聖書 新共同訳 旧約聖書

日本聖書協会

ダ ニ エ ル しょ

バビロンのきゅうていでのダニエル

1

1ユダのおうヨヤキムがそくして三ねんのことであった。バビロンのおうネブカドネツァルがめてて、エルサレムをほうした。2しゅは、ユダのおうヨヤキムと、エルサレムしん殿でんさいいちかれしゅちゅうとされた。ネブカドネツァルはそれらをシンアルにいてき、さいるいぶんかみがみほうもつぐらおさめた。

3さて、ネブカドネツァルおうじゅうちょうアシュペナズにめいじて、イスラエルじんおうぞくぞくなかから、4からだなんてんがなく、よう姿うつくしく、なにごとにもさいのうがあり、しきかいりょくみ、きゅうていつかえるのうりょくのあるしょうねんなんにんれてさせ、カルデアじんこともんじょまなばせた。5おうは、きゅうていにくるいさけまいにちかれらにあたえるようにさだめ、三ねんかんようせいしてからぶんつかえさせることにした。

6このしょうねんたちのなかに、ユダぞくしゅっしんのダニエル、ハナンヤ、ミシャエル、アザルヤの四にんがいた。7じゅうちょうかれらのまええて、ダニエルをベルテシャツァル、ハナンヤをシャドラク、ミシャエルをメシャク、アザルヤをアベド・ネゴとんだ。8ダニエルはきゅうていにくるいさけぶんけがすまいとけっしんし、ぶんけがすようなことはさせないでほしいとじゅうちょうねがた。9かみおんはからいによって、じゅうちょうはダニエルにこうしめし、しんせつにした。10じゅうちょうはダニエルにった。

「わたしはおうさまおそろしい。おうさましんがおまえたちのものものをおさだめになったのだから。おなとしごろのしょうねんくらべておまえたちのかおいろわるくなったら、おまえたちのためにわたしのくびあやうくなるではないか。」

11ダニエルは、じゅうちょうぶんたち四にんがかりさだめたひとった。

12「どうかわたしたちをとおかんためしてください。そのあいだべるものさいだけ、ものみずだけにさせてください。13そののち、わたしたちのかおいろと、きゅうていにくるいをいただいたしょうねんかおいろをよくおくらべになり、そのうえでおかんがえどおりにしてください。」

14がかりはこのねがいをれ、とおかんかれらをためした。15とおたってみると、かれらのかおいろけんこうきゅうていものけているどのしょうねんよりもかった。16それらいがかりかれらにきゅうされるにくるいさけのぞいて、さいだけあたえることにした。

17この四にんしょうねんは、しきさいのうかみからめぐまれ、もんじょについてもすべてすぐれていて、とくにダニエルはどのようなまぼろしゆめくことができた。18ネブカドネツァルおうさだめたねんすうがたつと、じゅうちょうしょうねんたちをおうまえれてった。19おうかれらとかたったが、このダニエル、ハナンヤ、ミシャエル、アザルヤとならものはほかにだれもいなかったので、この四にんおうのそばにつかえることになった。20おうかいりょくようすることがらがあればかれらにけんもとめたが、かれらはつねくにじゅうのどのうらなとうよりも十ばいすぐれていた。21ダニエルはキュロスおうがんねんまでつかえた。

きょだいぞうゆめ

2

1ネブカドネツァルおうそくして二ねんのことであった。おうなんゆめあんになり、ねむれなくなった。2おうめいれいして、うらなとう、まじないけんじゃし、ぶんゆめせつめいさせようとした。かれらがおうまえすすると、3おうった。

ゆめたのだが、そのゆめりたくてこころかない。」

4けんじゃたちはおうにアラムこたえた。

おうさまがとこしえまでもながらえられますように。どうぞしもべらにそのゆめをおはなしください。かいしゃくもうげます。」

5おうけんじゃたちにこたえた。

「いいか、わたしのめいれいぜったいだ。もしおまえたちがわたしのゆめて、そのかいしゃくをしてくれなければ、おまえたちのからだきにし、おまえたちのいえこわす。6しかし、もしわたしのゆめて、ただしくかいしゃくしてくれれば、ほうびとしておくものおおいなるめいさずけよう。だから、そのゆめて、かいしゃくしてみよ。」

7かれらはかえこたえた。

おうさま、どうぞそのゆめをおかせください。しもべらはそのかいしゃくをいたしましょう。」8おうった。

おもったとおりだ。わたしのめいれいかならじっこうされることをっているので、かんかせごうとしているのだ。9そのゆめはなしてかせることができなければ、おまえたちにくだされるはんけついまったとおりだ。だから、わたしのまえでうそをついたり、いいかげんなことをてたりして、わたしのかんがえがわるまでときかせごうとしているにちがいない。さあ、ゆめはなしてみよ。そうすれば、かいしゃくできるかどうかもかるだろう。」

10けんじゃたちはおうこたえた。

おうさまのおもとめにおうじることのできるものは、このじょうにはおりません。だいおうはいしゃなかのだれも、そのようなことをうらなとうけんじゃもとめたことはございません。11おうさまのおもとめになることはむずかしく、これにおうじることのできるのは、にんげんまいをともになさらぬかみがみだけでございましょう。」

12おうはげしくいかり、ふんがいし、バビロンのしゃみなごろしにするようめいれいした。13しゃしょけいするさだめがされたので、ひとびとはダニエルとそのどうりょうをもころそうとしてさがした。14バビロンのしゃころそうとじゅうちょうアルヨクにダニエルはりょぶかけんめいおうたいし、15このおうこうかんアルヨクにたずねた。

「どうしておうさまはこのようなきびしいめいれいされたのですか。」

アルヨクはダニエルにじょうせつめいした。16ダニエルはおうのもとにって、ねがった。

「しばらくのときをいただけますなら、かいしゃくいたします。」

17ダニエルはいえかえり、なかのハナンヤ、ミシャエル、アザルヤにじょうせつめいした。18そして、のバビロンのけんじゃともころされることのないよう、てんかみあわれみをねがい、そのゆめみつもとめていのった。19すると、よるまぼろしによってそのみつがダニエルにかされた。ダニエルはてんかみをたたえ、20こういのった。

かみをたたえよ、とこしえに。

ちからかみのもの。

21かみときうつし、せつ

おう退しりぞけ、おう

しゃを、しきしゃしきあたえられる。

22おくあらわ

やみにひそむものを

ひかりもとに宿やどる。

23わたしのかみよ、かんしゃさんをささげます。

ちからをわたしにさず

いまねがいをかなえ

おうのぞむことをらせてくださいました。」

24それから、ダニエルはバビロンのしゃみなごろしのめいけていたアルヨクのもとにって、こうった。

「バビロンのしゃころさないでください。わたしをおうさまのもとにれてってくだされば、おうさまかいしゃくもうげます。」

25そこで、アルヨクはおそるおそるダニエルをおうのもとにれてて、こうった。

「ユダのしゅうなかに、ひとおとこつかりました。おうさまかいしゃくもうげるとっております。」

26おうはベルテシャツァルのつダニエルにたずねた。

「わたしのゆめて、それをかいしゃくしてくれるとうのか。」

27ダニエルはおうこたえた。

おうさまがおもとめになっているみつせつめいは、しゃとううらなほしうらなにはできません。28だが、みつかすてんかみがおられ、このかみしょうらいなにごとこるのかをネブカドネツァルおうらせてくださったのです。おうさまゆめ、おねむりになっていてあたまかんだまぼろしもうげましょう。29やすみになってさきざきのことをおもいめぐらしておられたおうさまに、かみみつかし、しょうらいこるべきことをらせようとなさったのです。30そのみつがわたしにかされたのは、いのちあるものすべてにまさるがわたしにあるからではなく、ただおうさまにそのかいしゃくもうげ、おうさまこころにあるおもいをよくかいなさるようおたすけするためだったのです。

