまかせよう。」

主しゅなるわたしがこれを語かたった。

23主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。24「人ひとの子こよ、あなたはバビロンの王おうの剣つるぎが来くるために、二つの道みちを用よう意いせよ。二つの道みちを一つの国くにから延のばし、それぞれの町まちへ至いたる道みちが分わかれる地ち点てんに標ひょう識しきを作つくり、25剣つるぎが、アンモン人じんのラバおよびユダの堅けん固ごな都みやこエルサレムに進すすみうるように道みちを備そなえなさい。26バビロンの王おうは二つの道みちの分わかれる地ち点てんに立たち、そこで占うらないを行おこなう。彼かれは矢やを振ふり、テラフィムに問とい、肝かん臓ぞうを見みる。27彼かれの右みぎの手てに、エルサレムに対たいする占うらないが出でる。占うらないは破は城じょう槌つちを置おき、殺さつ戮りくを宣せん言げんし、戦たたかいの呼よび声ごえをあげ、門もんに向むかって破は城じょう槌つちを置おき、塁るいを築きずき、堡ほう塁るいを建たてよ、と命めいずる。28それはエルサレムの民たみの目めには空むなしい占うらないのように思おもわれる。彼かれらは自じ分ぶんのために立たてられた誓ちかいに頼たよっている。しかし、それは彼かれらの罪つみを思おもい起おこさせ、彼かれらは捕とらわれの身みとなる。

29それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえたちは罪つみを思おもい起おこされ、背そむきがあらわにされ、過あやまちが自みずからのすべての行おこないによって示しめされ、まさにこれらのことが思おもい起おこされたゆえに、お前まえたちは敵てきの手てに捕とらえられる。30悪あくに汚けがれたイスラエルの君くん主しゅよ、お前まえの日ひが、終おわりの刑けい罰ばつの時ときにやって来くる。

31主しゅなる神かみはこう言いわれる。頭ず巾きんをはずし、冠かんむりを取とれ。これはこのままであるはずがない。高たかい者ものは低ひくくされ、低ひくい者ものは高たかくされる。32荒こう廃はい、荒こう廃はい、荒こう廃はいをわたしは都みやこにもたらす。かつてこのようなことが起おこったことはない。それは権けん威いを身みに帯おびた者ものが到とう来らいするまでである。わたしは権けん威いを彼かれに与あたえる。」

33人ひとの子こよ、あなたは預よ言げんして言いいなさい。主しゅなる神かみは、アンモン人じんとその嘲あざけりに対たいしてこう言いわれる。あなたは言いいなさい。

「剣つるぎよ。剣つるぎは殺さつ戮りくのために抜ぬかれ、きらめくまでに磨みがき上あげられる。34彼かれらがお前まえに空むなしい幻まぼろしを示しめし、欺あざむきの占うらないを行おこなったゆえに、剣つるぎは悪あくに汚けがれた者ものどもの首くびに置おかれる。彼かれらの日ひが、終おわりの刑けい罰ばつの時ときにやって来くる。

35剣つるぎをもとの鞘さやに納おさめよ。お前まえが創そう造ぞうされた場ば所しょ、お前まえの出しゅっ身しん地ちで、わたしはお前まえを裁さばく。36わたしは憤いきどおりをお前まえの上うえに注そそぎかけ、怒いかりの火ひをお前まえに吹ふきつける。わたしは、滅ほろぼすことにたけた荒あら々あらしい者ものたちの手てにお前まえを渡わたす。37火ひはお前まえを焼やき尽つくし、お前まえの血ちは国くにの真まん中なかに流ながされるが、お前まえは思おもい出だされることもない。」主しゅなるわたしがこれを語かたった。

流りゅう血けつの町まち

22

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、あなたはこの流りゅう血けつの都みやこを裁さばくのか。それならば、この都みやこにそのすべての忌いまわしいことを知しらせよ。3そして言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。自みずからの真まん中なかに血ちを流ながし、自じ分ぶんの時ときを来こさせようとする都みやこよ。自じ分ぶんのために偶ぐう像ぞうを造つくって、自みずからを汚けがす都みやこよ。4流ながした血ちによってお前まえは罪つみを負おい、造つくった偶ぐう像ぞうによって汚けがされる。こうしてお前まえは自じ分ぶんの日ひを近ちかづかせ、自じ分ぶんの年としを来こさせる。それゆえ、わたしはお前まえを諸しょ国こく民みんの嘲あざけりの的まととし、すべての国くに々ぐにの笑わらいものとする。5近ちかくの者ものも遠とおくの者ものも、自じ分ぶんの名なを汚けがして混こん乱らんに満みちているお前まえを嘲あざ笑わらうだろう。6イスラエルの君くん侯こうたちは、お前まえの中なかでおのおの力ちからを振ふるい、血ちを流ながしている。7父ちちと母はははお前まえの中なかで軽かろんじられ、お前まえの中なかに住すむ他た国こく人じんは虐しいたげられ、孤こ児じや寡か婦ふはお前まえの中なかで苦くるしめられている。8お前まえはわたしの聖せいなるものをさげすみ、わたしの安あん息そく日びを汚けがした。9お前まえの中なかには、血ちを流ながすために人ひとを中ちゅう傷しょうする者ものがおり、山やまの上うえの聖せい所じょで食しょく事じし、お前まえの中なかで恥はずべき事ことを行おこなう者ものたちがいる。10またお前まえの中なかには、父ちちを辱はずかしめたり、生せい理り中ちゅうの女じょ性せいを犯おかす者ものたちがいる。11ある者ものは隣りん人じんの妻つまと忌いまわしい事ことを行おこない、ある者ものは、恥はずべき事ことを行おこなって嫁よめを犯おかし、またある者ものは異い母ぼ姉し妹まいを凌りょう辱じょくする。12お前まえの中なかには賄わい賂ろを取とって流りゅう血けつの罪つみを犯おかす者もの、利り息そくを天てん引びきして金かねを貸かしたり、高こう利りを取とって隣りん人じんを抑よく圧あつする者ものがいる。お前まえはわたしを忘わすれた、と主しゅなる神かみは言いわれる。13わたしは、お前まえが得えた不ふ正せいの利り益えきに対たいし、またお前まえの中なかで流ながされた血ちに対たいして、わたしの手てを打うち鳴ならす。14わたしが裁さばきを行おこなう日ひに、お前まえの心こころは耐たえられようか。お前まえの手ての力ちからはうせないだろうか。主しゅであるわたしが、これを語かたりこれを行おこなう。15わたしはお前まえを諸しょ国こく民みんの間あいだに散ちらし、国くに々ぐににまき散ちらす。わたしはお前まえの汚けがれを取とり除のぞく。16お前まえは諸しょ国こく民みんの前まえで自じ分ぶんの罪つみによって汚けがされる。こうして、お前まえはわたしが主しゅであることを知しるようになる。」

17主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。18「人ひとの子こよ、イスラエルの家いえはわたしにとって金かな滓かすのようになった。彼かれらは炉ろの中なかで、みな銀ぎん、銅どう、錫すず、鉄てつ、鉛なまりなどであった。ところが彼かれらは金かな滓かすとなってしまった。19それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえたちがみな金かな滓かすとなったので、わたしはお前まえたちをエルサレムの真まん中なかに集あつめる。20銀ぎん、銅どう、鉄てつ、鉛なまり、錫すずが炉ろの中なかに集あつめられ、火ひを吹ふきつけて溶とかされるように、わたしも怒いかりと憤いきどおりをもってお前まえたちを集あつめ、火ひを吹ふきつけて溶とかす。21わたしがお前まえたちを集あつめ、わたしの怒いかりの火ひを吹ふきつけると、お前まえたちはその中なかで溶とける。22銀ぎんが炉ろの中なかで溶とけるように、お前まえたちもその中なかで溶とける。そのとき、お前まえたちは主しゅなるわたしが、憤いきどおりをお前まえたちの上うえに注そそいだことを知しるようになる。」

23主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。24「人ひとの子こよ、エルサレムに語かたりなさい。お前まえは憤いきどおりの日ひに、雨あめも降ふらず清きよめられることもない土と地ちだ。25都みやこの中なかに預よ言げん者しゃたちの陰いん謀ぼうがある。獅し子しがほえ、獲え物ものを引ひき裂さくように、都みやこの中なかで人ひと々びとは食くわれ、富とみや財ざい宝ほうが奪うばわれ、やもめの数かずは増ました。26祭さい司したちはわたしの律りっ法ぽうを犯おかし、わたしの聖せいなるものを汚けがした。彼かれらは聖せいと俗ぞくとを区く別べつせず、浄じょうと汚けがれの区く別べつを教おしえず、わたしの安あん息そく日びに目めを覆おおった。こうして、わたしは彼かれらの間あいだで汚けがされている。27また、高こう官かんたちは都みやこの中なかで獲え物ものを引ひき裂さく狼おおかみのようだ。彼かれらは不ふ正せいの利りを得えるために、血ちを流ながし、人ひと々びとを殺ころす。28また、預よ言げん者しゃたちは、城じょう壁へきに漆しっ喰くいで上うわ塗ぬりをした。彼かれらは空むなしい幻まぼろしを見み、欺あざむきの占うらないをし、主しゅが語かたられないのに、『主しゅなる神かみはこう言いわれる』と言いう。29国くにの民たみは抑よく圧あつを行おこない、強ごう奪だつをした。彼かれらは貧まずしい者もの、乏とぼしい者ものを苦くるしめ、寄き留りゅうの外がい国こく人じんを不ふ当とうに抑よく圧あつした。30この地ちを滅ほろぼすことがないように、わたしは、わが前まえに石いし垣がきを築きずき、石いし垣がきの破やぶれ口ぐちに立たつ者ものを彼かれらの中なかから探さがし求もとめたが、見みいだすことができなかった。31それゆえ、わたしは憤いきどおりを彼かれらの上うえに注そそぎ、怒いかりの火ひによって彼かれらを滅ほろぼし、彼かれらの行おこないの報むくいをその頭ず上じょうに返かえす」と主しゅなる神かみは言いわれる。

オホラとオホリバ

23

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、かつて二ふた人りの女じょ性せいがいた。彼かの女じょたちは同おなじ母ははの娘むすめであった。3彼かの女じょたちはエジプトで淫いん行こうを行おこなった。まだ若わかいのに淫いん行こうを行おこなった。その地ちで、彼かの女じょたちの乳ち房ぶさは握にぎられ、処しょ女じょの乳ち首くびは摘つままれた。4彼かの女じょたちの名なは、姉あねはオホラ、妹いもうとはオホリバといった。彼かの女じょたちはわたしのものとなり、息むす子こ、娘むすめたちを産うんだ。彼かの女じょたちの名な前まえであるオホラはサマリア、オホリバはエルサレムのことである。

5オホラはわたしのもとにいながら、姦かん淫いんを行おこない、その愛あい人じんである戦せん士しアッシリア人じんに欲よく情じょうを抱いだいた。6それは紫むらさきの衣ころもを着きた高こう官かん、知ち事じ、長ちょう官かんという皆みな、好このましい男おとこたち、馬うまに乗のる騎き士したちであった。7彼かの女じょはこの者ものどもと姦かん淫いんを行おこなったが、彼かれらは皆みな、アッシリアの支し配はい者しゃたちであった。彼かの女じょは欲よく情じょうを抱いだいていたすべての者もの、およびその偶ぐう像ぞうによって身みを汚けがした。8彼かの女じょはエジプト以い来らいの淫いん行こうから離はなれなかった。人ひと々びとは彼かの女じょの若わかいときに彼かの女じょと寝ねて、処しょ女じょの乳ち首くびを摘つまみ、淫いん行こうを彼かの女じょに注そそいだからである。9それゆえ、わたしは彼かの女じょをその愛あい人じんの手てに、彼かの女じょが欲よく情じょうを抱いだいたアッシリアの人ひと々びとの手てに渡わたした。10彼かれらは彼かの女じょの裸はだかをあらわにし、彼かの女じょの息むす子こ、娘むすめたちを奪うばい、ついに彼かの女じょを剣つるぎで殺ころした。このように彼かれらは彼かの女じょを裁さばき、彼かの女じょは女おんなたちの物もの笑わらいとなった。

11妹いもうとオホリバはこれを見みたが、彼かの女じょの欲よく情じょうは姉あねよりも激はげしく、その淫いん行こうは姉あねよりもひどかった。12彼かの女じょはアッシリアの人ひと々びとに欲よく情じょうを抱いだいた。彼かれらは知ち事じ、長ちょう官かん、戦せん士し、盛せい装そうした者もの、馬うまに乗のる騎き兵へいたちで、皆みな、好このましい男おとこたちであった。13彼かの女じょが自みずからを汚けがすのをわたしは見みたが、二ふた人りとも同おなじ仕し方かたであった。14彼かの女じょは淫いん行こうを更さらに加くわえ、次つぎには壁かべに浮うき彫ぼりされた人ひと々びと、朱しゅ色いろに描えがかれたカルデア人じんの像ぞうに目めを留とめた。15彼かれらは腰こしに帯おびを締しめ、頭あたまには端はしを垂たらすターバンを巻まいており、皆みな、指し揮き官かんのようであった。彼かれらはカルデア出しゅっ身しんのバビロン人じんの様よう子すをしていた。16彼かの女じょが彼かれらの有あり様さまに目めを留とめると欲よく情じょうを抱いだき、使し者しゃをカルデアの彼かれらのもとに遣つかわした。17そこで、バビロンの人ひと々びとは愛あいの床とこを共ともにするために彼かの女じょのもとに来きたり、淫いん行こうをもって彼かの女じょを汚けがした。彼かの女じょは彼かれらと共ともに自じ分ぶんを汚けがしたが、やがてその心こころは彼かれらから離はなれた。18彼かの女じょがこれ見みよがしに姦かん淫いんを行おこない、裸はだかをあらわにしたので、わたしの心こころは、姉あねから離はなれたように彼かの女じょからも離はなれた。19彼かの女じょは、かつてエジプトの地ちで淫いん行こうを行おこなった若わかいころを思おもい起おこして、淫いん行こうを重かさねた。20彼かの女じょは、ろばのような肉にくをもち、馬うまのような精せいをもった者ものの側そば女めであることに欲よく情じょうを燃もやした。21このように、彼かの女じょはエジプトでその若わかい乳ち房ぶさを握にぎられ、乳ち首くびを摘つままれた若わかい日ひの不ふ貞ていを再ふたたび味あじわった。

22それゆえ、オホリバよ。主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは、お前まえの心こころが離はなれた愛あい人じんどもを呼よび起おこし、お前まえに立たち向むかわせ、彼かれらを周しゅう囲いからお前まえのもとに来こさせる。23それはバビロンの人ひと々びととカルデアのすべての人ひと々びと、ペコド、ショア、コアおよびアッシリアのすべての人ひと々びとである。彼かれらは皆みな、好このましい男おとこたちで、知ち事じ、長ちょう官かん、指し揮き官かん、戦せん士し、すべて馬うまに乗のる者ものたちである。24彼かれらは、武ぶ装そうした戦せん車しゃ、車くるま、軍ぐん勢ぜいをもってお前まえを攻せめ、大おお盾だて、小こ盾だて、兜かぶとをもってお前まえを取とり囲かこむ。わたしが裁さばきを彼かれらにゆだねたので、彼かれらは自じ分ぶんたちの裁さばきの仕し方かたでお前まえを裁さばく。25わたしは熱ねつ情じょうをもってお前まえに立たち向むかい、彼かれらは憤いきどおりをもってお前まえをあしらう。彼かれらはお前まえの鼻はなと耳みみをそぎ取とり、残のこった者ものは剣つるぎに倒たおれる。彼かれらはお前まえの息むす子こ、娘むすめたちを連つれ去さり、残のこった者ものは火ひで焼やき尽つくされる。26彼かれらはお前まえの衣い服ふくをはぎ取とり、美うつくしい飾かざりを奪うばう。27わたしはお前まえの不ふ貞ていと、エジプトの地ちにいたとき以い来らいの淫いん行こうをやめさせる。お前まえはそれらに目めを向むけず、もはやエジプトを思おもい起おこさない。

28主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしはお前まえが憎にくむ者ものの手てに、既すでにお前まえの心こころが離はなれてしまった者ものの手てにお前まえを渡わたす。29彼かれらは憎にくしみをもってお前まえをあしらい、労ろう苦くによって得えたものを奪うばい、お前まえを裸はだかにして捨すてる。お前まえの淫いん行こうと不ふ貞ていと姦かん淫いんは、裸はだかにされて暴あばかれる。30これらのことが臨のぞむのは、お前まえが諸しょ国こく民みんと姦かん淫いんを行おこない、彼かれらの偶ぐう像ぞうによって身みを汚けがしたためである。31お前まえは姉あねの歩あゆんだ道みちを歩あゆんだので、わたしは彼かの女じょの杯さかずきをお前まえの手てに渡わたす。

32主しゅなる神かみはこう言いわれる。

姉あねの杯さかずきを、お前まえは飲のまねばならぬ

深ふかくて大おおきい杯さかずきを。

お前まえは嘲あざけられ、侮あなどられる。

杯さかずきは満みち溢あふれている。

33お前まえは酔よいと悲かなしみで満みたされる。

恐おそれと滅ほろびの杯さかずき

お前まえの姉あねサマリアの杯さかずき

34お前まえはそれを飲のみ干ほして

杯さかずきのかけらまでかまねばならない。

そして自じ分ぶんの乳ち房ぶさをかき裂さく。

わたしがこれを語かたったからだと

主しゅなる神かみが言いわれる。

35それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえはわたしを忘わすれ、わたしを後うしろに投なげ捨すてたのだから、不ふ貞ていと淫いん行こうの責せめを自じ分ぶんで負おわねばならぬ。

36主しゅはわたしに言いわれた。人ひとの子こよ、あなたはオホラとオホリバを裁さばくのか。あなたは彼かの女じょらにその忌いまわしいことを告つげ知しらせるがよい。37彼かの女じょたちは姦かん淫いんを行おこない、その手てには血ちがある。彼かの女じょたちは自じ分ぶんの偶ぐう像ぞうと姦かん淫いんを行おこなった。そしてわたしのために産うんだ彼かの女じょたちの息むす子こらさえ、食しょく物もつとして偶ぐう像ぞうにささげた。38更さらに、彼かの女じょたちはわたしに対たいして次つぎのことを行おこなった。すなわち、その日ひにわたしの聖せい所じょを汚けがし、わたしの安あん息そく日びを汚けがした。39彼かの女じょたちはその息むす子こを殺ころして偶ぐう像ぞうにささげたその日ひに、わたしの聖せい所じょに来きてそれを汚けがした。このようなことを、彼かの女じょたちはわたしの家いえの中なかで行おこなった。40また、彼かの女じょたちは遠とおくから来くる者ものたちのために人ひとを遣つかわした。彼かれらのもとに使し者しゃが遣つかわされた。そして、彼かれらがやって来くると、彼かの女じょは彼かれらのために身みを洗あらい、目めにくま取どりをし、飾かざり物もので身みを飾かざり、41華はなやかなベッドに座すわった。また、その前まえに宴うたげの座ざを用よう意いし、わたしの香こうと油あぶらをそこに置おいた。42そこには、軽けい薄はくな群ぐん衆しゅう、荒あれ野のから連つれて来こられた多おおくの人ひと々びとの騒さわぎの声こえが起おこった。彼かれらは彼かの女じょたちの手てに、腕うで輪わをはめ、頭あたまには美うつくしい冠かんむりをかぶせた。43わたしは、淫いん行こうに疲つかれ果はてた彼かの女じょについて言いった。今いまも彼かれらは彼かの女じょと淫いん行こうを重かさねるのか。また彼かの女じょも。44やはり、彼かれらは彼かの女じょのもとへ行いった。遊ゆう女じょのもとに行いくように、彼かれらはこの不ふ貞ていの女おんなオホラとオホリバのもとへ行いった。45正ただしい人ひと々びとは、姦かん淫いんの女おんなの裁さばきと血ちを流ながす者ものの裁さばきに従したがって、彼かの女じょたちを裁さばく。彼かの女じょたちが姦かん淫いんの女おんなであり、その手てが血ちに染そまっているからである。

46主しゅなる神かみはこう言いわれる。彼かの女じょたちのために会かい衆しゅうを召しょう集しゅうせよ。彼かの女じょらを恐きょう怖ふと略りゃく奪だつの的まととせよ。47会かい衆しゅうは彼かの女じょらを石いしで打うち殺ころし、剣つるぎで切きり倒たおす。また、彼かの女じょらの息むす子こ、娘むすめたちを殺ころし、家いえを火ひで焼やく。48こうして、わたしはこの地ちの不ふ貞ていをやめさせる。すべての女おんなたちはこれに学まなび、お前まえたちの不ふ貞ていに従したがうことはない。49お前まえたちの不ふ貞ていの報むくいはお前まえたちに帰きし、お前まえたちは偶ぐう像ぞうによる過あやまちの責せめを負おわねばならない。そのとき、お前まえたちはわたしが主しゅなる神かみであることを知しるようになる。」

火ひの上うえの鍋なべ

24

1第だい九年ねんの十月がつ十とお日かのことである。その月つきの十とお日かに、主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、この日ひ付づけ、まさにこの日ひを書かき記しるしなさい。バビロンの王おうは、まさにこの日ひにエルサレムの攻こう城じょうを始はじめた。3あなたは反はん逆ぎゃくの家いえに対たいしてたとえを語かたり、彼かれらに言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。

据すえよ、鍋なべを据すえよ。

またその中なかに水みずを注そそげ。

4それに肉にくの切きれを入いれよ。

腿ももや肩かた肉にく、すべて上じょう質しつの肉にく切ぎれを集あつめ

最さい上じょうの骨ほねで鍋なべを満みたせ。

5また、最さい上じょうの羊ひつじを取とり

その下したに骨ほねを積つみ重かさねよ。

これを十じゅう分ぶんに沸ふっ騰とうさせ

中なかの骨ほねまで煮にえるようにせよ。

6それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。

災わざわいだ、流りゅう血けつの都みやこよ。

錆さびのついた鍋なべ、その錆さびは取とり除のぞきえない。

肉にくを一ひと切きれ一ひと切きれ取とり出だせ。

くじがそのために引ひかれることはない。

7流りゅう血けつが都みやこの中なかにあるからだ。

彼かの女じょは血ちを裸はだかの岩いわの上うえに流ながし

土つちで覆おおうために地じ面めんに注そそぐことをしなかった。

8わたしは復ふく讐しゅうのため憤いきどおりをかき立たて

彼かの女じょの血ちを裸はだかの岩いわの上うえに流ながし

それが覆おおわれないようにした。

9それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。

災わざわいだ、流りゅう血けつの都みやこよ。

わたしもまた、薪たきぎの山やまを大おおきくする。

10まきを積つみ重かさね、火ひをつけよ。

肉にくを煮に込こんで肉にく汁じるを作つくり、骨ほねを焦こがせ。

11鍋なべを空からにして炭すみ火びにのせ

熱ねっして、青せい銅どうが赤あかくなるまで焼やけ。

汚けがれがその中なかで溶とけ、錆さびがなくなるように。

12しかし、努ど力りょくのかいもなく

厚あつい錆さびは火ひでも取とり除のぞきえない。

13不ふ貞ていによってお前まえが汚けがれたので、わたしは清きよめようとしたが、お前まえは汚けがれから清きよくならなかった。わたしが憤いきどおりを晴はらすまでは、清きよくなることは決けっしてない。14主しゅなるわたしが語かたったのだ。それは実じつ現げんする。わたしがそれを行おこなう。わたしはそれをやめず、惜おしまず、憐あわれみもしない。お前まえの道みちと行おこないに従したがって、お前まえは裁さばかれる」と主しゅなる神かみは言いわれる。