31おうさま、あなたは一つのぞうらんになりました。それはきょだいで、じょうかがやき、あなたのまえち、るもおそろしいものでした。32それはあたまじゅんきんむねうでぎんはらももせいどう33すねがてつあしいちてついちとうでできていました。34ておられると、一つのいしひとによらずにされ、そのぞうてつとうあしくだきました。35てつとうも、せいどうぎんきんともくだけ、なつこくのもみがらのようになり、かぜはらわれ、あとかたもなくなりました。そのぞうったいしおおきなやまとなり、ぜんひろがったのです。36これがおうさまらんになったゆめです。さて、そのかいしゃくをいたしましょう。

37おうさま、あなたはすべてのおうおうです。てんかみはあなたに、くにけんりょくこうさずけ、38にんげんけものそらとりも、どこにんでいようとみなあなたのにゆだね、このすべてをおさめさせられました。すなわち、あなたがそのきんあたまなのです。39あなたのあとにくにおこりますが、これはあなたにおとるもの。そのつぎおこだい三のくにせいどうで、ぜんはいします。40だい四のくにてつのようにつよい。てつはすべてをくだきますが、あらゆるものをかいするてつのように、このくにかいかさねます。41あしあしゆびいちとうこうもちいるとういちてつであるのをらんになりましたが、そのようにこのくにぶんれつしています。てつやわらかいとうじっているのをらんになったように、このくににはてつつよさもあります。42あしゆびいちてついちとうです。すなわち、このくににはつよぶんもあれば、もろいぶんもあるのです。43また、てつやわらかいとうじりっているのをらんになったように、ひとびとこんいんによってじりいます。しかし、てつとううことがないように、ひとつになることはありません。44このおうたちのだいに、てんかみは一つのくにおこされます。このくにえいえんほろびることなく、そのしゅけんたみわたることなく、すべてのくにほろぼし、えいえんつづきます。45やまからひとによらずされたいしが、てつせいどうとうぎんきんつのをらんになりましたが、それによって、だいかみつづこることをおうさまにおらせになったのです。このゆめたしかであり、かいしゃくもまちがいございません。」

46これをいたネブカドネツァルはひれしてダニエルをはいし、ささものこうかれそなえさせた。47おうはダニエルにった。

「あなたがこのみつかすことができたからには、あなたたちのかみはまことにかみがみかみ、すべてのおうしゅみつかすかたにちがいない。」

48おうはダニエルをたかくらいにつけ、おおくのすばらしいおくものあたえ、バビロンぜんしゅうおさめさせ、バビロンのしゃすべてのうえちょうかんとしててた。49ダニエルはおうねがって、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴをバビロンしゅうぎょうせいかんにんめいしてもらった。ダニエルしんおうきゅうにとどまった。

さかまれた三にん

3

1ネブカドネツァルおうは一つのきんぞうつくった。たかさは六十アンマ、はばは六アンマで、これをバビロンしゅうのドラというへいてた。2ネブカドネツァルおうひとつかわして、そうとくしっせいかんほうちょうかんさんかんざいかんほうかんあんかん、そのしょしゅうこうかんたちをあつめ、ぶんてたぞうじょまくしきさんれつさせることにした。3そうとくしっせいかんほうちょうかんさんかんざいかんほうかんあんかん、そのしょしゅうこうかんたちはそのおうてたぞうじょまくしきあつまり、ぞうまえならんだ。4でんれいちからめてさけんだ。

しょこくしょぞくしょげんひとびとよ、あなたたちにげる。5つのぶえよこぶえろくげんきんたてごとじゅうさんげんきんふうきんなどあらゆるがっによるおんがくこえたなら、ネブカドネツァルおうてられたきんぞうまえにひれしておがめ。6ひれしておがまないものは、ただちにさかまれる。」

7それで、つのぶえよこぶえろくげんきんたてごとじゅうさんげんきんおんがくこえてくると、しょこくしょぞくしょげんひとびとみなひれし、ネブカドネツァルおうてたきんぞうおがんだ。

8さてこのとき、なんにんかのカルデアじんがユダヤじんちゅうしょうしようとすすて、9ネブカドネツァルおうにこうった。

おうさまがとこしえまでもながらえられますように。10めいれいによりますと、つのぶえよこぶえろくげんきんたてごとじゅうさんげんきんふうきんなどあらゆるがっおんがくこえたなら、だれでもきんぞうにひれしておがめ、ということでした。11そうしなければ、さかまれるはずです。12バビロンしゅうには、そのぎょうせいをおまかせになっているユダヤじんシャドラク、メシャク、アベド・ネゴの三にんがおりますが、このひとびとめいれいして、おうさまかみつかえず、おてになったきんぞうおがもうとしません。」

13これをいたネブカドネツァルおういかりにえ、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴをれてるようめいじ、この三にんおうまえされた。14おうかれらにった。

「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴ、おまえたちがわたしのかみつかえず、わたしのてたきんぞうおがまないというのはほんとうか。15いまつのぶえよこぶえろくげんきんたてごとじゅうさんげんきんふうきんなどあらゆるがっおんがくこえるとどうにひれし、わたしのてたきんぞうおがむつもりでいるなら、それでよい。もしもおがまないなら、ただちにさかませる。おまえたちをわたしのからすくかみがあろうか。」

16シャドラク、メシャク、アベド・ネゴはネブカドネツァルおうこたえた。

「このおさだめにつきまして、おこたえするひつようはございません。17わたしたちのおつかえするかみは、そのさかおうさまからわたしたちをすくうことができますし、かならすくってくださいます。18そうでなくとも、しょうください。わたしたちはおうさまかみがみつかえることも、おてになったきんぞうおがむことも、けっしていたしません。」

19ネブカドネツァルおうはシャドラク、メシャク、アベド・ネゴにたいしてけっそうえていかり、をいつもの七ばいあつやすようにめいじた。20そしてへいなかでもとくつよものめいじて、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴをしばげ、さかませた。21かれらはうわしたぼう、そのふくけたまましばられ、さかまれた。22おうめいれいきびしく、はげしくがっていたので、ほのおはシャドラク、メシャク、アベド・ネゴをいてったおとこたちをさえころした。23シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの三にんしばられたままさかなかんでった。