エゼキエルの妻つまの死し

15主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。16「人ひとの子こよ、わたしはあなたの目めの喜よろこびを、一いち撃げきをもってあなたから取とり去さる。あなたは嘆なげいてはならない。泣ないてはならない。涙なみだを流ながしてはならない。17声こえをあげずに悲かなしめ。死し者しゃの喪もに服ふくすな。頭あたまにターバンを巻まき、足あしに靴くつを履はきなさい。口くちひげを覆おおうな。嘆なげきのパンを食たべてはならない。」

18朝あさ、わたしは人ひと々びとに語かたっていた。その夕ゆう、わたしの妻つまは死しんだ。翌よく朝あさ、わたしは命めいじられたとおりに行おこなった。19人ひと々びとはわたしに尋たずねた。「あなたが行おこなっているこれらの事ことは、我われ々われにどんな意い味みがあるのか告つげてくれないか」と。20そこでわたしは、彼かれらに語かたった。「主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。21イスラエルの家いえに言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは、わたしの聖せい所じょを汚けがす。それはお前まえたちの誇ほこる砦とりでであり、目めの喜よろこび、心こころの慕したうものであった。お前まえたちが残のこしてきた息むす子こ、娘むすめたちは、剣つるぎによって滅ほろびる。22わたしがしたように、お前まえたちもするようになる。お前まえたちは口くちひげを覆おおってはならない。嘆なげきのパンを食たべてはならない。23頭あたまにターバンを巻まき、足あしに靴くつを履はけ。また、嘆なげいてはならない。泣ないてはならない。お前まえたちは自じ分ぶんの罪つみのゆえに衰おとろえ、互たがいに嘆なげくようになる。24エゼキエルは、お前まえたちにとってしるしとなる。すべて彼かれが行おこなったように、お前まえたちもするであろう。すべてが実じつ現げんしたとき、お前まえたちは、わたしが主しゅなる神かみであることを知しるようになる。」

25人ひとの子こよ、わたしが彼かれらから、その砦とりで、栄えい光こうの喜よろこび、目めの喜よろこび、心こころの望のぞみであるもの、息むす子こ、娘むすめたちを取とり去さる日ひ、26その日ひ、逃のがれて来きた者ものが来きてあなたの耳みみに告つげる。27その日ひに、あなたは逃のがれて来きた者ものに向むかって口くちを開ひらいて語かたり、もはや黙もくしているな。あなたは彼かれらに対たいしてしるしとなり、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。

アンモン人じんへの預よ言げん

25

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、顔かおをアンモン人じんに向むけて、彼かれらに預よ言げんせよ。3アンモン人じんに言いいなさい。主しゅなる神かみの言こと葉ばを聞きけ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえはわたしの聖せい所じょが汚けがされ、イスラエルの地ちが荒あらされ、ユダの家いえが捕ほ囚しゅうとなって行いったことを、あはは、と言いって嘲あざけった。4それゆえ、わたしはお前まえを東ひがしの人ひと々びとに渡わたして彼かれらに所しょ有ゆうさせる。彼かれらはお前まえの中なかに陣じん営えいを張はり、住すまいを定さだめる。彼かれらはお前まえの果か実じつを食たべ、お前まえの乳ちちを飲のむ。5わたしは都みやこラバを、らくだが草くさをはむ所ところとし、アンモンの地ちを羊ひつじの憩いこう所ところとする。そのとき、お前まえたちはわたしが主しゅであることを知しるようになる。

6主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえは手てを打うち、足あしを踏ふみ鳴ならし、イスラエルの地ちに対たいする嘲あざけりの思おもいに満みちて喜よろこんだ。7それゆえ、わたしはお前まえに向むかって手てを伸のばし、お前まえを国くに々ぐにの略りゃく奪だつにゆだね、諸しょ国こく民みんの中なかから断たち、諸しょ国こくから一いっ掃そうして滅ほろぼし尽つくす。そのとき、お前まえはわたしが主しゅであることを知しるようになる。」

モアブへの預よ言げん

8主しゅなる神かみはこう言いわれる。「モアブとセイルは、『ユダの家いえも他たのすべての国くにのようになった』と言いった。9それゆえ、わたしはモアブの脇わき腹ばらを引ひき裂さき、この国くにの町まち々まちをすべて、その誇ほこりであるベト・エシモト、バアル・メオン、キルヤタイムをはじめひとつ残のこらず滅ほろぼし尽つくす。10わたしは、アンモン人じんと共ともにモアブを東ひがしの人ひと々びとに渡わたして所しょ有ゆうさせる。アンモン人じんが諸しょ国こく民みんの間あいだで思おもい起おこされることはない。11わたしはモアブに裁さばきを行おこなう。そのとき、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。」

エドムへの預よ言げん

12主しゅなる神かみはこう言いわれる。「エドムはユダの家いえに復ふく讐しゅうをした。彼かれらはその復ふく讐しゅうによって、大おおいに罪つみを犯おかした。13それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしはエドムに向むかって手てを伸のばし、その中なかから人ひとと獣けものを断たって荒あれ地ちとする。彼かれらはテマンからデダンにいたるまで剣つるぎで倒たおれる。14わたしは、わが民たみイスラエルによってエドムに復ふく讐しゅうする。彼かれらは、わたしの怒いかりと憤いきどおりのままにエドムに対たいして行おこなう。そのとき、彼かれらはわたしの復ふく讐しゅうを知しるようになる」と主しゅなる神かみは言いわれる。

ペリシテへの預よ言げん

15主しゅなる神かみはこう言いわれる。「ペリシテ人じんは復ふく讐しゅうし、嘲あざけりの思おもいをもって大おおいに仇あだを報むくい、昔むかしからの憎にくしみにかられて滅ほろぼそうとした。16それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは手てをペリシテ人じんに向むかって伸のばし、クレタ人じんを断たち、海うみ辺べに残のこっている者ものを一いっ掃そうする。17わたしは、彼かれらを憤いきどおりをもって懲こらしめ、大おおいに復ふく讐しゅうする。わたしが彼かれらに仇あだを報むくいるとき、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。」

ティルスへの預よ言げん

26

1第だい十一年ねん、その月つきの第だい一日にちに、主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、ティルスがエルサレムを嘲あざける。『ああ、諸しょ国こく民みんの門もんであったお前まえは打うち破やぶられ、わたしのものになった。わたしは富とみ、お前まえは廃すたれる。』3それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。

ティルスよ、わたしがお前まえに立たち向むかう。

わたしは、海うみが波なみを巻まき起おこすように

多おおくの国くに々ぐにをお前まえに立たち向むかわせる。

4彼かれらはティルスの城じょう壁ヘきを倒たおし、塔とうを破は壊かいする。

わたしはその土つちくれまでぬぐい去さり

ティルスを裸はだかの岩いわにする。

5ティルスは海うみの中なかにある網あみ干ほし場ばとなる。

これはわたし自じ身しんが語かたったことだと

主しゅなる神かみは言いわれる。

ティルスは諸しょ国こく民みんに略りゃく奪だつされ

6陸りくにある周しゅう囲いの町まち々まちも剣つるぎで滅ほろぼされる。

そのとき彼かれらは

わたしが主しゅであることを知しるようになる。

7主しゅなる神かみはこう言いわれる。

わたしは、王おうの王おうであるバビロンの王おう、ネブカドレツァルを北きたからティルスに来こさせる。彼かれは馬うまと戦せん車しゃと騎き兵ヘいと多おおくの軍ぐん勢ぜいを引ひき連つれてくる。

8彼かれは陸りくにある周しゅう囲いの町まち々まちを剣つるぎで滅ほろぼし

お前まえに向むかって堡ほう塁るいを築きずき

塁るいを積つみ、大おお盾だてを立たてる。

9彼かれは破は城じょう槌つちで城じょう壁ヘきを突つき崩くずし

鉄てつの棒ぼうで塔とうを打うち壊こわす。

10軍ぐん馬ばが怒ど濤とうのように襲おそい

土つち煙けむりがお前まえを覆おおう。

打うち破やぶられた町まちに敵てきが突とつ入にゅうするように

彼かれらがお前まえの城じょう門もんに攻せめ入いるとき

騎き兵ヘいと戦せん車しゃの車しゃ輪りんの音おとで城じょう壁ヘきは揺ゆれ動うごく。

11軍ぐん馬ばのひづめで、町まち並なみはすべて踏ふみにじられ

民たみは剣つるぎで殺ころされ、巨きょ大だいな柱はしらは地ちに倒たおれる。

12彼かれらは財ざい宝ほうを奪うばい、商しょう品ひんを略りゃく奪だつし

城じょう壁ヘきを破は壊かいし、華はなやかな宮きゅう殿でんを壊こわし

石いしや木きや土つちくれまで海うみに投なげ込こむ。

13わたしはお前まえの騒さわがしい歌うた声ごえをやめさせ

竪たて琴ごとの音ねが再ふたたび聞きかれることはない。

14わたしはお前まえを裸はだかの岩いわにする。

お前まえは網あみ干ほし場ばとなり

再ふたたび建たて直なおされることはない。

これは主しゅなるわたしが語かたったことだと

主しゅなる神かみは言いわれる。

15主しゅなる神かみは、ティルスに向むかってこう言いわれる。お前まえの中なかで、倒たおれた者ものが呻うめき、虐ぎゃく殺さつが行おこなわれるとき、町まちの倒たおれ落おちる響ひびきで、島しま々じまは揺ゆれ動うごかないだろうか。16海うみの支し配はい者しゃたちは、皆みなその座ざから降おり、礼れい服ふくを取とり去さり、美うつくしく織おった衣い服ふくを脱ぬぐ。彼かれらは恐きょう怖ふを身みにまとい、地ちに座すわり、絶たえ間まなく震ふるえながらお前まえを見みて驚おどろきあきれる。17彼かれらはお前まえに向むかって嘆なげきの歌うたをうたって言いう。

ああ、あなたは滅ほろびてしまった。

海うみのかなたから来きて住すみ着つき

誉ほまれある町まちとなったのに。

この町まちとそこに住すむ民たみは海うみのつわものとなり

海うみに住すむすべての者ものを震ふるえ上あがらせたのに。

18今いまや、その島しま々じまはあなたの倒たおれた日ひにおののき

海うみの島しま々じまは、あなたの終おわりを見みて恐おそれる。

19まことに、主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは、お前まえを住すむ者もののない町まちのように荒あれ果はてた町まちとし、淵ふちから水みずを湧わき上あがらせ、大おお水みずで覆おおう。20こうしてわたしは、穴あなに下くだる者ものたちと共ともに、お前まえをいにしえの民たみの中なかに落おとす。また、お前まえを穴あなに下くだる者ものたちと共ともに、永えい遠えんの昔むかしからの廃はい虚きょのような深ふかい地ちに住すまわせ、お前まえが生いける者ものの地ちで栄えい誉よをもって住すむことができないようにする。21わたしはお前まえを恐きょう怖ふに落おとす。それゆえ、お前まえは無むに帰きする。人ひとが探さがし求もとめても、お前まえは永えい久きゅうに見みいだされることはない」と主しゅなる神かみは言いわれる。

27

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、あなたはティルスのために、嘆なげきの歌うたをうたいなさい。3海うみの出で入いり口ぐちを支し配はいし、多おおくの島しま々じまを巡めぐり、諸しょ国こくの民たみと取とり引ひきを行おこなうティルスに向むかって言いいなさい。

主しゅなる神かみはこう言いわれる。

ティルスよ、お前まえは言いう。

『わたしの姿すがたは美うつくしさの極きわみ』と。

4お前まえの国くに境ざかいは海うみの真まん中なかにある。

お前まえを築きずいた者ものは、お前まえの美うつくしさを完かん全ぜんにした。

5彼かれらはセニルの檜ひのきでお前まえの外そと板いたを造つくり

レバノンの杉すぎで、帆ほ柱ばしらを立たてた。

6バシャンの樫かしの木きで、櫂かいを造つくり

キティムの島しま々じまの糸いと杉すぎに象ぞう牙げをはめこみ

甲かん板ぱんを造つくった。

7美うつくしく織おったエジプトの麻あさが

お前まえの帆ほとなり、旗はたとなり

エリシャの海かい岸がんから得えた紫むらさきと赤あか紫むらさきの毛け織おり物ものが

甲かん板ぱんの日ひよけとなった。

8シドンとアルワドの住じゅう民みんが漕こぎ手てとなり

ティルスよ、熟じゅく練れんした者ものが

乗のり込こんで水すい夫ふとなり

9ゲバルの老ろう練れんな者ものが乗のり込こんで

水みず漏もれを繕つくろう者ものとなった。

海うみのすべての船ふねと船ふな乗のりたちは

お前まえのもとに来きて、物ぶっ品ぴんを引ひき渡わたした。

10ペルシア、リディア、プトの人ひと々びとは

お前まえの部ぶ隊たいに入はいって戦せん士しとなり

盾たてと兜かぶとをお前まえの中なかに掛かけ

お前まえを美うつくしく飾かざり立たてた。

11アルワドとキリキアの人ひと々びとは城じょう壁ヘきの上うえをくまなく囲かこんで立たち、ガマディムの人ひと々びとは塔とうを固かためていた。彼かれらは小こ盾だてを城じょう壁ヘきの周まわりにくまなく掛かけ、それはお前まえの美うつくしさを完かん成せいした。12タルシシュはお前まえの豊ゆたかな富とみのゆえに商あきないに来きて、銀ぎん、鉄てつ、錫すず、鉛なまりをお前まえの商しょう品ひんと交こう換かんした。13ヤワン、トバル、メシェクの人ひと々びとは取とり引ひきを行おこない、彼かれらは奴ど隷れいと青せい銅どうの製せい品ひんをお前まえの物ぶっ品ぴんと交こう換かんした。14彼かれらはベト・トガルマから、馬うま、軍ぐん馬ば、らばを仕し入いれて、お前まえの商しょう品ひんと交こう換かんした。15ロドス島とうの人ひと々びとはお前まえと取とり引ひきを行おこない、多おおくの島しま々じまはお前まえの下もとで商あきないをし、彼かれらは象ぞう牙げと黒こく檀たんを貢みつぎ物ものとして献けん上じょうした。16アラムはお前まえの豊ゆたかな産さん物ぶつのゆえに商あきないに来きて、トルコ石いし、赤あか紫むらさきの毛け織おり物もの、美うつくしく織おった布ぬの地じ、上じょう質しつの亜あ麻ま織おり物もの、さんご、赤あかめのうをお前まえの商しょう品ひんと交こう換かんした。17ユダとイスラエルの国くにもまた、お前まえと取とり引ひきを行おこない、ミニトの小こ麦むぎ、きび、蜜みつ、油あぶら、乳にゅう香こうを、お前まえの物ぶっ品ぴんと交こう換かんした。18ダマスコはお前まえの多おおくの産さん物ぶつと豊ゆたかな富とみのゆえに商あきないをし、ヘルボンのぶどう酒しゅとツァハルの羊よう毛もうを運はこんで来きた。19ウザル地ち方ほうのウェダンとヤワンは、お前まえの商しょう品ひんと交こう換かんし、銑せん鉄てつ、桂けい皮ひ、香こう水すい萱がやをお前まえの物ぶっ品ぴんと取とり替かえた。20デダンは乗じょう馬ば用ようの粗あらい布ぬの地じで、お前まえと取とり引ひきを行おこなった。21アラブの人ひと々びととケダルの首しゅ長ちょうたちもまた、お前まえの下もとで商あきないをし、小こ羊ひつじ、雄お羊ひつじ、山や羊ぎを商あきなった。22シェバとラマの商しょう人にんたちは、お前まえと取とり引ひきを行おこない、極ごく上じょうのあらゆる香こう料りょう、あらゆる宝ほう石せき、黄おう金ごんをお前まえの商しょう品ひんと交こう換かんした。23ハラン、カンネ、エデンとシェバの商しょう人にんたち、アシュルとキルマドは、お前まえと取とり引ひきを行おこなった。24彼かれらはお前まえと取とり引ひきを行おこない、豪ごう華かな衣い服ふく、紫むらさきの衣ころも、美うつくしく織おった布ぬの地じ、多た彩さいな敷しき物もの、堅かたく丈じょう夫ぶによった綱つなで、お前まえと取とり引ひきを行おこなった。

25タルシシュの船ふねはお前まえの物ぶっ品ぴんを運はこび回まわった。

お前まえは荷にを重おもく積つみ

海うみの真まん中なかを進すすんだ。

26漕こぎ手てがお前まえを大おお海うな原ばらに漕こぎ出だしたが

東ひがし風かぜがお前まえを打うち砕くだいた

海うみの真まん中なかで。

27お前まえの富とみ、商しょう品ひん、物ぶっ品ぴん、船ふな乗のり、水すい夫ふ、水みず漏もれを繕つくろう者もの、物ぶっ品ぴんを交こう換かんする者もの、船せん上じょうのすべての戦せん士し、すべての乗のり組くみ員いんたちは、お前まえが滅ほろびる日ひに海うみの真まん中なかに沈しずむ。

28水すい夫ふたちの叫さけび声ごえで、町まちを取とりまく地ちは震ふるえる。

29櫂かいを漕こぐ者ものは皆みな、その船ふねから降おり

船ふな乗のりと水すい夫ふたちは皆みな、陸りくに立たち

30お前まえのために声こえをあげて、いたく泣なき叫さけぶ。

彼かれらは頭あたまに塵ちりをかぶり、灰はいの中なかで転ころげ回まわる。

31彼かれらはお前まえのために頭あたまをそり

粗あら布ぬのを身みにまとい

お前まえのために心こころを痛いためて泣なき

痛いたましい悲かなしみの声こえをあげる。

32また嘆なげきの声こえをあげて、哀あい歌かをうたい

お前まえのために挽ばん歌かをうたう。

誰だれが海うみの真まん中なかで

ティルスと同おなじようになっただろうか。

33お前まえは海うみを越こえて商しょう品ひんを輸ゆ出しゅつし

多おおくの国くに々ぐにの民たみを飽あき足たらせ

豊ゆたかな富とみと産さん物ぶつで、地ち上じょうの王おうたちを富とませた。

34今いま、お前まえは海うみで難なん破ぱし、水すい中ちゅう深ふかく沈しずんだ。

お前まえの積つみ荷にとすべての乗のり組くみ員いんは沈しずんだ。

35海うみ沿ぞいの国くに々ぐにの住じゅう民みんは皆みな、お前まえのことで驚おどろき

王おうたちは恐おそれおののき、顔かおはゆがんでいた。

36諸しょ国こくの民たみの商しょう人にんは

口くち笛ぶえを吹ふいて、お前まえを嘲あざける。

お前まえは人ひと々びとに恐きょう怖ふを引ひき起おこし

とこしえに消きえうせる。」

28

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、ティルスの君くん主しゅに向むかって言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえの心こころは高こう慢まんになり、そして言いった。『わたしは神かみだ。わたしは海うみの真まん中なかにある神かみ々がみの住すみかに住すまう』と。しかし、お前まえは人ひとであって神かみではない。ただ、自じ分ぶんの心こころが神かみの心こころのようだ、と思おもい込こんでいるだけだ。3お前まえはダニエルよりも賢かしこく、いかなる奥おく義ぎもお前まえには隠かくされていない。4お前まえは知ち恵えと悟さとりによって富とみを積つみ、金きん銀ぎんを宝ほう庫こに蓄たくわえた。5お前まえは取とり引ひきに知ち恵えを大おおいに働はたらかせて富とみを増まし加くわえ、お前まえの心こころは富とみのゆえに高こう慢まんになった。

6それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえは自じ分ぶんの心こころが神かみの心こころのようだと思おもい込こんでいる。7それゆえ、わたしはお前まえに対たいして諸しょ国こくの中なかでも最もっとも暴ぼう虐ぎゃくな外がい国こく人じんを立たち向むかわせる。彼かれらはお前まえの知ち恵えの誇ほこりに向むかって剣つるぎを抜ぬき、お前まえの栄えい華がを汚けがし、8お前まえを陰よ府みに突つき落おとす。お前まえは海うみの真まん中なかで切きり倒たおされて死しぬ。9お前まえは自じ分ぶんを殺ころす者ものの前まえでもなお、『わたしは神かみだ』と言いい張はるのか。お前まえは人ひとであって、神かみではなく、切きり倒たおす者ものの手てにある。10お前まえは割かつ礼れいのない者ものとして、外がい国こく人じんの手てにかかって死しぬ。まことにわたしがこのことを語かたった」と主しゅなる神かみは言いわれる。

11主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。12「人ひとの子こよ、ティルスの王おうに対たいして嘆なげきの歌うたをうたい、彼かれに言いいなさい。