24もなくおうおどろきのいろせ、きゅうがり、そっきんたちにたずねた。

「あの三にんおとこは、しばったままんだはずではなかったか。」

かれらはこたえた。

おうさま、そのとおりでございます。」

25おうった。

「だが、わたしには四にんものなかゆうあるいているのがえる。そしてなんがいけていない。それに四にんものかみのような姿すがたをしている。」

26ネブカドネツァルおうさかくちちかづいてびかけた。

「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴ、いとたかかみつかえるひとびとよ、なさい。」すると、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴはなかからた。27そうとくしっせいかんほうちょうかんおうそっきんたちはあつまって三にん調しらべたが、はそのからだそこなわず、かみげてはおらず、うわもとのままでのにおいすらなかった。28ネブカドネツァルおうった。

「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴのかみをたたえよ。かれらはおうめいれいそむき、からだせいにしてもぶんかみたのみ、ぶんかみがいにはいかなるかみにもつかえず、おがもうともしなかったので、このしもべたちを、かみ使つかいをおくってすくわれた。29わたしはめいれいする。いかなるくにみんぞくげんぞくするものも、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴのかみをののしるものがあれば、そのからだきにされ、そのいえかいされる。まことににんげんをこのようにすくうことのできるかみはほかにはない。」30こうしておうは、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴをバビロンしゅうたかくらいにつけた。

おおきなゆめ

31ネブカドネツァルおうは、ぜんかいしょこくしょぞくしょげんじゅうみんに、いっそうのはんえいねがって、あいさつおくる。

32さて、わたしはいとたかかみがわたしになさったしるしとわざらせる。

33このかみのしるしは、いかにだいであり

わざは、いかにちからあることか。

そのくにえいえんくにであり、はいおよぶ。

4

1わたしネブカドネツァルは、けんこうめぐまれ、おうきゅうこころやすらかにごしていた。2、わたしはゆめた。ねむりのなかおそろしいこうけいあらわれ、わたしはあたまかんだまぼろしなやまされた。3わたしはめいれいくだしてバビロンのしゃぜんいんしょうしゅうし、ゆめかいしゃくをさせようとした。4うらなとうけんじゃほしうらならがたので、わたしはゆめはなしをしたが、だれひとりかいしゃくができなかった。5さいにダニエルがた。これはわたしのかみにちなんでベルテシャツァルというあたえたもので、かれにはせいなるかみれい宿やどっていた。わたしはかれゆめはなしをして、こうった。

6うらなちょうベルテシャツァルよ、おまえにはせいなるかみれい宿やどっていて、どんなみつでもかせるといている。わたしのゆめはこうだ。かいしゃくをしてほしい。7ねむっていると、このようなまぼろしあたまかんだのだ。

だいなかに、一ぽんえていた。

おおきなであった。

8そのせいちょうしてたくましくなり

てんとどくほどのたかさになり

てからもえるまでになった。

9うつくしくしげり、ゆたかにみのって

すべてをやしなうにるほどであった。

そのかげけもの宿やど

そのえだそらとりつく

ものはみな、このによってものた。

10さらに、ねむっていると、あたまかんだまぼろしなかで、せいなるりのてん使てんからくだってるのがえた。11てん使おおごえばわって、こうった。

『このたおし、えだはら

らし、とせ。

そのかげからけものを、そのえだからとりはらえ。

12ただし、かぶちゅうのこ

てつせいどうくさりをかけて、くさなかけ。

てんつゆにぬれるにまかせ

けものともくさらわせよ。

13そのこころわって、ひとこころうしな

けものこころあたえられる。

こうして、七つのときぎるであろう。

14このせんこくりのてん使らのけっていにより

このめいれいせいなるものらのけつによるものである。

すなわち、にんげんおうこくはいするのは、いとたかかみであり、このかみむねのままにそれをだれにでもあたえ、また、もっといやしいひとをそのうえてることもできるということを、にんげんらせるためである。』

15これが、わたしネブカドネツァルおうゆめだ。さて、ベルテシャツァル、そのかいしゃくかせてほしい。このおうこくじゅうしゃはだれひとりかせなかったのだが、せいなるかみれい宿やどっているというおまえならできるであろう。」

16しかし、ベルテシャツァルとばれるダニエルはおどろいたようで、しばらくのあいだおもなやんでいた。おうかれに、「ベルテシャツァル、このゆめとそのかいしゃくおそれずにうがよい」とった。かれこたえた。

おうさま、このゆめがあなたのてきに、そのかいしゃくがあなたをにくものにふりかかりますように。17らんになったその、すなわち、せいちょうしてたくましくなり、てんとどくほどのたかさになり、てからもえ、18うつくしくしげり、ゆたかにみのってすべてをやしなうにり、そのかげけもの宿やどり、そのえだそらとりつくる、19そのはあなたしんです。あなたはせいちょうしてたくましくなり、あなたのりょくおおきくなっててんにもとどくほどになり、あなたのはいてにまでおよんでいます。20また、おうさませいなるりのてん使てんからくだってるのをらんになりました。てん使はこういました。このたおしてほろぼせ。ただし、かぶちゅうのこし、これにてつせいどうくさりをかけてくさなかけ。てんつゆにぬれるにまかせ、けものともくさらわせ、七つのときごさせよ、と。21さて、おうさま、それをかいしゃくいたしましょう。これはいとたかかみめいれいで、わたしのしゅくんおうさまこることです。22あなたはにんげんしゃかいからついほうされてけものともみ、うしのようにくさべ、てんつゆにぬれ、こうして七つのときごすでしょう。そうして、あなたはついに、いとたかかみこそがにんげんおうこくはいし、そのむねのままにそれをだれにでもあたえられるのだということをさとるでしょう。23そのかぶのこすようにめいじられているので、てんこそまことのはいしゃであるとさとれば、おうこくはあなたにかえされます。24おうさま、どうぞわたしのちゅうこくをおけになり、つみいてほどこしをおこない、あくあらためてまずしいひとめぐみをおあたえになってください。そうすれば、つづはんえいされるでしょう。」

25このことはすべて、ネブカドネツァルおううえこった。26十二かげつぎたころのことである。おうはバビロンのおうきゅうおくじょうさんしながら、27こうった。「なんとバビロンはだいではないか。これこそ、このわたしがみやことしてて、わたしのけんりょくだいさ、わたしのこうとうとさをしめすものだ。」28まだわらぬうちに、てんからこえひびいた。「ネブカドネツァルおうよ、おまえげる。おうこくはおまえはなれた。29まえにんげんしゃかいからついほうされて、けものともみ、うしのようにくさらい、七つのときごすのだ。そうしておまえはついに、いとたかかみこそがにんげんおうこくはいするもので、かみむねのままにそれをだれにでもあたえるのだということをさとるであろう。」30このことただちにネブカドネツァルのこった。かれにんげんしゃかいからついほうされ、うしのようにくさらい、そのからだてんつゆにぬれ、そのわしはねのように、つめはとりのつめのようにびた。

31そのときぎて、わたしネブカドネツァルはげててんあおぐと、せいもどってた。わたしはいとたかかみをたたえ、えいえんきるおかたをほめたたえた。

そのはいえいえんつづ

そのくにおよぶ。

32すべてものひとしい。

てんぐんぜいをもものをもむねのままにされる。

そのさえて

なにをするのかというるものはだれもいない。

33わると、せいがわたしにもどった。えいこうかがやきはふたたびわたしにあたえられて、おうこくこうとなった。ぞくそっきんもわたしのもとにもどってた。こうしてわたしはおうこくふっし、わたしのこうくわわった。34それゆえ、わたしネブカドネツァルはてんおうをほめたたえ、あがめ、さんする。そのわざはまこと、そのみちただしく、おごものたおされる。

かべゆびまぼろし

5

1ベルシャツァルおうは千にんぞくまねいてだいえんかいひらき、みんなでさけんでいた。2うたげすすんだころ、ベルシャツァルは、そのちちネブカドネツァルがエルサレムのしん殿でんからうばってきんぎんさいってるようにめいじた。おうぞくこうきゅうおんなたちがそれでさけもうというのである。3そこで、エルサレムのしん殿でんからうばってきんぎんさいはこまれ、おうぞくこうきゅうおんなたちがそれでさけはじめた。4こうしてさけみながら、かれらはきんぎんせいどうてついしなどでつくったかみがみをほめたたえた。

5そのときひとゆびあらわれて、ともしらされているおうきゅうしろかべはじめた。おうすすむそのさきた。6おうきょうにかられてかおいろわり、こしけ、ひざふるえた。7おうおおごえをあげ、とうけんじゃほしうらななどをれてさせ、これらバビロンのしゃにこうった。「このみ、かいしゃくをしてくれるものには、むらさきころもせ、きんくさりくびにかけて、おうこくおさめるもののうちのだい三のくらいあたえよう。」8きゅうていしゃたちはみなあつまってたが、だれもそのむことができず、かいしゃくもできなかった。9ベルシャツァルおうはいよいよきょうにかられてかおいろわり、ぞくみなほうれた。

10おうぞくはなしているのをいたおうは、えんかいじょうてこうった。「おうさまがとこしえまでもながらえられますように。そんなにしんぱいしたりかおいろえたりなさらないでくださいませ。11くにには、せいなるかみれい宿やどしているひとひとおります。ちちおうさまに、そのひとはすばらしいさいのうかみがみのようなしめしたものでございます。おちちうえのネブカドネツァルおうさまは、このひとうらなとうけんじゃほしうらななどのちょうにしておられました。12このひとにはとくべつれいちからがあって、しきさいのうみ、ゆめかいしゃくなぞき、なんもんせつめいなどがよくできるのでございます。ダニエルというもので、ちちおうさまはベルテシャツァルとんでいらっしゃいました。このダニエルをおしになれば、そのかいしゃくをしてくれることでございましょう。」

13そこで、ダニエルがおうまえされた。おうかれった。「ちちおうがユダかららえかえったユダヤじんしゅうひと、ダニエルというのはおまえか。14くところによると、おまえかみがみれい宿やどしていて、すばらしいさいのうとくべつっているそうだ。15けんじゃとうれてさせてこのませ、かいしゃくさせようとしたのだが、かれらにはそれができなかった。16まえはいろいろとかいしゃくをしたりなんもんいたりするちからつといた。もしこのみ、そのせつめいしてくれたなら、おまえむらさきころもせ、きんくさりくびにかけて、おうこくおさめるもののうちだい三のくらいあたえよう。」

17ダニエルはおうこたえた。「おくものなどようでございます。ほうしゅうはだれかものにおあたえください。しかし、おうさまのためにそのみ、かいしゃくをいたしましょう。18おうさま、いとたかかみは、あなたのちちネブカドネツァルおうおうこくけんせいこうをおあたえになりました。19そのけんせいて、しょこくしょぞくしょげんひとびとはすべて、おそれおののいたのです。ちちおうさまおもうままにころし、おもうままにかし、おもうままにえいあたえ、おもうままにぼつらくさせました。20しかし、ちちおうさまごうまんになり、かたくなそんだいにふるまったので、おうわれ、えいこううばわれました。21ちちおうさまにんげんしゃかいからついほうされ、こころけもののようになり、せいのろばとともみ、うしのようにくさらい、てんからつゆにそのをぬらし、ついにさとったのは、いとたかかみこそがにんげんおうこくはいし、そのむねのままにおうてられるのだということでした。22さて、ベルシャツァルおうよ、あなたはそのおうで、これらのことをよくごぞんじでありながら、なお、へりくだろうとはなさらなかった。23てんしゅさからって、そのしん殿でんさいさせ、あなたしんも、ぞくも、こうきゅうおんなたちもみな、それでみながら、きんぎんせいどうてついしつくったかみがみることもくこともできず、なにらないそのかみがみを、ほめたたえておられます。だが、あなたのいのちこうどういっさいしゅちゅうにぎっておられるかみおそうやまおうとはなさらない。24そのためにかみは、あのつかわしてかせたのです。25さて、かれたはこうです。メネ、メネ、テケル、そして、パルシン。26はこうです。メネはかぞえるということで、すなわち、かみはあなたのせいかぞえて、それをわらせられたのです。27テケルはりょうはかることで、すなわち、あなたははかりにかけられ、そくられました。28パルシンはけるということで、すなわち、あなたのおうこくは二ぶんされて、メディアとペルシアにあたえられるのです。」

29これをいたベルシャツァルは、ダニエルにむらさきころもせ、きんくさりをそのくびにかけるようにめいじ、おうこくおさめるもののうちだい三のくらいかれあたえるというこくした。30そのおなよる、カルデアじんおうベルシャツァルはころされた。