主しゅなる神かみはこう言いわれる。

お前まえはあるべき姿すがたを印いん章しょうとしたものであり

知ち恵えに満みち、美うつくしさの極きわみである。

13お前まえは神かみの園そのであるエデンにいた。

あらゆる宝ほう石せきがお前まえを包つつんでいた。

ルビー、黄こう玉ぎょく、紫むらさき水ずい晶しょう

かんらん石せき、縞しまめのう、碧ヘき玉ぎょく

サファイア、ざくろ石いし、エメラルド。

それらは金きんで作つくられた留とめ金がねで

お前まえに着つけられていた。

それらはお前まえが創そう造ぞうされた日ひに整ととのえられた。

14わたしはお前まえを

翼つばさを広ひろげて覆おおうケルブとして造つくった。

お前まえは神かみの聖せいなる山やまにいて

火ひの石いしの間あいだを歩あるいていた。

15お前まえが創そう造ぞうされた日ひから

お前まえの歩あゆみは無む垢くであったが

ついに不ふ正せいがお前まえの中なかに

見みいだされるようになった。

16お前まえの取とり引ひきが盛さかんになると

お前まえの中なかに不ふ法ほうが満みち

罪つみを犯おかすようになった。

そこで、わたしはお前まえを神かみの山やまから追おい出だし

翼つばさで覆おおうケルブであるお前まえを

火ひの石いしの間あいだから滅ほろぼした。

17お前まえの心こころは美うつくしさのゆえに高こう慢まんとなり

栄えい華がのゆえに知ち恵えを堕だ落らくさせた。

わたしはお前まえを地ちの上うえに投なげ落おとし

王おうたちの前まえで見みせ物ものとした。

18お前まえは悪あく行ぎょうを重かさね、不ふ正せいな取とり引ひきを行おこなって

自じ分ぶんの聖せい所じょを汚けがした。

それゆえ、わたしはお前まえの中なかから火ひを出ださせ

お前まえを焼やき尽つくさせた。

わたしは見みている者ものすべての前まえで

お前まえを地ち上じょうの灰はいにした。

19諸しょ国こくの民たみのなかで、お前まえを知しっていた者ものは皆みな

お前まえのゆえにぼう然ぜんとする。

お前まえは人ひと々びとに恐きょう怖ふを引ひき起おこし

とこしえに消きえうせる。」

シドンへの預よ言げん

20主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。21「人ひとの子こよ、あなたの顔かおをシドンに向むけて預よ言げんしなさい。

22主しゅなる神かみはこう言いわれる。

シドンよ、わたしはお前まえに立たち向むかう。

わたしの栄えい光こうがお前まえの真まん中なかで現あらわされる。

わたしはその中なかで裁さばきを行おこない

自じ分ぶんの聖せいなることを示しめす。

そのとき彼かれらは

わたしが主しゅであることを知しるようになる。

23わたしは、町まちの中なかに疫えき病びょうを送おくり

また、通とおりに血ちを流ながれさせる。

剣つるぎが周しゅう囲いから迫せまるとき

殺ころされた者ものがその中なかに倒たおれる。

そのとき彼かれらは

わたしが主しゅであることを知しるようになる。

24イスラエルの家いえには二度どと、彼かれらを侮ぶ辱じょくする周しゅう囲いのすべての人ひと々びとの突つき刺さす茨いばらや、痛いたみを与あたえるとげが臨のぞむことはない。そのとき、彼かれらはわたしが主しゅなる神かみであることを知しるようになる。

25主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしがイスラエルの家いえを、彼かれらの散ちらされた諸しょ国こくの民たみの中なかから集あつめるとき、彼かれらによって、わたしは自じ分ぶんの聖せいなることを諸しょ国こく民みんの前まえに示しめす。彼かれらは、わたしがわたしの僕しもべヤコブに与あたえた土と地ちに住すむ。26彼かれらはそこに安やすらかに住すみ、家いえを建たて、ぶどう園えんを植うえ、安やすらかに住すみ着つく。彼かれらを侮ぶ辱じょくする周しゅう囲いのすべての人ひと々びとに、わたしが裁さばきを行おこなうからである。そのとき彼かれらは、わたしが彼かれらの神かみ、主しゅであることを知しるようになる。」

エジプトの王おう、ファラオへの預よ言げん

29

1第だい十年ねんの十月がつ十二日にちに主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、あなたの顔かおをエジプトの王おうファラオに向むけて、王おうとエジプトの全ぜん土どに対たいして預よ言げんし、3語かたって言いいなさい。

主しゅなる神かみはこう言いわれる。

エジプトの王おう、ファラオよ

わたしはお前まえに立たち向むかう。

ナイル川がわの真まん中なかに横よこたわる巨きょ大だいなわによ

お前まえは言いう。

『ナイル川がわはわたしのもの

わたしが自じ分ぶんのために造つくったものだ』と。

4わたしはお前まえの顎あごに鉤かぎをかけ

うろこにナイル川がわの魚うおをつけさせ

ナイル川がわの真まん中なかから引ひき上あげる

お前まえのうろこについた川かわのすべての魚うおと共ともに。

5わたしはお前まえを荒あれ野のに捨すてる

ナイル川がわのすべての魚うおと共ともに。

お前まえは地じ面めんに倒たおれたままで

引ひき取とる者ものも、葬ほうむる者ものもない。

わたしは野のの獣けもの、空そらの鳥とりに

お前まえを食しょく物もつとして与あたえる。

6エジプトのすべての住じゅう民みんは

わたしが主しゅであることを知しるようになる。

お前まえは、イスラエルの家いえにとって

葦あしの杖つえにすぎない。

7彼かれらがお前まえの手てをつかむと

お前まえは折おれ、彼かれらの肩かたは砕くだけた。

彼かれらが寄よりかかると、お前まえは裂さけ

彼かれらの腰こしはすべてふらついた。

8それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしはお前まえに剣つるぎを臨のぞませ、お前まえの中なかから人ひとも獣けものも絶たち滅ほろぼす。9エジプトの地ちは荒あら野のに変かわり、廃はい虚きょとなる。そのとき、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。お前まえが、『ナイル川がわはわたしのもの、わたしが造つくったものだ』と言いったからだ。

10それゆえ、わたしはお前まえとお前まえのナイル川がわに立たち向むかい、エジプトの地ちを廃はい虚きょとし、ミグドルからセベネを経へて、クシュの境さかいに至いたるまで荒あら野のにする。11もはや人ひとの足あしはそこを通とおらず、動どう物ぶつの足あしすら通とおることなく、こうして四十年ねんの間あいだ住すむ人ひとはない。12わたしはエジプト人じんの地ちを、荒あれ果はてた国くに々ぐにの中なかで、最もっとも荒あれ果はてた地ちとする。その町まち々まちは荒あれ廃すたれた町まち々まちの中なかで、四十年ねんの間あいだ最もっとも荒あれ果はてたものとなる。わたしはエジプト人じんを諸しょ国こく民みんの中なかに散ちらし、国くに々ぐにの間あいだに追おいやる。

13まことに主しゅなる神かみはこう言いわれる。四十年ねんが終おわると、わたしは散ちらされていた諸しょ国こく民みんの間あいだからエジプト人じんを集あつめる。14わたしはエジプトの繁はん栄えいを回かい復ふくする。わたしは彼かれらを出しゅっ身しん地ちである上かみエジプト人じんの地ちに帰かえらせる。そこで彼かれらはささやかな王おう国こくを造つくる。15それは他たの王おう国こくよりも低ひくく、もはや彼かれらが他たの国くに々ぐにの上うえに立たつことはない。彼かれらが他たの国くに々ぐにを踏ふみつけることがないように、わたしは彼かれらを小ちいさくする。16イスラエルの家いえは、もはや、彼かれらに頼たよらず、かつて彼かれらを頼たのみにして犯おかした罪つみを思おもい起おこす。そのとき、彼かれらはわたしが主しゅなる神かみであることを知しるようになる。」

ネブカドレツァルの報ほう酬しゅう

17第だい二十七年ねんの一月がつ一つい日たちに、主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。18「人ひとの子こよ、バビロンの王おうネブカドレツァルはティルスに対たいし、軍ぐん隊たいを差さし向むけて労ろう苦くの多おおい戦たたかいを行おこなわせた。すべての戦せん士しの頭あたまははげ、肩かたは擦すりむけてしまった。しかし、王おうもその軍ぐん隊たいも、ティルスに対たいして費ついやした労ろう苦くの報ほう酬しゅうを何なにも得えなかった。19それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしはバビロンの王おうネブカドレツァルにエジプトの土と地ちを与あたえる。彼かれはその富とみを運はこび去さり、戦せん利り品ひんを分ぶん捕どり、略りゃく奪だつをほしいままにする。こうして、エジプトは彼かれの軍ぐん隊たいの報ほう酬しゅうとなる。20ティルスに対たいして費ついやした王おうの働はたらきの報むくいとして、わたしは王おうにエジプトの土と地ちを与あたえる。彼かれらが、わたしに代かわって、このことをしたからである、と主しゅなる神かみは言いわれる。

21その日ひ、わたしはイスラエルの家いえのために一つの角つのを生はえさせ、彼かれらの間あいだにあってその口くちを開ひらかせる。そのとき、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。」

エジプトに対たいする裁さばき

30

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、預よ言げんして言いいなさい。

主しゅなる神かみはこう言いわれる。

泣なき叫さけべ、ああ、その日ひは災わざわいだ。

3その日ひは近ちかい。主しゅの日ひは近ちかい。

それは密みつ雲うんの日ひ、諸しょ国こく民みんの裁さばきの時ときである。

4剣つるぎがエジプトに臨のぞみ、戦せん慄りつがクシュを襲おそう。

エジプトで、人ひと々びとは刺さされて倒たおれ

富とみは奪うばい去さられ、国くにの基もといは覆くつがえされる。

5クシュ、プト、リディア、諸しょ種しゅ族ぞくの群むれ、クブおよびその他たの同どう盟めい国こくの住じゅう民みんも、彼かれらと共ともに剣つるぎで倒たおれる。

6主しゅはこう言いわれる。

エジプトを支ささえる者ものは倒たおれ

その驕おごれる力ちからは覆くつがえる。

ミグドルからセベネに至いたるまで

人ひと々びとは剣つるぎに倒たおれる、と主しゅなる神かみは言いわれる。

7荒あれ果はてた国くに々ぐにの中なかでも、エジプトの荒こう廃はいは甚はなはだしく、荒あれ廃すたれた町まち々まちの中なかでも、その町まち々まちは甚はなはだしい廃はい虚きょとなる。8わたしがエジプトに火ひを放はなって、これを助たすける者ものがすべて滅ほろぼされるとき、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。9その日ひ、わたしのもとから使し者しゃが船ふねで出しゅっ発ぱつし、安あん心しんしているクシュをおののかせる。エジプトの日ひに、戦せん慄りつが彼かれらを襲おそう。その日ひが来くるからである。10主しゅなる神かみがこう言いわれる。わたしはバビロンの王おうネブカドレツァルの手てによってエジプトの富とみを絶たつ。11彼かれとその軍ぐん隊たい、諸しょ国こくの中なかで最もっとも凶きょう暴ぼうな軍ぐん隊たいが、この国くにを滅ほろぼすために動どう員いんされる。彼かれらは剣つるぎを抜ぬいてエジプトを攻せめ、この国くにを殺ころされた者もので満みたす。12わたしはナイル川がわを干ひ上あがらせ、この国くにを悪あしき者ものたちの手てに売うり渡わたし、他た国こくの人ひと々びとによって、その地ちとその地ちを満みたしているものを滅ほろぼし尽つくす、と主しゅなるわたしが告つげる。

13主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは偶ぐう像ぞうを打うち壊こわし、メンフィスから偽いつわりの神かみ々がみを絶たつ。エジプトの国くにには、もはや支し配はい者しゃがいなくなる。わたしはエジプトの地ちに恐おそれを与あたえる。14わたしは上かみエジプトを滅ほろぼし、ツォアンに火ひを放はなち、テーベに裁さばきを下くだす。15また、わが憤いきどおりをエジプトの砦とりでであるシンに注そそぎ、テーベの富とみを絶たつ。16わたしはエジプトに火ひを放はなつ。シンは苦くるしみにもだえ、テーベは引ひき裂さかれ、メンフィスは白はく昼ちゅう、敵てきに襲おそわれる。17オンとピ・ベセトの若わか者ものたちは剣つるぎに倒たおれ、他たの人ひと々びとは捕ほ囚しゅうとして連つれ去さられる。18わたしがテハフネヘスで、エジプトの軛くびきを砕くだくとき、そこでは昼ひるも暗くらくなり、その驕おごれる力ちからは絶たたれる。密みつ雲うんが町まちを覆おおい、その娘むすめたちも捕ほ囚しゅうとして連つれ去さられる。19わたしがエジプトに裁さばきを行おこなうとき、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。」

20第だい十一年ねんの一月がつ七なの日かに、主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。21「人ひとの子こよ、わたしはエジプトの王おうファラオの腕うでを折おった。見みよ、彼かれの腕うでは手て当あてを受うけて巻まかれることなく、力ちからを補おぎなう添そえ木ぎを当あてて巻まかれることもないので、剣つるぎを取とることができない。

22それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしはエジプトの王おうファラオに立たち向むかい、その強つよい腕うでと折おられた腕うでを共ともに打うち砕くだき、その手てから剣つるぎを落おとさせる。23わたしはエジプトの人ひと々びとを諸しょ国こく民みんの中なかに散ちらし、国くに国ぐにの間あいだに追おいやる。24わたしはバビロンの王おうの腕うでを強つよめ、その手てに剣つるぎを与あたえる。わたしはファラオの腕うでを折おる。彼かれはバビロンの王おうの前まえで、刺さされた者もののように呻うめき声ごえを発はっする。25わたしはバビロンの王おうの腕うでを強つよくする。ファラオの腕うでは弱よわくなる。わたしがバビロンの王おうの手てに剣つるぎを与あたえ、彼かれがそれをエジプトの地ちに伸のばすとき、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。26わたしがエジプトの人ひと々びとを諸しょ国こく民みんの中なかに散ちらし、国くに国ぐにの間あいだに追おいやるとき、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。」

31

1第だい十一年ねんの三月がつ一つい日たちに、主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、エジプトの王おうファラオとその軍ぐん勢ぜいに向むかって言いいなさい。

お前まえの偉い大だいさは誰だれと比くらべられよう。

3見みよ、あなたは糸いと杉すぎ、レバノンの杉すぎだ。

その枝えだは美うつくしく、豊ゆたかな陰かげをつくり

丈たけは高たかく、梢こずえは雲くも間まにとどいた。

4水みずがそれを育そだて、淵ふちがそれを大おおきくした。

淵ふちから流ながれる川かわは杉すぎの周まわりを潤うるおし

水すい路ろは野ののすべての木きに水みずを送おくった。

5その丈たけは野ののすべての木きより高たかくなり

豊ゆたかに注そそぐ水みずのゆえに

大おお枝えだは茂しげり、若わか枝えだは伸のびた。

6大おお枝えだには空そらのすべての鳥とりが巣すを作つくり

若わか枝えだの下したでは野ののすべての獣けものが子こを産うみ

多おおくの国こく民みんが皆みな、その木こ陰かげに住すんだ。

7丈たけは高たかく、枝えだは長ながく伸のびて美うつくしかった。

豊ゆたかな水みずに根ねをおろしていたからだ。

8神かみの園そのの杉すぎもこれに及およばず

樅もみの木きも、その大おお枝えだに比くらべえず

すずかけの木きもその若わか枝えだと競きそいえず

神かみの園そののどの木きも美うつくしさを比くらべえなかった。

9わたしが、多おおくの枝えだで美うつくしく飾かざったので

神かみの園そのエデンのすべての木きもうらやんだ。

10それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。彼かれの丈たけは高たかくされ、その梢こずえを雲くもの間あいだに伸のばしたので、心こころは驕おごり高たかぶった。11わたしは彼かれを諸しょ国こくの民たみの最もっとも強つよい者ものの手てに渡わたす。その者ものは彼かれを悪あく行ぎょうに応おうじて扱あつかう。わたしは彼かれを追つい放ほうする。12諸しょ国こくの最もっとも凶きょう暴ぼうな民たみである異い国こく人じんが彼かれを切きり倒たおし、山やま々やまの上うえに捨すてる。その枝えだはすべての谷たに間まに落おち、若わか枝えだは切きられて地ちのすべての谷たにを埋うめる。地ち上じょうのすべての民たみは、その木こ陰かげから逃にげ去さり、彼かれを捨すてる。

13彼かれの倒たおされた幹みきには、空そらのすべての鳥とりが住すみ

若わか枝えだのもとには、野ののすべての獣けものがやどる。

14もはや、水みずのほとりの木きもすべて丈たけを高たかくしえず、梢こずえを雲くもの間あいだに伸のばしえず、水みずに潤うるおう木きも、高たかぶってそびえ立たつことはできない。彼かれらはすべて死しに渡わたされ、穴あなに下くだる人ひとの子こらと共ともに地ちの深ふかき所ところへ行いく。

15主しゅなる神かみはこう言いわれる。彼かれが陰よ府みに下くだる日ひに、わたしは彼かれのゆえに淵ふちを喪もに服ふくさせ、彼かれを覆おおう。わたしが川かわをせき止とめるので、豊ゆたかな水みずも干ひ上あがる。またレバノンに彼かれの弔とむらいをさせるので、野ののすべての木きも、彼かれのゆえにしおれる。16穴あなに下くだる者ものと共ともに彼かれを陰よ府みに下くだすとき、わたしは彼かれの倒たおれる音おとで諸しょ国こく民みんを揺ゆり動うごかす。そのとき地ちの深ふかき所ところで、エデンのすべての木きも、レバノンのえり抜ぬきの美うつくしい木きも、水みずに潤うるおうすべての木きも、再ふたたび慰なぐさめられる。17彼かれらも、彼かれと共ともに陰よ府みに、剣つるぎで倒たおれた者ものたちのところに下くだって行いった。かつて諸しょ国こく民みんの間あいだで、彼かれの陰かげに宿やどっていた仲なか間またちも共ともに。18お前まえは、エデンの木きのなかで、栄えい光こうと偉い大だいさを誰だれと比くらべられたか。しかし、お前まえはエデンの木き々ぎと共ともに地ちの深ふかき所ところに落おとされ、割かつ礼れいのない者ものの間あいだで、剣つるぎによって倒たおされた者ものと共ともに住すむであろう。これがファラオとそのすべての軍ぐん勢ぜいの運うん命めいである」と主しゅなる神かみは言いわれる。

ファラオに対たいする嘆なげきの歌うた

32

1第だい十二年ねんの十二月がつ一つい日たちに、主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、エジプトの王おうファラオに向むかって嘆なげきの歌うたをうたい、彼かれに言いいなさい。

国くに々ぐにの中なかで若わか獅じ子しである者ものよ

お前まえは滅ほろびに定さだめられた。

お前まえは水すい中ちゅうのわにのようだ。

川かわの中なかであばれ回まわり

足あしで水みずをかき混まぜ、流ながれを濁にごらせた。

3主しゅなる神かみはこう言いわれる。

わたしは多おおくの民たみを集あつめ

お前まえの上うえに網あみとして広ひろげる。

彼かれらはこの地じ引びき網あみでお前まえを引ひき上あげる。

4わたしは、お前まえを大だい地ちに投なげ出だし

野のに投なげ捨すてる。

空そらのすべての鳥とりをお前まえの上うえにやどらせ

地ち上じょうのすべての獣けものにお前まえを

食たべさせて、飽あかせる。

5わたしはお前まえの肉にくを山やまの上うえに捨すて

お前まえの腐くさった肉にくで谷たにを満みたす。

6わたしはお前まえの流ながれ出でた血ちを

大だい地ちにのませ、山やまに注そそぐ。

お前まえの血ちで谷たに間まも満みたされる。

7お前まえが消きえうせるとき

わたしは空そらを覆おおい、星ほしを暗くらくする。

また、太たい陽ようを雲くもで覆おおい、月つきも光ひかりを放はなたない。

8空そらに輝かがやくすべての光ひかりを

わたしはお前まえの上うえで暗くらくする。

また、お前まえの地ちを闇やみで覆おおうと

主しゅなる神かみは言いわれる。

9わたしはお前まえの破は滅めつを、お前まえの知しらない国くに々ぐにの民たみに知しらせ、多おおくの民たみの心こころをいらだたせる。10わたしはお前まえのゆえに多おおくの民たみをぼう然ぜんとさせる。わたしが彼かれらの前まえで剣つるぎを振ふりかざすと、王おうたちもお前まえのゆえに毛けが逆さか立だつ。お前まえの倒たおれる日ひ、彼かれらはそれぞれ命いのちに不ふ安あんを感かんじて絶たえ間まなく震ふるえる。