どうくつまれたダニエル

6

1さて、おうこくいだのは、メディアじんダレイオスであった。かれすでに六十二さいであった。2ダレイオスは、おうこくに百二十にんそうとくいてぜんこくおさめさせることにし、3また、おうそんしつがないようにするため、これらのそうとくからほうこくけるだいじんを三にん、そのうえいた。ダニエルはそのひとりであった。4ダニエルにはすぐれたれい宿やどっていたので、だいじんそうとくのすべてにけっしゅつしていた。おうかれおうこくぜんたいおさめさせようとした。5だいじんそうとくは、せいかんしてダニエルをおとしいれようとこうじつさがした。しかし、ダニエルはせいちゅうじつで、なんてんたいまんもなく、かれらはうったこうじつつけることができなかった。6それでかれらは、「ダニエルをおとしいれるには、そのしんじているかみほうかんしてなんらかのいがかりをつけるほかはあるまい」とはない、7おうのもとにあつまってこうった。「ダレイオスおうさまがとこしえまでもながらえられますように。8おうこくだいじんしっせいかんそうとくほうちょうかんそっきんいちどうそうだんいたしまして、おうさまつぎのような、ちょくれいによるきんこうをおさだめいただこうということになりました。すなわち、こう三十にちかんおうさまいてにんげんかみねがごとをするものは、だれであれどうくつまれる、と。9おうさま、どうぞこのきんれいし、そのしょめんしょめいください。そうすれば、これはメディアとペルシアのほうりつとしてへんこうのうなものとなり、はいすることはできなくなります。」10ダレイオスおうは、そのしょめんしょめいしてきんれいはっした。11ダニエルはおうきんれいしょめいしたことをっていたが、いえかえるといつものとおり二かいがり、エルサレムにかってひらかれたまどぎわにひざまずき、に三いのりとさんぶんかみにささげた。12やくにんたちはやってて、ダニエルがそのかみいのもとめているのをとどけ、13おうまえすすきんれいいにしてこうった。「おうさまこう三十にちかんおうさまいてにんげんかみねがごとをするものがあれば、どうくつまれるというちょくれいしょめいをなさったのではございませんか。」おうこたえた。「そのとおりだ。メディアとペルシアのほうりつはいされることはない。」14かれらはおうった。「おうさま、ユダヤからのしゅうひとダニエルは、あなたさまをも、しょめいなさったそのきんれいをもして、に三いのりをささげています。」15おうはこれをいてたいそうなやみ、なんとかダニエルをたすけるほうほうはないものかとこころくだき、すくおうとしてれるまでりょくした。16やくにんたちはおうのもとにった。「おうさま、ごぞんじのとおり、メディアとペルシアのほうりつによれば、おうによるちょくれいきんれいいっさいへんこうしてはならないことになっております。」17それでおうめいれいくだし、ダニエルはどうくつまれることになってされた。おうかれった。「おまえがいつもおがんでいるかみがおまえすくってくださるように。」18一つのいしどうくつぐちかれ、おうぶんいんぞくたちのいんふうをし、ダニエルにたいするしょへんこうがないようにした。

19おうきゅう殿でんかえったが、そのしょくち、そばちからせず、ねむれずにごし、20けるやいなや、いそいでどうくつった。21どうくつちかづくと、おうあんちたこえをあげて、ダニエルにびかけた。「ダニエル、ダニエル、けるかみしもべよ、おまえがいつもおがんでいるかみは、からおまえすくちからがあったか。」22ダニエルはおうこたえた。「おうさまがとこしえまでもながらえられますように。23かみさまてん使おくってくちざしてくださいましたので、わたしはなんのがいけませんでした。かみさまたいするわたしのじつみとめられたのです。そしておうさま、あなたさまにたいしても、そむいたことはございません。」24おうはたいそうよろこんで、ダニエルをどうくつからすようにめいじた。ダニエルはされたが、そのなんがいけていなかった。かみしんらいしていたからである。25おうめいれいくだして、ダニエルをおとしいれようとしたものたちをさせ、さいもろともどうくつませた。あなそこにもたっしないうちに、かれらにびかかり、ほねまでもかみくだいた。

26ダレイオスおうは、ぜんしょこくしょぞくしょげんひとびとに、つぎのようにおくった。「いっそうのはんえいねがってあいさつおくる。27わたしはのとおりにさだめる。このおうこくぜんいきにおいて、すべてのたみはダニエルのかみおそれかしこまなければならない。

このかみけるかみにいまし

そのしゅけんほろびることなく、そのはいえいえん

28このかみすくぬしたすぬし

てんにもにも、わざおこな

ダニエルをちからからすくわれた。」

29こうしてダニエルは、ダレイオスとペルシアのキュロスのせいとおしてかつやくした。

とうけものまぼろし

7

1バビロンのおうベルシャツァルのせいがんねんのことである。ダニエルは、ねむっているときあたままぼろしかび、一つのゆめた。かれはそのゆめろくすることにし、つぎのようにこした。

2ある、わたしはまぼろした。よ、てんの四ほうからかぜこって、おおうみなみたせた。3すると、そのうみから四とうおおきなけものあらわれた。それぞれかたちことなり、4だい一のものはのようであったが、わしつばさえていた。ていると、つばさかれ、めんからがらされてにんげんのようにそのあしち、にんげんこころあたえられた。5だい二のけものくまのようで、よこざまにて、三ぼんろっこつくちにくわえていた。これにかって、「て、おおくのにくらえ」というこえがした。6つぎえたのはまたべつけもので、ひょうのようであった。にはとりつばさが四つあり、あたまも四つあって、けんりょくがこのけものあたえられた。7このよるまぼろしさらつづけてたものは、だい四のけもので、ものすごく、おそろしく、じょうつよく、きょだいてつち、らい、かみくだき、のこりをあしみにじった。けものことなって、これには十ぽんつのがあった。8そのつのながめていると、もう一ぽんちいさなつのえてきて、さきつののうち三ぼんはそのためにかれてしまった。このちいさなつのにはにんげんのようにがあり、また、くちもあってそんだいなことをかたっていた。9なおていると、

おうえられ

いたるもの」がそこにした。

そのころもゆきのようにしろ

そのはくはつきよらかなひつじのようであった。

そのおうえるほのお

そのしゃりんえる

10そのまえからかわながていた。

いくせんにんまえつか

いくまんにんまえった。

さばぬしせき

まきものひろげられた。

11さて、そのあいだにもこのつのそんだいなことをかたつづけていたが、ついにそのけものころされ、たいかいされてさかまれた。12けものけんりょくうばわれたが、それぞれのさだめのときまでかしておかれた。13よるまぼろしをなおていると、

よ、「ひと」のようなものてんくも

いたるもの」のまえて、そのもとにすす

14けんこうおうけんけた。

しょこくしょぞくしょげんたみみなかれつか

かれはいはとこしえにつづ

そのとうほろびることがない。

15わたしダニエルはおおいにうれい、あたまかんだこのまぼろしなやまされた。16そこにっているひとひとちかづいてこれらのことのたずねると、かれはそれをせつめいし、かいしゃくしてくれた。17「これら四とうおおきなけものは、じょうころうとする四にんおうである。18しかし、いとたかものせいじゃらがおうけんけ、おうこくをとこしえにおさめるであろう。」19さらにわたしは、だい四のけものについてりたいとおもった。これはけものことなって、じょうおそろしく、てつせいどうのつめをもち、らい、かみくだき、のこりをあしみにじったものである。20そのあたまには十ぽんつのがあり、さらに一ぽんつのたので、十ぽんつののうち三ぼんちた。そのつのにはがあり、また、くちもあってそんだいなことをかたった。これは、つのよりもおおきくえた。21ていると、このつのせいじゃらとたたかってったが、22やがて、「いたるもの」がすすさばきをおこない、いとたかものせいじゃらがち、ときおうけんけたのである。

23さて、そのひとはこうった。

だい四のけものじょうおこだい四のくに

これはすべてのくにことなり

ぜんらいくし、みにじり、くだく。

24十のつのはこのくにつ十にんおう

そのあとにもうひとおうつ。

かれは十にんおうことなり、三にんおうたおす。

25かれはいとたかかたてきたいしてかた

いとたかかたせいじゃらをなやます。

かれときほうえようとたくらむ。

せいじゃらはかれわたされ

、二はんがたつ。

26やがてさばきのひらかれ

かれはそのけんうばわれ

ほろぼされ、やされてわる。

27てんぜんおうこくおうけんけんはいちから

いとたかかたせいなるたみあたえられ

そのくにはとこしえにつづ

はいしゃはすべて、かれらにつかえ、かれらにしたがう。」

28ここでそのことわった。わたしダニエルはたいそうおそなやみ、かおいろわるほどであった。しかし、わたしはそのことこころめた。

ひつじまぼろし

8

1わたしダニエルはさきにもまぼろしたが、そののちベルシャツァルおうせいだいねんに、またまぼろした。2そのまぼろしなかにあって、るとわたしはエラムしゅうみやこスサにおり、ウライがわのほとりにいるようであった。3げてながめると、よ、一とうひつじかわぎしっていた。二ほんつのえていたがともながく、一ぽんの一ぽんよりさらながくて、うしろのほうえていた。4ていると、このひつじ西にしきたみなみかってとっしんし、これにかなうけものは一とうもなく、そのちからからすくすものもなく、ひつじはほしいままに、また、こうまんにふるまい、たかぶった。

5これについてかんがえていると、よ、西にしから一とうぜんうえぶようないきおいですすんでた。そのひたいにはきわった一ぽんつのえていた。6このさきかわぎしっている二ほんつののあるひつじかって、はげしいいきおいでとっしんした。7みるみるうちにひつじちかづき、いかりにえてこれをたおし、その二ほんつのったが、ひつじにはていこうするちからがなかった。はこれをち、みにじった。そのちからからひつじすくすものはなかった。8じょうそんだいになったが、ちからきわみでつのれ、そのわりに四ほんきわったつのえててんの四ほうかった。9そのうちの一ぽんからもう一ぽんちいさなつのて、じょうきょうだいになり、みなみへ、ひがしへ、さらにあの「うるわしの」へとちからばした。10これはてんばんぐんおよぶまでちからばし、そのばんぐん、つまりほしのうちのいくつかをとし、みにじった。11そのうえてんばんぐんちょうにまでちからばし、ごとのそなものはいし、そのせいじょたおした。12また、てんばんぐんそなものともたおしてつみをはびこらせ、しんになげうち、おもうままにふるまった。13わたしはひとせいなるものかたるのをいた。またもうひとせいなるものがそのかたっているものった。「このまぼろし、すなわち、ごとのそなものはいされ、つみこうはいをもたらし、せいじょばんぐんとがみにじられるというこのまぼろしごとは、いつまでつづくのか。」14かれつづけた。「れ、けること二千三百かいおよんで、せいじょはあるべきじょうたいもどる。」

15わたしダニエルは、このまぼろしながら、りたいとねがっていた。そのときよ、わたしにかってゆうのような姿すがたあらわれた。16すると、ウライがわからひとこえがしてこうった。「ガブリエル、まぼろしをこのひとせつめいせよ。」17かれがわたしのっているところちかづいてたので、わたしはおそれてひれした。かれはわたしにった。「ひとよ、このまぼろしわりのときかんするものだということをさとりなさい。」18かれがこうはなしているあいだに、わたしはうしなってたおれたが、かれはわたしをらえてがらせ、19こうった。「よ、このいかりのときわりになにこるかをおまえしめそう。さだめられたときにはわりがある。20まえた二ほんつののあるひつじはメディアとペルシアのおうである。21また、あのぶかはギリシアのおうである。そのひたいおおきなつのだい一のおうだ。22そのつのれてわりに四ほんつのえたが、それはこのくにから、それほどのちからたない四つのくにつということである。

23四つのくにわりに、そのざいあくきわみとして

こうまんこうかつひとおうこる。

24りきによらずにきょうだいになり

おどろくべきかいおこない、ほしいままにふるまい

ちからあるものせいなるたみほろぼす。

25さいにたけ

そのにかかればどんなわるだくみもせいこう

おごたかぶり、へいぜんとしておおくのひとほろぼす。

ついにもっとおおいなるきみてきたい

ひとによらずにほろぼされる。

26このよるあさまぼろしについて

わたしのうことはしんじつだ。

しかし、おまえたことをみつにしておきなさい。

まだそのとおい。」

27わたしダニエルはつかてて、なんにちびょうになっていた。そののちきてきゅうていつとめにもどった。しかし、このまぼろしにぼうぜんとなり、かいできずにいた。

さだめの七十しゅう

9

1ダレイオスのせいだいねんのことである。ダレイオスはメディアしゅっしんで、クセルクセスのであり、カルデアじんくにおさめていた。2さて、わたしダニエルはもんじょんでいて、エルサレムのこうはいときわるまでには、しゅげんしゃエレミヤにげられたように七十ねんというねんすうのあることをさとった。3わたしはしゅなるかみあおいでだんじきし、あらぬのをまとい、はいをかぶっていのりをささげ、たんがんした。4わたしはしゅなるかみいのり、つみこくはくしてこうった。

しゅよ、おそるべきだいかみよ、しゅあいしそのいましめにしたがものにはけいやくまもっていつくしみをほどこされるかみよ、5わたしたちはつみおかあくぎょうかさね、そむさからって、あなたのいましめとさばきからはなりました。6あなたのしもべであるげんしゃたちが、によってわたしたちのおうどうしゃ、そしてたみのすべてにかたったのに、それにしたがいませんでした。7しゅよ、あなたはただしくいます。わたしたちユダのもの、エルサレムのじゅうみん、すなわち、あなたにそむいたつみのためにぜんかいらされて、とおくにまたちかくにむイスラエルのたみすべてが、こんにちのようにはじこうむっているのはとうぜんなのです。8しゅよ、はじこうむるのはわたしたちであり、そのおうどうしゃなのです。あなたにたいしてつみおかしたのですから。9あわれみとゆるしはしゅであるかみのもの。わたしたちはかみそむきました。10あなたのしもべであるげんしゃたちをとおしてあたえられた、りっぽうしたがってあゆむようにというしゅなるかみこえしたがいませんでした。11イスラエルはすべて、あなたのりっぽうし、こえみみかたむけませんでした。ですから、かみしもべモーセのりっぽうしるされているちかいののろいが、わたしたちのうえにふりかかってきたのです。あなたにたいしてつみおかしたからにほかなりません。12わたしたちにも、わたしたちをおさめたどうしゃにもげられていたしゅことじょうじゅし、おそろしいさいなんおそいました。エルサレムにくだされたこのさいなんほどおそろしいものは、いまだてんこったことはありませんでした。13モーセのりっぽうしるされているこのおそろしいさいなんは、まぎれもなくわたしたちをおそいました。それでもなお、わたしたちはつみはなれてしゅなるかみいかりをなだめることをせず、またあなたのまことにめることもできませんでした。14しゅはそのあくっておられ、それをわたしたちのうえくだされました。わたしたちのしゅなるかみのなさることはすべてただしく、それにたいして、わたしたちはこえしたがいませんでした。15わたしたちのかみであるしゅよ、つよをもってたみをエジプトからみちびし、こんにちいためいせいられたかみよ、わたしたちはつみおかし、さからいました。16しゅよ、つねわらぬめぐみのわざをもってあなたのみやこせいなるやまエルサレムからあなたのいかりといきどおりをひるがえしてください。わたしたちのつみあくぎょうのために、エルサレムもあなたのたみも、きんりんたみすべてからあざけられています。17わたしたちのかみよ、しもべいのりとたんがんみみかたむけて、こうはいしたせいじょしゅしんのためにかおひかりかがやかしてください。18かみよ、みみかたむけていてください。ひらいて、わたしたちのこうはいと、をもってばれるみやここうはいとをらんください。わたしたちがただしいからではなく、あなたのふかあわれみのゆえに、してたんがんいのりをささげます。19しゅよ、いてください。しゅよ、おゆるしください。しゅよ、みみかたむけて、おはからいください。わたしのかみよ、しんのために、すくいをおくらせないでください。あなたのみやこ、あなたのたみは、をもってばれているのですから。」