11まことに、主しゅなる神かみはこう言いわれる。

バビロンの王おうの剣つるぎがお前まえに臨のぞむ。

12わたしは勇ゆう士したちの剣つるぎで、お前まえの軍ぐん勢ぜいを倒たおす。

彼かれらは皆みな、諸しょ国こくの中なかで最もっとも凶きょう暴ぼうな者ものだ。

彼かれらはエジプトの誇ほこりを踏ふみにじる。

その軍ぐん勢ぜいも皆みな滅ほろぼされる。

13わたしはすべての家か畜ちくを

豊ゆたかな水みずのほとりから追おいやる。

人ひとの足あしはもはやその水みずを濁にごさず

家か畜ちくのひづめもこれを濁にごさない。

14そのとき、わたしはその水みずを澄すませ

流ながれを油あぶらのように静しずかに流ながれさせると

主しゅなる神かみは言いわれる。

15わたしはエジプトの地ちを荒こう廃はいさせ

その地ちを満みたしているものを荒あれるにまかせる。

わたしがそこに住すむすべての者ものを撃うつとき

彼かれらは、わたしが主しゅであることを知しるようになる。

16これは嘆なげきの歌うた。彼かれらは悲かなしんでこれを歌うたう。

国くに々ぐにの娘むすめたちも、悲かなしんでこれを歌うたう。

彼かれらはエジプトとそのすべての軍ぐん勢ぜいのために

悲かなしんでこの歌うたをうたう」と

主しゅなる神かみは言いわれる。

17第だい十二年ねんのその月つきの十五日にちに、主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。

18「人ひとの子こよ、あなたと諸しょ国こくの娘むすめたちは

エジプトとその貴き族ぞくたちのために泣なき悲かなしめ。

わたしは彼かれらを地ちの低ひくい所ところに下くだらせる

穴あなに下くだって行いく者ものと共ともに。

19お前まえはだれよりも美うつくしいと思おもっていたのか。

下くだって行いき、割かつ礼れいのない者ものと共ともに横よこたわれ。

20彼かれらは剣つるぎで殺ころされた者ものの間あいだに倒たおれる。

エジプトは剣つるぎに渡わたされた。

エジプトとその軍ぐん勢ぜいはすべて運はこび去さられた。

21陰よ府みの中なかから、最もっとも強つよい勇ゆう士したちが

エジプトとその同どう盟めい者しゃたちに語かたる

割かつ礼れいのない者もの、剣つるぎで殺ころされた者ものたちは

下くだってきてそこに横よこたわる、と。

22そこには、アシュルとその仲なか間まがすべており

彼かれらの墓はかはその周まわりにある。

彼かれらは皆みな、剣つるぎで殺ころされ、倒たおれた者ものである。

23アッシリアの墓はかは穴あなの最もっとも深ふかい所ところにあり

その周まわりには仲なか間またちの墓はかがある。

彼かれらは皆みな、剣つるぎで殺ころされ、倒たおれた者もの

かつて、生いける者ものの地ちで恐おそれられていた。

24そこには、エラムとそのすべての軍ぐん勢ぜいがいる。

彼かれらの墓はかはその周まわりにある。

彼かれらは皆みな、剣つるぎで殺ころされ、倒たおれた者もの

割かつ礼れいのない者もので、地ちの最もっとも低ひくい所ところに下くだって行いく。

生いける者ものの地ちで恐おそれられていたが

穴あなに下くだる者ものと共ともに恥はじを負おう。

25殺ころされた者ものたちの間あいだに、床とこが設もうけられた

エラムとそのすべての軍ぐん勢ぜいのために。

彼かれらの墓はかはその周まわりにある。

彼かれらは皆みな、割かつ礼れいのない者もの、剣つるぎで殺ころされた者もの。

生いける者ものの地ちで恐おそれられていたが

穴あなに下くだる者ものと共ともに恥はじを負おい

殺ころされた者ものの間あいだに置おかれる。

26そこには、メシェクとトバルと

そのすべての軍ぐん勢ぜいがいる。

彼かれらの墓はかはその周しゅう囲いにある。

皆みな、割かつ礼れいのない者もの、剣つるぎで殺ころされた者もの。

生いける者ものの地ちで恐おそれられていた。

27彼かれらは、遠とおい昔むかしに倒たおれた勇ゆう士したちと共ともに

横よこたわることはない。

この人ひと々びとは、武ぶ器きをもって陰よ府みに下くだり

剣つるぎを頭あたまの下したに、盾たてを骨ほねの上うえに置おいていた。

これらの勇ゆう士しは

生いける者ものの地ちで恐おそれられていた。

28お前まえは割かつ礼れいのない者ものの間あいだに

剣つるぎで殺ころされた者ものと共ともに

打うち砕くだかれて横よこたわる。

29そこには、エドムがその王おうたちと

すべての君くん侯こうたちと共ともにいる。

彼かれらは力ちからをもっていたが

剣つるぎで殺ころされた者ものと共ともに置おかれ

割かつ礼れいのない者もの、穴あなに下くだる者ものと共ともに横よこたわる。

30そこには、北きたのすべての君くん主しゅたち

シドンのすべての人ひと々びとがいる。

彼かれらは殺ころされた者ものと共ともに下くだる。

彼かれらはその力ちからのゆえに恐おそれられていたが

辱はずかしめられ、割かつ礼れいのない者もの、剣つるぎで殺ころされた者ものと

共ともに横よこたわる。

彼かれらは、穴あなに下くだる者ものと共ともに恥はじを負おう。

31ファラオは彼かれらを見みて

失うしなったすべての軍ぐん勢ぜいについて慰なぐさめられる。

ファラオも、そのすべての軍ぐん隊たいも剣つるぎで殺ころされたと

主しゅなる神かみは言いわれる。

32まことに、わたしは生いける者ものの地ちに

恐おそれを置おいた。

ファラオとそのすべての軍ぐん勢ぜいは

割かつ礼れいのない者ものの間あいだに

剣つるぎで殺ころされた者ものと共ともに横よこたわる」と

主しゅなる神かみは言いわれる。

見み張はりの務つとめ

33

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、あなたの同どう胞ほうに語かたりかけ、彼かれらに言いいなさい。わたしがある国くにに向むかって剣つるぎを送おくるとき、その国くにの民たみは彼かれらの中なかから一ひと人りの人ひとを選えらんで見み張はりとする。3彼かれは剣つるぎが国くにに向むかって臨のぞむのを見みると、角つの笛ぶえを吹ふき鳴ならして民たみに警けい告こくする。4角つの笛ぶえの音おとを聞きいた者ものが、聞きいていながら警けい告こくを受うけ入いれず、剣つるぎが彼かれに臨のぞんで彼かれを殺ころしたなら、血ちの責せき任にんは彼かれ自じ身しんにある。5彼かれは角つの笛ぶえの音おとを聞きいても警けい告こくを受うけ入いれなかったのだから、血ちの責せき任にんは彼かれにある。彼かれが警けい告こくを受うけ入いれていれば、自じ分ぶんの命いのちを救すくいえたはずである。6しかし、見み張はりが、剣つるぎの臨のぞむのを見みながら、角つの笛ぶえを吹ふかず、民たみが警けい告こくを受うけぬままに剣つるぎが臨のぞみ、彼かれらのうちから一ひと人りの命いのちでも奪うばわれるなら、たとえその人ひとは自じ分ぶんの罪つみのゆえに死しんだとしても、血ちの責せき任にんをわたしは見み張はりの手てに求もとめる。

7人ひとの子こよ、わたしはあなたをイスラエルの家いえの見み張はりとした。あなたが、わたしの口くちから言こと葉ばを聞きいたなら、わたしの警けい告こくを彼かれらに伝つたえねばならない。8わたしが悪あく人にんに向むかって、『悪あく人にんよ、お前まえは必かならず死しなねばならない』と言いうとき、あなたが悪あく人にんに警けい告こくし、彼かれがその道みちから離はなれるように語かたらないなら、悪あく人にんは自じ分ぶんの罪つみのゆえに死しんでも、血ちの責せき任にんをわたしはお前まえの手てに求もとめる。9しかし、もしあなたが悪あく人にんに対たいしてその道みちから立たち帰かえるよう警けい告こくしたのに、彼かれがその道みちから立たち帰かえらなかったのなら、彼かれは自じ分ぶんの罪つみのゆえに死しに、あなたは自じ分ぶんの命いのちを救すくう。

10人ひとの子こよ、イスラエルの家いえに言いいなさい。お前まえたちはこう言いっている。『我われ々われの背そむきと過あやまちは我われ々われの上うえにあり、我われ々われはやせ衰おとろえる。どうして生いきることができようか』と。11彼かれらに言いいなさい。わたしは生いきている、と主しゅなる神かみは言いわれる。わたしは悪あく人にんが死しぬのを喜よろこばない。むしろ、悪あく人にんがその道みちから立たち帰かえって生いきることを喜よろこぶ。立たち帰かえれ、立たち帰かえれ、お前まえたちの悪あしき道みちから。イスラエルの家いえよ、どうしてお前まえたちは死しんでよいだろうか。

12人ひとの子こよ、あなたの同どう胞ほうに言いいなさい。正ただしい人ひとの正ただしさも、彼かれが背そむくときには、自じ分ぶんを救すくうことができない。また、悪あく人にんの悪あくも、彼かれがその悪あくから立たち帰かえるときには、自じ分ぶんをつまずかせることはない。正ただしい人ひとでも、過あやまちを犯おかすときには、その正ただしさによって生いきることはできない。13正ただしい人ひとに向むかって、わたしが、『お前まえは必かならず生いきる』と言いったとしても、もし彼かれが自じ分ぶん自じ身しんの正ただしさに頼たよって不ふ正せいを行おこなうなら、彼かれのすべての正ただしさは思おもい起おこされることがなく、彼かれの行おこなう不ふ正せいのゆえに彼かれは死しぬ。14また、悪あく人にんに向むかって、わたしが、『お前まえは必かならず死しぬ』と言いったとしても、もし彼かれがその過あやまちから立たち帰かえって正せい義ぎと恵めぐみの業わざを行おこなうなら、15すなわち、その悪あく人にんが質しち物もつを返かえし、奪うばったものを償つぐない、命いのちの掟おきてに従したがって歩あるき、不ふ正せいを行おこなわないなら、彼かれは必かならず生いきる。死しぬことはない。16彼かれの犯おかしたすべての過あやまちは思おもい起おこされず、正せい義ぎと恵めぐみの業わざを行おこなった者ものは必かならず生いきる。17それなのに、あなたの同どう胞ほうは言いっている。『主しゅの道みちは正ただしくない』と。しかし正ただしくないのは彼かれらの道みちである。18正ただしい人ひとでも、正ただしさから離はなれて不ふ正せいを行おこなうなら、その不ふ正せいのゆえに彼かれは死しぬ。19また、悪あく人にんでも、悪あくから離はなれて正せい義ぎと恵めぐみの業わざを行おこなうなら、それゆえに彼かれは生いきる。20それなのに、お前まえたちは言いっている。『主しゅの道みちは正ただしくない』と。イスラエルの家いえよ、わたしは人ひとをそれぞれの道みちに従したがって裁さばく。」

21我われ々われの捕ほ囚しゅうの第だい十二年ねん十月がつ五いつ日かに、エルサレムから逃のがれた者ものがわたしのもとに来きて言いった。「都みやこは陥かん落らくした」と。22その逃のがれた者ものが来くる前まえの晩ばん、主しゅの手てがわたしの上うえに置おかれ、翌よく朝あさ、彼かれがわたしのもとに来くる前まえに、主しゅはわたしの口くちを開ひらかれた。口くちが開ひらかれて、わたしはもはや黙もくしていなかった。

23主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんで言いった。24「人ひとの子こよ、イスラエルの土と地ちのこれらの廃はい虚きょに住すむ者ものは言いっている。『アブラハムはただひとりのとき、この土と地ちを所しょ有ゆうしていた。我われ々われの数かずは多おおい。我われ々われにこの土と地ちは所しょ有ゆうとして与あたえられている』と。25それゆえ、彼かれらに言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえたちは血ちのついたまま肉にくを食たべ、偶ぐう像ぞうに向むかって目めを上あげ、人ひとの血ちを流ながしている。それでも、お前まえたちはこの土と地ちを所しょ有ゆうできるのか。26お前まえたちは剣つるぎを頼たのみとし、忌いまわしいことを行おこない、おのおの隣りん人じんの妻つまを犯おかしている。それでも、お前まえたちはこの土と地ちを所しょ有ゆうできるのか。

27それゆえ、彼かれらにこう言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは生いきている。廃はい虚きょにいる者ものたちは必かならず剣つるぎに倒たおれる。野のにいる者ものはすべて、獣けものに餌え食じきとして与あたえ、砦とりでと洞ほら穴あなにいる者ものたちは疫えき病びょうによって死しぬ。28わたしはこの土と地ちを荒あれ地ちとし、荒こう廃はいした土と地ちとする。この土と地ちが誇ほこった力ちからはうせ、イスラエルの山やま山やまは荒あれ果はて、そこを通とおる者ものはなくなる。29彼かれらが行おこなったすべての忌いまわしいことのゆえに、わたしがこの土と地ちを荒あれ地ちとし、荒こう廃はいした地ちにするとき、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。

30人ひとの子こよ、あなたの同どう胞ほうは城じょう壁へきの傍かたわらや家いえの戸と口ぐちに立たってあなたのことを語かたり、互たがいに語かたり合あっている。『さあ、行いって、どんな言こと葉ばが主しゅから出でるのか、聞きこうではないか』と。31そして、彼かれらはあなたのもとに来くる。民たみは来きて、あなたの前まえに座すわり、あなたの言こと葉ばを聞ききはするが、それを行おこないはしない。彼かれらは口くちでは好こう意いを示しめすが、心こころは利り益えきに向むかっている。32見みよ、あなたは彼かれらにとって、楽がっ器きにあわせて美うつくしい声こえでうたうみだらな歌うたの歌うたい手てのようだ。彼かれらはあなたの語かたることを聞きくが、それを行おこないはしない。33しかし、そのことが起おこるとき──見みよ、それは近ちかづいている──彼かれらは自じ分ぶんたちの中なかに預よ言げん者しゃがいたことを知しるようになる。」

イスラエルの牧ぼく者しゃ

34

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、イスラエルの牧ぼく者しゃたちに対たいして預よ言げんし、牧ぼく者しゃである彼かれらに語かたりなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。災わざわいだ、自じ分ぶん自じ身しんを養やしなうイスラエルの牧ぼく者しゃたちは。牧ぼく者しゃは群むれを養やしなうべきではないか。3お前まえたちは乳ちちを飲のみ、羊よう毛もうを身みにまとい、肥こえた動どう物ぶつを屠ほふるが、群むれを養やしなおうとはしない。4お前まえたちは弱よわいものを強つよめず、病やめるものをいやさず、傷きずついたものを包つつんでやらなかった。また、追おわれたものを連つれ戻もどさず、失うしなわれたものを探さがし求もとめず、かえって力ちからずくで、苛か酷こくに群むれを支し配はいした。5彼かれらは飼かう者ものがいないので散ちらされ、あらゆる野のの獣けものの餌え食じきとなり、ちりぢりになった。6わたしの群むれは、すべての山やま、すべての高たかい丘おかの上うえで迷まよう。また、わたしの群むれは地ちの全ぜん面めんに散ちらされ、だれひとり、探さがす者ものもなく、尋たずね求もとめる者ものもない。7それゆえ、牧ぼく者しゃたちよ。主しゅの言こと葉ばを聞きけ。8わたしは生いきている、と主しゅなる神かみは言いわれる。まことに、わたしの群むれは略りゃく奪だつにさらされ、わたしの群むれは牧ぼく者しゃがいないため、あらゆる野のの獣けものの餌え食じきになろうとしているのに、わたしの牧ぼく者しゃたちは群むれを探さがしもしない。牧ぼく者しゃは群むれを養やしなわず、自じ分ぶん自じ身しんを養やしなっている。9それゆえ牧ぼく者しゃたちよ、主しゅの言こと葉ばを聞きけ。10主しゅなる神かみはこう言いわれる。見みよ、わたしは牧ぼく者しゃたちに立たち向むかう。わたしの群むれを彼かれらの手てから求もとめ、彼かれらに群むれを飼かうことをやめさせる。牧ぼく者しゃたちが、自じ分ぶん自じ身しんを養やしなうことはもはやできない。わたしが彼かれらの口くちから群むれを救すくい出だし、彼かれらの餌え食じきにはさせないからだ。

11まことに、主しゅなる神かみはこう言いわれる。見みよ、わたしは自みずから自じ分ぶんの群むれを探さがし出だし、彼かれらの世せ話わをする。12牧ぼく者しゃが、自じ分ぶんの羊ひつじがちりぢりになっているときに、その群むれを探さがすように、わたしは自じ分ぶんの羊ひつじを探さがす。わたしは雲くもと密みつ雲うんの日ひに散ちらされた群むれを、すべての場ば所しょから救すくい出だす。13わたしは彼かれらを諸しょ国こくの民たみの中なかから連つれ出だし、諸しょ国こくから集あつめて彼かれらの土と地ちに導みちびく。わたしはイスラエルの山やま々やま、谷たに間ま、また居きょ住じゅう地ちで彼かれらを養やしなう。14わたしは良よい牧ぼく草そう地ちで彼かれらを養やしなう。イスラエルの高たかい山やま々やまは彼かれらの牧まき場ばとなる。彼かれらはイスラエルの山やま々やまで憩いこい、良よい牧まき場ばと肥ひ沃よくな牧ぼく草そう地ちで養やしなわれる。15わたしがわたしの群むれを養やしない、憩いこわせる、と主しゅなる神かみは言いわれる。16わたしは失うしなわれたものを尋たずね求もとめ、追おわれたものを連つれ戻もどし、傷きずついたものを包つつみ、弱よわったものを強つよくする。しかし、肥こえたものと強つよいものを滅ほろぼす。わたしは公こう平へいをもって彼かれらを養やしなう。

17お前まえたち、わたしの群むれよ。主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは羊ひつじと羊ひつじ、雄お羊ひつじと雄お山や羊ぎとの間あいだを裁さばく。18お前まえたちは良よい牧ぼく草そう地ちで養やしなわれていながら、牧ぼく草そうの残のこりを足あしで踏ふみ荒あらし、自じ分ぶんたちは澄すんだ水みずを飲のみながら、残のこりを足あしでかき回まわすことは、小ちいさいことだろうか。19わたしの群むれは、お前まえたちが足あしで踏ふみ荒あらした草くさを食たべ、足あしでかき回まわした水みずを飲のんでいる。

20それゆえ、主しゅなる神かみは彼かれらにこう言いわれる。わたし自じ身しんが、肥こえた羊ひつじとやせた羊ひつじの間あいだを裁さばく。21お前まえたちは、脇わき腹ばらと肩かたですべての弱よわいものを押おしのけ、角つので突つき飛とばし、ついには外そとへ追おいやった。22しかし、わたしはわが群むれを救すくい、二度どと略りゃく奪だつにさらされないようにする。そして、羊ひつじと羊ひつじとの間あいだを裁さばく。

23わたしは彼かれらのために一ひと人りの牧ぼく者しゃを起おこし、彼かれらを牧ぼくさせる。それは、わが僕しもべダビデである。彼かれは彼かれらを養やしない、その牧ぼく者しゃとなる。24また、主しゅであるわたしが彼かれらの神かみとなり、わが僕しもべダビデが彼かれらの真まん中なかで君くん主しゅとなる。主しゅであるわたしがこれを語かたる。25わたしは彼かれらと平へい和わの契けい約やくを結むすぶ。悪わるい獣けものをこの土と地ちから断たち、彼かれらが荒あれ野のにおいても安やすんじて住すみ、森もりの中なかでも眠ねむれるようにする。26わたしは、彼かれらとわたしの丘おかの周しゅう囲いに祝しゅく福ふくを与あたえ、季き節せつに従したがって雨あめを降ふらせる。それは祝しゅく福ふくの雨あめとなる。27野のの木きは実みを結むすび、地ちは産さん物ぶつを生しょうじ、彼かれらは自じ分ぶんの土と地ちに安やすんじていることができる。わたしが彼かれらの軛くびきの棒ぼうを折おり、彼かれらを奴ど隷れいにした者ものの手てから救すくい出だすとき、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。28彼かれらは二度どと諸しょ国こく民みんの略りゃく奪だつに遭あうことなく、この土と地ちの獣けものも彼かれらを餌え食じきにしない。彼かれらは安やすらかに住すみ、彼かれらを恐おそれさせるものはない。29わたしは彼かれらのためにすぐれた苗なえ床どこを起おこす。この土と地ちには二度どと凶きょう作さくが臨のぞむことはなく、彼かれらが諸しょ国こく民みんに辱はずかしめられることは二度どとない。30そのとき、彼かれらはわたしが彼かれらと共ともにいる主しゅなる神かみであり、彼かれらはわが民たみイスラエルの家いえであることを知しるようになる、と主しゅなる神かみは言いわれる。31お前まえたちはわたしの群むれ、わたしの牧ぼく草そう地ちの群むれである。お前まえたちは人にん間げんであり、わたしはお前まえたちの神かみである」と主しゅなる神かみは言いわれる。

エドムに対たいして

35

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、顔かおをセイル山やまに向むけ、それに向むかって預よ言げんし、3彼かれに語かたりなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。

セイル山やまよ、わたしはお前まえに立たち向むかう。

わたしはお前まえに向むかって手てを伸のばし

お前まえを荒あれ果はてた廃はい虚きょとする。

4わたしはお前まえの町まち々まちを荒あれ地ちとする。

お前まえが廃はい虚きょになったとき

お前まえはわたしが主しゅであることを知しるようになる。

5お前まえは果はてしない敵てき意いを抱いだき、イスラエルの子こらが災わざわいに遭あい、最さい後ごの刑けい罰ばつを受うけたとき、彼かれらを剣つるぎに渡わたしたからである。6それゆえ、わたしは生いきている、と主しゅなる神かみは言いわれる。わたしはお前まえの血ちを流ながさせ、血ちがお前まえにつきまとう。血ちに飢うえた憎にくしみのゆえに、血ちがお前まえにつきまとう。

7わたしはセイル山やまを荒あれ果はてた廃はい虚きょとし、行いき来きする者ものがないようにする。8わたしは山やま々やまを殺ころされた者もので満みたす。お前まえの丘おかにも谷たににも、あらゆる谷たに間まにも、剣つるぎで殺ころされた者ものが倒たおれる。

9わたしはお前まえを永えい久きゅうに荒あれ果はてた地ちとする。

お前まえの町まち々まちには住すむ者ものがなくなる。

そのとき、お前まえたちは

わたしが主しゅであることを知しるようになる。

10それはお前まえが、『この二つの国くに、二つの土と地ちはわたしのものとなる。我われ々われはそれを占せん領りょうする』と言いったからである。しかしそこに、主しゅがおられた。11それゆえ、わたしは生いきている、と主しゅなる神かみは言いわれる。お前まえが彼かれらを憎にくんで行おこなった怒いかりとねたみに応おうじて、わたしもお前まえに行おこなう。わたしがお前まえを裁さばくとき、わたしは彼かれらに知しられるようになる。12そしてお前まえは、主しゅであるわたしがお前まえのもろもろの嘲あざけりを聞きいたことを知しるようになる。お前まえはイスラエルの山やま々やまについて言いった。『それは荒あれ果はてて、我われ々われの餌え食じきとなった』と。13お前まえたちはわたしに向むかって大おお口ぐちをたたき、わたしに向むかって多おおくの言こと葉ばを重かさねた。わたしはそれを聞きいた。

14主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしはお前まえを荒あれ地ちとする。全ぜん世せ界かいはそれを喜よろこぶ。15お前まえがイスラエルの家いえの嗣し業ぎょうの荒あれ果はてたのを喜よろこんだように、わたしもお前まえに同おなじようにする。セイル山やまよ、エドムの全ぜん地ちよ、お前まえは荒あれ地ちとなる。そのとき、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。」

イスラエルの山やま々やまに向むかって

36

1「人ひとの子こよ、あなたはイスラエルの山やま々やまに預よ言げんして言いいなさい。イスラエルの山やま々やまよ、主しゅの言こと葉ばを聞きけ。2主しゅなる神かみはこう言いわれる。敵てきがお前まえたちに向むかって、『ああ、永えい遠えんの丘おかが今いまや我われ々われの所しょ有ゆうとなった』と言いっている。3それゆえ預よ言げんして言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえたちは周しゅう囲いの者ものに荒あらされ、踏ふみにじられ、他たの国くに々ぐにの所しょ有ゆうとなったので、人ひと々びとの口くちにのぼり、うわさされるものとなった。4それゆえ、イスラエルの山やま々やまよ、主しゅなる神かみの言こと葉ばを聞きけ。主しゅなる神かみは、山やまと丘おか、谷たにと低てい地ち、荒あれ果はてた廃はい虚きょ、また周しゅう囲いの他たの国くに々ぐにから略りゃく奪だつされ侮あなどられ、捨すてられた町まち々まちに向むかってこう言いわれる。5それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは燃もえる熱ねつ情じょうをもって、他たの国くに々ぐにとエドムに対たいして語かたる。彼かれらはみな、心しん底そこからはしゃぎ、嘲あざけって、わたしの土と地ちを取とり、自じ分ぶんの所しょ有ゆうとし、牧ぼく草そう地ちを略りゃく奪だつした者ものだ。6それゆえ、イスラエルの地ちに向むかって預よ言げんし、その山やま々やまと丘おか、谷たにと低てい地ちに語かたりなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは熱ねつ情じょうと憤いきどおりをもって語かたった。それはお前まえたちが国くに々ぐにから辱はずかしめを受うけたからである。7それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは手てを上あげて誓ちかう。必かならず、お前まえの周しゅう囲いの国くに々ぐには自じ分ぶんの恥はじを負おう。8しかし、お前まえたちイスラエルの山やま々やまよ、お前まえたちは枝えだを出だし、わが民たみイスラエルのために実みを結むすぶ。彼かれらが戻もどって来くるのは間ま近ぢかである。