20こうしてなおうったえ、いのり、わたししんとわたしのたみイスラエルのつみこくはくし、わたしのかみせいなるやまについて、しゅなるわたしのかみたんがんつづけた。21こうしてうったいのっていると、さきまぼろしもの、すなわちガブリエルがんでちかづき、わたしにれた。それはゆうべのささもののころのことであった。22かれは、わたしにかいさせようとしてこうった。「ダニエルよ、おまえめさせるためにた。23まえなげいのはじめたときことされたので、それをげにた。おまえあいされているものなのだ。このことさとり、このまぼろしかいせよ。

24まえたみせいなるみやこたいして

七十しゅうさだめられている。

それがぎるとさからいはわり

つみふうじられ、つぐなわれる。

とこしえのせいとうらい

まぼろしげんふうじられ

もっとせいなるものあぶらそそがれる。

25これをり、めよ。

エルサレムふっこうさいけんについての

ことされてから

あぶらそそがれたきみとうらいまで

しゅうあり、また、六十二しゅうあって

のうちにひろほりさいけんされる。

26その六十二しゅうのあとあぶらそそがれたもの

とうたれ

みやこせいじょ

つぎどうしゃたみによってらされる。

そのわりにはこうずいがあり

わりまでたたかいがつづ

こうはいけられない。

27かれは一しゅうあいだおおくのものどうめいかた

はんしゅうでいけにえとささものはいする。

にくむべきもののつばさうえこうはいをもたらすものがす。そしてついに、さだめられためつこうはいうえそそがれる。」

わりのときについてのまぼろし

10

1ペルシアのおうキュロスのせいだいねんのことである。ベルテシャツァルとばれるダニエルに一つのことけいされた。このことしんじつであり、かいするのはじょうこんなんであったが、まぼろしのうちに、ダニエルにせつめいあたえられた。

2そのころわたしダニエルは、三しゅうかんにわたるなげきのいのりをしていた。3その三しゅうかんは、いっさいしょくとおざけ、にくさけくちにせず、からだにはこうらなかった。4がつ二十四のこと、チグリスというたいきしにわたしはいた。5げてながめると、よ、ひとひとあさころもじゅんきんおびこしめてっていた。6からだほうせきのようで、かおいなずまのよう、たいまつほのおのようで、うであしみがかれたせいどうのよう、はなこえだいぐんしゅうこえのようであった。7このまぼろしたのはわたしダニエルひとりであって、ともにいたひとびとなになかったのだが、つよきょうおそわれてし、かくれてしまった。8わたしはひとりのこってそのそうだいまぼろしながめていたが、ちからけていき、姿すがたわりててちのめされ、りょくうしなってしまった。9そのひとはなこえこえてきたが、わたしはきながらしきうしない、たおれた。10とつぜん、一つのがわたしにれてこしたので、わたしはひざをついた。11かれはこうった。「あいされているものダニエルよ、わたしがおまえかたろうとすることをよくかいせよ、そして、がれ。わたしはこうしておまえのところにつかわされてたのだ。」こうはなしかけられて、わたしはふるえながらがった。12かれこといだ。「ダニエルよ、おそれることはない。かみまえこころくしてぎょうし、しんろうとしはじめたそのさいしょから、おまえことれられており、おまえことのためにわたしはた。13ペルシアおうこくてん使ちょうが二十一にちかんわたしにていこうしたが、だいてん使ちょうのひとりミカエルがたすけにてくれたので、わたしはペルシアのおうたちのところにいるひつようがなくなった。14それで、おまえたみしょうらいこるであろうことをらせるためにたのだ。このまぼろしはそのときかんするものだ。」15こうわれてわたしはかおせ、ことうしなった。16するとよ、ひとのような姿すがたものがわたしのくちびるれたので、わたしはくちひらき、まえつその姿すがたはなしかけた。「しゅよ、このまぼろしのためにわたしはたいそうくるしみ、ちからうしないました。17どうしてしゅしもべであるわたしのようなものが、しゅのようなおかたはなすことなどできましょうか。ちからはうせ、いきまらんばかりです。」18ひとのようなその姿すがたは、ふたたびわたしにれてちからづけてくれた。19かれった。「おそれることはない。あいされているものよ。へいもどし、しっかりしなさい。」こうわれて、わたしはちからもどし、こうこたえた。「しゅよ、おはなしください。わたしはちからてきました。」20かれった。「なぜおまえのところにたか、かったであろう。いま、わたしはペルシアのてん使ちょうたたかうためにかえる。わたしがるとすぐギリシアのてん使ちょうあらわれるであろう。21しかし、しんしょしるされていることをおまえおしえよう。おまえたちのてん使ちょうミカエルのほかに、これらにたいしてわたしをたすけるものはないのだ。111かれはわたしをささえ、ちからづけてくれる。

2さて、おまえしんげよう。よ、ペルシアになお三にんおうつ。つぎに、だい四のおうはだれにもまさってさかえ、とみちからをもってすべてのものどういんし、ギリシアおうこくちょうせんする。3そこに、ゆうそうおうこり、おおいにはいし、ほしいままにこうどうする。4そのはいかくりつするやいなや、このおうこくくだかれて、てんの四ほうこうぶんかつされる。かれそんはこれをがず、だれもかれのようなはいりょくものはない。このおうこくこそぎにされ、そんがいはいしゃたちにする。5このうち、みなみおうとなったものつよくなるが、しょうぐんひとおうをしのぐけんりょくり、おおいにはいする。6なんねんのち、二こくぼくし、みなみおうむすめきたおうとつぎ、りょうこくゆうこうはかる。だが、かのじょじゅうぶんず、そのそんちからたない。やがて、かのじょも、ともものも、かのじょらも、そのしゃらもうらられる。7だが、かのじょじっから一つのはいき、きたおうじょうさいってこれをやぶり、しょうる。8かれせんひんとして、ものしんぞうきんぎんざいほうをエジプトにはこる。そののちなんねんか、きたおうたいしてさない。9きたおうみなみおうこくかってくが、ぶんくにげる。10そのらはふるってしんぐんし、こうずいのようないっしんいっ退たいのちてきじょうさいせる。11みなみおうげきしてしゅつじんし、きたおうたたかう。きたおうたいぐんあつめてかうが、かれらはてきおちいる。12このたいぐんらえてみなみおうおおいにたかぶり、いくまんにんものへいころすが、けっていてきつことはできない。13きたおうふたたぜんかいにまさるたいぐんあつめ、すうねんのちきょうりょくぐんたいぐんととのえてしんぐんする。14そのときには、おおくのものみなみおうたいしてがる。おまえたみなかからも、ぼうりょくたよものらがまぼろしじょうじゅさせようとしてがるが、しっぱいする。15きたおうしんぐんし、ほうるいきずき、とりでまもられたまちせんりょうする。みなみおうはこれにていこうするちからたず、えりきのぐんぜいかうことができない。16てきのままにこうどうし、たいこうするものはない。あの『うるわしの』にかれはいかくりつし、いっさいをそのおさめる。17かれみなみおうこくぜんたいはいしようとのぞみ、ぼくはかり、むすめあたえ、それによってこのくにほろぼそうとするが、むすめちからつづかず、やくたない。18つぎに、かれしまじまけ、そのおおくをせんりょうするが、あるぐんじんかれあくぎょうにとどめをし、そのあくぎょうむくいる。19きたおうこくじょうさいかえるが、そこでしっついし、たおれてえうせる。20かれわってものは、おうこくえいこうのためにと、ぜいものじゅんかいさせる。しかし、いくにちもたたないうちに、いかりにもたたかいにもわずにほろる。

21わってものいやしむべきもので、おうとしてのめいあたえられず、へいおんあらわれ、かんげんもちいておうけんる。22こうずいのようなせいりょくかれによってながされ、やぶられ、けいやくきみやぶられる。23このおうは、わずかのふくしんともあっけいもちいておおくのものどうめいむすび、せいりょくし、きょうだいになってく。24へいおんかれもっとゆたかなほうしんりゃくし、せんのだれもしたことのないようなことをおこない、せんひんざいほうぶんぱいする。また、しょほうとりでたいしてけいりゃくるが、それは一のことである。25やがてかれちからゆうふるこし、みなみおうたいしてたいぐんととのえる。みなみおうじょうきょうだいぐんぜいをもってこれとたたかうが、けいりゃくにかかり、つことができない。26すなわち、みなみおうろくものしんかれやぶる。そのぐんぜいながされ、おおくのものきずつきたおれる。27これらふたおうは、たがいにあくいだきながら一つのしょくたくかこみ、きょげんかたう。しかし、なにごとせいこうしない。まだわりのときではないからである。28きたおうばくだいとみかくとくしてこくげる。せいなるけいやくさからうおもいをいだいて、ほしいままにふるまい、こくかえる。29ときて、かれふたたみなみるが、これはさいしょでもさいでもない。30キティムのせんたいめるので、かれちからうしなう。かれふたたせいなるけいやくたいし、いかりをやしてこうどうし、またせいなるけいやくはなれるものがあることにづく。31かれぐんたいけんして、とりですなわちせいじょけがし、ごとのそなものはいし、にくむべきこうはいをもたらすものをてる。32けいやくさからうものかんげんによってきょうさせるが、ぶんかみたみかっとしてこうどうする。33たみめたひとびとおおくのものみちびくが、あるかんつるぎにかかり、けいしょされ、らわれ、りゃくだつされてたおされる。34こうしてたおれるこのひとびとたすけるものすくなく、おおくのものかれらにくみするが、じつせいじつである。35これらのどうしゃなんにんかがたおされるのは、わりのときそなえてきよめられ、じゅんぱくにされるためである。まだときていない。36あのおうはほしいままにふるまい、いよいよおごたかぶって、どのようなかみよりもぶんたかものかんがえる。すべてのかみにまさるかみかっておそるべきことをくちにし、いかりのときわるまでさかつづける。さだめられたことはじつげんされねばならないからである。37せんかみがみし、おんなたちのしたかみをも、そしてのどのようなかみをもとうとばず、ぶんなにものにもまさってだいであるとおもう。38わりに、せんらなかったかみ、すなわちとりでかみをあがめ、きんぎんほうせきほうもつでこれをかざてる。39きょうとりでかずかずこくかみたよってめ、ったものにはえいあたえておおくのものはいさせ、ほうあたえる。

40わりのときいたって、みなみおうかれたたかいをいどむ。それにたいしてきたおうは、せんしゃへいだいせんたいをもって、あらしのようにせ、かっこくり、こうずいのようにつうしてく。41あの『うるわしの』もこうしてしんりゃくされ、おおくのものたおれる。アンモンのえらばれたもの、エドム、モアブはそのまぬかれる。42かれくにからくにへとばし、エジプトもそのまぬかれえない。43エジプトのかくされたたからきんぎんほうもつはすべてかれはいするところとなり、リビアとクシュはかれすすむところにしたがう。44いで、ひがしきたからのらせにけんかんじ、おおくのものほろぼしやそうと、おおいにげっこうしてしんぐんする。45うみとあの『うるわしの』のせいなるやまとのあいだてんまくって、おう宿しゅくえいとする。しかし、ついにかれわりのときるが、たすけるものはない。

12

1そのときだいてん使ちょうミカエルがつ。

かれはおまえたみらをしゅする。

そのときまで、なんつづ

くにはじまってらい、かつてなかったほどのなんが。

しかし、そのときにはすくわれるであろう

まえたみ、あのしょしるされたひとびとは。

2おおくのものちりなかねむりからめる。

あるものえいえんせいめいはい

あるものえいきゅうつづはじぞうまととなる。

3めたひとびとおおぞらひかりのようにかがや

おおくのものすくいとなったひとびと

とこしえにほしかがやく。

4ダニエルよ、わりのときるまで、おまえはこれらのことをめ、このしょふうじておきなさい。おおくのものどうようするであろう。そして、しきす。」

5わたしダニエルは、なおながつづけていると、よ、さらふたひとが、かわりょうがんひとずつっているのがえた。6そのひとが、かわながれのうえつ、あのあさころもひとかって、「これらのおどろくべきことはいつまでつづくのでしょうか」とたずねた。7すると、かわながれのうえつ、あのあさころもひとが、ゆうてんべ、えいえんきるおかたによってこうちかうのがこえた。「一、二、そしてはんたって、せいなるたみちからまったくだかれると、これらのことはすべてじょうじゅする。」8こういてもわたしにはかいできなかったので、たずねた。「しゅよ、これらのことのわりはどうなるのでしょうか。」9かれこたえた。「ダニエルよ、もうきなさい。わりのときまでこれらのことめられ、ふうじられている。10おおくのものきよめられ、しろくされ、られる。さからうものはなおさからう。さからうものはだれもさとらないが、めたひとびとさとる。11ごとのそなものはいされ、にくむべきこうはいをもたらすものがてられてから、千二百九十にちさだめられている。12のぞんで千三百三十五にちいたものは、まことにさいわいである。13わりまでおまえみちき、いこいにはいりなさい。ときわりにあたり、おまえさだめられているうんめいしたがって、おまえがるであろう。」

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