9わたしはお前まえたちのために、お前まえたちのもとへと向むかう。お前まえたちは耕たがやされ、種たねを蒔まかれる。10わたしはお前まえたちの上うえに、イスラエル全ぜん家かの人じん口こうをことごとく増ふやす。町まち々まちには人ひとが住すむようになり、廃はい虚きょは建たて直なおされる。11わたしはお前まえたちの上うえに人ひとと家か畜ちくを増ふやす。彼かれらは子こを産うんで増ふえる。わたしはお前まえたちを昔むかしのように人ひとの住すむところとし、初はじめのときよりも更さらに栄さかえさせる。そのとき、お前まえたちはわたしが主しゅであることを知しるようになる。12わたしはお前まえたちの上うえに人ひと人びとを、すなわちわが民たみイスラエルを歩あゆませる。彼かれらがお前まえを所しょ有ゆうし、お前まえは彼かれらの嗣し業ぎょうとなる。二度どと彼かれらの子こたちを失うしなわせることはない。

13主しゅなる神かみはこう言いわれる。人ひと々びとはお前まえたちについて、『お前まえは人にん間げんを食くらう地ち、自じ分ぶんの民たみの子こを失うしなわせる地ちだ』と言いっている。14それゆえ、お前まえは二度どと人にん間げんを食くらうことはなく、二度どと自じ分ぶんの民たみの子こを失うしなわせることはない、と主しゅなる神かみは言いわれる。15わたしは二度どと国くに々ぐにの辱はずかしめの声こえをお前まえに聞きこえさせず、諸しょ国こくの民たみの侮あなどりを二度どと受うけさせない。お前まえも自じ分ぶんの民たみを二度どとつまずかせることはない」と主しゅなる神かみは言いわれる。

16主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。17「人ひとの子こよ、イスラエルの家いえは自じ分ぶんの土と地ちに住すんでいたとき、それを自じ分ぶんの歩あゆみと行おこないによって汚けがした。その歩あゆみは、わたしの前まえで生せい理り中ちゅうの女おんなの汚けがれのようであった。18それゆえ、わたしは憤いきどおりを彼かれらの上うえに注そそいだ。彼かれらが地ちの上うえに血ちを流ながし、偶ぐう像ぞうによってそれを汚けがしたからである。19わたしは彼かれらを国くに々ぐにの中なかに散ちらし、諸しょ国こくに追おいやり、その歩あゆみと行おこないに応おうじて裁さばいた。20彼かれらはその行いく先さきの国くに々ぐにに行いって、わが聖せいなる名なを汚けがした。事じ実じつ、人ひと々びとは彼かれらについて、『これは主しゅの民たみだ、彼かれらは自じ分ぶんの土と地ちから追おわれて来きたのだ』と言いった。21そこでわたしは、イスラエルの家いえがその行いった先さきの国くに々ぐにで汚けがしたわが聖せいなる名なを惜おしんだ。

22それゆえ、イスラエルの家いえに言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。イスラエルの家いえよ、わたしはお前まえたちのためではなく、お前まえたちが行いった先さきの国くに々ぐにで汚けがしたわが聖せいなる名なのために行おこなう。23わたしは、お前まえたちが国くに々ぐにで汚けがしたため、彼かれらの間あいだで汚けがされたわが大おおいなる名なを聖せいなるものとする。わたしが彼かれらの目めの前まえで、お前まえたちを通とおして聖せいなるものとされるとき、諸しょ国こく民みんは、わたしが主しゅであることを知しるようになる、と主しゅなる神かみは言いわれる。24わたしはお前まえたちを国くに々ぐにの間あいだから取とり、すべての地ちから集あつめ、お前まえたちの土と地ちに導みちびき入いれる。

25わたしが清きよい水みずをお前まえたちの上うえに振ふりかけるとき、お前まえたちは清きよめられる。わたしはお前まえたちを、すべての汚けがれとすべての偶ぐう像ぞうから清きよめる。26わたしはお前まえたちに新あたらしい心こころを与あたえ、お前まえたちの中なかに新あたらしい霊れいを置おく。わたしはお前まえたちの体からだから石いしの心こころを取とり除のぞき、肉にくの心こころを与あたえる。27また、わたしの霊れいをお前まえたちの中なかに置おき、わたしの掟おきてに従したがって歩あゆませ、わたしの裁さばきを守まもり行おこなわせる。28お前まえたちは、わたしが先せん祖ぞに与あたえた地ちに住すむようになる。お前まえたちはわたしの民たみとなりわたしはお前まえたちの神かみとなる。29わたしはお前まえたちを、すべての汚けがれから救すくう。わたしは穀こく物もつに呼よびかけ、それを増ふやし、お前まえたちに飢うえを送おくることはしない。30わたしが木きの実みと畑はたけの作さく物もつを豊ゆたかにするので、二度どと飢き饉きんのために、国くに々ぐにの間あいだで恥はじをこうむることはない。31そのとき、お前まえたちは自じ分ぶんの悪わるい歩あゆみ、善よくない行おこないを思おもい起おこし、罪つみと忌いまわしいことのゆえに、自じ分ぶん自じ身しんを嫌けん悪おする。32わたしがこれを行おこなうのは、お前まえたちのためではないことを知しれ、と主しゅなる神かみは言いわれる。イスラエルの家いえよ、恥はじるがよい。自じ分ぶんの歩あゆみを恥はずかしく思おもえ。

33主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしがお前まえたちをすべての罪つみから清きよめる日ひに、わたしは町まち々まちに人ひとを住すまわせ、廃はい虚きょを建たて直なおす。34荒あれ果はてた地ち、そこを通とおるすべての人ひとに荒あれ地ちと見みえていた土と地ちが耕たがやされるようになる。35そのとき人ひと々びとは、『荒あれ果はてていたこの土と地ちがエデンの園そののようになった。荒あれ果はて破は壊かいされて廃はい虚きょとなった町まち々まちが、城じょう壁へきのある人ひとの住すむ町まちになった』と言いう。36お前まえたちの周しゅう囲いに残のこされた国くに々ぐにも、主しゅであるわたしがこの破は壊かいされた所ところを建たて直なおし、荒あれ果はてていたところに植しょく物ぶつを植うえたことを知しるようになる。主しゅであるわたしが、これを語かたり、これを行おこなう。

37主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしは、再ふたたびイスラエルの家いえの願ねがいを受うけ入いれ、彼かれらのために行おこなう。わたしは彼かれらの人じん口こうを羊ひつじの群むれのように増ふやす。38祭まつりの時ときに、エルサレムが聖せい別べつされた羊ひつじで満みち溢あふれるように、廃はい虚きょであった町まち々まちは人ひとの群むれで満みたされる。そのとき、彼かれらはわたしが主しゅなる神かみであることを知しるようになる。」

枯かれた骨ほねの復ふっ活かつ

37

1主しゅの手てがわたしの上うえに臨のぞんだ。わたしは主しゅの霊れいによって連つれ出だされ、ある谷たにの真まん中なかに降おろされた。そこは骨ほねでいっぱいであった。2主しゅはわたしに、その周しゅう囲いを行ゆき巡めぐらせた。見みると、谷たにの上うえには非ひ常じょうに多おおくの骨ほねがあり、また見みると、それらは甚はなはだしく枯かれていた。3そのとき、主しゅはわたしに言いわれた。「人ひとの子こよ、これらの骨ほねは生いき返かえることができるか。」わたしは答こたえた。「主しゅなる神かみよ、あなたのみがご存ぞんじです。」4そこで、主しゅはわたしに言いわれた。「これらの骨ほねに向むかって預よ言げんし、彼かれらに言いいなさい。枯かれた骨ほねよ、主しゅの言こと葉ばを聞きけ。5これらの骨ほねに向むかって、主しゅなる神かみはこう言いわれる。見みよ、わたしはお前まえたちの中なかに霊れいを吹ふき込こむ。すると、お前まえたちは生いき返かえる。6わたしは、お前まえたちの上うえに筋すじをおき、肉にくを付つけ、皮ひ膚ふで覆おおい、霊れいを吹ふき込こむ。すると、お前まえたちは生いき返かえる。そして、お前まえたちはわたしが主しゅであることを知しるようになる。」

7わたしは命めいじられたように預よ言げんした。わたしが預よ言げんしていると、音おとがした。見みよ、カタカタと音おとを立たてて、骨ほねと骨ほねとが近ちかづいた。8わたしが見みていると、見みよ、それらの骨ほねの上うえに筋すじと肉にくが生しょうじ、皮ひ膚ふがその上うえをすっかり覆おおった。しかし、その中なかに霊れいはなかった。9主しゅはわたしに言いわれた。「霊れいに預よ言げんせよ。人ひとの子こよ、預よ言げんして霊れいに言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。霊れいよ、四方ほうから吹ふき来きたれ。霊れいよ、これらの殺ころされたものの上うえに吹ふきつけよ。そうすれば彼かれらは生いき返かえる。」

10わたしは命めいじられたように預よ言げんした。すると、霊れいが彼かれらの中なかに入はいり、彼かれらは生いき返かえって自じ分ぶんの足あしで立たった。彼かれらは非ひ常じょうに大おおきな集しゅう団だんとなった。

11主しゅはわたしに言いわれた。「人ひとの子こよ、これらの骨ほねはイスラエルの全ぜん家かである。彼かれらは言いっている。『我われ々われの骨ほねは枯かれた。我われ々われの望のぞみはうせ、我われ々われは滅ほろびる』と。12それゆえ、預よ言げんして彼かれらに語かたりなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしはお前まえたちの墓はかを開ひらく。わが民たみよ、わたしはお前まえたちを墓はかから引ひき上あげ、イスラエルの地ちへ連つれて行いく。13わたしが墓はかを開ひらいて、お前まえたちを墓はかから引ひき上あげるとき、わが民たみよ、お前まえたちはわたしが主しゅであることを知しるようになる。14また、わたしがお前まえたちの中なかに霊れいを吹ふき込こむと、お前まえたちは生いきる。わたしはお前まえたちを自じ分ぶんの土と地ちに住すまわせる。そのとき、お前まえたちは主しゅであるわたしがこれを語かたり、行おこなったことを知しるようになる」と主しゅは言いわれる。

一つとなる神かみの民たみ

15主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。16「人ひとの子こよ、あなたは一本ぽんの木きを取とり、その上うえに『ユダおよびそれと結むすばれたイスラエルの子こらのために』と書かき記しるしなさい。また、別べつの木きをとり、その上うえには『エフライムの木きであるヨセフおよびそれと結むすばれたイスラエルの全ぜん家かのために』と書かき記しるしなさい。17それらを互たがいに近ちかづけて一本ぽんの木きとしなさい。それらはあなたの手ての中なかで一つとなる。18あなたの民たみの子こらがあなたに向むかって、『これらはあなたにとって何なにを意い味みするのか告つげてくれないか』と言いうとき、19彼かれらに語かたりなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしはエフライムの手ての中なかにあるヨセフの木き、およびそれと結むすばれたイスラエルの諸しょ部ぶ族ぞくを取とり、それをユダの木きにつないで一本ぽんの木きとする。それらはわたしの手ての中なかで一つとなる。20あなたがその上うえに書かき記しるした木きは、彼かれらの目めの前まえであなたの手てにある。21そこで、彼かれらに語かたりなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。わたしはイスラエルの子こらを、彼かれらが行いっていた国くに々ぐにの中なかから取とり、周しゅう囲いから集あつめ、彼かれらの土と地ちに連つれて行いく。22わたしはわたしの地ち、イスラエルの山やま々やまで彼かれらを一つの国くにとする。一ひと人りの王おうが彼かれらすべての王おうとなる。彼かれらは二度どと二つの国くにとなることなく、二度どと二つの王おう国こくに分わかれることはない。23彼かれらは二度どと彼かれらの偶ぐう像ぞうや憎にくむべきもの、もろもろの背そむきによって汚けがされることはない。わたしは、彼かれらが過あやまちを犯おかしたすべての背はい信しんから彼かれらを救すくい清きよめる。そして、彼かれらはわたしの民たみとなり、わたしは彼かれらの神かみとなる。24わたしの僕しもべダビデは彼かれらの王おうとなり、一ひと人りの牧ぼく者しゃが彼かれらすべての牧ぼく者しゃとなる。彼かれらはわたしの裁さばきに従したがって歩あゆみ、わたしの掟おきてを守まもり行おこなう。25彼かれらはわたしがわが僕しもべヤコブに与あたえた土と地ちに住すむ。そこはお前まえたちの先せん祖ぞが住すんだ土と地ちである。彼かれらも、その子こらも、孫まごたちも、皆みな、永えい遠えんに至いたるまでそこに住すむ。そして、わが僕しもべダビデが永えい遠えんに彼かれらの支し配はい者しゃとなる。26わたしは彼かれらと平へい和わの契けい約やくを結むすぶ。それは彼かれらとの永えい遠えんの契けい約やくとなる。わたしは彼かれらの住じゅう居きょを定さだめ、彼かれらを増まし加くわえる。わたしはまた、永えい遠えんに彼かれらの真まん中なかにわたしの聖せい所じょを置おく。27わたしの住すまいは彼かれらと共ともにあり、わたしは彼かれらの神かみとなり、彼かれらはわたしの民たみとなる。28わたしの聖せい所じょが永えい遠えんに彼かれらの真まん中なかに置おかれるとき、諸しょ国こく民みんは、わたしがイスラエルを聖せい別べつする主しゅであることを知しるようになる。」

マゴグのゴグに対たいして

38

1主しゅの言こと葉ばがわたしに臨のぞんだ。2「人ひとの子こよ、マゴグの地ちのゴグ、すなわちメシェクとトバルの総そう首しゅ長ちょうに対たいして顔かおを向むけ、彼かれに預よ言げんして、3言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。メシェクとトバルの総そう首しゅ長ちょうゴグよ、わたしはお前まえに立たち向むかう。4わたしはお前まえを立たち帰かえらせ、お前まえの顎あごに鉤かぎをかけて、お前まえとその全ぜん軍ぐん、馬うまと騎き兵ヘいを連つれ出だす。彼かれらは皆みな完かん全ぜんに武ぶ装そうした大だい集しゅう団だんで、大おお盾だてと小こ盾だてを持もち、皆みな剣つるぎを持もっている。5ペルシア、クシュ、プトが彼かれらと共ともにおり、皆みな、盾たてを持もち、兜かぶとをかぶっている。6ゴメルとそのすべての軍ぐん隊たい、北きたの果はてのベト・トガルマとそのすべての軍ぐん隊たい、それに多おおくの国こく民みんがお前まえと共ともにいる。7備そなえをせよ。お前まえも、お前まえのもとに召しょう集しゅうされるすべての集しゅう団だんも備そなえをせよ。お前まえは彼かれらの監かん督とくとなれ。8多おおくの日ひの後のち、お前まえは呼よび出だされ、また、多おおくの年としを経ヘた後のち、一つの国くにを襲おそう。それは長ながく荒あれ廃すたれていたイスラエルの山やま々やまで、そこには、剣つるぎの恐おそれから解かい放ほうされ、多おおくの民たみの中なかから集あつめられた民たみがいる。彼かれらは多おおくの民たみの中なかから連つれ出だされて、今いまは皆みな、安やすらかに暮くらしている。9お前まえは嵐あらしのように上のぼって来きて、地ちを覆おおう雲くものように襲おそいかかる。お前まえとお前まえの全ぜん軍ぐん、お前まえと共ともにいる多おおくの民たみは。

10主しゅなる神かみはこう言いわれる。その日ひ、お前まえの心こころに言こと葉ばが浮うかぶ。お前まえは悪わるい計けい画かくを立たて、11そして言いう。『わたしは囲かこいのない国くにへ攻せめ上のぼる。城じょう壁ヘきもかんぬきも門もんもなく安やすらかに生せい活かつしている静しずかな国くにを襲おそう』と。12お前まえはかつて廃はい虚きょであったが、今いまは人ひとの住すんでいる国くに、諸しょ国こく民みんのもとから集あつめられ、国くにの中ちゅう心しんの山やま々やまに住すみ、家か畜ちくや財ざい産さんを持もっている民たみに対たいして手てを上あげ、戦せん利り品ひんを奪うばい、ほしいままに略りゃく奪だつしようとしている。13シェバとデダン、タルシシュの商しょう人にんたち、およびその富ふ豪ごうたちはすべてお前まえに言いう。『お前まえは戦せん利り品ひんを奪うばうために来きたのか。お前まえはほしいままに略りゃく奪だつするために集しゅう団だんを組くんだのか。金きん銀ぎんを運はこび去さり、家か畜ちくや財ざい産さんを手てに入いれ、多おおくの戦せん利り品ひんを奪うばおうとするのか』と。

14それゆえ、人ひとの子こよ、ゴグに対たいして預よ言げんして言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。わが民たみイスラエルが安やすらかに暮くらしているとき、お前まえはいきり立たつのか。15お前まえは北きたの果はての自じ分ぶんの所ところから、多おおくの民たみを伴ともなって来くる。彼かれらは皆みな、馬うまに乗のっている大だい集しゅう団だん、大だい軍ぐん団だんだ。16お前まえはわが民たみイスラエルに向むかって、地ちを覆おおう雲くものように上のぼって来くる。そのことは、終おわりの日ひに起おこる。わたしはお前まえを、わたしの地ちに連つれて来くる。それは、ゴグよ、わたしが国くに々ぐにの前まえで、お前まえを通とおして自じ分ぶんの聖せいなることを示しめし、彼かれらがわたしを知しるようになるためである。

17主しゅなる神かみはこう言いわれる。お前まえは、遠とおい昔むかし、わたしが僕しもべであるイスラエルの預よ言げん者しゃたちを通とおして語かたったその者ものではないか。この預よ言げん者しゃたちは、長なが年ねんにわたって、彼かれらに向むかってわたしがお前まえを来こさせる、と語かたった。

18ゴグがイスラエルの地ちを襲おそう日ひ、まさにその日ひに、と主しゅなる神かみは言いわれる。わたしの憤いきどおりは激はげしく燃もえ上あがる。19わたしは熱ねつ情じょうと怒いかりの火ひをもって語かたる。必かならずその日ひに、イスラエルの地ちには大おお地じ震しんが起おこる。20海うみの魚うお、空そらの鳥とり、野のの獣けもの、地ちの上うえを這はうすべてのもの、および地ち上じょうのすべての人にん間げんは、わたしの前まえに震ふるえる。山やま々やまは裂さけ、崖がけは崩くずれ、すべての城じょう壁へきは地ちに倒たおれる。21わたしはすべての山やまの上うえで、ゴグに向むかって剣つるぎを呼よび寄よせる、と主しゅなる神かみは言いわれる。人ひとはおのおの、剣つるぎをその兄きょう弟だいに向むける。22わたしは疫えき病びょうと流りゅう血けつによって彼かれを裁さばく。わたしは彼かれとその軍ぐん勢ぜい、また、彼かれと共ともにいる多おおくの民たみの上うえに、大おお雨あめと雹ひょうと火ひと硫い黄おうを注そそぐ。23わたしは自みずからの偉い大だいさと聖せいとを多おおくの国くに々ぐにの前まえに示しめす。そのとき、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。

39

1人ひとの子こよ、あなたはゴグに向むかい預よ言げんして言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。メシェクとトバルの総そう首しゅ長ちょうゴグよ。わたしはお前まえに立たち向むかう。2わたしはお前まえを立たち帰かえらせ、お前まえを導みちびいて北きたの果はてから連つれ上のぼり、イスラエルの山やま々やまに来こさせる。3そして、お前まえの左ひだり手てから弓ゆみを叩たたき落おとし、右みぎ手てから矢やを落おとさせる。4お前まえとそのすべての軍ぐん隊たいも、共ともにいる民たみも、イスラエルの山やまの上うえで倒たおれる。わたしはお前まえをあらゆる種しゅ類るいの猛もう禽きんと野のの獣けものの餌え食じきとして与あたえる。5お前まえは野のの上うえに倒たおれる。まことにわたしがこれを語かたった、と主しゅなる神かみは言いわれる。6わたしは、火ひをマゴグと海かい岸がん地ち方ほうに安やすらかに住すむ者ものたちに送おくる。そのとき、彼かれらはわたしが主しゅであることを知しるようになる。7わたしは、わが民たみイスラエルの中なかにわが聖せいなる名なを知しらせる。わたしはわが聖せいなる名なを二度どと汚けがさせない。そのとき、諸しょ国こく民みんはわたしが主しゅであり、イスラエルの中なかの聖せいなる者ものであることを知しるようになる。8このことは到とう来らいし、実じつ現げんする、と主しゅなる神かみは言いわれる。それは、わたしが語かたった日ひである。

9イスラエルの町まち々まちに住すむ者ものは出でて来きて、もろもろの武ぶ器き、すなわち盾たてと大おお盾だて、弓ゆみ矢や、棍こん棒ぼう、槍やりを火ひで燃もやす。彼かれらはそれで七年ねん間かん火ひを燃もやし続つづける。10彼かれらは、野のから木きを取とってくることも、森もりから薪たきぎを集あつめることもない。彼かれらは武ぶ器きで火ひを燃もやすからである。彼かれらは戦せん利り品ひんを取とり返かえし、略りゃく奪だつされたものを奪うばい返かえす、と主しゅなる神かみは言いわれる。

11その日ひ、わたしはゴグのために、イスラエルの中なかのよく知しられている場ば所しょを墓ぼ地ちとして与あたえる。それは海うみの東ひがしの旅たび人びとの谷たにである。その墓はかは旅たび人びとの道みちをふさいでしまう。人ひと々びとはそこにゴグとすべての軍ぐん勢ぜいを埋うめ、そこをゴグの軍ぐん勢ぜいの谷たにと呼よぶようになる。12イスラエルの家いえはその地ちを清きよめるため、七か月げつの間あいだ彼かれらを埋うめる。13その地ちのすべての民たみは彼かれらを埋うめ、わたしが栄えい光こうを受うける日ひに民たみはその名なを知しられるようになる、と主しゅなる神かみは言いわれる。14民たみは、常つねに国くに中じゅうを行ゆき巡めぐる人ひと人びとを選えらび、彼かれらにその土と地ちに残のこっている侵しん入にゅう者しゃたちを埋うめさせ、その地ちを清きよめさせる。彼かれらは七か月げつの終おわりまで、残のこっている者ものを探さがすであろう。15国くに中じゅうを行ゆき巡めぐる者ものたちが行ゆき巡めぐり、人にん間げんの骨ほねを見み付つけると、埋うめる者ものがそれをゴグの軍ぐん勢ぜいの谷たにに埋うめ終おわるまで、その傍かたわらに標ひょう識しきを立たてておく。16そこで、ハモナ（軍ぐん勢ぜい）という名なの町まちができる。こうして、彼かれらはその土と地ちを清きよめる。

17人ひとの子こよ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。あらゆる種しゅ類るいの猛もう禽きんと、あらゆる種しゅ類るいの野のの獣けものに語かたりなさい。お前まえたちは集あつまれ。来きて、わたしがお前まえたちのために屠ほふったわたしの犠ぎ牲せいに向むかい周しゅう囲いから集あつまれ。それはイスラエルの山やま々やまの上うえでの大おおいなる犠ぎ牲せいである。お前まえたちはその肉にくを食くらい、その血ちを飲のめ。18勇ゆう士したちの肉にくを食くらい、国くにの支し配はい者しゃたちの血ちを飲のめ。それは雄お羊ひつじ、小こ羊ひつじ、雄お山や羊ぎ、雄お牛うしであり、みなバシャンの肥こえた動どう物ぶつたちである。19お前まえたちは、わたしがお前まえたちのために屠ほふった犠ぎ牲せいから、飽あきるまで脂し肪ぼうを食たべ、酔ようまで血ちを飲のむがよい。20お前まえたちはわたしの食しょく卓たくで、馬うまや騎き兵ヘい、勇ゆう士しやすべての兵ヘい士したちの肉にくを飽あきるまで食たべる、と主しゅなる神かみは言いわれる。21わたしは国くに々ぐにの間あいだにわが栄えい光こうを現あらわし、国くに々ぐにはすべてわたしの行おこなう裁さばきと、彼かれらの上うえに置おくわたしの手てを見みる。

22その日ひから後のち、イスラエルの家いえはわたしが彼かれらの神かみ、主しゅであることを知しるようになる。23国くに々ぐには、イスラエルの家いえがわたしに不ふ信しんの行こう為いを行おこなったために捕ほ囚しゅうとなったこと、また、わたしが顔かおを隠かくし、彼かれらを敵てきの手てに渡わたしたため、彼かれらは皆みな、剣つるぎに倒たおれたことを知しるようになる。24わたしは、彼かれらの汚けがれと罪つみに応おうじて行おこない、わたしの顔かおを隠かくした。

25それゆえ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。今いまやわたしはヤコブの繁はん栄えいを回かい復ふくし、イスラエルの全ぜん家かをわが聖せいなる名なのゆえに熱あつい思おもいをもって憐あわれむ。26彼かれらは自じ分ぶんの土と地ちに安やすらかに住すみ、脅おびやかす者ものがいなくなるとき、わたしに背そむいた恥はじとすべての不ふ信しんの罪つみの責せめを担になう。27わたしが彼かれらを諸しょ国こくの民たみの中なかから帰かえらせ、敵てきの地ちから集あつめるとき、わたしは国くに々ぐにの前まえで、彼かれらを通とおして自じ分ぶんの聖せいなることを示しめす。28わたしは彼かれらを国くに々ぐにに捕ほ囚しゅうとして送おくったが、自じ分ぶんの土と地ちに集あつめて、もはや、かの地ちには残のこさない。そのとき、彼かれらはわたしが彼かれらの神かみ、主しゅであることを知しるようになる。29わたしは二度どとわが顔かおを彼かれらに隠かくすことなく、わが霊れいをイスラエルの家いえに注そそぐ」と主しゅなる神かみは言いわれる。

新あたらしい神しん殿でんの幻まぼろし

40

1我われ々われが捕ほ囚しゅうになってから二十五年ねん、都みやこが破は壊かいされてから十四年ねん目め、その年としの初はじめの月つきの十とお日か、まさにその日ひに、主しゅの手てがわたしに臨のぞみ、わたしをそこへ連つれて行いった。2神かみの幻まぼろしによって、わたしはイスラエルの地ちに伴ともなわれ、非ひ常じょうに高たかい山やまの上うえに下おろされた。その南みなみ側がわに都みやこのように建けん設せつされた物ものがあった。3主しゅがわたしをそこへ連つれて行いくと、その姿すがたが青せい銅どうのように輝かがやいている一ひと人りの人ひとが門もんの傍かたわらに立たっており、手てには麻あさ縄なわと測はかり竿ざおを持もっていた。4その人ひとはわたしに向むかって言いった。「人ひとの子こよ、自じ分ぶんの目めで見み、自じ分ぶんの耳みみで聞きき、わたしがこれから示しめす、すべてのことを心こころに留とめなさい。あなたがここに連つれて来こられたのは、それを示しめすためです。あなたが見みることを、すべてイスラエルの家いえに告つげなさい。」

5見みると、神しん殿でんの周しゅう囲いを囲かこんでいる外がい壁へきがあった。その人ひとは六アンマの測はかり竿ざおを手てに持もっていた。ここでいう一アンマは、普ふ通つうのアンマに一トファを加くわえた長ながさである。彼かれがその壁かべを測はかると、その厚あつさも、高たかさも一ひと竿さおであった。

6彼かれは東ひがしの方ほうに向むいている門もんを入はいった。その石いし段だんを上のぼって、門もんの敷しき居いを測はかると、奥おく行ゆきは一ひと竿さお、つまり最さい初しょの敷しき居いの奥おく行ゆきは一ひと竿さおであった。7そして、控ひかえの間まは奥おく行ゆきも間ま口ぐちも一ひと竿さお、控ひかえの間まと控ひかえの間まの間かん隔かくは五アンマであり、廊ろう門もんを内うち側がわに抜ぬけるところにある門もんの敷しき居いの奥おく行ゆきは一ひと竿さおであった。8廊ろう門もんの奥おく行ゆきを測はかると、9八アンマで、そこには厚あつさ二アンマの脇わき柱ばしらがあり、それが内うち側がわの廊ろう門もんであった。10東ひがしの方ほうに向むいている門もんの控ひかえの間まは、通つう路ろの両りょう側がわに三つずつあった。三つの部へ屋やは同おなじ寸すん法ぽうであり、それに両りょう側がわの脇わき柱ばしらも同おなじ寸すん法ぽうであった。11門もんの入いり口ぐちの幅はばを測はかると、十アンマで、門もん全ぜん体たいの幅はばは十三アンマであった。12それぞれの控ひかえの間まにある仕し切きりの厚あつさは一アンマ、向むこう側がわの仕し切きりも一アンマであった。控ひかえの間まは両りょう側がわともに六アンマであった。13門もんを、一いっ方ぽうの控ひかえの間まの端はしから他た方ほうの控ひかえの間まの端はしまで測はかると、二十五アンマであり、控ひかえの間まの入いり口ぐちと入いり口ぐちは向むかい合あっていた。14廊ろう門もんを測はかると、六十アンマあり、柱はしらは門もんに沿そって庭にわの周しゅう囲いを取とり囲かこんでいた。15正しょう面めん入いり口ぐちの門もんの前ぜん面めんから、内うち側がわに面めんした廊ろう門もんの前ぜん面めんまでは五十アンマであった。16明あかり取とりの格こう子し窓まどが、両りょう側がわの門もんの内うち側がわの控ひかえの間まにも脇わき柱ばしらにもつけられており、同おなじように廊ろうの内うち側がわにも、明あかり取とりの格こう子し窓まどが向むかい合あってつけられていた。脇わき柱ばしらにはなつめやしの飾かざりがあった。

17更さらに、彼かれはわたしを外そと庭にわに連つれて行いった。すると、そこに部へ屋やがあった。庭にわの周まわりには敷しき石いしがあった。敷しき石いしに沿そって、その周まわりには三十の部へ屋やがあった。18敷しき石いしは門もんの両りょう側がわにあり、門もんの奥おく行ゆきと同おなじ幅はばで敷しき詰つめられていた。それが下したの敷しき石いしである。19下したの庭にわの広ひろさを、下したの門もんの内うち側がわから内うち庭にわの門もんの外そと側がわまでの距きょ離りで測はかると、百アンマあった。これが東ひがし側がわであり、北きた側がわも同おなじであった。

20外そと庭にわに続つづいて、北きたの方ほうに向むいている門もんがあった。彼かれはその長ながさと幅はばを測はかった。21控ひかえの間まは、両りょう側がわに三み部へ屋やずつあり、脇わき柱ばしらと廊ろうは最さい初しょの門もんと同おなじ寸すん法ぽうであり、門もんの奥おく行ゆきは五十アンマ、幅はばは二十五アンマであった。22明あかり取とりの格こう子し窓まどと廊ろうとなつめやしの飾かざりは東ひがしの方ほうに向むいている門もんと同おなじ寸すん法ぽうであった。それから七段だんの石いし段だんを上のぼって入はいると、その先さきに廊ろうがあった。23内うち庭にわの門もんは、東ひがしの門もんと同おなじように、北きたの外そと門もんに相あい対たいしていた。門もんから門もんまでを測はかると、百アンマであった。

24更さらに、彼かれはわたしを南みなみの方ほうへ連つれて行いった。すると、南みなみの門もんがあった。その脇わき柱ばしらと廊ろうを測はかると、やはり前まえと同おなじ寸すん法ぽうであった。25脇わき柱ばしらと廊ろうの周まわりには、前まえと同おなじように明あかり取とりの格こう子し窓まどがあった。門もんの奥おく行ゆきは五十アンマ、幅はばは二十五アンマであった。26七段だんの石いし段だんを上のぼると、その先さきに廊ろうがあり、なつめやしの飾かざりが一つずつ両りょう側がわの脇わき柱ばしらにあった。27内うち庭にわの門もんは南みなみの方ほうに向むいており、この門もんから南みなみに向むいている外そと門もんまでを測はかると、百アンマであった。

28更さらに、彼かれは南みなみに向むいている門もんから、わたしを内うち庭にわに連つれて行いった。南みなみの門もんを測はかると、前まえの場ば合あいと同おなじ寸すん法ぽうであった。29控ひかえの間まと脇わき柱ばしらと廊ろうも前まえの場ば合あいと同おなじ寸すん法ぽうであり、脇わき柱ばしらと廊ろうの周まわりには明あかり取とりの格こう子し窓まどがあった。門もんの奥おく行ゆきは五十アンマ、幅はばは二十五アンマであった。30その周しゅう囲いの廊ろうの長ながさは二十五アンマ、幅はばは五アンマであった。31廊ろうは外そと庭にわに向むき、脇わき柱ばしらにはなつめやしの飾かざりがあり、石いし段だんは八段だんであった。

32更さらに、彼かれはわたしを内うち庭にわの東ひがし側がわに連つれて行いった。門もんを測はかると、前まえと同おなじ寸すん法ぽうであった。33控ひかえの間まと脇わき柱ばしらと廊ろうも前まえと同おなじ寸すん法ぽうであった。脇わき柱ばしらと廊ろうの周まわりには、明あかり取とりの格こう子し窓まどがあった。門もんの奥おく行ゆきは五十アンマ、幅はばは二十五アンマであった。34廊ろうは外そと庭にわに向むき、なつめやしの飾かざりが両りょう側がわの脇わき柱ばしらに付つけられており、石いし段だんは八段だんであった。

35更さらに、彼かれはわたしを北きたの門もんに連つれて行いった。彼かれがこれを測はかると、前まえと同おなじ寸すん法ぽうであった。36控ひかえの間ま、脇わき柱ばしら、廊ろう、その周しゅう囲いの明あかり取とりの格こう子し窓まども同おなじであった。門もんの奥おく行ゆきは五十アンマ、幅はばは二十五アンマであった。37廊ろうは外そと庭にわに向むき、なつめやしの飾かざりが両りょう側がわの脇わき柱ばしらに付つけられていた。石いし段だんは八段だんであった。

38また一つの部へ屋やがあって、その入いり口ぐちは門もんの脇わき柱ばしらのそばにあった。そこで、人ひと々びとは焼やき尽つくす献ささげ物ものの動どう物ぶつを洗あらうのである。39門もんの廊ろうの両りょう側がわには、それぞれ、二つの聖せい卓たくがあった。この上うえで焼やき尽つくす献ささげ物もの、贖しょく罪ざいの献ささげ物もの、賠ばい償しょうの献ささげ物ものの動どう物ぶつが屠ほふられる。40北きたの門もんの入いり口ぐちに上のぼって行いくと、廊ろう門もんの外そとの片かた側がわに二つの聖せい卓たくがあり、また、廊ろう門もんの他たの側がわにも二つの聖せい卓たくがあった。41つまり廊ろう門もんの内うち側がわと外そと側がわに、それぞれ四つの聖せい卓たくが置おかれ、聖せい卓たくは全ぜん部ぶで八つあり、その上うえで動どう物ぶつを屠ほふるのであった。42焼やき尽つくす献ささげ物ものに用もちいる四つの聖せい卓たくは、長ながさ一アンマ半はん、幅はばも一アンマ半はん、そして、高たかさは一アンマの切きり石いしであった。この上うえに、焼やき尽つくす献ささげ物ものと和わ解かいの献ささげ物ものを屠ほふる道どう具ぐを置おくのである。43一トファの長ながさの二ふたまたの鉤かぎが部へ屋やの内うち側がわの周まわりに列れつをなして付つけられていた。献ささげ物ものの肉にくは、そこから聖せい卓たくの上うえに置おかれる。

44内うち庭にわには、内うち門もんの外そと側がわに歌うたい手ての部へ屋やがある。一つは北きたの門もんの傍かたわらにあって南みなみの方ほうへ向むいており、もう一つは東ひがしの門もんの傍かたわらにあって、北きたの方ほうへ向むいていた。45彼かれはわたしに言いった。「南みなみの方ほうへ向むいている部へ屋やは、神しん殿でんの務つとめを行おこなう祭さい司しのためである。46北きたの方ほうへ向むいている部へ屋やは、祭さい壇だんの務つとめを行おこなう祭さい司しのためである。」彼かれらはツァドクの子こらであり、彼かれらだけが、レビ人びとの中なかで、主しゅに近ちかづいて仕つかえることが許ゆるされる。47彼かれが内うち庭にわを測はかると、長ながさは百アンマ、幅はばも百アンマの正せい方ほう形けいであり、神しん殿でんの前まえには祭さい壇だんがあった。

48それから、彼かれはわたしを神しん殿でんの廊ろうに連つれて行いった。廊ろうの両りょう側がわの脇わき柱ばしらを測はかると、それぞれ五アンマであった。門もんの両りょう側がわの壁かべの幅はばはそれぞれ三アンマ、49廊ろう門もんの幅はばは二十アンマ、奥おく行ゆきは十二アンマであった。そして十段だんの石いし段だんを上のぼった両りょう側がわの脇わき柱ばしらの傍かたわらにそれぞれ一本ぽんの円えん柱ちゅうがあった。

41

1彼かれはわたしを拝はい殿でんに連つれて行いった。まず、脇わき柱ばしらを測はかると、こちら側がわの幅はばは六アンマ、あちら側がわの幅はばも六アンマであった。これが脇わき柱ばしらの幅はばである。2入いり口ぐちの幅はばは十アンマ、入いり口ぐちの両りょう側がわの壁かべの幅はばはこちら側がわが五アンマ、あちら側がわも五アンマであった。拝はい殿でんの奥おく行ゆきを測はかると四十アンマ、その横よこ幅はばは二十アンマであった。3内ない部ぶに入はいって、次つぎの入いり口ぐちの脇わき柱ばしらの厚あつさを測はかると二アンマ、その入いり口ぐち自じ体たいの幅はばは六アンマ、入いり口ぐちの両りょう側がわの壁かべの幅はばはそれぞれ七アンマであった。4更さらに、拝はい殿でんの奥おくの面めんまで奥おく行ゆきを測はかると二十アンマ、その横よこ幅はばも二十アンマであった。そして彼かれはわたしに、「ここが至し聖せい所じょである」と言いった。

5彼かれが神しん殿でんの壁かべの厚あつさを測はかると六アンマ、脇わき間まの幅はばは四アンマで、神しん殿でんの周しゅう囲いを囲かこんでいた。6脇わき間まの上うえには脇わき間まがあって、三階がい建だてになっていた。各かく階かいに三十の脇わき間まがあった。神しん殿でんの壁かべには、周しゅう囲いに突つき出でた所ところがあって、脇わき間まの支ささえになっていた。神しん殿でんの壁かべには、支ささえが差さし込こまれていないからである。7回かい廊ろうとなっている神しん殿でんの脇わき間まは上うえにいくほど広ひろくなっており、神しん殿でんは各かく階かいごとに回かい廊ろうがついている。しかも、階かいが上あがるごとに広ひろくなっている。地ち階かいから最さい上じょう階かいへは中ちゅう間かんの階かいを経へて上のぼっていく。8次つぎにわたしは、神しん殿でんの周しゅう囲いが一いち段だんと高たかく舗ほ装そうされているのを見みた。それは脇わき間まの土ど台だいで、その高たかさはちょうど一ひと竿さお、または六アンマであった。9脇わき間まの外そと側がわの壁かべの厚あつさは五アンマであった。そして、空あき地ちが神しん殿でんの脇わき間まと、10神しん殿でんを取とりまく周しゅう囲いの部へ屋やとの間あいだにあり、その横よこ幅はばは二十アンマであった。11脇わき間まの入いり口ぐちについては、一つが北きたへ、他たの一つが南みなみへ向むいており、その間あいだに空あき地ちがあった。この空あき地ちは周しゅう囲いにあって、その幅はばは五アンマであった。

12神しん殿でんの西にし側がわにある神しん域いきに面めんした別べつ殿でんは奥おく行ゆき七十アンマ、建たて物ものの周しゅう囲いの壁かべは厚あつさ五アンマ、建たて物ものの横よこ幅はばは九十アンマであった。

13神しん殿でんを測はかると、奥おく行ゆきは百アンマであり、神しん域いきと別べつ殿でんの奥おく行ゆきとその壁かべの厚あつさを合ごう計けいすると百アンマであった。14神しん殿でんの正しょう面めんは、神しん域いきに面めんする裏うら側がわと同おなじくその幅はばは百アンマであり、15神しん域いきに面めんし、その裏うら側がわにある別べつ殿でんの横よこ幅はばを測はかると、その両りょう側がわのテラスを含ふくめて百アンマであった。奥おくの拝はい殿でんとその前まえの廊ろうと、16敷しき居い、明あかり取とりの格こう子し窓まど、敷しき居いの前まえの三方ぼうにある周まわりのテラスは、それぞれ周しゅう囲いを板いたではり巡めぐらされていた。その床ゆかから窓まどまで、それから窓まど枠わくも板いた張ばりであった。17そして、入いり口ぐちの上うえまで、また、神しん殿でんの内うち側がわと外そと側がわにも、更さらに周しゅう囲いの壁かべにも内うち側がわと外そと側がわに、くまなく、18ケルビムとなつめやしの模も様ようが刻きざまれていた。なつめやしは、ケルビムとケルビムの間あいだにあった。ケルビムには二つの顔かおがあって、19人にん間げんの顔かおはこちらのなつめやしに向むき、獅し子しの顔かおはあちらのなつめやしに向むいていた。それは神しん殿でんの周まわりにも刻きざまれていた。20床ゆかから入いり口ぐちの鴨かも居いの上うえまで、神しん殿でんの壁かべにはケルビムとなつめやしが刻きざまれていた。

21拝はい殿でんの入いり口ぐちには四つの側そく柱ちゅうがあった。聖せい所じょの前まえにあったのは、22木もく製せいの祭さい壇だんで、その高たかさは三アンマ、長ながさは二アンマであり、四よ隅すみには縁ふちがあった。その台だいと側そく面めんは木もく製せいであった。彼かれはわたしに、「これは主しゅの前まえに置おかれた聖せい卓たくである」と言いった。23拝はい殿でんには、二つの扉とびらがあって、聖せい所じょにも24二つの扉とびらがあった。それぞれの扉とびらは二つに折おれるようになっていた。一つの扉とびらは二枚まいとなっており、他た方ほうの扉とびらも二枚まいになっていた。25それらの拝はい殿でんの扉とびらには、壁かべに刻きざまれているのと同おなじように、ケルビムとなつめやしが刻きざまれていた。廊ろうの正しょう面めんの外そと側がわには、木もく製せいの格こう子しがついていた。26そして、明あかり取とりの格こう子し窓まどと、なつめやしの模も様ようが、廊ろうの両りょう側がわと神しん殿でんの脇わき間まと差さし掛かけ屋や根ねにほどこされていた。

42

1それから、彼かれはわたしを北きた側がわの方ほうの外そと庭にわに連つれて行いき、神しん域いきと別べつ殿でんに対たいして北きた側がわにある部へ屋やに入はいらせた。2その北きた側がわの正しょう面めんの横よこ幅はばは百アンマ、その奥おく行ゆきは五十アンマであった。3内うち庭にわに向むかい合あって二十アンマのところに、また、外そと庭にわの敷しき石いしにも向むかい合あって、三段だんの階かい段だん状じょうの建たて物ものがあった。4それらの部へ屋やの前まえには、幅はば十アンマの通つう路ろがあり、内うち庭にわに沿そって幅はば一アンマの道みちがあった。部へ屋やの入いり口ぐちは北きた側がわにあった。5その最さい上じょう階かいに並ならんでいる部へ屋やは狭せまくなっていた。それは、テラスが建たて物ものの地ち階かいと中ちゅう間かんの階かいより、より多おおくの場ば所しょをとっていたからである。6この建たて物ものは三段だんになっていた。そこには外そと庭にわにあるような柱はしらがなかった。そのため、この建たて物ものは地じ面めんから地ち階かい、中ちゅう間かんの階かいと順じゅん次じに狭せまくなっていた。7また、外そと庭にわに通つうじる部へ屋やに沿そう外そと側がわには境きょう壁へきがあった。この長ながさは部へ屋やに沿そって五十アンマであった。8外そと庭にわに面めんした部へ屋やの長ながさが五十アンマだからである。こうして、建たて物ものの全ぜん長ちょうは百アンマとなる。9これらの部へ屋やの下したの方ほうには、東ひがし側がわからの入いり口ぐちがあって、外そと庭にわから入はいれるようになっていた。10そこから外そと庭にわの境きょう壁へきが始はじまっていた。東ひがし側がわにも、神しん域いきと別べつ殿でんとに沿そって部へ屋やがあった。11その前まえには道みちがあった。この部へ屋やの形かたちは北きた側がわの部へ屋やと同おなじであり、横よこ幅はばも奥おく行ゆきも同おなじであった。また出で口ぐちと、その配はい置ち、入いり口ぐちもみな同おなじ形かたちであった。12南みなみ側がわの部へ屋やの入いり口ぐちのうち、一つは道みちの角かどにあった。その道みちは丈じょう夫ぶな隔かく離り壁へきに面めんしており、東ひがしから入はいるようになっていた。

13彼かれはわたしに言いった。「神しん域いきに面めんした北きた側がわの部へ屋やと南みなみ側がわの部へ屋やは、いずれも神しん聖せいな部へ屋やである。この場ば所しょで、主しゅに近ちかづく祭さい司したちが最もっとも神しん聖せいなものを食たべる。またそこに、彼かれらは最もっとも神しん聖せいなものを置おく。それは穀こく物もつの献ささげ物もの、贖しょく罪ざいの献ささげ物もの、賠ばい償しょうの献ささげ物ものである。この場ば所しょが神しん聖せいだからである。14祭さい司したちが聖せい所じょに入はいったときは、聖せい所じょからそのまま外そと庭にわへ出でてはならない。務つとめの時ときに身みに着つけた衣い服ふくはそこに置おく。なぜなら、それは神しん聖せいだからである。彼かれらは別べつの衣い服ふくに着き替かえて、民たみのいる所ところに近ちかづかねばならない。」

15彼かれが神しん殿でん内ないの測そく量りょうを終おわると、東ひがしに面めんしている門もんからわたしを外そとへ連つれ出だし、そして、彼かれは周しゅう囲いを測はかった。16彼かれが東ひがし側がわを測はかり竿ざおで測はかると、長ながさはその測はかり竿ざおで五百アンマであった。17また、移い動どうして北きた側がわを測はかり竿ざおで測はかると、長ながさは測はかり竿ざおで五百アンマであった。次つぎに転てんじて、18南みなみ側がわを測はかり竿ざおで測はかると、長ながさはその測はかり竿ざおで五百アンマ。19彼かれが西にし側がわに転てんじて、測はかり竿ざおで測はかると、その長ながさはその測はかり竿ざおで五百アンマであった。

20彼かれは四方ほうを測はかったが、外そと壁かべは全ぜん体たいを囲かこんでおり、その長ながさは五百アンマ、幅はばも五百アンマであった。それは、聖せいなるものを俗ぞくなるものから区く別べつするためであった。

主しゅの顕けん現げん

43

1それから、彼かれはわたしを東ひがしの方ほうに向むいている門もんに導みちびいた。2見みよ、イスラエルの神かみの栄えい光こうが、東ひがしの方ほうから到とう来らいしつつあった。その音おとは大おお水みずのとどろきのようであり、大だい地ちはその栄えい光こうで輝かがやいた。3わたしが見みた幻まぼろしは、このような幻まぼろしであった。それは彼かれが町まちを滅ほろぼすために来きたとき、わたしが見みた幻まぼろしと同おなじであった。その幻まぼろしは、わたしがケバル川がわの河か畔はんで見みた幻まぼろしと同おなじであった。わたしはひれ伏ふした。4主しゅの栄えい光こうは、東ひがしの方ほうに向むいている門もんから神しん殿でんの中なかに入はいった。5霊れいはわたしを引ひき上あげ、内うち庭にわに導みちびいた。見みよ、主しゅの栄えい光こうが神しん殿でんを満みたしていた。6わたしは神しん殿でんの中なかから語かたりかける声こえを聞きいた。そのとき、かの人ひとがわたしの傍かたわらに立たっていた。

7彼かれはわたしに言いった。「人ひとの子こよ、ここはわたしの王おう座ざのあるべき場ば所しょ、わたしの足あしの裏うらを置おくべき場ば所しょである。わたしは、ここで、イスラエルの子こらの間あいだにとこしえに住すむ。二度どとイスラエルの家いえは、民たみも王おうたちも、淫いん行こうによって、あるいは王おうたちが死しぬとき、その死し体たいによって、わが聖せいなる名なを汚けがすことはない。8彼かれらがその敷しき居いをわたしの敷しき居いの脇わきに据すえ、彼かれらの門もん柱ちゅうをわたしの門もん柱ちゅうの傍かたわらに立たてたので、わたしと彼かれらとの間あいだは、壁かべ一つの隔へだたりとなった。彼かれらは忌いまわしいものを造つくって、わが聖せいなる名なを汚けがしたので、わたしは怒いかりをもって彼かれらを滅ほろぼした。9今いま、わたしのもとから、淫いん行こうと王おうたちの死し体たいを遠とおざけよ。そうすれば、わたしは彼かれらの間あいだにとこしえに住すむ。

10人ひとの子こよ、あなたはイスラエルの家いえにこの神しん殿でんを示しめしなさい。それは彼かれらが自じ分ぶんの罪つみを恥はじ、神しん殿でんのあるべき姿すがたを測はかるためである。11もし彼かれらが行おこなってきたすべてのことを恥はじたならば、神しん殿でんの計けい画かくと施し設せつと出で入いり口ぐち、そのすべての計けい画かくとすべての掟おきて、計けい画かくと律りっ法ぽうをすべて彼かれらに知しらせなさい。それを彼かれらの目めの前まえで書かき記しるし、そのすべての計けい画かくと掟おきてに従したがって施せ工こうさせなさい。12以い下かは山やまの頂いただきの神しん殿でんに関かんする律りっ法ぽうである。周しゅう囲いを区く切ぎられたこの領りょう域いきはすべて最もっとも神しん聖せいである。見みよ、これが神しん殿でんに関かんする律りっ法ぽうである。

13祭さい壇だんの大おおきさをアンマで示しめすと、次つぎのとおりである。ただし、これは普ふ通つうのアンマに一トファを加くわえたものである。祭さい壇だんの土ど台だいの周しゅう囲いの溝みぞは深ふかさ一アンマ、幅はば一アンマで、溝みぞの周しゅう囲いの縁ふち取どりの高たかさは一ゼレトである。祭さい壇だんの台だい座ざは、次つぎのようである。14地ち下かの溝みぞから下したの段だんまでの高たかさは二アンマ、その幅はばは一アンマで、中ちゅう段だんから上じょう段だんまでの高たかさは四アンマ、その幅はばは一アンマである。15祭さい壇だんの炉ろの高たかさは四アンマで、炉ろの四よ隅すみには四つの角つのが出でている。16この炉ろは長ながさ十二アンマ、幅はば十二アンマの正せい方ほう形けいである。17これを支ささえる中ちゅう段だんの四辺へんは長ながさ十四アンマ、幅はば十四アンマである。その周しゅう囲いの縁ふちは高たかさ二分ぶんの一アンマ、周まわりの溝みぞの幅はばは一アンマである。祭さい壇だんの階かい段だんは東ひがしに向むいている。」

18彼かれはわたしに言いった。「人ひとの子こよ、主しゅなる神かみはこう言いわれる。以い下かは焼やき尽つくす献ささげ物ものをささげ、血ちを注そそぐ祭さい壇だんを造つくる時ときの掟おきてである。19ツァドクの子し孫そんであるレビ人びとの祭さい司しだけが、わたしに仕つかえるためにわたしに近ちかづくことができる、と主しゅなる神かみは言いわれる。あなたは彼かれらに贖しょく罪ざいの献ささげ物ものである若わかい雄お牛うしを与あたえなさい。20あなたはその血ちを取とって、祭さい壇だんの四つの角つのと土ど台だいの四よ隅すみと周しゅう囲いの縁ふちに注そそぎ、それを清きよめ贖あがないなさい。21あなたは、贖しょく罪ざいの献ささげ物ものの雄お牛うしを取とって、それを聖せい所じょの外そとの神しん殿でんの定さだめられた場ば所しょで焼やきなさい。

22その翌よく日じつ、あなたは無む傷きずの雄お山や羊ぎを贖しょく罪ざいの献ささげ物ものとしてささげ、それによって、雄お牛うしで清きよめたように、祭さい壇だんを清きよめなさい。23あなたは、清きよめを完かん了りょうしたのち、無む傷きずの若わかい雄お牛うしと、群むれの中なかから選えらんだ無む傷きずの雄お羊ひつじをささげなさい。24あなたは、それらを主しゅの前まえにささげ、祭さい司したちはその上うえに塩しおをまき、焼やき尽つくす献ささげ物ものとして主しゅにささげる。25あなたは、七なの日かの間あいだ、毎まい日にち、贖しょく罪ざいの献ささげ物ものの雄お山や羊ぎをささげ、また若わかい雄お牛うしと群むれの中なかから選えらんだ無む傷きずの雄お羊ひつじを選えらんでささげなさい。26七なの日かの間あいだ、彼かれらは祭さい壇だんを贖あがない、清きよめて、奉ほう献けんしなければならない。

27これらの日ひが終おわると、八よう日か目め以い後ご、祭さい司したちはあなたたちの焼やき尽つくす献ささげ物ものと和わ解かいの献ささげ物ものを祭さい壇だんにささげる。そして、わたしはあなたたちを受うけ入いれる」と主しゅなる神かみは言いわれる。

44

1それから、彼かれはわたしを東ひがしに面めんした聖せい所じょの外そとの門もんの方ほうへ連つれ戻もどした。門もんは閉とじられていた。2主しゅはわたしに言いわれた。「この門もんは閉とじられたままにしておく。開ひらいてはならない。だれもここを通とおってはならない。イスラエルの神かみ、主しゅがここから入はいられたからである。それゆえ、閉とじられたままにしておく。3しかし君くん主しゅだけは、ここに君くん主しゅとして座すわり、主しゅの前まえで食しょく物もつを食たべてもよい。ただし門もんの廊ろうから入はいり、またそこから出でて行いかなければならない。」

祭さい司しの務つとめ

4それから、彼かれはわたしを北きたの門もんを通とおって神しん殿でんの前まえに連つれて行いった。わたしが見みると、主しゅの栄えい光こうが主しゅの神しん殿でんを満みたしていた。わたしはひれ伏ふした。5主しゅはわたしに言いわれた。「人ひとの子こよ、わたしがあなたに、主しゅの神しん殿でんに関かんして語かたるすべてのこと、そのすべての掟おきてとすべての律りっ法ぽうに心こころを留とめ、自じ分ぶんの目めで見み、自じ分ぶんの耳みみで聞ききなさい。特とくに、神しん殿でんに入はいってよい者ものと、聖せい所じょから排はい除じょすべき者ものすべてに注ちゅう意いしなさい。6それから、反はん逆ぎゃくする者ものであるイスラエルの家いえに向むかって言いいなさい。主しゅなる神かみはこう言いわれる。イスラエルの家いえよ、お前まえたちのすべての忌いまわしい行おこないは既すでに十じゅう分ぶんである。7お前まえたちは心こころに割かつ礼れいを受うけず、体からだにも割かつ礼れいを受うけていない外がい国こく人じんを、わたしの聖せい所じょの中なかに引ひき入いれてとどまらせ、彼かれらにわたしの食しょく物もつとして脂あぶら身みと血ちをささげさせ、わたしの神しん殿でんを汚けがし、すべての忌いまわしい行おこないによってわたしの契けい約やくを破やぶった。8お前まえたちはわたしの聖せい所じょの務つとめを守まもらず、お前まえたちの代かわりに外がい国こく人じんをわたしの聖せい所じょで務つとめを行おこなう者ものにした。9主しゅなる神かみはこう言いわれる。心こころに割かつ礼れいを受うけず、体からだにも割かつ礼れいを受うけていないすべての外がい国こく人じん、すなわちイスラエルの子こらの中なかに住すんでいるすべての外がい国こく人じんは、わたしの聖せい所じょに入はいってはならない。

10レビ人びとは、イスラエルが迷まよったとき、わたしから離はなれて偶ぐう像ぞうに従したがい迷まよったので、その罪つみを負おわねばならない。11彼かれらはわたしの聖せい所じょで奉ほう仕しするが、神しん殿でんのそれぞれの門もんに詰つめて神しん殿でんの雑ざつ務むを行おこなう。彼かれらは、民たみのために焼やき尽つくす献ささげ物ものと会かい食しょくの献ささげ物ものの動どう物ぶつを屠ほふり、民たみの前まえで彼かれらに仕つかえる。12彼かれらは民たみの偶ぐう像ぞう礼れい拝はいを助たすけ、イスラエルの家いえのつまずきとし、罪つみを犯おかさせたからである。

それゆえ、わたしは手てを上あげて誓ちかう、と主しゅなる神かみは言いわれる。彼かれらは自じ分ぶんの罪つみを負おわねばならない。13彼かれらは、祭さい司しとしてわたしに仕つかえるために近ちかづくことはできない。また、最もっとも神しん聖せいな、わたしの聖せいなるいかなるものにも触ふれることはできない。彼かれらは自じ分ぶんの犯おかした恥はずべきこと、忌いまわしいことの責せき任にんを負おわねばならない。14わたしは、彼かれらを神しん殿でんの雑ざつ務むを行おこなう者ものとし、神しん殿でんで行おこなわれるさまざまな仕し事ごとを与あたえる。

15イスラエルの子こらが迷まよって、わたしから離はなれたとき、わたしの聖せい所じょの務つとめを守まもったレビ人びとの祭さい司しであるツァドクの子し孫そんは、わたしに近ちかづき仕つかえることができる。彼かれらはわたしの前まえに立たって、脂し肪ぼうと血ちをささげねばならない、と主しゅなる神かみは言いわれる。16彼かれらはわたしの聖せい所じょに入はいることができる。彼かれらはわたしの聖せい卓たくに近ちかづいて、わたしに仕つかえ、務つとめを行おこなう。17彼かれらが内うち庭にわの門もんに入はいるときは、亜あ麻ま布ぬのの衣い服ふくを着きなければならない。内うち庭にわの門もんと神しん殿でんで仕つかえるときは、羊よう毛もうのものを身みに着つけてはならない。18頭あたまには亜あ麻ま布ぬののターバンをかぶり、腰こしには亜あ麻ま布ぬのの短みじかいズボンをはかねばならない。汗あせが出でるようなものを着きてはならない。19彼かれらが民たみのいる外そと庭にわに出でて行いくときは、務つとめを行おこなうときに着ちゃく用ようした衣い服ふくを脱ぬぎ、神しん聖せいな部へ屋やに置おき、別べつの衣い服ふくを着きなければならない。彼かれらがその衣い服ふくで民たみに神しん聖せいさを移うつすことがないためである。

20祭さい司しは頭あたまをそってはならない。また髪かみを伸のばしてはならない。頭とう髪はつはきちんと刈かり込こんでおかねばならない。21祭さい司しはだれでも、内うち庭にわに入はいるとき、ぶどう酒しゅを飲のんでいてはならない。22彼かれらは、寡か婦ふや離り婚こんされた女おんなを妻つまにめとってはならない。イスラエルの家いえの血ち筋すじを引ひく処しょ女じょをめとらねばならない。しかし、祭さい司しの妻つまで寡か婦ふになった者ものは、めとってもよい。

23彼かれらは、わたしの民たみに聖せいと俗ぞくの区く別べつを示しめし、また、汚けがれたものと清きよいものの区く別べつを教おしえねばならない。24争あらそいのあるときは、彼かれらが裁さばく者ものとして臨のぞみ、わたしの裁さばきによって裁さばかねばならない。彼かれらは、わたしが定さだめたすべての祝しゅく祭さい日じつに、わたしの律りっ法ぽうと掟おきてを守まもらねばならない。また、わたしの安あん息そく日びを聖せい別べつしなければならない。25祭さい司しは、死し人にんの出でた家いえに入はいって自じ分ぶんの身みを汚けがしてはならない。ただし父ちち、母はは、息むす子こ、娘むすめ、兄きょう弟だい、および未み婚こんの姉し妹まいの場ば合あいは、身みを汚けがしてもよい。26祭さい司しは、身みを清きよめたのち、七なの日か間かん、待またねばならない。27再ふたたび聖せい所じょで仕つかえるために、聖せい所じょの内うち庭にわに入はいる日ひには、贖しょく罪ざいの献ささげ物ものをささげねばならない、と主しゅなる神かみは言いわれる。

28彼かれらは嗣し業ぎょうを持もたない。わたしが彼かれらの嗣し業ぎょうである。あなたたちはイスラエルにおいて彼かれらに財ざい産さんを与あたえてはならない。わたしが彼かれらの財ざい産さんである。29彼かれらは穀こく物もつの献ささげ物もの、贖しょく罪ざいの献ささげ物もの、賠ばい償しょうの献ささげ物ものとしてささげられたものを食たべることができる。イスラエルにおいてささげられたものは、ことごとく彼かれらに与あたえられる。30あらゆる初はつ物ものの献ささげ物ものの中なかで最さい良りょうのものはすべて、また、あなたたちがささげるすべてのものの中なかで最さい良りょうの献ささげ物ものはすべて、祭さい司しのものとなる。あなたたちが初はつ物ものの麦むぎ粉こで作つくったものも祭さい司しに与あたえねばならない。あなたたちの家いえに祝しゅく福ふくをもたらすためである。31祭さい司しは、鳥とりでも獣けものでも、自し然ぜんに死しんだものにせよ、かみ殺ころされたものにせよ、すべて死しんでいたものを食たべてはならない。」

聖せい域いき

45

1「あなたたちが、国くにを嗣し業ぎょうとして割わり当あてるときは、土と地ちの一いち部ぶを聖せいなる献ささげ物ものとして主しゅにささげねばならない。その土と地ちは、長ながさ二万まん五千アンマ、幅はば二万まんアンマであり、この領りょう域いきは周しゅう囲い全ぜん体たいにわたって聖せいなるものとなる。

2このうち縦たて横よこ五百アンマの正せい方ほう形けいの区く域いきを聖せい所じょの境けい内だいとし、その周しゅう囲いに幅はば五十アンマの放ほう牧ぼく地ちを設もうけねばならない。3あなたは、この地ち域いきから長ながさ二万まん五千アンマ、幅はば一万まんアンマを測はかり、そこに最もっとも聖せいなる聖せい所じょを設もうけねばならない。4それは、この地ちの聖せいなる場ば所しょであって、神しん殿でんに仕つかえる祭さい司したちのものとなる。彼かれらは主しゅに仕つかえるために近ちかづくことができる。それは、彼かれらの家いえを建たてる場ば所しょであって、聖せい所じょの聖せい域いきでもある。5また、もう一つの長ながさ二万まん五千アンマ、幅はば一万まんアンマの地ち域いきは神しん殿でんに仕つかえるレビ人びとの所しょ有ゆうとなり、彼かれらの住すむ町まちとなる。

6あなたたちは、聖せいなる献ささげ物ものとしてささげた献けん納のう地ちに沿そって、幅はば五千アンマ、長ながさ二万まん五千アンマの区く域いきを都みやこの所しょ有ゆうにしなければならない。これは、イスラエルの家いえ全ぜん体たいのものである。7君くん主しゅの領りょう地ちは、聖せいなる献けん納のう地ちと都みやこの所しょ有ゆう地ちの両りょう側がわにあって、聖せいなる献けん納のう地ちと都みやこの所しょ有ゆう地ちに隣りん接せつし、西にし側がわは西にしの方ほうに、東ひがし側がわは東ひがしの方ほうに広ひろがっている。その長ながさは一つの部ぶ族ぞくの割わり当あて地ちの西にしの境さかいから東ひがしの境さかいに及およぶ長ながさに相そう当とうする。8これは、君くん主しゅがイスラエルにおいて所しょ有ゆうする土と地ちである。わたしが立たてた君くん主しゅたちは、もはやわが民たみを虐しいたげない。彼かれらはその他たの土と地ちをイスラエルの家いえとその部ぶ族ぞくにゆだねる。」

9主しゅなる神かみはこう言いわれる。

イスラエルの君くん主しゅたちよ、もう十じゅう分ぶんだ。

不ふ法ほうと強ごう奪だつをやめよ。

正せい義ぎと恵めぐみの業わざを行おこない

わが民たみを追おい立たてることをやめよと

主しゅなる神かみは言いわれる。

祭まつりと献ささげ物もの

10「あなたたちは、正せい確かくな天てん秤びん、正せい確かくなエファ升ます、正せい確かくなバト升ますを用もちいなさい。11そのエファ升ますとバト升ますは、同おなじ量りょうの入いれ物ものでなければならない。一バトは一ホメルの十分ぶんの一であり、一エファは一ホメルの十分ぶんの一である。その測そく定ていはホメルによる。12一シェケルは二十ゲラである。二十シェケル、二十五シェケル、十五シェケルの合ごう計けいが一マネである。

13あなたたちがささげるべき献ささげ物ものの割わり合あいは、次つぎのとおりである。小こ麦むぎについては、一ホメルにつき六分ぶんの一エファ。大おお麦むぎについては、一ホメルにつき六分ぶんの一エファ。14油あぶらについての掟おきては──油あぶらはバト升ますを用もちいる──一コルから十分ぶんの一バト。十バトは一ホメルであり、同どう様ように十バトは一コルである。15また、イスラエルの牧ぼく羊よう地ちから二百匹ぴきの群むれにつき羊ひつじ一匹ぴきである。これらのものを穀こく物もつの献ささげ物もの、焼やき尽つくす献ささげ物もの、和わ解かいの献ささげ物ものとしてささげ、彼かれらの贖あがないとせよ、と主しゅなる神かみは言いわれる。

16国くにのすべての民たみはこれらの献ささげ物ものをイスラエルの君くん主しゅにもたらさねばならない。17そして君くん主しゅは、焼やき尽つくす献ささげ物もの、穀こく物もつの献ささげ物もの、ぶどう酒しゅの献ささげ物ものを、巡じゅん礼れいの祭まつり、新しん月げつの祭まつり、安あん息そく日び、およびイスラエルの家いえに定さだめられたすべての祝しゅく日じつにささげねばならない。君くん主しゅは、イスラエルの家いえの贖あがないのために、贖しょく罪ざいの献ささげ物もの、穀こく物もつの献ささげ物もの、焼やき尽つくす献ささげ物もの、和わ解かいの献ささげ物ものをささげねばならない。」

18主しゅなる神かみはこう言いわれる。「一月がつ一つい日たちに、あなたは無む傷きずの雄お牛うしの子こ一頭とうを取とって、聖せい所じょを清きよめねばならない。19祭さい司しは贖しょく罪ざいのいけにえの血ちを取とって、それを神しん殿でんの門もん柱ちゅうと祭さい壇だんの台だいとなっている段だんの四よ隅すみと、内うち庭にわの門もん柱ちゅうに塗ぬらねばならない。20また、その月つきの七なの日かに、あなたは、誤あやまって罪つみを犯おかした者もの、また知しらないで罪つみを犯おかした者もののために、同おなじようにして神しん殿でんを清きよめねばならない。

21一月がつ十四日かに、あなたたちは、過すぎ越こし祭さいを七なの日かの間あいだ祝いわい、酵こう母ぼを入いれないパンを食たべねばならない。22君くん主しゅはこの日ひ、自じ分ぶん自じ身しんのため、また、国くにのすべての民たみのために、贖しょく罪ざいの献ささげ物ものの雄お牛うしをささげねばならない。23その祭まつりの七なの日かの間あいだ、焼やき尽つくす献ささげ物ものとして、無む傷きずの雄お牛うし七頭とうと雄お羊ひつじ七匹ひきを七なの日かの間あいだ毎まい日にち、主しゅにささげねばならない。また、贖しょく罪ざいの献ささげ物ものとして、雄お山や羊ぎを毎まい日にちささげねばならない。24更さらに、穀こく物もつの献ささげ物ものを雄お牛うし一頭とうについて一エファ、雄お羊ひつじ一匹ぴきについて一エファささげねばならない。一エファごとに油あぶら一ヒンを添そえなさい。25七月がつ十五日にちの祭まつりにも、同おなじように七なの日かの間あいだ、贖しょく罪ざいの献ささげ物もの、焼やき尽つくす献ささげ物もの、穀こく物もつの献ささげ物ものと油あぶらをささげねばならない。」

46

1主しゅなる神かみはこう言いわれる。「内うち庭にわの東ひがし向むきの門もんは、仕し事ごとをする六むい日かの間あいだ、閉とじておかねばならない。安あん息そく日びには門もんを開ひらく。また、新しん月げつの日ひにも門もんを開ひらかねばならない。2君くん主しゅは外そとから門もんの廊ろうを通とおって中なかに入はいり、祭さい司したちが焼やき尽つくす献ささげ物ものと和わ解かいの献ささげ物ものをささげている間あいだ、門もん柱ちゅうの傍かたわらに立たっていなければならない。そして、門もんの敷しき居いの所ところで礼れい拝はいした後のち、出でて行いく。門もんは夕ゆう方がたまで閉とじてはならない。3国くにの民たみは、安あん息そく日びと新しん月げつに、門もんの入いり口ぐちの所ところで主しゅに向むかって礼れい拝はいしなければならない。

4君くん主しゅが、安あん息そく日びに主しゅにささげる焼やき尽つくす献ささげ物ものは、無む傷きずの小こ羊ひつじ六匹ぴきと無む傷きずの雄お羊ひつじ一匹ぴきである。5また、穀こく物もつの献ささげ物ものは、雄お羊ひつじ一匹ぴきについて麦むぎ粉こ一エファ、小こ羊ひつじについては、彼かれが望のぞむだけの穀こく物もつの献ささげ物ものをささげる。また、麦むぎ粉こ一エファについて油あぶら一ヒンを添そえる。6新しん月げつの日ひにささげるものは、無む傷きずの雄お牛うしの子こ一頭とう、そして、小こ羊ひつじ六匹ぴき、雄お羊ひつじ一匹ぴきである。これらも無む傷きずでなければならない。7この雄お牛うし一頭とうについて一エファ、雄お羊ひつじ一匹ぴきについても一エファの穀こく物もつをささげねばならない。そして、小こ羊ひつじについては、そのときに可か能のうなだけの穀こく物もつをささげねばならない。麦むぎ粉こ一エファについては、油あぶら一ヒンを添そえる。

8君くん主しゅが入はいるときは、門もんの廊ろうを通とおって入はいり、また、そこを通とおって出でて行いかねばならない。9しかし国くにの民たみが、定さだめられた祝しゅく日じつに主しゅの前まえに入はいるときは、北きたの門もんを通とおって礼れい拝はいに来きた者ものは、南みなみの門もんを通とおって出でて行いき、南みなみの門もんを通とおって来きた者ものは、北きたの門もんを通とおって出でて行いかねばならない。入はいって来きた門もんを通とおって帰かえってはならない。真ま向むかいの門もんから出でて行いかねばならない。10君くん主しゅは彼かれらの間あいだにあって、彼かれらが入はいるときに入はいり、彼かれらが出でるときに出でて行いかねばならない。

11巡じゅん礼れいの祭まつりと定さだめられた祝しゅく日じつとに、穀こく物もつの献ささげ物ものは、雄お牛うし一頭とうについて麦むぎ粉こ一エファ、雄お羊ひつじ一匹ぴきについて麦むぎ粉こ一エファ、小こ羊ひつじについては、彼かれが望のぞむだけの穀こく物もつの献ささげ物ものをささげる。また、麦むぎ粉こ一エファについて、油あぶら一ヒンを添そえる。12また、君くん主しゅが、随ずい意いの献ささげ物ものをささげるとき、それが焼やき尽つくす献ささげ物ものであれ、和わ解かいの献ささげ物ものであれ、随ずい意いに主しゅにささげようとするときは、彼かれのために、東ひがしに面めんした門もんを開ひらかねばならない。そして、彼かれは安あん息そく日びに行おこなうように焼やき尽つくす献ささげ物もの、または和わ解かいの献ささげ物ものをささげることができる。彼かれはささげ終おわると出でて行いく。彼かれが出でて行いった後のち、門もんは閉とじられる。

13あなたは、朝あさごとに無む傷きずの一歳さいの小こ羊ひつじ一匹ぴきを、日ひごとの焼やき尽つくす献ささげ物ものとして、主しゅにささげねばならない。朝あさごとに、それをささげねばならない。14あなたは、朝あさごとにそれに添そえて穀こく物もつの献ささげ物ものをささげねばならない。すなわち、朝あさごとに上じょう等とうの小こ麦むぎ粉こ六分ぶんの一エファと、それに振ふりかける油あぶら三分ぶんの一ヒンである。これは、主しゅにささげる穀こく物もつの献ささげ物ものであり、変かわることのない永えい遠えんの掟おきてである。15朝あさごとに、小こ羊ひつじ一匹ぴきと穀こく物もつの献ささげ物ものと油あぶらをささげねばならない。これは、変かわることのない朝あさごとの焼やき尽つくす献ささげ物ものである。」

16主しゅなる神かみはこう言いわれる。「君くん主しゅが、その子このだれかに嗣し業ぎょうを贈ぞう与よするならば、それはその子この所しょ有ゆう地ちとなり、それは嗣し業ぎょうに含ふくまれる。17君くん主しゅが家か臣しんのだれかに嗣し業ぎょうの一いち部ぶを贈ぞう与よすれば、それは解かい放ほうの年としまで彼かれのものとなる。しかしその後のち、君くん主しゅに返かえさねばならない。君くん主しゅの嗣し業ぎょうを所しょ有ゆうできるのは、その子こらだけである。18君くん主しゅは民たみの嗣し業ぎょうを取とり上あげてはならない。彼かれらの所しょ有ゆう地ちを奪うばってはならない。自じ分ぶんの所しょ有ゆう地ちは自じ分ぶんの子こらに相そう続ぞくさせねばならない。それは、わが民たみの一ひと人りでも、その所しょ有ゆう地ちから追おい立たてられることがないためである。」

19彼かれはまた、門もんの傍かたわらにある入いり口ぐちから、北きたに面めんした祭さい司しの聖せいなる部へ屋やにわたしを連つれて行いった。そこには西にし向むきの隅すみに一つの場ば所しょがあった。20彼かれはわたしに言いった。「ここは、祭さい司したちが賠ばい償しょうの献ささげ物ものと贖しょく罪ざいの献ささげ物ものを煮に、穀こく物もつの献ささげ物ものを焼やくところである。これらのものを外そと庭にわに持もち出だして、神しん聖せいさを民たみに移うつすことがないためである。」21彼かれはわたしを外そと庭にわに連つれ出だして、庭にわの四よ隅すみを回まわらせた。庭にわのそれぞれの隅すみには、また庭にわがあった。22四よ隅すみの庭にわは、それぞれ囲かこまれた庭にわであり、長ながさ四十アンマ、幅はば三十アンマであった。四つの庭にわは同おなじ大おおきさで、四よ隅すみにあった。23四つとも、その周しゅう囲いは石いし壁かべで囲かこまれており、また、石いし垣がきを巡めぐらせた煮にる場ば所しょが設もうけられていた。24彼かれはわたしに言いった。「ここは、神しん殿でんに仕つかえる者ものたちが、民たみのささげるいけにえを煮にる場ば所しょである。」

命いのちの水みず

47

1彼かれはわたしを神しん殿でんの入いり口ぐちに連つれ戻もどした。すると見みよ、水みずが神しん殿でんの敷しき居いの下したから湧わき上あがって、東ひがしの方ほうへ流ながれていた。神しん殿でんの正しょう面めんは東ひがしに向むいていた。水みずは祭さい壇だんの南みなみ側がわから出でて神しん殿でんの南みなみ壁かべの下したを流ながれていた。2彼かれはわたしを北きたの門もんから外そとへ回まわらせ、東ひがしに向むかう外そとの門もんに導みちびいた。見みよ、水みずは南みなみ壁かべから流ながれていた。3その人ひとは、手てに測はかり縄なわを持もって東ひがしの方ほうに出でて行いき、一千アンマを測はかり、わたしに水みずの中なかを渡わたらせると、水みずはくるぶしまであった。4更さらに一千アンマを測はかって、わたしに水みずを渡わたらせると、水みずは膝ひざに達たっした。更さらに、一千アンマを測はかって、わたしに水みずを渡わたらせると、水みずは腰こしに達たっした。5更さらに彼かれが一千アンマを測はかると、もはや渡わたることのできない川かわになり、水みずは増ふえて、泳およがなければ渡わたることのできない川かわになった。6彼かれはわたしに、「人ひとの子こよ、見みましたか」と言いって、わたしを川かわ岸ぎしへ連つれ戻もどした。7わたしが戻もどって来くると、川かわ岸ぎしには、こちら側がわにもあちら側がわにも、非ひ常じょうに多おおくの木きが生はえていた。8彼かれはわたしに言いった。「これらの水みずは東ひがしの地ち域いきへ流ながれ、アラバに下くだり、海うみ、すなわち汚よごれた海うみに入はいって行いく。すると、その水みずはきれいになる。9川かわが流ながれて行いく所ところではどこでも、群むらがるすべての生いき物ものは生いき返かえり、魚うおも非ひ常じょうに多おおくなる。この水みずが流ながれる所ところでは、水みずがきれいになるからである。この川かわが流ながれる所ところでは、すべてのものが生いき返かえる。10漁りょう師したちは岸きし辺べに立たち、エン・ゲディからエン・エグライムに至いたるまで、網あみを広ひろげて干ほす所ところとする。そこの魚うおは、いろいろな種しゅ類るいに増ふえ、大おお海うみの魚うおのように非ひ常じょうに多おおくなる。11しかし、その沢さわと沼ぬまはきれいにならず、塩しおを取とることができる。12川かわのほとり、その岸きしには、こちら側がわにもあちら側がわにも、あらゆる果か樹じゅが大おおきくなり、葉はは枯かれず、果か実じつは絶たえることなく、月つきごとに実みをつける。水みずが聖せい所じょから流ながれ出でるからである。その果か実じつは食しょく用ようとなり、葉はは薬やく用ようとなる。」

嗣し業ぎょうの割わり当あて

13主しゅなる神かみはこう言いわれる。「あなたたちが、イスラエルの十二部ぶ族ぞくに土と地ちを嗣し業ぎょうとして割わり当あてるときの境きょう界かい線せんは、次つぎのとおりである。ヨセフの割わり当あて地ちは二倍ばいである。14あなたたちは、土と地ちを平びょう等どうに割わり当あてねばならない。この土と地ちは、わたしがあなたたちの先せん祖ぞに与あたえる、と手てを上あげて誓ちかったものである。この土と地ちは、あなたたちに嗣し業ぎょうとして割わり当あてられる。

15以い下かが土と地ちの境きょう界かい線せんである。北きたの端はしは大おお海うみからヘトロンの方ほうへ、レボ・ハマト、ツェダド、16ベロタ、シブライム──それはダマスコの国くに境ざかいとハマトの国くに境ざかいの間あいだにある──を経へて、ハウランの境きょう界かい線せんに臨のぞむハツァル・ティコンに及およぶ。17こうして、境きょう界かい線せんは海うみから始はじまり、ダマスコの国くに境ざかいの北きたにあるハツァル・エノンに至いたる。ハマトの国くに境ざかいは更さらに北きたにある。これが北きたの端はしである。

18東ひがしの端はしはハウランとダマスコの間あいだを通とおり、更さらにギレアドとイスラエルの土と地ちの間あいだ、つまりヨルダンを経へて東ひがしの海うみに接せっする地ち域いきからタマルに及およぶ。これが東ひがしの端はしである。

19南みなみの端はしは、南みなみの方ほうに向むかってタマルからカデシュのメリバの泉いずみに至いたり、大おお海うみに注そそぐ川かわに及およぶ。これが南なん方ぽう、南みなみの端はしである。

20西にしの端はしは大おお海うみで、レボ・ハマトに向むかい合あった地ち域いきに及およんでいる。これが西にしの端はしである。

21あなたたちは、この土と地ちを自じ分ぶんたちイスラエルの各かく部ぶ族ぞくに分わけねばならない。22この土と地ちを、あなたたち自じ身しんとあなたたちの間あいだに滞たい在ざいし、あなたたちの間あいだで子こをもうけるにいたった外がい国こく人じんに、くじで嗣し業ぎょうとして割わり当あてねばならない。彼かれらをイスラエルの子こらの中なかで同おなじ資し格かくのある者ものとして扱あつかわねばならない。あなたたちと共ともに彼かれらにも嗣し業ぎょうをくじでイスラエルの部ぶ族ぞくの間あいだに割わり当あてねばならない。23外がい国こく人じんには、その滞たい在ざいしている部ぶ族ぞくの中なかで嗣し業ぎょうを与あたえねばならない」と主しゅなる神かみは言いわれる。

48

1部ぶ族ぞくの名なは次つぎのとおりである。「北きたの限げん界かいは、ヘトロンの道みちからレボ・ハマトを経へてハツァル・エナンに至いたる。これがダマスコとの国くに境ざかいである。その北きた側がわにハマトがある。その東ひがしの端はしから海うみまでがダン族ぞくのものである。これが一部ぶ族ぞく。2ダン族ぞくの境きょう界かい線せんに沿そって、東ひがしの端はしから西にしの端はしまでがアシェル族ぞくのものである。これが一部ぶ族ぞく。3アシェル族ぞくの境きょう界かい線せんに沿そって、東ひがしの端はしから西にしの端はしまでがナフタリ族ぞくのものである。これが一部ぶ族ぞく。4ナフタリ族ぞくの境きょう界かい線せんに沿そって、東ひがしの端はしから西にしの端はしまでがマナセ族ぞくのものである。これが一部ぶ族ぞく。5マナセ族ぞくの境きょう界かい線せんに沿そって、東ひがしの端はしから西にしの端はしまでがエフライム族ぞくのものである。これが一部ぶ族ぞく。6エフライム族ぞくの境きょう界かい線せんに沿そって、東ひがしの端はしから西にしの端はしまでがルベン族ぞくのものである。これが一部ぶ族ぞく。7ルベン族ぞくの境きょう界かい線せんに沿そって、東ひがしの端はしから西にしの端はしまでがユダ族ぞくのものである。これが一部ぶ族ぞく。

8ユダ族ぞくの境きょう界かい線せんに沿そって、東ひがしの端はしから西にしの端はしまでは、あなたたちがささげる献けん納のう地ちにしなければならない。その幅はばは二万まん五千アンマで、長ながさは東ひがしの端はしから西にしの端はしに及およぶ各かく部ぶ族ぞくの割わり当あて地ちの長ながさと同おなじである。その中ちゅう央おうに聖せい所じょが置おかれる。9あなたたちが主しゅにささげる献けん納のう地ちは、長ながさ二万まん五千アンマ、幅はばは一万まんアンマである。10祭さい司しのものである聖せいなる献けん納のう地ちの広ひろさは、次つぎのとおりである。北きた側がわの長ながさは二万まん五千アンマ、西にし側がわの幅はばは一万まんアンマ、東ひがし側がわの幅はばは一万まんアンマ、南みなみ側がわの長ながさは二万まん五千アンマである。その中ちゅう央おうに主しゅの聖せい所じょが置おかれる。11この聖せい別べつされた土と地ちは祭さい司したち、つまりツァドクの子し孫そんである祭さい司しのものである。彼かれらはイスラエルの子こらが迷まよったとき、レビ人びとたちが迷まよったように迷まようことなく、わたしの務つとめを守まもった。12彼かれらの献けん納のう地ちは、国くにの献けん納のう地ちのなかで最もっとも神しん聖せいであり、レビ人びとの領りょう地ちに沿そっている。13レビ人びとのものは祭さい司しの領りょう地ちに沿そっており、長ながさ二万まん五千アンマ、幅はば一万まんアンマである。両りょう者しゃを合あわせた全ぜん体たいの長ながさは二万まん五千アンマ、幅はばは二万まんアンマである。14その一いち部ぶでも売ばい却きゃくしたり、交こう換かんしたりしてはならない。この最さい良りょうの土と地ちを譲ゆずり渡わたしてはならない。それは主しゅに属ぞくする聖せいなるものだからである。

15幅はば五千アンマ、長ながさ二万まん五千アンマの残のこりの土と地ちは一いっ般ぱん用ようであり、居きょ住じゅう地ちとして、また牧ぼく草そう地ちとして都みやこに属ぞくするものである。都みやこはその中ちゅう央おうに置おかれる。16都みやこの大おおきさは、次つぎのとおりである。北きた側がわは四千五百アンマ、南みなみ側がわも四千五百アンマ、東ひがし側がわも四千五百アンマ、西にし側がわも四千五百アンマである。17都みやこの牧ぼく草そう地ちは北きたへ二百五十アンマ、南みなみへ二百五十アンマ、東ひがしへ二百五十アンマ、西にしへ二百五十アンマである。18都みやこの両りょう側がわに残のこされた土と地ちは聖せいなる献けん納のう地ちに沿そい、長ながさは東ひがしへ一万まんアンマ、西にしへ一万まんアンマである。それは聖せいなる献けん納のう地ちに沿そっている。この土と地ちの産さん物ぶつは都みやこで働はたらく人ひと々びとの食しょく糧りょうになる。19都みやこで働はたらく人ひと々びとは、イスラエルの全ぜん部ぶ族ぞくから出でた人ひと々びとでありこの土と地ちを耕たがやす。20献けん納のう地ちは全ぜん体たいで二万まん五千アンマ四方ほうである。あなたたちは聖せいなる献けん納のう地ちを都みやこの所しょ有ゆう地ちと合あわせてささげねばならない。21聖せいなる献けん納のう地ちと都みやこの所しょ有ゆう地ちの両りょう側がわにある残のこりの土と地ちは、君くん主しゅのものである。それは献けん納のう地ちの二万まん五千アンマの長ながさに沿そっており、そこから東ひがしの境さかいまでである。西にしの方ほうも二万まん五千アンマの長ながさに沿そい、そこから西にしの境さかいまでである。それは部ぶ族ぞくの割わり当あて地ちに沿そっており、君くん主しゅのものである。その中ちゅう央おうには神しん殿でんの聖せい所じょのある聖せいなる献けん納のう地ちがある。22君くん主しゅの所しょ有ゆう地ちは、レビ族ぞくの所しょ有ゆう地ちと都みやこの所しょ有ゆう地ちの両りょう側がわにあって、ユダ族ぞくの境きょう界かい線せんとベニヤミン族ぞくの境きょう界かい線せんの間あいだにある。それは君くん主しゅのものである。

23また残のこりの部ぶ族ぞくについては、東ひがしの端はしから西にしの端はしまで、先まずベニヤミン族ぞくのものである。これが一部ぶ族ぞく。24次つぎに、ベニヤミン族ぞくの境きょう界かい線せんに沿そって、東ひがしの端はしから西にしの端はしまで、シメオン族ぞくのものである。これが一部ぶ族ぞく。25次つぎに、シメオン族ぞくの境きょう界かい線せんに沿そって、東ひがしの端はしから西にしの端はしまで、イサカル族ぞくのものである。これが一部ぶ族ぞく。26次つぎに、イサカル族ぞくの境きょう界かい線せんに沿そって、東ひがしの端はしから西にしの端はしまで、ゼブルン族ぞくのものである。これが一部ぶ族ぞく。27次つぎに、ゼブルン族ぞくの境きょう界かい線せんに沿そって、東ひがしの端はしから西にしの端はしまで、ガド族ぞくのものである。これが一部ぶ族ぞく。28ガド族ぞくの境きょう界かい線せんに沿そって、南みなみ側がわに南みなみの境きょう界かい線せんが延のびている。それはタマルからカデシュのメリバの泉いずみを経へて、大おお海うみに注そそぐ川かわに達たっする。29これが、あなたたちが嗣し業ぎょうとしてイスラエルの各かく部ぶ族ぞくに割わり当あてるべき土と地ちである。以い上じょうが彼かれらの割わり当あて地ちである」と主しゅなる神かみは言いわれる。

30都みやこの出で口ぐちは、次つぎのとおりである。北きた側がわは長ながさ四千五百アンマである。31都みやこの門もんはイスラエルの部ぶ族ぞくの名なにしたがって、北きたの方ほうに三つの門もんがある。ルベンの門もんが一つ、ユダの門もんが一つ、レビの門もんが一つである。32東ひがし側がわも長ながさ四千五百アンマである。そこに三つの門もんがある。ヨセフの門もんが一つ、ベニヤミンの門もんが一つ、ダンの門もんが一つである。33南みなみ側がわも長ながさ四千五百アンマである。そこに三つの門もんがある。シメオンの門もんが一つ、イサカルの門もんが一つ、ゼブルンの門もんが一つである。34西にし側がわも長ながさ四千五百アンマである。そこに三つの門もんがある。ガドの門もんが一つ、アシェルの門もんが一つ、ナフタリの門もんが一つである。35都みやこの周しゅう囲いは一万まん八千アンマである。この都みやこの名なは、その日ひから、「主しゅがそこにおられる」と呼よばれる。